もっとも過失ゼロの証明って難しいとは思いますが・・
相手側の過失が上回るパターン
載ってます。
飛び込み自殺については
引用:
自分の過失が上回るパターン
対人の交通事故
車に乗っていない人に当たった場合まず確実にこちらの過失が上回ります。たとえその人が飛び込み自殺だったとしてもです。
必要な注意を怠り
→十分注意していた場合は別です。例えば自動車専用道路で、工事標識もなく、バス停もない場所で、歩行者が出てきたような場合は、想定外の事象であり過失は否定されるでしょう。よって無過失となり、この罪は適用されません。
飛び込みでも車を動かしておれば、過失を問われます。たとえその人が飛び込み自殺だったとしてもです。つまり、人には注意しろという事なんです。人には当ててはいけません。人以外もそうですが・・・。人の近くを通る時は注意しましょう。もちろん、こちらが停車していてそれに人が勝手に当たってきた場合は、過失は問われません。
法律的には「必要な注意を怠った場合」だが、実際は十分注意してても罪には問われる。ということになりますか?
>法律的には「必要な注意を怠った場合」だが、実際は十分注意してても罪には問われる。ということになりますか?
いいえ、問われません。注意義務を果たしていれば刑法上の罪には問われません。但しそのための要件を満たすのが大変なだけです。
本質問の場合問題となるのは刑法上の「信頼の原則」と「危険の引き受け」概念です。
信頼の原則について。
信頼の原則とは
(引用)
自動車運転者は、自己が交通ル-ルを守って運転している限り、他の車両や歩行者も交通ル-ルを守ってくれるであろうことを信頼して運転すれば足り、他の車両や歩行者が敢えて違反行為に出るであろうことまでを考えて、これにいつでも対応できるよう注意して運転する義務はない」とするものである。
(引用終わり)
という概念です。
典型例はこちら
http://www.weekly-net.co.jp/hanrei38.html
物流ウィークリー判例に学ぼう
(引用サイトには「右折時に前からオートバイ」とありますが間違っています。正確には「右折時に右後方からオートバイが追い越し」です)
この場合自動車運転者に業務上過失致死罪を認めませんでした。
但しこの概念は基本的に車体車の場合に限定されるのが一般です。
(前田・引用)
但し、交通事故における信頼の減速は基本的に車対車の場合に限るべきであろう。車対比との場合に適用するには特別の事情が必要で、被害者が老人や幼児の場合はほとんど認められない。注意義務を軽減し得ないし、とっぴな行動の予見可能性が否定できないからである
(引用終わり)
少し調べてみましたが歩行者を撥ねた場合に無過失となる事は極めて稀です。
(引用:判例タイムズP48)
歩行者が禁じられている斜め横断をした場合、特段の事情なく立ち止まったり後退した場合、大きくふらついた場合は一般に歩行者に過失を加重してよいであろうし個々の具体的な事情によっては車両側の責任を問えない場合も少なくないが~
(引用終わり)
当然自殺のために直前に飛び出した場合は車両側が無過失となる場面も出てくるでしょう。但しそれを類型化一般化したものがないのでその都度裁判でいちいち争わないといけない
尚気になったのが2番の回答。
>→十分注意していた場合は別です。例えば自動車専用道路で、工事標識もなく、バス停もない場所で、歩行者が出てきたような場合は、想定外の事象であり過失は否定されるでしょう。よって無過失となり、この罪は適用されません。
刑事責任は別として少なくとも民事責任の方では、
「高速道路の見通しが比較的よいことを考慮すると昼間であれば自動車の側としては歩行者を発見する事は必ずしも困難ではないと考えられる。そこで自動車側にも前方中止義務違反、あるいはハンドル・ブレーキ操作の不適切などの安全運転義務違反の過失がある」
高速道路上で歩行者を撥ねた場合の基本過失割合:
車:人=20:80 です。おまけに人の基本過失割合が大きいので「原則として歩行者の過失割合について加算修正はしない」(判例)。
もう1つの概念は「危険の引き受け」です。
交通事故で死人が出ても無罪(実際は不起訴)になることは珍しくありません。
対歩行者事故でも飛び出しで避けられない状況であれば不起訴になる様です。
知られている例では、都内でダンプカーが横断歩道付近で小学生を轢き殺した事故で当初運転手は不起訴(処分なし)になっていました。
相手が死亡して事故状況を説明出来ない場合、死人に口なしで過失を押しつけられる傾向にある様です。
上記のダンプカーの例では当初横断歩道でない所で子供が飛び出したとされたため不起訴になったのですが、遺族のねばり強い調査や目撃者の証言などから、横断歩道から引きずられて轢かれた事が明らかになってやっと起訴されたものです。
死亡事故の場合、大抵は運転者は逮捕されて取り調べを受けますが、逆に言えば有罪にする証拠を集めるのがそれだけ大変だということでしょう。
なるほど。相手が人間であれば、どんな場合でも程度の差はあれ罪に問われるのですね。