『 無謀な企て 』は1928年の制作ですね。
ということは30歳のときですから、キリコの影響を受けてシュルレアリスムを模索し始めた時期ですね。このころは後に親友となるルイ・スキュトネールと知り合ったり、共産主義に関心をもったり、個展を開いたりとといろいろな出来事があったようです。
葛藤しながら、彼独自の絵画的ボキャブラリーを手探りしていた時期なのでしょうね。
なるほど。ありがとうございます。
もうすぐサイトを閉じられるようですが、マグリットの情報が充実しています。
>リンクは必ずトップページ(
)からリンクさせてください。各ページや画像への直リンクは認めていません。
ということですので上記URLはサイトトップですが、ここから、
「データ」→「生涯年表」と開くと、
>1899 一家はジリーに転居。ジリーに住んでいる時、家の屋根に気球が不時着したという逸話が残っている。
>1900ー1905 ルネは共同墓地で一人の少女とよく遊んでいたが、そこで都会から来た画家に会い、強烈な影響を受ける。ゆりかごのそばに置かれた木箱、屋根に不時着した気球、そして墓地の様子を描いていた画家に対する印象。この3つが幼年期のマグリットの深層意識に刻み込まれる。
などの情報があります。
また、トップページ下の「リンクス」も大変充実していますから、ご覧ください。
(それにしても、マグリットが日本でこんなに人気があるとは意外でした。)
失礼致しました。
このサイトは一度見ましたが、リンクスは飛ばしてました。じっくり見てみます。ありがとうございます。
衝撃的かどうか分かりませんが、、、
1900ー1905 ルネは共同墓地で一人の少女とよく遊んでいたが、そこで都会から来た画家に会い、強烈な影響を受ける。ゆりかごのそばに置かれた木箱、屋根に不時着した気球、そして墓地の様子を描いていた画家に対する印象。この3つが幼年期のマグリットの深層意識に刻み込まれる。
1912 マグリットが14歳の時に、母がサンプル川に入水自殺する。
幼児期にかなり特異的な経験をしてます。
そして15歳ときに出会ったジョルジェット結婚してます。
無謀な企てはマグリット30歳の時の作品です。
無謀な企てというタイトルは、ピグマリオンの神話からきてます。自分の作った理想の女性像の彫刻を本物の女にしてもらうという神話です。
絵に描かれてる女性はマグリットの妻です。この構図での写真も残ってます。(写真では妻は裸ではなくて、下着のようなものをつけてますけど)
神話のように、理想の妻を手に入れたいという願いだけで書いているだけではないように思います。
あえて書きかけの腕がどうなるかも、見てる人の想像力を掻き立てるような気がしてます。
オフィシャルサイト
Welcome to the Magritte Site
そうなんですよね。なんで描きかけなのか、裸とスーツだし、顔も似ている・・?疑問はつきませんよね。神話の話はとてもありがたいです。感謝です。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4473015785/ref=sr_aps_b...
Amazon.co.jp: なぜ、これがアートなの?: 本: アメリア アレナス,Amelia Arenas,福 のり子,川村記念美術館
もしriku13さんのご存知のことしか書かれてなければ、ポイントは要りません。
とりたてて、僕は美術に精通しているのではないので、アメリア・アリエス『なぜ、これがアートなの?』(淡交社 1998)という現代美術の入門書を参照したいと思います。この本は、マグリットの『無謀な企て』の解説からはじまります(P.26〜P.29)。(なお、批評目的なので心配はないと思いますが、いちおう直接の引用は避けました。楽しい本なので、未読でしたら、読んでみてください。)
アレナスはオウィディウス(B.C.43〜17)の変身譚第十巻から、ピグマリオン(ピュグマリオン)の神話を引用します。
神話のあらまし:キプロスの王ピグマリオンが彼の統治する国の女性の性悪さに怒り、完璧な女性をつくることを試み、象牙の彫刻で女性を造ります。ピグマリオンはその女性像の見事さに愛してしまい、話しかけたり、贈り物をしたり、ベッドまでともにするようになり、ピグマリオンは女性像が彼の愛にこたえてくれたと思い込んだりもします。ピグマリオンは、愛と美の女神アフロディテ(ヴィーナス)にこの彫刻と似た女性がほしいと、祈ります。アフロディテはピグマリオンの想いと作品の見事さに心打たれ、女性像に命を吹きこみました。
アレナスはこの神話引用し、太古から現代のアートにおいてもこの神話には通ずるところが多いと述べた後、こう指摘しています。まず、マグリットにおいては神の介在なしに、描くそばから作品に生命が吹き込まれている。幻想的で、官能的なオウィディウスの神話と異なり、『無謀な企て』の女性の描写は没個性的で機械的、マネキンのような印象を受ける。それは、どうやら画家は絵の具ではなく、観念で女性を描いてるらしいことを物語っている。また、画家と女性は非常に類似しているが、それは、アーティストと作品の女性の近親相姦をという関係を示している。なぜなら、ピグマリオンは、自分の作り出した作品、つまり自分の娘の愛人となったからだ。
また、アレナスは、シュルレアリスムへのフロイトの精神分析(性の欲動についての理論)の影響について触れています。
そして最後に、オウィディウスの神話とマグリットの共通のテーマとして、アーティストの空想が、アーティストと神の行為にたいしてのみ用いられる「創造(クリエーション)」という言葉と同じほど重要な意味をもつことを指摘してマグリットの作品解説をしめくくっています。
ルネ・マグリットの生涯と彼の作品『無謀な企て』との関係について述べられたとは思いません。しかし、マグリットが他のシュルレアリストと交流を持ち、そのシュルレアリスムの理論が、フロイトの精神分析の大きな影響下にあったことは注目してもよいと思います。私はフロイトの理論に決して明るいとは言えませんが、性欲や無意識、それに夢や空想が重要な役割をもつ理論ですよね。マグリットもこの時期、フロイトなどの精神分析の著作に影響を受けたのではないでしょうか?(例えば、フロイトの影響下にある分析家のジャック・ラカンも、1930年代近辺、当時のフランスのシュルレアリストと交流がありました。マグリットと出会っているかまでは判りませんでしたが…)
補足:なお、『なぜ、これがアートなの?』では、美術の起原として大プリニウスの神話も紹介されています。参考までに記しておきます。
昔々、コリントにひとりの娘がいました。彼女は、二度と会うことの出来ない男と一夜をともにし、衝動に駆られて、壁に写った恋人の影をなぞりました。翌日、娘をかわいそうに思ったその陶工の父は、その輪郭線に粘土を埋め込みました。こうして、はじめての彫刻が作られたのです。(大プリニウス『博物記』第35巻)
十分に質問にお答えできたとは思いません。またよみづらい文章でごめんなさい。少しでもご参考にしていただけたら、幸いです。(オウィディウスの神話は、岩波文庫で、『変身物語』として出ているようですね。)
こんなにたくさんありがとうございます。画家と女性が似ているのはマグリット自身が女になりたかったからだと聞いたことがあるのですが、まさか近親相姦とは・・本当にありがとうございます。
URLはダミーです。
質問者のお名前をまちがえてしまいました。riku13さんは、私の前に回答されてた方です。うっかり間違って参照してしまいました。mochi425さんとriku13さんにお詫びいたします。ごめんなさい。。
いえいえ、全然大丈夫です。
作品に直接関わってくることがなかなかないんですよね・・ありがとうございます。