「人種差別発言」という見出しがつき、「いや発言内容を見ればそういう意図は読み取れないだろう、マスコミの誘導だ」って反論も出て話がややこしくなっちゃってるなあ、と思いながら眺めていました。
米国に20年暮らしてきた感覚からすると、(人種に関しての)丸山発言の本質的な問題は、丸山氏の意図とは関係なく、丸山氏の一面的な認識の方にあると感じられます。
アメリカで黒人が奴隷であったこと、差別がひどかったこと(今もありますが)、そういう歴史や社会状況の中で黒人の大統領が誕生したことが画期的であったこと、は事実です。なので、例えば「かつて黒人は奴隷であり差別されていたが、黒人の大統領が誕生することが…」等と言ったなら(人種に関しては)問題は無かったと思います。
言葉のアヤみたいに思うかもしれませんが、決定的に違うんです。
アメリカは今でも多種多様な民族がぞくぞく移民してくる国です。ですから、街を歩いていて黒人を見た時に、その人が「かつて奴隷として連れてこられた黒人の末裔」なのか、「ごく最近になって移り住んだ一世」なのか、はたまた「市民権を持たない外国人」なのか、なんてことはわかりません。本人に聞いてみないと。
そういう各個人の具体的な差異を無視して、「黒人なら奴隷の末裔だろう」と短絡的に考えることを、人種的ステレオタイプといいます。「奴隷の血を引く黒人が…」と不用意に発言してしまうことで、ステレオタイプに無自覚なことを露呈してしまっているんです。(あくまで丸山氏の無自覚さ、不用意さが問題なので、米国から抗議が来るような性質の「差別発言」ではありません。)
(なお、「丸山氏本人はそう思っていないが、米国社会一般で黒人は奴隷の末裔と思われているという事実に言及したのだ」という解釈もありえますが弱いです。今ある黒人差別は社会階層とコミュニティの分断によるもので差別する人もいちいち「奴隷が」とか考えていないんじゃないかと思います。というのも、奴隷であったことのない他の有色人種についても差別があるからです。米国内にある差別に言及するとしても、「奴隷の血をひくから」と言ってしまうのは認識の浅さを批判されても仕方ないでしょう。)
ただ、個人的には人種の話よりも、国会議員が自国の主権を他国に渡すことを堂々と話す方がよっぽど重大という気はします。仮定の話にしても雑すぎますし(ハワイがテリトリーから州になるときにどういった議論があったのか、とか承知しているのか疑問です。)
丸山氏の、ダイナミックな変革を求めたいという意図については何ら悪いことはないと思いますが、それを言うためにああいう表現しか出来なかったことが資質を疑わせるものであった、という点が問題じゃないかと思うわけです。
参院選憲法審査会での丸山和也議員の発言を文字起こし - zionsの日記 ここに発言そのものの前後の文脈がかきおこしてあります。もともとは人権侵害を意図した発言ではなくて、「平等の国・変革の国であるアメリカ」への憧れがあり、憲法審議のなかで、「日本もアメリカの属国になってしまうのが心配だと(丸山さんとは反対の立場の人が)おっしゃいますけど、それではどうしていけないのですか。アレはいい国なのですよ。昔あった人種差別ももうすっかり無くなり、先祖が奴隷としてつれてこられた黒人の子孫が大統領になりました。日本もすぐ平等かそれ以上に扱われるようになるにちがいありません。そういう視点から憲法を読み直したらどうですか」というような極論なたとえ話のなかの一節です。全体としてはむしろアメリカ政府へかなりおべっかをつかっているような感じをうける発言なのです。
アメリカにとって決して失礼ではなかった証拠に、アメリカ側から公式に抗議があったとはきこえてきません。(アメリカ国内のほうがもっと黒人にたいしてひどいことを言う人が沢山のこっているので、そんな細々した海外の意見にどうこう言えた義理ではないということもあります)
国会審議そのものも、会期に限りがある以上、スピーディーでなければならず(1議題への1党からの発言の時間は5分までなどときめられています)、そのために言葉の省略が激しいのですが、だからといって新聞の見出しを丸呑みすると、大筋を見失い、だまされますよ。
アフリカ系人種(旧称:黒人)はもともとアメリカ大陸には居ませんでした。居たのは北アメリカ原住民(旧称:インディアン)だけです。
アフリカから国がいくつかなくなるほど、イギリス人による三角貿易で人間が奴隷として買われて、植民地化をねらうイギリス人とともに北アメリカ大陸に移住させられたことはアメリカの歴史自身にきざまれています。
人種としての優劣を門地にかこつけてでっち上げようとする人にとっては、祖先が奴隷であったことは有力な攻撃目標だろう。
実際に黒人に対する人種差別が一番激しいのはアメリカ合衆国そのものであるのは周知の事実。
日本での国会議員の発言は例えば例のトランプ候補だったか、ああいう人の発言に比べれば穏やかそのもの。
差別発言とすら受け取られていないし、また事実を述べたまでの発言であることは疑いない。
しかし、奴隷制度そのものを直視する勇気のない人にとっては人種差別発言に聞こえるんだと思う。
あれは言葉狩りだな。
マスコミは偏向報道しようと必死なんだが、ネタ切れで見苦しいし鬱陶しい。
勉強になりました。ありがとうございました。
現職の大統領だからというあなたの話もどうかと思いますが、内容的に差別やそういう意図ではなく、単純にマスコミにとって良い材料になっているだけかと。肌の色はある意味日本の菊タブーに該当するような感じかと。
タブーに踏み込むのであれば、それなりの意図や意味を持ってすべきでしょう。マスコミが騒ぐことも容易に想像が付くだろうに、考えが足りない気がします。
深遠な考えがあり、このように色々な人が取り上げてくれることを意図していたのであれば有能と言わざるを得ませんが・・・
もっと他の重要な議論がこの人の発言で隠れてマスコミが取り上げないのが残念です。
勉強になりました。ありがとうございました。
沈思黙考 ~ よほど緊急でなければ、せめて三分は考えよう ~
>アメリカ大統領に対してこの発言は国として陳謝して<
国の主権は国民にあり、その国民に選ばれた国会議員の発言を、国が
外国の元首に陳謝する必要はない。議員の出処進退も、選挙民しだいだ。
外国の皇太子ニコライ二世を、日本の警察官が斬りつけた大津事件で、
政府や議会がうろたえ、犯人を死刑にして、犯人の姓名を廃絶すべきと
付和雷同したが、大審院が法治国家として三権分立を守り、評価された。
「桓武天皇の后は百済の王女だった」 誰に聞きかじったか、小沢 一郎
が韓国で講演したので「日王は韓国に来て土下座せよ」の流れに傾いた。
やむなく天皇が宮中晩餐会で「韓国に、ゆかりを感じる」と語られた。
http://twilog.org/awalibrary/search?word=%E6%A1%93%E6%AD%A6&ao=a
…… 日本批判発言のマイク・ホンダ米下院議員は朝鮮人?(百田 尚樹)
http://blog.livedoor.jp/omakefull/archives/44609394.html
質問者としては「アメリカが国として(日本の首相や天皇に)陳謝し、
ホンダ議員には辞職してもらいたい」ですか?
あるいは、そういうことが可能だと信じているのですか。
これがアメリカだ! ~ 人種差別と公民権の歴史を一言で ~
…… 60年前は、レストランにも入れなかったであろう父をもつ男が、
いま、どうして最も神聖な場所に立つことができるのか(就任演説)。
http://q.hatena.ne.jp/1232570600/200835/#i200835(20090122 06:22:21)
オバマの黒白 ~ Yes we can, Yes he done ? ~
Obama Jr, Barack Hussein 19610804 Hawaii /20090120 就任演説“new Era of”
http://q.hatena.ne.jp/1232570600/200835/#i200835
http://q.hatena.ne.jp/1232570600(20090122 05:43:20)
bin Lādin, Awad 19570310 Arabia 20110502 54 /襲殺
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20111020
砂漠の敗北者 ~ フセイン、ラディン、カザフィ ~
…… 71年前、死が空からやってきた、私は死者を悼みにやってきた。
── 《ニュース「オバマ大統領広島訪問」20160527 16:00-18:45 NHK》
https://twitter.com/awalibrary/status/736117177355403264
「人種差別発言」という見出しがつき、「いや発言内容を見ればそういう意図は読み取れないだろう、マスコミの誘導だ」って反論も出て話がややこしくなっちゃってるなあ、と思いながら眺めていました。
米国に20年暮らしてきた感覚からすると、(人種に関しての)丸山発言の本質的な問題は、丸山氏の意図とは関係なく、丸山氏の一面的な認識の方にあると感じられます。
アメリカで黒人が奴隷であったこと、差別がひどかったこと(今もありますが)、そういう歴史や社会状況の中で黒人の大統領が誕生したことが画期的であったこと、は事実です。なので、例えば「かつて黒人は奴隷であり差別されていたが、黒人の大統領が誕生することが…」等と言ったなら(人種に関しては)問題は無かったと思います。
言葉のアヤみたいに思うかもしれませんが、決定的に違うんです。
アメリカは今でも多種多様な民族がぞくぞく移民してくる国です。ですから、街を歩いていて黒人を見た時に、その人が「かつて奴隷として連れてこられた黒人の末裔」なのか、「ごく最近になって移り住んだ一世」なのか、はたまた「市民権を持たない外国人」なのか、なんてことはわかりません。本人に聞いてみないと。
そういう各個人の具体的な差異を無視して、「黒人なら奴隷の末裔だろう」と短絡的に考えることを、人種的ステレオタイプといいます。「奴隷の血を引く黒人が…」と不用意に発言してしまうことで、ステレオタイプに無自覚なことを露呈してしまっているんです。(あくまで丸山氏の無自覚さ、不用意さが問題なので、米国から抗議が来るような性質の「差別発言」ではありません。)
(なお、「丸山氏本人はそう思っていないが、米国社会一般で黒人は奴隷の末裔と思われているという事実に言及したのだ」という解釈もありえますが弱いです。今ある黒人差別は社会階層とコミュニティの分断によるもので差別する人もいちいち「奴隷が」とか考えていないんじゃないかと思います。というのも、奴隷であったことのない他の有色人種についても差別があるからです。米国内にある差別に言及するとしても、「奴隷の血をひくから」と言ってしまうのは認識の浅さを批判されても仕方ないでしょう。)
ただ、個人的には人種の話よりも、国会議員が自国の主権を他国に渡すことを堂々と話す方がよっぽど重大という気はします。仮定の話にしても雑すぎますし(ハワイがテリトリーから州になるときにどういった議論があったのか、とか承知しているのか疑問です。)
丸山氏の、ダイナミックな変革を求めたいという意図については何ら悪いことはないと思いますが、それを言うためにああいう表現しか出来なかったことが資質を疑わせるものであった、という点が問題じゃないかと思うわけです。
このお答えが一番ぴたっと私の気持ちに合いました。丸山さんは立派な経歴をもって国会議員でありながらなんというお粗末な発言なんでしょうか、自民党の甘利元大臣に始まり、情けない発言が続き情けない気持ちにさせられます。米国の人種差別は黄色人種である日本人にも及び戦時中の日系人の財産没収と収容所送りの例がありますね。私は黒人のほうに親しみを感じますし、オバマ大統領は好ましく思っています。次期大統領戦も目が離せません。回答ありがとうございました。
このお答えが一番ぴたっと私の気持ちに合いました。丸山さんは立派な経歴をもって国会議員でありながらなんというお粗末な発言なんでしょうか、自民党の甘利元大臣に始まり、情けない発言が続き情けない気持ちにさせられます。米国の人種差別は黄色人種である日本人にも及び戦時中の日系人の財産没収と収容所送りの例がありますね。私は黒人のほうに親しみを感じますし、オバマ大統領は好ましく思っています。次期大統領戦も目が離せません。回答ありがとうございました。
2016/02/23 09:45:10