現在、私は病院医療からは離れていますが、以前はよくこういう指示がありました。
ただ、それは高血圧に対する有効な薬剤がなく(Ca拮抗剤が出始めたころです)、脳出血が脳卒中の半分以上の原因だった時代です。
いまや、脳卒中のほとんどは脳梗塞ですし、脳梗塞の場合、発症直後の血圧上昇は降圧するな、が鉄則です。
高血圧緊急症の概念は存在していますが、180mmHgでは降圧しないでしょう。ましてや、220mmHgをこえるような状況でしたら「医師上申」と指示すべきです。
したがって、こうした指示は「過去の遺物」と思います。アダラートも急激な降圧は有害、というエビデンスのもとに舌下が禁忌になったわけです。
ただ、解離性動脈瘤・急性左心不全のような状況には降圧は必要です。しかし、その場合、医師がベッドサイドに居ることが必要と考えます。
病棟指示というのは、あくまでも緊急指示だと思われますが、おっしゃるとおり、普段の収縮圧が150くらいある人もいれば、逆に100程度の人もおり様々で、個人差(個体差)が考えられておらず、すべてのPtに当てはまる指示ではないと思います。もう一つは、人間の体は血圧をはじめ、○○の値の時にはどうであるというような、デジタル的な扱いをうけるものではありません。アナログ的に扱われるものだと思います。(言いたいことが伝わるでしょうか)そういう2つの点で、私も矛盾を感じます。あくまでも、便宜上の点が優先されて出される指示と個人的には考えています。これは、例えば、検診などの評価で、数値がを1でも越えれば、正常範囲の評価から要観察や要精査などのランクに変わってしまうというのも同様で、長身の人、筋肉質の人、お年寄り、若い人などすべての人達を同じ杓子定規で便宜上判定していることと似ている様に、個人的には感じます。血圧の話に戻ると、180と言う値はあくまでも、平均したPtに対する便宜上の目安の値かと思います。僕が過去に勤めた病院では、血圧の緊急指示は200だったり180だったり色々です。でも例えば解離性動脈瘤の入院患者のように厳密な血圧管理の必要な時にこのような指示を出す主治医は居ないと思います。(内科医)
ご回答ありがとうございます。やはり何某かの矛盾を感じてらっしゃる先生方が多いのがよくわかりました。私も全くそう思っています。どうしても指示が要る!と言われる場合には渋々具体的な指示を出しますが・・・。本当にそういう処置が必要な病態(高血圧緊急症)であれば看護師に投薬を任せられる状況ではありませんよね。
http://www.d-inf.org/drug/nifedipine.html
ニフェジピン(アダラート)の舌下投与禁止
医師ではないのですが、アダラートの舌下使用はメーカーからの指示で禁止になっています。
ご回答ありがとうございます。ご提示の件、私もよく知っています。申し訳ございませんが、今回はこのことを問題にしているわけではありません。
私も医師です。すでにオープンされている回答と基本的には同じで、慣習的に180という数字が挙がっていて症例ごとに指示は変えるべきで正しく血圧をコントロールするためにはその後の血圧経過その他を観察して治療を継続するべきだとは思います。しかしながら、血圧いくら以上でこの薬を投与と指示する場合は緊急症の指示をあらかじめしておくということではなく緊急症あるいは高血圧に伴う合併症を未然に防ぐ予防指示として使うという感覚で考えればいいのではないでしょうか?そうしないと今度は血圧に関してどうなれば連絡をするように指示するかということになります。血圧180以上であればDr.callと指示しますか?血圧180以上で動悸があればDr.callとしますか?かなり綿密な指示が必要になります。血圧180以上という一律の指示はおかしいですが、経験則で180以上でアダラートを内服して過度の降圧を引き起こす可能性が少ないと考えて指示を出しているものだと思います。医師が24時間直接患者を診察して指示を出すことができない以上危険な状態になりそうな場合の指示をあらかじめ出しておく必要もあり、あまり細かい指示を出すと抜け落ちるあるいは取り違える場合が出現してかえって誤った処置が行われる場合もあり簡潔で大はずれがない指示が必要になるのだと思います。今回の場合は血圧の180を症例ごとに規定する投与後の血圧再検の時間を併記してその後の結果でDr.callなどというのがいいと思います。私は恥ずかしながら普通は180でしています。同様のことは解熱剤の指示にもありますね。38.5℃以上ボルタレン座薬25mg1個という分です。これも症例によって熱の指示、容量の指示は変えていますが。。。インシュリンの指示もカタボンの指示もそうですね。(こっちはもっと細かくは指示しますが)。そうやっていくとあらかじめ指示をしておかないと看護師は電話ばっかりすることになると思います。夜間の病院は看護師2−3人で40―50人の患者さんを受け持ちますからね。夜間寝ずに病棟で診療する医師がいるような病院なら別でしょうけど。(それとICUなど)いろいろ思いつくままに書きましたので文章的におかしいところがあるかもしれませんが、お許しを。
ご回答ありがとうございます。まだ申しておりませんでしたが、当方ICU勤務が長いものでして(現在は異動で市中病院ですが)、その感覚で画一的な指示に違和感があるのかもしれません。ICUでも指示は求められますが、私の場合は大体はDr.callでした(^^;)何かあれば直接診ますと。例えば大動脈解離で厳密な降圧管理が必要で薬を適宜微調整する必要がある時は具体的な目標血圧と調整の指示を出しています。”医師が24時間直接患者を診察して指示を出すことができない以上(中略)簡潔で大はずれがない指示が必要になる”・・・ICUではともかく、一般病棟では確かにそうせざるを得ないかもしれませんね。”緊急症あるいは高血圧に伴う合併症を未然に防ぐ予防指示として”・・・果たして本当に予防効果があるのか、常々思うのはその辺のことです。
血圧180以上の根拠はないのではないでしょうか。ただ慣習的に使用されてきただけだと思います。先生のご指摘の通り本来血圧管理は医師の管理の下厳密に行われるべきであると考えます。また、アダラート舌下やペルジピンの点滴により反射性の頻脈、顔面潮紅、目の充血など起こす患者さんをたびたび見かけます。そこまでして180以下に下げる必要はないと思います。
ご回答ありがとうございます。私も画一的な降圧指示には疑問があります。4.へのレスでも申しましたが、本当に予防効果があるのでしょうか・・・?
ご回答ありがとうございます。「過去の遺物」・・・同感です。私も病棟指示は”Dr.call”として報告を聞くようにしています。多くは様子を見るで全く問題ないです。仰る通り、本当に降圧が必要な病態では簡単な指示でどうにかなるようなものではありませんから、厳重に観察しながらということになりますよね。ルート確保も必須でしょうし。