森林インストラクタの資格取得を目指しています。過去問の◯✕問題の中で、以下が模範解答では✕になっていますが、どこが✕なのか教えてほしいです。「森林法には森林窃盗の規定がおかれ、それは刑法の窃盗罪の特別規定になっているので、森林内にあるキノコを窃取した場合は、ほだ木によって栽培されているかどうかを問わず森林窃盗の対象となる」

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  • 終了:2022/08/16 15:41:31

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id:MIYADO No.1

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刑法

(窃盗)

第二百三十五条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

 

森林法

第百九十七条 森林においてその産物(人工を加えたものを含む。)を窃取した者は、森林窃盗とし、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

 

民法

(不動産の付合)

第二百四十二条 不動産の所有者は、その不動産に従として付合した物の所有権を取得する。ただし、権原によってその物を附属させた他人の権利を妨げない。

 

(共有の性質を有する入会権)

第二百六十三条 共有の性質を有する入会権については、各地方の慣習に従うほか、この節の規定を適用する。

 

(共有の性質を有しない入会権)

第二百九十四条 共有の性質を有しない入会権については、各地方の慣習に従うほか、この章の規定を準用する。

 

民法により、土地に生えている植物は原則として土地の所有者の物です。ですから、他人の土地の植物を採れば形式上は刑法の窃盗罪に該当します。しかし、森林に生えている植物が土地の所有者の物とは言っても、所有の意識は弱いといった点があるので、採ったとしても所有者の物を採ったと言うより自然の物を採ったという意識が強いので、刑法の窃盗にするのは重すぎると考えられるため、わざわざ軽い罪が森林法に設けられています。

 

しかし、ほだ木は土地に生えているわけではないので、ほだ木によって栽培されているキノコを採った、というより取ったばあいは刑法の窃盗罪になると考えられます。

 

それから逆に、地元の慣習で採ることが許されている場合(栽培されていればまずありえないので野生の場合ですが)は、民法の入会権(いりあいけん)に基づく行為となるので、森林窃盗罪にも刑法の窃盗罪にもなりません。ただ最近注意すべきこととしては、地元の慣習で自家用に採ることが許されているからと言って、メルカリで売るために採ることが許されるわけではありません。

  • id:minminjp2001
    横槍すいません。「どこが✕なのか」ということを先に論じた方がいいと思うのですが・・・。

    強いていえば
    ☓「刑法の窃盗罪の特別規定」→○「刑法の窃盗罪及び民法の特別規定」
    という校閲?


  • id:MIYADO
    どこが×なのかというと、
    「ほだ木によって栽培されているかどうかを問わず森林窃盗の対象となる」
    が×です。
    ほだ木によって栽培されていれば刑法の窃盗罪です。詳しくは私が上で説明したとおりです。
     
    行政書士試験だと判決の結論だけ知っていると間違える問題が出ますが、果たして森林インストラクタがそういう試験なのかどうかは知りませんが。
     
    まあ、特別規定というより特別法といった方が適切ですが。
     
    それから、制度趣旨として、結果(被害者感情)を重視するか犯罪者側の主観を重視するかの問題はありますが、「この例では」どちらでも似たようなものです。
  • id:minminjp2001
    「ほだ木によって栽培されているかどうかを問わず森林窃盗の対象となる」が、どうして☓なのかそこがわからない



    森林法第百九十七条にははっきりと(人工を加えたものを含)んで罰する。言い換えれば、ほだ木であろうとなかろうと森林法罰の対象範疇なのではないでしょうか?
    設問文中の「ほだ木によって栽培されているかどうかを問わず森林窃盗の対象となる」の部分に関しては無謬であるように思えるのですが・・・・

    質問者さんの???もそこだと思います。

  • id:minminjp2001
    ああ言っていることがなんとなくわかってきた。

    設問文中の「になっているので、」の叙述性をどう読解するかで変わるといえば変わりますね。
    「になっているので、」を「としての性質に着目した場合に限ると」と読み替えると「問わず」ではなくて、「ほだ木である場合に限り」が修正後記述になる。ということですね。

    でもその一方で、「どうかを問わず」を温存したまま、「刑法」を「刑法及び民法」として修正した場合も全体として正しい記述に修正されると思います。
  • id:minminjp2001
    「ほだ木によって栽培されていれば刑法の窃盗罪です。」も
    「ほだ木によって栽培されていれば森林法によって(刑法寄りの事由で)処罰されます」
    が正しい言い方だと思います。
  • id:MIYADO
    ほだ木というのはこういう状態ですよ。
    https://www.kinokos.net/news/2260
     
    森林に生えたままの木に生えていて、犯罪者側が自生しているキノコと思って採っても無理がないような物ではありません。
  • id:minminjp2001
    知ってますよ。ハウス栽培のようなものでしょう。

    人工物と見えるか否かを問わずして森林法によって罰せられるのは、森林法自体が刑法及び民法の特別法だからである。。。も又正しい記述になると思います。
  • id:minminjp2001
    森林法側が特別法側なんだから、もしほだ木から盗めば「刑法の窃盗罪が適用される」のではなく「森林法によって減刑的に罰せられる」ということでしょう。
  • id:minminjp2001
    >「ほだ木によって栽培されているかどうかを問わず森林窃盗の対象となる」が×です。

    ではみやど氏着眼により上を修正記述すると、「ほだ木である場合に限って森林窃盗の対象となる」が正しいと。

    でもそれだと文章全体としては自生キノコはなんら違法ではないようにも思えてしまうんだよなあ。

    「森林法には森林窃盗の規定がおかれ、それは刑法の窃盗罪の特別規定になっているので、森林内にあるキノコを窃取した場合は、ほだ木によって栽培されている場合に限り森林窃盗の対象となる」
  • id:MIYADO
    まあ、森林の「産物」の解釈問題になってきます。
    たとえ所有者が切り離そうが加工しようが持ち運ぼうが森林の産物だと解釈するなら、森林から出るまでは盗まれたとしても刑法の窃盗罪でなく森林窃盗罪になることになりますが、果たしてそういう解釈でいいのかどうか、という疑問はあります。
     
    判例として「森林窃盗罪でなく刑法の窃盗罪の成立を認めた事例」は別の森林に運ばれた場合があります。その判例に従うなら、少なくともほだ木を別の森林に運んである場合は刑法の窃盗罪になります。
    https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=75979
  • id:minminjp2001
    判例の結論だけ先読みして恣意的拡大解釈するのは禁物って、言いたいことはわかるけど、某名誉教授だってやらかしていて(以前指摘しました)、改正民法ではどうなっているかと興味深く注目しましたが、何ら本質的な手当はないようですね。
  • id:MIYADO
    類似の例が地方自治法百条七項にあって、百条委員会での偽証は裁判での偽証より悪質さが小さいと見て刑法百六十九条の偽証罪の特別法として軽くしてあると考えられますが、御宿町議会の弁護士が別な解釈をしたらしく町長を刑法の偽証罪で告発したのですが、結局不起訴になったので判例など出ません。

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