これはなんのためでしょう。
地球の裏側の日本にまで、運んでくるから必要なんでしょうか。
(フランスワイン、イタリアワイン、
フランスやイタリアの店に並んでいるものは、
やはり酸化防止剤が添加されているんでしょうか)
なにが酸化するというのでしょうか。アルコールでしょうか。
アルコールは酸化しやすいから、それを防止する必要があるのでしょうか。
スコットランドのモルトウイスキーやアメリカのバーボンウイスキー、
また、テキーラ、ウオッカに、酸化防止剤の添加はあまり聞かないです。
ドイツ製やベルギー製、イギリス製のビールでも、聞かないです。
ぶどうの果汁が酸化しやすいのでしょうか。
まず、「入っている」と「表示されている」の区別が必要です。
日本にワインを輸入する時は、食品添加物(酸化防止剤など)を表示する義務があります。
また、現地のラベルの上から日本語のラベルを張っているボトルを見たことがあるかと思います。なので日本向けだけ別の方法で生産しているとは考えにくいかと思います。(添加物の使用量規制などで輸入できないのはあると思いますが…)
Jetro - アルコール飲料の輸入手続き:日本 (抜粋)
III. 販売時の規制
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表示方法届出書記載内容
食品添加物(酸化防止剤、合成保存料等の名称)
あとは、この記事でも。
ワインの酸化防止剤って、何なの?
お酒に関して何かと優秀な国税庁の資料も。
国税庁 - 酒類製造における亜硫酸の適正使用について(PDF)
かなり詳しい説明が載っています。
7ページあたりで、蒸留酒の内、果実酒ベースのもの(ブランデーなど)でなぜ酸化防止剤を使わないかについて言及しています。(大雑把な表現をすると、ブランデーなどでは、亜硫酸を添加すると、製造方法上、酵母の影響でアセトアルデヒドが増えたり濃縮されたりするから。)
蒸留酒の場合でも、原料での酸化防止剤の使用・不使用は一応考慮する必要があるかと思います。(原料段階で酸化防止剤が含まれていたとしても、蒸留後にどの程度残留するかも考慮する必要がありますが…)
また、17ページあたりに、酒類に混和することができる物品名が載っています。
この表では、ワインで使われているのと同じ酸化防止剤は、果実酒または甘味果実酒というくくりで混和可になっています。(これは日本の法律などによるものなので、海外では異なる規制になっている場合もあると思います。)
※最新版か確認していないので、法改正等あるかもしれません。
例えば、ビール又は発泡酒の所にある酸化防止剤など。
「酒類における有機等の表示基準」の改正案の一部修正(案)(PDF)
:ターゲットが「有機等」なので表を見るときは注意。添加物の品名と用途などが載っています。
Google検索 - アスコルビン酸 ビール 海外
他の蒸留酒については、よさそうな資料が見当たらなかったので、他の回答者にお任せします。
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補足:アルコールの酸化というと、通常は、次のものをイメージするかと思います。
エタノール→アセトアルデヒド→酢酸
参考:アルコール代謝のしくみ
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めも:
りんごの変色を防ぐ物質の研究をしているのですが、なぜ、食塩はりんごの変色を防げるのですか?
酵素的褐変とその制御(PDF)→図1に反応式あり(褐変側)
キノン類と亜硫酸ナトリウムとの付加反応速度(PDF)→結果および考察に反応式あり(戻す側)
ワインの有機酸、果実のワイン - SO2 と pH→ワインのpHと必要な遊離型亜硫酸の濃度の関係
キーワード:ポリフェノールオキシダーゼ(PPO、酸化酵素)、キノン(ポリフェノールが酸化するとできる)、遊離型亜硫酸
ワイン中で風味を担う成分が何かは知りませんが、アルコールに加えてそのような大きな分子やポリフェノールなどが開裂しやすいのではないでしょうか。
はずかしながら、
「酸化する→酸素がくっつく」と単純な理解しかないのですが、
①酸化防止剤を入れると、
陽イオン出てきて・・・・・・。
具体的に「亜硫酸の場合」で考えると、
水素イオン(陽イオン)が出てきて・・・。
その結果、水酸基(陰イオン)があまり出てこない。
ということでしょうか。
②そして、
”ラジカルな陰イオンである「水酸基」が、
糖やアミノ酸の結合を壊して(開裂)、
くっつくと、酸素がくっつくことになってしまう”という事態を
防ぐ効果をもたらす。
つまり、「 酸素がくっつく = 酸化させてしまう 」、
という事態を、
「水酸基」の発生を抑えることで、防ぐのである!、
こういうことかなぁ、と考えております。