【人力検索かきつばた杯】

テーマ:"挑戦状" "バース"

創作文章(ショート・ストーリー)を募集します。
ルールははてなキーワード【人力検索かきつばた杯】を参照してください。
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締切は4月23日(土)22時、締切後に一斉オープンします。

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  • 終了:2011/04/25 10:01:11
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ベストアンサー

id:sokyo No.4

回答回数1377ベストアンサー獲得回数97

ポイント80pt

Birth


拝啓

私の家系に巣食う死神さま


陽春の候、貴殿におかれましてはご清栄のこととお慶び申しあげません。


あなたも知っての通り、26年前、私が生まれた日に父は亡くなりました。

今日と同じ嵐のような日、春の夜の交通事故でした。

運び込まれた父は、バースがいれば大丈夫だとうわ言を繰り返したそうです。

そして日付をまたぐことなく、息を引き取りました。

バースとは当時 阪神タイガースで活躍した有名な野球の選手です。

その年、彼の活躍により、阪神は優勝しました。私が生まれた年のことです。

父が存命なら、さぞ喜んだことでしょう。


こんな話をしたのは、私の結婚式の日のことを思い出したからです。

6月の結婚式の日、親戚一同も友人も集まった、あの日も雨が降っていました。

そんな中、アメリカから来た私の彼を、だれもがあたたかく迎えてくれたのは、

もしかしたら面識もない、バースという選手のおかげなのかもしれません。

伯父はその日に初めて私の彼に会いました。そして、

「バースってご存じですか。あなたはバースにそっくりだ。弟が存命だったら、

会わせてやりたかったものだ」

と言ったぐらいです。夫は、それくらいバースにそっくりだったのです。


話は少し戻りますが、父の死後、女手一つで私をここまで育ててくれた母には、

実は双子の妹がいました。「いました」が過去形なのは、過去のことだからです。

私の叔母になるはずだった、私の母の双子の妹は、誕生と同時に亡くなりました。

記憶のない父のことで私が泣いた夜、母は初めてそれを明かしてくれたのです。


私たちはふたりとも“生き残り”です。生まれながらにして罪の意識を抱えています。

私たちの命は、あたかもだれかの命を奪うことによってしか存在できないのだと、

生まれたときから宣告されてしまっているかのように思われました。


話はさらにさかのぼります。私の祖母は若いころ助産師をしていました。

祖母が助産師になったのは、生まれたときのことがきっかけでした。

祖母は生まれたときに、その母(私にとっては曾祖母)を亡くしていました。

いまよりずっと衛生環境がよくなかった時代のことでしょうから、

そんなことは「そんなこと」と言えるぐらいよくあることだったかもしれません。

でも、母親という存在を失うことの意味が、それで軽くなるわけではありません。


祖母は私とふたりきりの日、縁側でその話をしてくれました。

暑かった夏の午後のこと、祖母の声は夕立に紛れて秘密めいて聞こえました。

あのとき、私はほんの子どもだったはずです。それでも祖母は私のことを

ひとりの人間として接してくれているのは、それはもうはっきりと分かりました。

そして、これは祖母の話であるのと同時に私の話でもあるのだとなぜか悟りました。

父の死が自分の生まれた日のことだと、まだ知らされていないころの話です。

偶然なのか、意図的なのか、専業主婦をしていた祖母は、そのころから

仕事を再開しました。いまはこの産婦人科で医療事務の仕事をしています。


あぁ、こんな雨の夜は、どうしても感傷的な気分になってしまいます。

思い出されるのが雨の日のことばかりだからです。みんなあなたのせいです。


でも、あのときになかったものが、いまはあります。

そして、あのときにいなかった人が、いまならいます。

たくさんの人を失ったけれど、それでもいま、私には大事な人がいます。

母がいます。祖母がいます。愛する夫がいます。そして、…。

あなたはもうこれ以上、私たちからなにも奪えません。

愛する人たちを、私は全力で守るから。

これは私からあなたへの、挑戦状です。




追伸:

私は自分のおなかに宿る新しい命に、こう名付けたいと思います。

誕。たん、と読みます。きっと明日が彼の誕生日になります。

明日の東京は晴れです。あなたが経験したことのない、晴れです。

だから今度は、今度こそは、だれの命も奪わせません。

id:alpinix

ありがとうございます。

 

僕は文学の真髄は「読者のこころをいかに揺さぶったか」だと思っています。

 

そういう意味で、(ここまでの作品もすばらしいですが)sokyoさんの作品が一番ゆさぶりがすごかったです。

 

読者に喚起させる感情は「楽」「喜」「悲」などいろいろあると思いますが、sokyoさんので一番感じたのが「不安」と安」です。

 

僕はリアルのsokyoさんを知らないので、この作品が創作だろうと思いつつ、心の奥底で「まさか」を否定できません。そしてその「まさか」を最後の最後まで抱かせることで、とても不安にさせてくれる文章でした。リアリズムによる揺さぶりです。

 

追伸と、書かれた文章があったことで「そうかここでネタばれしてくれるのだな」と思わせておいて、実はそうではない。

でも追伸の内容は例え内容がリアリズムを描いたものであっても、そうでなくても、「安心」を与えてくれるすっきりとした情景を浮かばせてくれます。

 

時節がら、最後は僕なら「晴れ」ではなく、僕なら「はなみずき」や「八重桜」を持ってきたくなりましたが、そういう瑣末なガジェットくらいしかいじりようが無いと思わせる、リアリズムが"いるか"の選定理由です。

ランディ・バースで振っておいて、最後に誕で戻すところはご愛敬でしたね。

 

 

ああ、追記ですが、この作品が創作かどうかは謎のままの方がありがたいです。

2011/04/25 09:52:54

その他の回答4件)

id:grankoyama No.1

回答回数560ベストアンサー獲得回数170

ポイント80pt

 木漏れ日の眩しい昼下がりの構内。一人の少女がベンチに腰掛けていた。

「ハァ」彼女の漏らしたため息を、遠くから目ざとくも見つけた青年が駆け寄ってくる。


「どうしたんだよ。ため息なんかついて」そういうと、青年は遠慮無しに少女のすぐ隣に腰を下ろす。

「へいちゃん……あ、あのね…………ダメッ! やっぱり言えない」

「なんだよ、フサコ。俺に隠し事なんて通用すると思ってんのか?」


 彼の怒りはもっともだとわかっていてもなかなか口を開けない。

が、しばらく迷ったあとで意を決し「招待状が送られてきたの」と、少女は短く答えた。

「招待状? なんの? なんでまた?」と追及する彼に「これ」とまた短く答えて紙片を差し出す。

それは、半ば握りつぶされてくちゃくちゃになった便箋用紙のようだった。

「広げて読むぞ」

「うん」


 丁寧にしわを伸ばし、その内容を眺めていた青年であったが読み進めるうちに表情がだんだんと険しくなる。

「これは、まさかっ!」

「そう、そのまさかなの。ついに開催されるらしいの。『バトルオブスリータスクス』が。

 全国から猛者を集めて……。でも、その裏では…………」

「ああ。まともな大会ではないらしいな。それに『あなたの大切な方も参加されますので是非エントリーください』

 って書いてるけどこれってまさか!?」

「うん。そうとしか考えられない。彼女の無事を確認するためには、そして彼女を救い出すためには

 参加するしかない……」

「…………」


「ねぇ、へいちゃん。わたしどうしたらいいの? 大切な友達だもん。見捨てるなんて出来っこない。

 でも、不安で、怖くって、わけわかんなくなって……ひとりじゃなんにもできなくって……」

「ひとりじゃないさ」

 泣きじゃくる少女の肩に手をかけ、その額を胸にうずめるようにしながら青年は言葉をかける。

「出場枠の5人には満たないけど、俺も、もちろん参加する。フサコをひとりになんかできない」

「へいちゃん! で、でも……」

「ほら、辛気臭い顔すんな。そうと決まれば特訓だ。作戦会議もしとかないとな。そうそう、

 特訓の後にはなんか旨い物食わせてくれよ。たらふくだぞ」

「うん!」




 ついに来た出発の日。

大会への参加のために港を訪れた二人を待ち構えていたのは、出迎えという名目を借りた刺客であった。

その数、総勢100人以上。襲い掛かってくる刺客から順次対応して応戦していた二人だが、あまりにも

敵の数が多く埒があかない。

「悪いな。フサコ。例のあれ試すから、巻き添え食わないように気をつけてくれ!」

「えっ! 無茶よ! あの技はまだ完成してないし、この闘いはおそらく監視されてるわ。

 ここで手の内をさらすのは……。それに今の状態で使ったら後遺症でこの先……」

「だけど、それ以外にこの状況を何とかする方法が……」

 そういいながらも体術で、一人二人と確実に戦闘力を奪い無力化していく二人であったが、やはり焼け石に水であることは確かのようだ。


「えーい。ままよ!! もしくは南無三!!」覚悟を決め、青年は気合を溜め始める。

「だめーーーーーーーー!!」


 少女の叫びが届いたわけではないだろう。しかし、あまりにもタイミングよくその三人は現れた。

大きな剣を携えた青年と、着物姿の艶やかな女性、それに上半身裸の巨漢の男。

「そうだぜ。何も今ここで一か八かの賭けに出る必要なんて何処にも無いぜ!」

「こんな相手に手こずっているようじゃ先が思いやられますわ。やはり、様子を見に来て正解ですわね」

「ブモー!!」


「み、みんな……。来てくれたの?」

「ごめんな。フサコ。やっぱり二人じゃ心細いと思って、俺があいつら三人に連絡しといた」

「謝ることないよ。へいちゃん。おかげで、この窮地を脱せたんだし」


「おっと、安心するのはまだ早いぜ! まずはこの雑魚どもを始末しないとな」

「ふふ。簡単に言ってくれますこと。まあわたしにかかればイチコロですけど」

「ブモー!!!!」


「新たに手に入れたこの奇刃天轟丸の力を見せてやるぜ!」

「あ~ら。武器になんて頼ってしまって。私の美しい超絶妙技のほうが見ごたえありますわよ」

「ブモー!!!!!!(俺、強い)」


「しかも、それぞれに一段とレベルアップしたみたいだな」

「でも、強くなったのはみんなだけじゃない。私だって新しい力を! 見せてあげるわ」

「フ、フサコ!? ここで、やるのか? さっき手の内がどうとか……」

「えぇ、挨拶代わり、いえ、挑戦状がわりに見せ付けてやるわ。強くなった私を!」

 そう言った少女の周りに凄まじい闘気が立ち込める。

闘気は幾筋にも分かれ、敵を絡めとる。そして高く聳え立つ大きな竜巻となって全ての敵を天高く舞い上げた。

その姿は天に昇る一匹の竜を見るようだった。


「みんなが来てくれたから! 一人じゃないって教えてくれたから。私は絶対諦めない! 

 この大会で優勝して、目的を果たすまでは! 待っててね、ミーちゃん!」

「そうだ。フサコ。いや、扶羽。みんなで目指すんだ。新しい明日を! 新しい自分達の力で!」


(そう、昨日までとは違う、新しい自分。

                  Happy birthday! 新しい『武藤さん』)


闘え!武藤さん 三牙武闘会編‐第一話完

id:alpinix

相変わらずの、ぶっ飛んだ世界観で、楽しませていただきました。

 

一度PCで読んだあと、通勤電車内でガラケー片手に読み直したのですが、周囲に不審に思われないように口元を押さえるのに苦労しました。

 

三人のキャラの中では「ブヒー」のキャラがおもしろすぎます。

 

たったこれだけの行数でキャラの立った登場人物が5人も出てくるとは恐ろしすぎます。

何かいろいろと、武藤さんのことが分かりかけてきたような突き放されたような、不思議な読後感でした。(ほんとに元ネタはないんですよね)

 

2011/04/25 09:27:56
id:takejin No.2

回答回数1543ベストアンサー獲得回数203

ポイント100pt

"旅路”

 

ザー…ザリザリ…サー…

「ケン、どこにいるんだ」

頭の後ろから、かすかに流れるノイズを聞きながら、オレは丘の上で夜空を見上げる。

満天の星の下、1枚のQSLカードを眺める。暗くて読めないが、なんて書いてあるのかは、眼に焼き

ついている。

 『誰も行ったことのない所に、挑戦する』

理科とか数学とかができてもな、国語ができないとダメなんだよなぁ。

字も汚いよなぁ。小学生だけどなぁ。

「おい、ケン。どこにいるんだ。教えろよ。」

ザー…サー…サー

 

「次のニュースです。人類初の亜光速宇宙船”ロングショット”が、理論的行方不明になってから、半

年が経過しました。依然として、宇宙船の行方は不明なままです。管制センターの池田さん…」

妻が食事をテーブルに運びながら、

「ケン君は、どこにいっちゃったのかしら。心配ねぇ。」

「あいつは、いろいろ覚悟して飛んで行ったんだ。」

「あら、あなたは心配じゃないの?」

トーストにバターを塗りながら、妻は私の顔を伺う。

「結果が出ないという点については心配だな。」

TVでは、既に次のニュースをやっている。

「また、そんなことを言って。」

「だいたい、二回しか会った事ないんだから、心配ってほどじゃないだろう。」

「あら、そうなの。印象が強くて、もっと会ってた気がするわね。」

妻はコーヒーを持った手を止め、

「でも、無線でいっぱいお話したんでしょ?だから沢山会ってるわよ。」

オレは、黙々とトーストを口に運ぶ。

 

そうだ、アマチュア無線でケンと知り合ったんだ。

 

「CQ CQ 誰か暇な人いませんかぁ こちら J●1GMS ジャパン●ワン ゴルフ マリン スキー で

す。」

「こら、J●1GMS こちらは J●1ASR フォネティックコード間違ってる。どうぞ。」

「はーい、J●1ASRさん。ひっかかりましたねぇ。暇ですか。」

「J●1GMSさん。きみ、いくつ?結構若そうだけど。」

「小学4年。10歳です」

「すげ。免許いつ取ったの。どうぞ」

「小学3年です。どうぞ」

「へええ、一桁。よろしくね。こちらは22歳、社会人一年生。どうぞ」

「一年生ですか。じゃあ、ボクが上級生ですね。」

 

こんなやりとりから、ケンとの交信がはじまった。

 

ケンは体が弱く、小さいときから入退院を繰り返していた。そんな中、アマチュア無線を知り、理科が

好きだったケンは、9歳で試験に合格した。病室からはお空に出られないが、時々屋上から交信して

いたのだと。

「タケシにいちゃん、QSLカード送ってよ。」

「よし、ケンも送るんだぞ」

そうして、QSLカードが送られてきた。そこには、こんな文面が

 『誰も行ったことのない所に、挑戦する』

「ケン。なんだよこれ。」

QSLカードを前に、オレは交信する。

「挑戦状だよ。」

「チョウセンジョウ?挑戦状って、人に戦いを挑むものだぞ。何か違う。」

「あ、そうなの。何かに挑戦することを宣言するものじゃないの。」

「お前、勉強しろよ。」

「タケシにいちゃんにいわれたくないね。ボク学年で一番なんだから」

「ほお。ケン君は将来何になるんだ?」

ちょっと聞いてみる。

「宇宙飛行士。」

「で、遠くに行くのか。」

「そう。遠い遠い星へ行くんだ。」

思いのこもった声が聞こえた。

 

「タケシにいさん、こっちこっち。」

予想よりも背の高い少年が歩いてくる。

「ケン君か。はじめまして。」

「はじめまして。ですね。タケシにいさん。」

「背、高いんだな」

「病弱だから小さいって?」そういうわけじゃないさ。

「声、聞きなれてるから、はじめてって気がしないな。」

「で、どこに行くんですか?」

「中華街」

「へええ。行きましょう。」

ホントに病弱なのか?お前。

「出陣式だからな。」

ケンの米国大学への壮行会という名目で会った。

最初で最後の食事だろうと思った。

「地球の裏側ですから、周波数帯変えますよ。」

「ケンが移動しても、あんまり変わんないかな」

「?」

「今までと同じ、声だけのつながりだしな。地球上にいる限り、変わらないなあオレ達」

「そうですね。」

 

ケンは旅立った。

ピンポーン

唐突に、土曜日の午後、玄関のチャイムが鳴る。

「はあい」

妻が玄関に向かう。誰だろう。

「タケシにいさん。久しぶり」

大きな声が入ってくる。

「あなた、ケンさんって、あの?」

「おお、ケンか。どうした。忙しいんじゃないのか?」

「忙しくなる寸前だから、来ました。」

妻がバタバタと台所へ消える。

「すみません急に。タクミ君は?」

「部活で居ないよ。」

「残念だなぁ、会いたかったんだけど」

「宇宙飛行士が、こんなところに来ていいのか?」

「明日から日程が詰まってるんで、今日だけ開けました。」

妻が声を掛ける。

「まあ、座って。お茶でも飲んで。ゆっくりしていってください。」

「はい、すみません。」

テーブルに座って、妻の出したコーヒーを飲む。

「どこまで行くんだって?」

「とりあえず、オルト雲」

「どうしてケンが、選ばれたんだ?」

「親族が居ないこと。頭脳明晰なこと。」

「ご両親亡くなったんだったな。」

顔色も変えずに、ケンは頷く。

「それだけ?」

ケンは、オレの眼をまっすぐ見て言った。

「余命1年以内であること。」

 

その日、ケンは息子のタクミの帰りを待ち、共に夕飯を食べ、上機嫌で帰っていった。

帰り際、

「タケシにいさん。これに時々火を入れてください。」

手渡されたのは、黒い箱。アンテナとスピーカーがついている。

「無線機か?」

「アマ無線の周波数帯ですが、超狭帯域に仕上げてありますし、ちょっと細工も。ボクがお空に行って

いる間、聞いていてください。」

「任務中に交信はできないだろう?」

「ま、気にしないで。」

「わかった。行って来い。」

「行ってきます。」

 

ケンは再び旅立った。誰も行ったことのない所へ。

 

サーーーーー

「コチ ・・・ ジェ ・・・・ マ・・・ キー・・・」

頭の上の箱から、何か切れ切れに聞こえてくる。

雑音が激しい。

「ゴル・・・  スキ・・・」

J●ゴルフ マリン スキー だ。

フォネティックコードの間違いもそのままだ。

ケンだ。

どこにいる。

この無線機、交信できないのか。

「タケ・・ん ケ・・・す・・・カエッ・・・マシ・・・」

還ってきたのか。

「チキュ ソバ  キイテ カ 」

ノイズが消えていく。

「タケシにいさ 聞いてくれてま  近くま  ました。」

うん

「オルト雲から外に、永遠に飛ぶプログラムをいじりました。冥王星を使って超光速飛行に切り替えた

んです。」

「今、ボクは超光速飛行をしながら、時間をリバースしています。半年経ちました。そろそろ地球に着

く頃です。」

ケン、お前すごいな。

「でも、この宇宙船、超光速飛行用ではなかったから、もうボロボロです。ちょっと制御できない部分が

あって、地球周回軌道には入れなかった。それに、地球の装置では検知できない状態だし。」

ケン、今どこなんだ

「最後に、タケシにいさんの声、聞きたかったなぁ。もうすぐ、大気圏に突入してしまう。」

ケン

「タケシにいさん。誰もいったことのない所に行ってきました。」

空が急に明るくなった。

「ただい…マ…」

夜中の空が、昼間のように明るくなった。

手元のQSLカードの字が浮かび上がった。

『誰もいったことのない所に挑戦する』

その挑戦、見届けた。

 

お帰り。

id:alpinix

ありがとうございます。

 

実は、読んだ瞬間は「いるか」でした。(と書いたことで、いるかではないことをお詫びします)

 

QSLカードという、一般人には見覚えの無いガジェットを冒頭に持ってくる上手さはさすがです(僕も初見でした)。気になってまず、検索してしまいました。そして俄然その後のストーリーが締まってきました。

 

最後まで読んでバースがどこにあったのか見直したら「リバース」となっていてちょっぴりやられた感が残りましたが、ご愛敬です。

 

余命一年と、片道半年で帰還という設定の必然性の説明があるともっと良かった気もしなくもありません。(読者に想像させるのもいいのかもしれませんが、文系alpinixには読み取りきれなかった)

 

QSLカードの現物をみたことが無いので、最後の場面は僕の中でオネアミスに変換されてましたが、悲哀なのにすっきりした読後感でした。

 

 

2011/04/25 09:34:19
id:meefla No.3

回答回数997ベストアンサー獲得回数472

ポイント100pt

   タイワン留学生の謎


平成3年4月17日(水)


 半年ほど続いた湾岸戦争も終結し、日本はいつもと変わらない春を迎えていた。ゴルバチョフが仕切っていればソ連もまだまだ続くだろうと思えたし、横綱と言えば千代の富士だった。年号の欄にHと書くのにもようやく抵抗がなくなってきた、そんな春。


 尽力大学のキャンパスを歩いているG子にD菜が声をかけた。

「ねえ、G子。サークル決まった?」

 G子は首を横に振った。

「まだなの。D菜は?」

「私はクイズ部に決めたわ。L魅先輩、優しそうだもの。G子もクイズ部にしなよ」

「うーん。一つ考えている所があるんだ。見学してから決めるわ」

「えー、どこなの?わかった。コンピューター部だ」

 G子は弱々しく微笑んだ。

「違うわ。でもどこかは内緒」

「じゃあ、決まったら教えてね」



平成3年4月19日(金)


「おっかしいなー。今日も誰もいないのかしら」

 G子は文化系クラブの部室が入っている、バラックに近い建物、通称「部室長屋」の前にいた。見学しようとして連日通っているのだが、人の気配があったためしがない。新入生が来るとは思っていないのだろうか。

 G子は意を決して、「文芸部」という看板がかかっているドアをノックしてみた。

「鍵は開いとるよ」

 意外な事に、男の声が返ってきた。G子はおそるおそる、ドアを開けて部室に入った。

「こんにちは」

 男はG子を見て、大きく目を見開いた。

「え?まさか新入生?」

「そうです。G子といいます。見学したいんですけど」

「どうぞどうぞ。と言っても、見るものはあまりないけどね。あ、僕はA楠、文芸部の部長をやってる」

 A楠は、机の上のワープロに向き直ると、蓋を閉じた。G子は部屋の中を見回した。確かに、椅子と机の他には本棚があるくらいだ。

「えと、他の部員の皆さんは?」

「活動日は火曜と金曜って事になってるんだけど、他のサークルと兼部している奴とかは、来ても週一かな。副部長のT仁はバイトで忙しいようだし」

 その時、ドアを開けて誰かが入ってきた。やせ形で、背が高く、縁なし眼鏡をかけている。G子を見たとたんに、男の細い目に警戒色が浮かんだ。細長い腕がゆっくりと動いて、沈肩墜肘のポジションを取った。太極拳だ。

「やあ、M羅。G子さんだ。新入生で見学に来たんだよ」

 A楠の声に、M羅と呼ばれた男は構えを解き、言った。

「你好」

「あ、ニ、ニーハオ」

「日本語で大丈夫ですよ。私はM羅。台湾からの留学生です」

 流暢な日本語に、『じゃあ最初っから日本語で話せよ』という思いを押しとどめて、G子はA楠に尋ねた。

「女子部員はいないんですか?」

「今は二人かな。クイズ部のK代と児童研究会のS京」

「やっぱり輪読会とかやるんですか?」

「輪読会?んー、みんな好きな作家が違うから、輪読会は成立しないんだ。……じゃ、新入生歓迎コンパは来週の火曜日ね。午後5時に部室集合」

 G子はあわてた。

「え、まだ入部すると決めたわけじゃ……」

「細かい事は気にするな。何か企画のリクエストある?」

「新入生が自分で新歓の企画考えるんですか?」

 A楠はうなずいた。

「僕なんか、去年の誕生日パーティー、自腹で開催したんだぜ。……あ、新歓の会費はさすがにこっち持ちだから、心配しないでね」



平成3年4月23日(火)


 さんざん迷った末に、G子は午後4時30分に部室のドアを開いた。部室にいたのはM羅だけだった。M羅は唐突に言った。

「二ッキー、これは事件だよ」

「は?二ッキーって誰?事件って?」

「A楠さんが行方不明だ。私の推理が正しければ、すでに殺されている」

 あっけにとられているG子にかまわず、M羅はまくしたてた。

「私が来たとき、部室のドアが開いていた。A楠さんは今日の昼には、新歓の準備をするために部室にこもっている、と言っていたんだ。しかしその姿が見えない。A楠さんは閉じ忘れにはうるさい人だ。その人がドアを開けっぱなしにして部室を離れるわけがない」

「だからと言って、殺されているとは……」

「これを見たまえ」

 M羅は、A楠のワープロを指さした。

「文豪ミニ5HS。ワープロ専用機として使えるのはもちろんの事、非公開の隠しコマンド、すなわち[拡張1]と[制御]キーを押しながら電源を入れると CP/M マシンとしても使えるという優れものだ」

「?」

「いや、失礼。つい趣味に走ってしまった。問題はワープロ本体じゃなく、印刷されているものの方だ」

 ワープロから排出されているA4用紙には、こんな文字が大きく印字されていた。


   f:id:meefla:20110423211128j:image:w600


「バース?どういう意味?」

「これはダイイング・メッセージだよ、二ッキー。A楠さんが、いまわのきわに犯人の手がかりを残してくれたのさ」

「だから二ッキーって誰なんですか?」

「ここが台北なら、おやじのリチャード警視に連絡して非常線を張るところなんだが。今は我々で謎を解くしかない。バースと言えば何を考える?」

「えーと、イギリスの都市ですね。お風呂の語源になった場所」

「他に思いつくものと言えば、引退した三冠王、ランディ・バースかな。忘れもしない昭和60年4月17日の阪神対巨人戦。バース・掛布・岡田のバックスクリーン3連発」

「そんな前から日本にいるんですか?バースは今、オクラホマで牧場を経営している筈ですけど」

「極秘で来日していないか、調査する必要があるな」

 M羅が腕組みをして考え始めた時、いきなりドアが開いて、男が駆け込んで来た。M羅の顔色が変わった。



       読者への挑戦


 親愛なる読者の皆さん。全ての手がかりは与えられました。論理的に推理する事によって、A楠の失踪、そして「バース」の意味するものを解明する事ができると期待します。健闘を祈ります。








 男は息も絶え絶えに言った。

「どうして生協はこんなに遠いんだ」

 G子は叫んだ。

「A楠さん!生きていたんですか」

 A楠はけげんそうにG子を見つめた。

「もちろんさ。ワープロのインクリボンが切れたんで、生協までひとっ走りしてきたとこ。急いでいる時に限ってインクリボンが切れるってのも、マーフィーの法則に入れるべきだな」

 事態を察知したG子は、M羅をにらんだ。M羅は素知らぬ顔で、太極拳の型を練習し始めた。

「じゃあ、このバースって」

「そうそう。続きを印刷しなくちゃ」

 A楠はワープロのインクリボンを交換すると、もう一枚の紙に印刷をはじめた。印字された文字を見てみると、「デー杯」と読めた。A楠は、二枚の紙を糊でつなぎ合わせた。

「『バースデー杯』のお知らせ。新入生歓迎の新企画さ。今日が僕の誕生日である事にもひっかけて、文芸部のみんなにショートストーリーを書いてもらおう、ってわけ。いい企画だろ?」

 G子は、新歓の席で、いやこの場で退部届けを出すべきかどうか、悩んでいた。


 文芸部顧問のH落先生によって、「バースデー杯」はより一般的な「かきつばた杯」と名称を変え、文芸部の伝統行事として幾多の名作を生む事となるが、それはまた後の話である。


(了)


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この物語はフィクションであり、実存する大学や人力検索のユーザーとは何の関係もありません。

友情出演していただいたD菜さんに感謝します。


リクエストしておいて何ですが、「挑戦状」と言えば線結びのエラリー・クイーンしか思いつかないので、こんなお話になりました。

「バース」なんざ、ネタかぶるだろうなー、と思いつつ。

あと、「尽力大学」は「じんりきだいがく」と読んで下さい。






そうそう、また忘れる所でした。


すでにお気付きかもしれませんが、5年前の question:1148127960 にコメントを付けておきました。

ご確認ください。

id:alpinix

ありがとうございます。ネタを全部拾っていただいて(笑)。

 

お題「挑戦状」と「バース」はお察しの通りのネタでございます。

 

僕のハイクを見ている方なら気づいたかもしれませんが「挑戦状」は先週からサードシーズンが始まったアレ、にちなんでいます。「バース」は一年前の僕の質問を覚えている方ならお分かりだと思います。

 

ただ、キーワードに解説を入れると内容が片寄ったり、話の飛躍がなくなると思ったので、敢えて何も書かずにお待ちすることにしました。

 

あと、「尽力大学」は「じんりきだいがく」と読んで下さい。

いえ、何もなくてもそのまま読めました。F-4のときと同じく楽しんで読ませていただきました。H落先生、G子、M羅すべてわかりました。楽しかったです。

 

すでにお気付きかもしれませんが、5年前の question:1148127960 にコメントを付けておきました。

ご確認ください。

五年も前の質問にありがとうございます。しかしこの質問者えらそーですね。

 

2011/04/25 09:41:37
id:sokyo No.4

回答回数1377ベストアンサー獲得回数97ここでベストアンサー

ポイント80pt

Birth


拝啓

私の家系に巣食う死神さま


陽春の候、貴殿におかれましてはご清栄のこととお慶び申しあげません。


あなたも知っての通り、26年前、私が生まれた日に父は亡くなりました。

今日と同じ嵐のような日、春の夜の交通事故でした。

運び込まれた父は、バースがいれば大丈夫だとうわ言を繰り返したそうです。

そして日付をまたぐことなく、息を引き取りました。

バースとは当時 阪神タイガースで活躍した有名な野球の選手です。

その年、彼の活躍により、阪神は優勝しました。私が生まれた年のことです。

父が存命なら、さぞ喜んだことでしょう。


こんな話をしたのは、私の結婚式の日のことを思い出したからです。

6月の結婚式の日、親戚一同も友人も集まった、あの日も雨が降っていました。

そんな中、アメリカから来た私の彼を、だれもがあたたかく迎えてくれたのは、

もしかしたら面識もない、バースという選手のおかげなのかもしれません。

伯父はその日に初めて私の彼に会いました。そして、

「バースってご存じですか。あなたはバースにそっくりだ。弟が存命だったら、

会わせてやりたかったものだ」

と言ったぐらいです。夫は、それくらいバースにそっくりだったのです。


話は少し戻りますが、父の死後、女手一つで私をここまで育ててくれた母には、

実は双子の妹がいました。「いました」が過去形なのは、過去のことだからです。

私の叔母になるはずだった、私の母の双子の妹は、誕生と同時に亡くなりました。

記憶のない父のことで私が泣いた夜、母は初めてそれを明かしてくれたのです。


私たちはふたりとも“生き残り”です。生まれながらにして罪の意識を抱えています。

私たちの命は、あたかもだれかの命を奪うことによってしか存在できないのだと、

生まれたときから宣告されてしまっているかのように思われました。


話はさらにさかのぼります。私の祖母は若いころ助産師をしていました。

祖母が助産師になったのは、生まれたときのことがきっかけでした。

祖母は生まれたときに、その母(私にとっては曾祖母)を亡くしていました。

いまよりずっと衛生環境がよくなかった時代のことでしょうから、

そんなことは「そんなこと」と言えるぐらいよくあることだったかもしれません。

でも、母親という存在を失うことの意味が、それで軽くなるわけではありません。


祖母は私とふたりきりの日、縁側でその話をしてくれました。

暑かった夏の午後のこと、祖母の声は夕立に紛れて秘密めいて聞こえました。

あのとき、私はほんの子どもだったはずです。それでも祖母は私のことを

ひとりの人間として接してくれているのは、それはもうはっきりと分かりました。

そして、これは祖母の話であるのと同時に私の話でもあるのだとなぜか悟りました。

父の死が自分の生まれた日のことだと、まだ知らされていないころの話です。

偶然なのか、意図的なのか、専業主婦をしていた祖母は、そのころから

仕事を再開しました。いまはこの産婦人科で医療事務の仕事をしています。


あぁ、こんな雨の夜は、どうしても感傷的な気分になってしまいます。

思い出されるのが雨の日のことばかりだからです。みんなあなたのせいです。


でも、あのときになかったものが、いまはあります。

そして、あのときにいなかった人が、いまならいます。

たくさんの人を失ったけれど、それでもいま、私には大事な人がいます。

母がいます。祖母がいます。愛する夫がいます。そして、…。

あなたはもうこれ以上、私たちからなにも奪えません。

愛する人たちを、私は全力で守るから。

これは私からあなたへの、挑戦状です。




追伸:

私は自分のおなかに宿る新しい命に、こう名付けたいと思います。

誕。たん、と読みます。きっと明日が彼の誕生日になります。

明日の東京は晴れです。あなたが経験したことのない、晴れです。

だから今度は、今度こそは、だれの命も奪わせません。

id:alpinix

ありがとうございます。

 

僕は文学の真髄は「読者のこころをいかに揺さぶったか」だと思っています。

 

そういう意味で、(ここまでの作品もすばらしいですが)sokyoさんの作品が一番ゆさぶりがすごかったです。

 

読者に喚起させる感情は「楽」「喜」「悲」などいろいろあると思いますが、sokyoさんので一番感じたのが「不安」と安」です。

 

僕はリアルのsokyoさんを知らないので、この作品が創作だろうと思いつつ、心の奥底で「まさか」を否定できません。そしてその「まさか」を最後の最後まで抱かせることで、とても不安にさせてくれる文章でした。リアリズムによる揺さぶりです。

 

追伸と、書かれた文章があったことで「そうかここでネタばれしてくれるのだな」と思わせておいて、実はそうではない。

でも追伸の内容は例え内容がリアリズムを描いたものであっても、そうでなくても、「安心」を与えてくれるすっきりとした情景を浮かばせてくれます。

 

時節がら、最後は僕なら「晴れ」ではなく、僕なら「はなみずき」や「八重桜」を持ってきたくなりましたが、そういう瑣末なガジェットくらいしかいじりようが無いと思わせる、リアリズムが"いるか"の選定理由です。

ランディ・バースで振っておいて、最後に誕で戻すところはご愛敬でしたね。

 

 

ああ、追記ですが、この作品が創作かどうかは謎のままの方がありがたいです。

2011/04/25 09:52:54
id:grankoyama No.5

回答回数560ベストアンサー獲得回数170

ポイント40pt

――これが成功すれば、創造主と呼ばれることになるだろう――

 そのような思いとはうらはらに実験器具を弄ぶように操る。彼は鼻歌交じりにあらかじめ決められた手順に従って効率よくルーチンをこなしていく。


 彼の手の中で大きなバースト――それは、無から全てを生み出そうとする途方も無い挑戦――が起こり、爆発の余波を受けた彼の掌から幾つものが、破片がこぼれ落ちる。

こぼれそこなった数多の物体は彼の掌の上を漂い、次第にその濃度を薄めながら広がり、やがては消えていく。

そうして掌上に漂う靄がすっかり無くなったのを確認してから彼はすぐに次の起爆に取り掛かる。


 何度も何度も繰り返す。

彼の横では、彼と同じような作業を延々と繰り返す同士の姿があった。その隣にも。そのまた隣にも。幾人も幾人も。


 いつか訪れる成功を信じて何度でも繰り返す。

彼らの感じている尽きることの無い孤独を癒してくれる存在をみつけだすまで。

いつの日にか、彼の掌で出来上がった世界の内部で彼や、彼の同士達の存在を予見し、ついには実際にコンタクトを取るだけの技術や意識を持ったものが誕生するまで。


 何度も何度も繰り返す。

初期パラメータを変えながら。環境変数のパターンを何通りにも変更しながら。時には単に強く願うことによって。

その瞬間が来ることを夢見て繰り返す。


 そうする彼、彼ら大勢の掌の中では、数え切れない生命種が、何億回、何千億回もの知的生命が生まれては消えていく。

自分達を生み出した彼らの存在に気付くことなく。

あるいは気付きながらも、彼にそれを伝えることができぬまま。高度な文明を築きながらも、外宇宙へ想いを馳せながらも。

ついには彼に接見することなく果ててゆく。


 何度も何度も生まれては消えていく。

ある時は、その閉じた世界の中に多数の知的生命が生まれ、限りなく微少の可能性の網をくぐり抜けて交流を始める。そして、その知性を格段に昇華させる。しかし、自分達を超えるだけの存在を見出すことなくやがては儚い運命を辿る。


 幾度も幾度も繰り返し誕生する。

全宇宙と一体となることのできる、大きな器を備えた存在。自らの種の限界を超越した個体。

その心の内にすべての事象を内包する存在。彼の掌――あるいは精神――に最も近づくことのできたモノ。

それでもついには、彼にその存在を認識させることなく霧散する。


 何兆分の一の彼の掌で、ほんの数百兆年分の短い宇宙の一生が、何度も何度も繰り返される。

彼が瞬きしている間にも、彼の掌にはひとつかふたつの宇宙が生まれる。そしてその隣の彼らの掌でも同じように。そのまた隣でも。

果てし無き挑戦は無為に続いていく。

それでも彼らは時が来れば一つ歳を重ね、掌の中で新たな誕生を積み重ねてゆく。

そして彼ら自信も彼らの住む世界を見守る<彼>の存在に気づくことなく果てていく。


 何度でも何度でも繰り返される。




 何度も何度も……何度でも何度でも……

id:alpinix

一人称が男性でありながら、作品を読んだのが話題の魔法少女モノの後だったので、どうしてもそれとリンクしてしまいました。

 

高次元の存在を記述するのは難しいですが、「今の宇宙は何度目かの宇宙」という説を踏襲した野心的な作品だと思います。

 

 

神は人類創造の夢を見るのか?

 

という面白い命題だと思います。

 

アレ、G子さんさっき登場しなかったっけ?

2011/04/25 09:59:00
  • id:alpinix
    すみません、少し遅くなりましたが、締め切ってオープンします。
    講評その他は後ほど。懸賞金はないので、スターその他感想はご自由につけてくださってかまいません。
  • id:alpinix
    大変な労作を皆さんありがとうございます。
     
     
    む、む、難しい・・・・、毎度のことながら、いるかが5匹くらい欲しいところです。

    講評その他は後日、といっても月曜の朝までしか時間ないですが。
     
    今回は質問の主旨もあり、ルール(一人一律20p)を無視してポイント上乗せすると思います。
     
  • id:takejin
    alpinixさんお疲れ様です。回答者は勝手に書いてるだけですんで(って他の方はどうなのかな?)、ポイント付けなど大変だとおもいます。
     
    ライナーノーツ
    土日に予定が詰まっていて、投稿が土曜日午前というまるでGW進行。しかも、平日は珍しく忙しいというところに、手水鉢の件でも手探り(こっちは回答のタイミングを逸してしまいました)という日程で書いてました。(以上時間的言い訳)
    いつもながら、お題は素直に使わないので、
    ランディ・バース&バースデー禁止
    挑戦状のまんま禁止
    と縛りました。
    でも、肝心のストーリーがでてこず、昔のメモ書きを引っ張り出して
    「のるかそるかの宇宙探検には、余命の確定した人を、宇宙船の部品として送り出す」
    を使ってみました。
    推敲の時間が少なくて、いつもなら削る部分が沢山残っている点。説明不足の点。不満いっぱいでしたが、とりあえず回答しました。こう書くと失礼な奴ですね。すみません。
    ま、せっかく書いたので、お披露目だけはさせていただこうと…。
    かような作品なので、いるかなど滅相もない。候補にしてもらうだけでももったいないです。
    ありがとうございます。
     
    科学的検証の時間を取っていないので、じつは設定上の時間の対応(余命と宇宙船の経路と超光速の経過時間等々)は嘘ばっかりの適当です。だから、読み取れなくてしょうがありません。(含みのある感じなのは、めくらましのまやかしです)
     
    他の方の作品については、もう少し読んでみようと思います。
  • id:grankoyama
    グラ娘。 2011/04/25 21:54:47
    皆さん一回答なんだもん。一本目は普通。2本目はお誕生日ネタが多いと踏んで裏を書くつもり(&あえてnew武藤さんのハピバスデをぶつける)が、全く持って不発に終わりました。

    武藤さん。。。打ち切りの危機に立たされていたので編集部の意向を受けて王道バトル路線へ舵を切らざるをえませんでした。
    そこに、富樫武内夫妻からの多大なる影響(パクリともいう)とかつてのジャンプ連載マンガのテイストが入り込みました。

    >神は人類創造の夢を見るのか?
    『創造主との対話は実現されうるのか?』が、書きたかったことですが、まぁ時間もそれほど取れずに練りきれなかったのでこんなもんですかね。
    一応は、自分なりにかきつばたでの再出発を目指してはいたのですが。どうもうまくいかない。向いてないのかなぁ。。。
    例の魔法少女は最後まで見れてないので、どこまでネタが被っているのかが少々気になるところです。

    10時前の段階で、まだ講評が付ききってないのを見てはらはらしてました。お忙しい中お疲れ様でした。
  • id:sokyo
    わーいるかさん♪ ありがとうございます!

    それにしてもこの伏線grankoyamaさんに見抜かれちゃうとは思わなかった…。
    今回の伏線がわかんなかったら、次次回以降のかきつばた杯をお楽しみにー。
    (↑伏線って言いたいだけ)
  • id:meefla
    S本「あなたの、そして私の夢が走っています。関西テレビのS本です。解説のO川さん、A楠バースデー杯は5頭立てという少頭数のレースになりましたが」
    O川「ハンディキャップ戦でしたからね。重いハンデを嫌って回避した向きも多かったようです」
    S本「では早速レースを振り返ります。先手を取ったのはムトーグランコでした」
    O川「グランコ牧場は2頭出しでしたが、ハナに立ったのは作戦通りでしょう。追走したリバースタケジンも良い脚を見せました。もう少し絞れていれば優勝もあったかもしれません」
    S本「第四コーナーを回るまでほとんど動きがありませんでしたね。これはO川さん、どう見ましたか」
    O川「やはり『かきつばたの女王』リアリズムソキョーを警戒しての事でしょうね。先にムチを入れたほうが負け、という我慢比べになりました」
    S本「たまらず動いたクイーンミーフラをリアリズムソキョーがあっさりかわした時には、これで決まりかなと思いましたが、後方からバーストグランコが飛んできました」
    O川「あわや、というシーンでしたが、そこはリアリズムソキョーの貫禄勝ちですね」
    S本「最後に、クイーンミーフラの敗因について一言お願いします」
    O川「脚質に尽きるんじゃないでしょうか。私は芝には向いていないと思います。ダートでは実績をあげていますし」
    S本「それでは皆さん、次回の人力中継でまたお会いしましょう」
  • id:alpinix
    皆さんありがとうございます。
    講評がぎりぎりで冷や冷やさせたようで申しわけない(自分が一番冷や冷やしたのは内緒)。
     
    5頭立てでも駿馬ばかりなので、質問者的には満足なのですが、今後のことを考えるともう少しハードルを下げて門戸を広くとるべきかなあとも感じました。
     
    しかし終わった後に、余韻に浸りながら皆さん再度集まっていただけるのはうれしい限りです。
    また次の機会ができましたらおねがいします。
     
  • id:hokuraku
    ~質問者&回答者の皆様へ~

    ご無沙汰しております。hokurakuです。
    皆様にお願いがありまして。

    思いつきなのですが、このかきつばた杯を編集してpubooの電子書籍として配布したら面白いかなぁ、などと思いました。
    <ブクログ パブー>http://p.booklog.jp/

    もちろん、配布は無料で行います。
    要は、皆さんの質問&回答を電子ブックリーダーやスマホにダウンロードして読めるようにしたらいいかなぁ、というものです。

    そこで皆さんにお願いなのですが、各質問&回答の著作権は皆様にありますので、pubooへの転載しても構わないよー、という方はお手数かけますがこちらにコメントをお願いします。
    なお、はてなには皆様から了解が得られれば転載は構わない旨、回答いただいております。

    ※同様のコメントを各回の質問に載せたいと思いますので、常連さんにはご迷惑おかけします。すいません。
  • id:alpinix
    >※同様のコメントを各回の質問に載せたいと思いますので、常連さんにはご迷惑おかけします。すいません。
    全部に返信するのも面倒ですし、同じことを書くのも読む方も大変でしょうから、自分が主催した質問ということでここに返信しておきます。
     
    >>
    なお、はてなには皆様から了解が得られれば転載は構わない旨、回答いただいております。
    <<
    そういうことであれば、どうぞ~。ご随意に。
    元々はhokurakuさんが主催して始まったシリーズですし、そのhokurakuさんが考えて、はてなが了解したことであれば、特段に反対する理由はありませんです。
      

     
    ただ、個人的な見解ですが、他サイトに同じ文章を転載することの有用性については特に前向きなものは感じられないので積極的に「おおいいね~じゃあせっかくだからリライトするよ~」とかまではいかないです。
    すいません。
     
    リニューアルして回答即オープンになった後の"かきつばた"を見ても感じますが、やはり同時進行で参加するときのワクワク感に勝るものはないと思うからです。アーカイブとしてならここで十分用は足りるし、商業ベースのリンク先コンテンツの中に混じってしまうと、かきつばたの開催期間中の煌きが伝わらない分、こんなもんじゃないんだけどなあ、という歯痒さもでてくるかもしれないなあ、と。

     
    ちょっと否定的なことも書きましたが、多分hokurakuさんのことですからそんなことは踏まえた上のことでしょうし、「それでもやってみる価値はあるかも」ということであれば、alpinixの拙作でよければいつでもどうぞです。

     
  • id:hokuraku
    alpinixさん、どうもありがとうございます!

    今回の企画は、
    1)スマホ持ってない自分が(家で電子ブックリーダーにダウンロードしておいて)電車の移動中にかきつばたを読みたい
    2)リニューアル後に離れていた人力検索へのノスタルジー
    3)なにかとメンバーが固定化されがちなシリーズ質問への新入部員の勧誘
    みたいな感じで思いついております。(とっても自己中心的でごめんなさい)

    ご指摘の「参加者の楽しさ」がどうやったら伝わるかなぁ、悩みどころですよね。なんとか、受動的ではない読み物、というのができればなぁ、と。

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