(コメントで指摘されたので最初に結論の形で追記します)基本的に現状の日本社会では死刑賛成派で、必要悪だと考えています。
https://www.yaserucola.com/entry/shot_dead こちらを読むと大体同じことを砕けた口調でかいてあります(私の記事ではありません。引用先に感謝します)
===追記終わり
・被害者への癒やしについて
長生きすると、知人や内面をよく知っている人が死んでしまう場面に遭遇することが増えます。
それは大雨などの災害であったり、老いと闘病に敗れた結果であったり、不意の犯罪であったりします。
親しい人、心を寄せている人が失われた場合は、悲しみと怒りは癒えないし、それが犯罪という、強者の弱者への悪意に基づいたものであった場合はとても納得いかないものです。
・更生について
そもそも本人が更生しない、できない場合が多いようです。
(裁判の前に医者から責任能力がないとされるような人が結構いる)
意志がない人間に、形だけの謝罪なんてやらせたって遺族の気が済むわけがない。
そもそも、もう二度と会いたくないのに郵便が届くだけで不愉快。
・更生以外の方法で償わせることができるか
フィクションであればうまい償いが存在するケースが多いのですが、
今の世の中ではうまい償いなど存在し得ません。
国外追放すれば追放先でまたやってしまうかもしれないので犯罪者の受入国は存在しない。犯罪輸出国といわれたら日本の恥です。
無期懲役で閉じ込めておけば国の税金でメシを食っておきながらいつか恩赦などでのうのうとでてきてしまう。
洗脳や強制労働、無人島島流しは手間暇がかかるわりに利益が少なく、しかも結局新たな犯罪を発生させることにしかならない。
どれも「まともな世間」との距離をつくることに失敗してしまいます。
被害者遺族への償いは国がかわって行うよりほかありません。
・厳罰の必要性について
罰はまだ犯罪を犯していない人のためです。
人は適切な教育がなければ、または教育があっても心身が壊れてしまったら、だれでも罪を犯し得ます。
自分自身を律するためにも人は殺さない、やったら社会によりやりかえされるという事例、わかりやすい規範が必要です。
さらに、まだ犯罪を犯していない(と自分で思っている)人たちにとっては重い罪を犯した人は異物なので、世間から隔離することを望まれます。
あなたの家の裏の家の男性は殺人者ですといわれ、その犯罪の詳細を知ってしまったらだれでも恐怖を覚え、ひっこしたくなります。インターネットが発達した世の中では、一度かかわりが出来てしまえば物理的な距離をおけば安全というわけではないのが怖いところです。
犯罪者、悪意、そして罪、そのどれを隔離することも完全には不可能です。
完全な隔離手段がない以上、最終手段である生命の停止という方法で完全隔離していたわけです。
逆に、逮捕されただけでまだ容疑者(犯人とされたわけではない)なのに初段階の隔離が始まってしまう誤認逮捕は大きな問題とされています。しかし悪と善はそのようにしなければ見分けることができないのでしかたありません。
・将来も厳罰が必要か
今は医療が発達しました。人を刺してもうまく治療ができれば、昭和ではほぼ死刑だったものが傷害罪で済むケースも増えるでしょう。平成の次の世代では冬眠させて生き返らせることができるかもしれません。
また、たとえば運転致死傷の罪はAI運転補助などでかなり回避できそうです。
またアメリカなどでは重い犯罪を犯して更生プログラムを受けて出所した人には発信チップを埋め込み、所在がいつでも警察にわかるようにします。
この本は政治家が選挙法違反で刑務所に入ったら、世間でとてもやっていけないような人ばかりが刑務所に入っていたという体験を書いた本です。もし「人格を薬などで善にかえる」ことが倫理に照らして許されるとされた上で、病院やリハビリ施設のほうが刑務所より増えたら、死刑は減るでしょう。
さらにインターネットやAIなどにより個人を完璧に管理したり犯罪のチャンスから隔離することができれば、死刑も刑務所も必要がなくなるのかもしれません。
・まとめ
日本という国家は東北大震災で原発管理能力がないことを露呈しました。犯罪者もうまく使えれば資源になり得るのですが、それを完全かつ完璧に管理する体力がなければ、セシウムとおなじように世間から完全隔離をするしかないです(民意です)。死刑は今のところ最も安価で効率的で完全な隔離手段です。火力発電所でクーラーを働かせて生き延びている日本では、おそらく死刑もなくなりません。
そうして、とりあえずは安全神話を守り、カルト宗教犯罪者や放射線汚染物質を輸出しない国であることを諸外国も無言の前提として日本に望んでいます。もし外国の人が日本国で死刑を無くせといってきたら、じゃあ犯罪者を輸出していいですかと尋ね返しますし、日本は原発をなくせといわれたら、じゃあ火力発電でCO2はじゃんじゃん排出します、といいます。
だれが難しい問題の責任をとるかという問題です。それはわたしたちの作る国という団体でしかあり得ません。
将来はもっとよい方法が生まれるかもしれません。ただ、基本的には犯罪者は「法を犯した時点での法律で裁かれる」のであり、法律がさかのぼる(犯した後に変更された基準で裁きなおされる)ことは普通はありません。(法の不遡及)
以上です。
それに対して、質問者様からの考察が何もないというのは、物足りない感じがしました。