関東大震災の被害は様々な条件が重なったために大きくなったと考えています。今日、極めて発生頻度が低い大災害に対して「日常生活」と「非日常生活」についてどのように考えればいいのでしょうか。
http://www.toshibou.jp/kaiinn/vol3_oosaka.html
都市防災協議会ホームページ
阪神・淡路大震災の教訓と木造密集市街地
このサイトに、総括的な対策が記載されています。
必ずしも、「特に禁止すべきではない」との結論ではありませんが...
木造建築を禁止するだけでは不十分で、総括的な対策が必要だとの結論と思います。
阪神・淡路大震災を経験した個人的意見としては、出来ることは、やっておくべきだと思います。現実的には、個人レベルでの対策は限られますが...
備えあれば憂いなし
市街地火災は、本火災のように過去のものではなく、とりわけ市街地の中心部には依然として防災
上脆弱な木造密集地区や既存不適格建築群が数多く残されていて、これらは常に火災の脅威にさらさ
れている。
今後の課題として、まちの安全性をどうやって確保・向上させるか住民が積極的に議論に参加でき
るまちづくりの仕組みをつくることが有効である。この実現には、まちの安全性をわかりやすく評価
し、防災性をより向上させるための手法を提示・検討できる技術的支援および推進を図る制度的な仕
組みをつくることが重要である。
木造住宅密集地の問題
その第1は、木造住宅密集地が広範に存在しているという問題である。東京都の調べによれば、木造住宅密集地は、山の手線及び中央線一帯を中心に約24,000ha存在している。これは都区部全体の面積のおよそ4割に相当し、東京の土地の高度利用が進んでいない最大の要因となっている。またこれら地域は概して居住環境が悪く、地震時に火災などの危険度も高い。東京の木造住宅密集地のうち、約5,800haは防災上危険な地域として指定されている。
これら地域の再開発を行い高層化を進めれば、土地の高度利用を進めた上で、道路や公園などのオープンスペースを確保することができる。しかしながら、こうした開発はなかなか民間主導では行いにくい。
東京都が再開発を行った事例としては、隅田川添いの白髭西地区(58ha)と亀戸、大島、小松川地区(144ha)の例がある。これらは、東京都がモデル防災住宅街として、直轄事業で再開発を行ったものである。再開発の結果、これら地区の道路率は36%となり、都区部平均の倍以上となった。また公園などを含むオープンスペースは60%にも達する。高層化を進めたことで人口も約3倍に増加した(東京都による)。
しかし、この事業には30年の歳月と1,000億円の事業費がかかった。このような巨大プロジェクトによって再開発を行うことは、厳しい財政事情もあり、今後は困難になると考えられる。これからは建物の建て替え時にセットバックを進めるなど、地道な努力の積み重ねがより一層重要になる。その際、都市計画上の手法を十分に活用しながら(防災再開発促進地区、防災街区整備地区計画)、地域の特性に応じた再開発を進めていく必要がある。
東京は道路や公園などの公共空間が十分ではなく、木造住宅密集地域や軟弱地盤が広範囲に分布するなど震災に対して脆弱。とくに山手線外周部などの木造住宅密集地は防災上大きな問題を抱えているが、建て替えが進みにくい状況にある。
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禁止すべきでない、と言うサイトはなかなか見つかりませんでした。
すでに規制は始まっているようです。
木造建築を残すためには、1)道路整備などを行って迅速な消火、避難が可能な状況を作る。2)延焼遮断帯を多く作ることにより火災の広がりを防ぐ、3)消火活動が迅速に行えるための設備人員の配備を十分行う。などが必要でしょう。
http://www.spacia.co.jp/Mati/sisatu/mukouzima/index.htm
日本有数の密集市街地 墨田区向島 | 視察レポート 都市研究所スペーシア
質問文中にもあった墨田区向島についてのレポートです。
ページ下にリンクが張られていますが、向島には、
「向島地域の再生を考えるプラットフォーム組織として」設立された向島学会という組織があります。
既にご存じかとも思いますので詳しくは触れませんが「向島学会」で検索すると多くの関連情報があります。
その中からひとつだけ
↓
http://www002.upp.so-net.ne.jp/magnet/dts/soga.html
「向島のまちづくりとアート」 曽我 高明
既知でしたらすみません。
>東京は神楽坂で、「和のまち」、「路地のまち」を守る活動を行っている「NPO法人 粋なまちづくり倶楽部」
についてのレポートです。
http://www.arch-hiroshima.net/arch-hiroshima/city/city07_context...
arch-hiroshima 都市景観のはなし〜土地の記憶とは〜
「土地の記憶」をキーワードに、日本の都市景観につい具体的に述べられています。
>木造密集地帯のように、土地の記憶をリセットすることがその土地にとって最善と判断されるケースもある。だがその際にも、プランナーは土地の記憶に対する敬意を忘れてはならない。「防災上の理由」を伝家の宝刀と考えてはならない。
>まだ書きかけ・・・
ということで情報量は多くありませんが。
「木構造と木造文化の再構築」と題した京都大学レポートです。
話題は京都中心ですが、
「木造住宅の構造安全性能」に関する具体的提言から
「木造建築の再評価と木の文化再生」について詳述されています。
http://www.spacia.co.jp/Mati/sisatu/nagaya/index.html
長屋の再生−大阪市中央区空堀商店街− | 視察レポート 都市研究所スペーシア
上記関連で、
大阪市中央区空堀商店街「長屋の再生」レポート
以下、蛇足ですが、
↓
http://www.gakugei-pub.jp/kanren/roji/index.htm
不思議空間の魅力とまちづくり ―東京の路地―
ページ下に、東京各所の路地裏レポートにリンクが張られています。
それぞれに「まちづくり」の項目もありなかなか読みごたえがありました。
論の中心は駅前再開発ですが、
>「軽装備再開発」とは、「身の丈再開発」「小回り再開発」及び「使い回し再開発」という三つのテーマをもって考えることができる。
以上、少しでも参考情報があればよいのですが。
長々と失礼いたしました。
いろいろとありがとうございます(すみません、2のかたも)。「災害対策」だけでなく「都市景観・暮らし・生活環境、…」だけでもない、両者を併せた総合的な観点から論じているものがあればうれしいです。
東京の山手線沿い、環状7号線沿いに広がる古くから存在する木造密集地に対する課題は今に始まったことではありませんので、都市防災、という観点から、様々な事例を踏まえて今後とも対策を講じられていく必要があるでしょう。
木造建築にしても、準耐火構造等の建築としてRCや鉄骨造などと同等に”燃えにくい”建築として法律で定める基準に適合すれば建てることができるわけですから、新しく建てる木造住宅のことよりも、やはり既存の古い建物について考えるべきだと思います。新しく建てられる木造建築については、都市計画や関係法令で建てられる場所とそうでない場所が決められています。大都市においてのすべての地域で禁止する、というのではなく、住環境がどうあるべきか、ということを総括的に考えて建てられる場所もあれば、防災最優先で建てられない場所があってよいと思います。
ただ、問題なのは木造の耐震基準のようです。
確かにRCやS等よりは基準がはっきりしていないので、今後詰められてしかるべきだと思います。
以上が個人的な意見です。
木造建築を禁止すべきでないと言う立場の意見は、禁止すべき、という意見があってのことだと思います。
禁止すべきという意見は、阪神淡路大震災の時に日本建築学会のほうででたようですね。
↓はそれに対する意見が含まれています。
http://www.taisei-soken.com/html/news/2004_01_1301.html
タイセイ総研 伝統木造建築に思う
ありがとうございます。サイトは既知ですがご意見は参考になりました。本もいろいろ読みましたがこれ以上は自分で考えるしかなさそうです。質問を終了させていただきます。皆様ありがとうございました。
ありがとうございます。興味深い内容がいくつかみられました。
<禁止すべきではない>はちと言いすぎかなと思いました。密集市街地特有の街並みを壊すのもどうだろう?という考えからですが、<着地点をどうするか?>という内容でも可とします。みなさま、示唆に富むサイトをよろしくお願いいたします。