ISBN コード(注文短冊など)
まず、補充注文カード(業界用語では注文短冊、本屋さんの場合は注文スリップとか、単にスリップと呼ぶようです)について。
ご覧になればおわかりのように大書店の場合、いまや無用の長物と化しているようです。リアルタイムで、自動的にオンライン注文されてしまうため、注文短冊を使う必要はなくなっているんですね。中小の書店では使われていますが、現在のように出版物の寿命が短くなっている現状を考えると、小さな書店で同じ本が何冊も売れるでしょうか? きわめて疑問に思うところです。コンビニは、ほとんどの店舗で POS システムが導入されていますから、注文短冊は不要。ですから中堅どころの書店が、商品の補充のために利用しているというのが現状ではないでしょうか。
参考:
本の流通と陳列期間について
ネクサスネット 出版流通
さて、万引き問題です。まず、
のなかほどに、
「ある街でこんな事件があった。幹線道路に中古本チェーンのブックオフが進出してきたとたん、駅前の本屋の万引きの数が増えたのである。傾向を見ていると新しく出たばかりの漫画本ばかり狙われる。不信に思った本屋の店主が専門の警備員を雇い犯人を捕まえてみると、犯人は小学生や中学生と言った未成年ばかり」
「何と彼らは万引きした本を全てブックオフに持っていき小金をせしめていたのである。ブックオフの漫画の値段のつけかたは非常にシンプル。綺麗か綺麗でないか、出たばかりか、そうでないかだけである」
という記述が出てきます。ここだけではなく、これは全国的な現象になっているようで、ブックオフなどの、いわゆる新古書店と呼ばれる本の買い取り販売店の急増に原因があるとされています。
報道をいくつか挙げると、
<新古書店ショック 変わる出版>上(朝日2001年6月3日)
<新古書店ショック 変わる出版>下(朝日2001年6月4日)
万引き防止装置 必ずどこかで見張ってる(朝日2001年8月6日)
書店万引き防止(毎日2001年11月27日)
「本の万引きはコミックなどを中心に増加し、最近では換金を目的にした『大量・根こそぎ型』といわれる万引きが増えている。特に発売直後の人気コミックや高額な写真集の被害が急増している」
(ABC NEWS ゆう 2002年4月4日)
「万引きが書店をつぶす」「万引き対策も検討」
万引きで数億円分の本消える(朝日2001年5月23日)
「書店で本の万引き被害が深刻化している。出版物の売り上げが4年連続のマイナス成長で、書店経営が厳しさを増すなか、追い打ちをかける形だ。図書館やCD店のようにゲート式の防犯装置で自衛する店も出てきた」
「年間1000店以上の書店が廃業する「出版不況」。このまま放置はできないと、ゲート式装置を導入する書店も出てきた」
「かつて万引きは、本を買えない苦学生によるものと大目に見られていた。しかし、最近の万引き急増を書店側は、きれいな『古本』を買い取る『新古書店』が登場し、本の換金が容易になったことが原因とみている」
さて、これに対する古書店(というより、いわゆる新古書店)側の対応はというと、
ブックオフなど、業界団体設立
「『書籍の万引きを誘発する』といった新刊書店からの批判に業界として対応する目的。まず来春、書籍買い取り時の本人確認などの基準を統一する計画だ」
といったところが、目立った動きのようです。業界団体を作ったということは、この団体にもっぱら万引き問題を扱わせて、ブックオフなどの新古書店側からは直接見解を出さない、と考えるのが妥当かもしれません。
参考:
21 mar(thu)(ページのなかほど)
「本屋も年間1000店以上廃業している。おまけに万引きで数億円の被害が出ているという」
「日本書店商業組合連合会が昨年、18年ぶりに万引きの実態調査を実施したところ、 被害金額は年間で1店平均約70万円だって」
「新古書店問題」を考えよう
オンライン書店は新刊より古本?
http://www.mlexp.com/fujiko/stop_newold.htm
新古書を売らない、買わない
新古書問題を考える
ブックオフ
本を売るならBOOKOFF(ブックオフ)
ブックオフのオンライン店舗
【イーブックオフ】日本最大級のオンライン中古書店
いつも詳しい解説をありがとうございました。
今回も大変勉強になりました。