利益云々よりも国の存続がなければ儲けも何もありません。
植民地主義時代の列強は国家の存続を賭けて軍を保持し、軍を維持するために植民地獲得のための戦争を行いました。
弱ければ滅亡する時代だったのです。
現在でもアフリカ諸国など、植民地時代のヨーロッパ列強(キリスト教国)による略奪が原因で、国力が弱すぎて、食糧の自給さえ満足に出来なくて、慢性的な政情不安と過激派によるテロと犯罪組織の横行などに苛まれています。
最低限度の国力がなければ国を維持するのは難しく、他国に搾取される結果になる。
米欧を復讐の対象とするイスラム教過激派が発生するのは自業自得なのです。
スペインはアメリカからの収入で無敵艦隊を建造し、現在でも観光資源となるような建造物を建設した。
イギリスは麻薬を輸出し、世界中の植民地を搾取して世界帝国を築いた・・・がアメリカの独立でケチが付き、インドの独立で衰退した。
当時の強国は植民地からの収入で軍を維持し他国と戦争した。
植民地がなければ強大な軍を維持できないので他国の植民地にされる時代だったってワケです。
日本も帝国時代には満州を植民地にして利益を上げ、欧米に対抗する軍を維持していた。
立ち回りが下手だったので負けたけど。
現在の勝ち組はアメリカです。
元々はイギリスがアメリカ大陸を侵略して出来た植民地連合だったわけですが、二次大戦後はイギリスの失敗に学んで、侵略した先を独立させて従属させることで世界中に影響力を広げた。
ゼロから出来た国なのに、侵略した先を利用し尽くして利益を上げ世界帝国を築いた。
各国とも、軍が金食い虫なのと中央集権(地方は中央の半植民地で目立たないように少なめに搾取されるので結果として国全体の力は弱くなる)で国力が疲弊するのとで、繁栄の後に衰退していく傾向はありますが、他国に影響力があるだけでも利益になるわけです。
まして支配して搾取できる領土は丸儲けなのです。
他国との戦争で赤字になる国はあっても、個々の植民地経営の方は赤字にはなりません。
破綻するまで長期間おいしい。
http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51878475.html
(扱われている書籍は愛知 薫さんご紹介の書籍と同一です)
ただ、上記では大きな利益を挙げていたとされるイギリスについて、別の人は
「貿易収支が黒字であったことは,18 ~ 19世紀において,ほとんどなかった。」
と書いています。データをどのように捉えるかでも見解が大きく変わるのでしょう。
https://www.teikokushoin.co.jp/journals/history_world/pdf/201603g/05_hswhbl_2016_03g_p06_p08.pdf
# > 植民地への輸出品の国内生産に占める比率
# > イギリスの貿易収支
# いずれも「植民地がどれだけ利益を生み出したか」の数値ではありません
また、資源の豊富なアメリカを除けば、ヨーロッパ諸国は資源を植民地に依存していたそうです。
その情報を目にしたとき、ふと脳裏を掠めた事柄があります。
先年、父が亡くなって遺産相続をし、その中には山も含まれていました。
(斜面の一画です、山全体あではありません)
利用価値なんて無いのに資産価値だけは無駄に高く、売ろうと思っても売れず、
持っていても税金を取られるだけの、はっきり言うと無用の長物です。
なぜこんなものを持っていたのかと母に訪ねたところ、
昔は山から薪を拾ってきたんだよ、との事でした。
つまり、プロパンガスが普及する以前は薪は生活必需品であり、
山を持っているという事はその薪を自給自足できる、
逆にいえば、山を持っていないなら薪を法外な値段で買い取るか、
他人の山から盗んでくるしかないという事なのだろうと…。
すると、植民地の争奪戦に加わらないのであれば、
他国が植民地から安価で仕入れた資源を法外な値段で買わされる事に繋がりかねないし、
そのように資源の依存関係が一方的なものであるならば、
それは属国にも等しい関係に甘んじなければならないとも言えます。
たとえ維持費が高くつくとしても、国家の威信を守るためには
植民地を所有し堅守しなければならなかったのではなかろうか、とそのように思います。