「・・・その第一条に、『行政警察ノ主旨タル、人民ノ凶害ヲ予防シ安寧ヲ保全スルニ在リ』と規定し、第三条に具体的に警察の任務を列記した。『其ノ職務ハ第一、人民ノ妨害ヲ防御スルコト、第二、健康ヲ看護スルコト、第三、放蕩淫逸ヲ制止スルコト、第四、国防ヲ犯サトスル者ヲ隠密中ニ検索警防スルコトノ四件トス』。・・・第三条の職務の解釈によっては、警察官は人民生活のどんなすみずみにまでも介入できるものであり、事実においても、国民は二十四時中警察の監視下に置かれ、『束縛ハ保護ナリ』と確信した川路の希望したごとく、日本は『警察ノ国』とされていった。・・・」(井上清著「日本の歴史20」p375より引用)
事実上、これが(少なくとも設立時の理念としての)警察の意義かと。
警察は、たとえば流通と統一市場の保証のため、また、領主権から解き放たれてプロレタリア化して都市へ出てくる貧民の取り締まりのため、資本主義の成立とだいたい同じペースで形成されました。近代になって、ひとが、市民という抽象的な形態になるのに対応して、取り締まり側も、警察という国家レベルのものが直接おこなうことが要請されたわけです。また、資本主義という面からいうと、安全コストを(警備会社などによってではなく)平等に負担することで、競争に専念する環境をつくりだす、という意味があります。
日英の比較論文ですね。
なかなか興味深いです。
ありがとうございました。
回答ありがとうございます。
できればどの辺にあるのかコメントをいただけると助かります。
なるほど。
読み物としても大変楽しめました。
ありがとうございました。