中学の頃、檜山良昭の本土決戦シリーズにはまり、90年代のブームではいろんな作家に手を出しました。
若さ故の過ちで、谷恒星・霧島那智・志茂田景樹に手を出したこともあります(1冊で懲りましたが)。
粗製乱造作品に懲りたのと、経済的事情により、ここ5〜6年は決まった作家以外には買いませんでした。
でも先日たまたま読んでみた「クリムゾンバーニング」には、はまりました。
そこで、お気に入りの作家があまり新刊出してくれないのもあり、そろそろ新規開拓してみようかなと思っています。下記条件でお薦め作品があればお願いします。
・お気に入りの作家は佐藤大輔と横山信義です。
・上記に加えて大石英司・川又千秋・谷甲州・桐野作人・仲路さとる・中津文彦・檜山良昭・三木原慧一・森詠・吉岡平も除きます。
・特に好みの歴史ジャンルは、戦国時代と幕末〜現代ですが、歴史全般興味があるのでいつでもオーケーです。
・どちらかというと軽い感じの文章より重厚な感じの文章の方が好みです。
重厚な感じの文章となると最近は少ないなと言うのが印象です。僕は、佐藤大輔とか好きじゃないですね。軽めの文章が大好きなので。
というわけで、自分の好みで書かせてもらうと作家で言えば羅門祐人が一番なのですが、いかにせ文章は極上に軽いといえます。独立愚連艦隊のようにはちゃめちゃやったかと思えば、天軍戦国史のような文明シミュレートものでは現実に最も近いと思うシミュレートをしてくる。そのギャップに惹かれています。
そこで、羅門祐人が話の筋を作り執筆そのものは中岡潤一郎が書いている覇信長記を一つ推薦しておきます。この作品は羅門祐人の覇王の軍の同一線上の歴史に位置づけられるもので、覇王の軍は1930年代以降について扱われているのに対して、覇信長記では1582年からスタートしています。
もう一つあげるとすれば、田中光二の超空シリーズです。共通していえるのはタイムスリップものです。その手のものが嫌いでなければ文庫化されているシリーズもありますので一つ試してみるといいと思います。
単発であげるとすれば佐々木譲のベルリン飛行指令です。もっとも、これは架空戦記と言うより冒険記ですけど。
確かに、霧島那智はありえないと思っています。何しろ話しが荒唐無稽なものばかり。初期設定こそは荒唐無稽でもいいと思いますが展開がこうも現実離れしているのはどうかと思います。補給とか言う概念がばっさりと抜け落ちているような気がしてならない。
志茂田景樹は人物描写に重きを置いているようで肝心の架空戦記としては成立してないような感じを受けています。
「タイムスリップ大戦争」豊田有恒
198X年の日本が徐々に過去にタイムスリップしていく物語です。仮想戦記とは違いますから余りお勧めではないかもしれません。
それでも出したのは、この作者がタイムスリップモノを結構出しているからで。
第二次世界大戦に関わる「タイムスリップ大戦争」「パラレルワールド大戦争」「異聞・ミッドウェー作戦」など色々書いているので。ただしほぼ絶版になっているため、図書館で見かけることがあれば、読んでみてください。
えぇい!しまった豊田有恒がいたんだ!
「異聞・ミッドウェー作戦」懐かしい・・・。ミッドウェーの戦いだけでなく、白村江の戦いや本能寺などいろいろ舞台が用意されていて楽しめ、そのくせ改変されるぎりぎりになって、タイムパトロール(エベンスとかいういけ好かない野郎)がやってきて止めてしまう。何度も読み返しましたよ。あと「モンゴルの残光」なんてのもありましたね。
「タイムスリップ大戦争」は読んでいませんでした。戦略や個々の戦闘を描くより、どちらかというとSFドタバタ的な要素を楽しむ作品みたいですね。
本質門とはずれますが、これはこれで楽しめそうなので、古本屋か図書館で探してみようと思います。ありがとうございました!
連合艦隊零号作戦(オペレーション・ゼロ)―戦艦大和奇跡の挑戦 (飛天文庫)
架空戦記は戦略を扱った作品が多いですが、これは戦術を主体とした作品です。
話自体は「大戦末期、継戦を主張する大本営の影で、海軍が終戦工作のために一大作戦を計画・実行する」というシンプルでわかりやすいものです。
文体は過度の感情移入がなく淡白な感がありますが、逆にくせがなく読みやすい。
また、それが死地に向かう人間の悲壮な覚悟をより引き立てています。
しかも、最近の架空戦記にありがちな超兵器・超能力者・時間犯罪者が出てこない点もお薦めです。
ご回答ありがとうございます。橋本純は未読でした。
紹介いただいた作品は単発みたいなので、この作家が自分に合うかの試金石として丁度いいかもしれません。但しこちらも古本屋で探すしかなさそうですが・・・。
>最近の架空戦記にありがちな超兵器・超能力者・時間犯罪者が出てこない点もお薦めです。
仮想戦記ゆえにというか、だからこそアイデアは奇抜でも内容にはリアリティを求めたいものです。仮に「超兵器・超能力者・時間犯罪者」が出てきても、それを読む側に納得させられるような記述(技術発達とか世界概況)がなおざりになっていたら駄目ですね。
内容的にはメインとなる「オペレーション・ゼロ」の戦闘描写において、どれくらいの力量があるかということですね。
「銀鯨作戦」
アマゾンやBk1では出てこないので申し訳ないんですが、田中新造先生の「銀鯨作戦」をお薦めします。
イ号四〇〇潜水艦を空中空母銀鯨に置き換えただけの古典作品と言ってしまえばそれまでなんですが、やはり良いものは良いんです。
古本屋検索の紫式部に2冊ありました。
ご回答ありがとうございます。
田中新造「銀鯨作戦」
初耳でした。あらすじを読む限りでは興味深い内容です。こちらも絶版となっているようですが、できれば手にとって少し読んでみたいですね。
>古典作品と言ってしまえばそれまでなんですが、やはり良いものは良いんです。
同意です。良作品であれば、新旧問いません。
http://d.hatena.ne.jp/snowland/20050928/1129371798
NOBUNAGA 信長欧州遠征記 - Book Diary
柘植久慶さんはいかがでしょう。
上記の他にも戦国時代を題材にしたシリーズやナポレオンを扱ったシリーズがあります。
作品中では現実の歴史に関して何が原因で作戦がうまくいったりいかなかったりしたのかがよくわかりました。
基本的に史実をベースにおいているので、現実味のない話でもないので歴史に興味があるのなら楽しめると思います。
様々な時代を扱っているのでそういった意味でもお進めできます。
ただ一つ難があるとすれば、ストーリー展開がワンパターンになりがちな所がある事ですかね。
私のブログで紹介している本もおすすめですので、参考にして下さい。
あ〜ご免なさい!柘植久慶はちょっと・・・。
言っておきますが、読んだことが無いわけではなく、昔の傭兵をテーマにした作品はおもしろかったです。
その期待感で、逆撃シリーズ(関が原・大阪の陣あたり)を読みましたが、やはり人物描写やストーリー展開がワンパターンなのと、わざわざ現代の軍事知識がある人物をタイムスリップまでさせといて、何がしたかったのか、よくわからんところが駄目でした。
英雄大戦も立ち読みして、結局買いませんでした。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9E%B6%E7%A9%BA%E6%88%A6%E8%A8%9...
架空戦記作家一覧 - Wikipedia
私も一時よく読んでいました。質問者さんが挙げられている中で一通り読んでいるのは檜山さんかな。
私はミステリ・SF志向かつ、人間ドラマが好きなのでもう少し違った方に偏っているようです。
なのでまだ上がっていない方の作品をいくつか。
●山田正紀 「影の艦隊」シリーズ
世界大戦期のシリーズものです。山田さんはそれこそミステリ・SFでお世話になっているんですが、こういったものも書かれています。この畑の人ならではという設定が楽しいシリーズです。
●鳴海章「原子力空母「信濃」」シリーズ
現代もので、これもシリーズです。好き嫌いがあるかもしれませんが、私は「最後の出撃」が好きで…。
●半村良「戦国自衛隊」
最後に一冊物の古典(っていっていいかな)を。
私は架空戦記・タイムスリップというとまずこれを思い出します。
あえて最近でた福井版ではなく、半村さんので(*^。^*)
下記サイトはWikiの架空戦記作家一覧ページです。
あははは・・・せっかく3冊も紹介してもらったのに全部既読でした。でもありがとうございます。
山田正紀 「影の艦隊」
私がまだ山田正紀という作家をよく知らない時に第1巻を読み、なーんとなーく続きを買わなくなってしまいました。つまらなかったわけでは無いのですが。
でもこの人の作品を10冊以上読んだ今では違う印象を受けるかもしれないので、読み直してみようかな。続きは古本屋で探すしかなさそうですが。
鳴海章「原子力空母「信濃」」
この人の文章もちょいと癖がありますが、嫌いではありませんよ。ゼロシリーズとか「日本海雷撃戦」などなど楽しみました。
「信濃」シリーズは途中までで、「最後の出撃」は未読でした。最初からちゃんと読んでみようかな。
半村良「戦国自衛隊」
これはもう・・・リメイク版?知りませんよ、そんなの。ってぐらい私も半村さんの方の作品に思い入れありますね。ちなみに映画も漫画も見ましたが、小説の方がダントツにいいですね。
最後に、少し前に私も知りましたが、ウィキペディアの作家一覧はまだ完成にはほど遠いですね。かと言って自分が投稿するのは面倒くさかったりして。。。
戦艦大和欧州激闘録―鋼鉄の破壊神 (GINGA‐NOVELS)
「幻翼の栄光」「戦艦大和欧州激闘録 鋼鉄の破壊神」「征翼の守護神 装甲空母群、東へ」内田弘樹著
昨年デビューしたばかりで、まだこの三冊しか出していませんが、佐藤作品の二次創作をてがける同人作家として佐藤ファンの間では以前から知られていた作家で、佐藤作品の影響を強く受け作風もよく似ていますので、佐藤大輔が好きならお勧めです。
ありがとうございます。
内田弘樹
某佐藤大輔ファンサイトにて同人誌作家として、ちらと見たような気がしますが買ったことは無いので、自分にとっては全くの未知数です。
まずは「幻翼の栄光」あたりでチャレンジしてみようかな。
やっぱりアイデア一発勝負じゃなくて、世界構築とか文章力とかがしっかりしているか気になるところです。
世界構築はじっくり作りこむものの、続きを出さないのが佐藤大輔の特徴ですが(~_~メ)
あまり回答来ないかと予想していましたが、早速のご回答ありがとうございます。
まあ、佐藤御大の文章は癖があるので好みが分かれるのは当然でしょうね(笑)
羅門祐人は昔「青き波濤」読みましたが、途中で飽きてしまいました・・・。著作一覧を見ると結構出しているんですね。
>この作品は羅門祐人の覇王の軍の同一線上の歴史に位置づけられるもので、覇王の軍は1930年代以降について扱われているのに対して、覇信長記では1582年からスタートしています。
どちらも未読ですが、別の時代での歴史改変の影響(例えば鎖国と兵器技術の関係など)がうまい具合に書かれていれば、面白いでしょうね。中岡潤一郎についても未読なんで、ちょっと立ち読みしてみようかな。
田中光二は元々の専門(?)の海洋冒険ものでは傑作がありましたが、架空戦記に来て評価落とした人じゃありません?
私も「連合艦隊」シリーズを最初の方だけ読んだけど、何がしたいのかあやふやな感じがして駄目でした。
超空シリーズは読んでいないですが、うーん迷うところですね・・・。
佐々木譲は第二次大戦三部作は全て読みました。面白いですよね。この人は歴史物も結構書いてますが、架空戦記作家では無いのでリストには入れませんでした。
※えーと、追記します。1のtomo_kさんのように作品・作家についてのお薦めなコメントを具体的に書いていただけるとありがたいです。
これは!と思った作品を紹介してくれた方にはポイントを高めに振りますので。
よろしくお願いします。