理科の教科書にもそのように書いてありますが、森林生態学者の四手井綱英先生の近著「森林はモリや
ハヤシではない」(ナカニシヤ出版)によと・・。
>森林も生物である限り、夜間は呼吸をして酸素を吸って二酸化炭素を放出しているいるし、
>動物のための酸素を提供するほどの力はない。
と書かれています。
どちらの説が正しいのか、教えていただけませんか?
その本を読んでいないので、どのような文脈で書かれたのか不明ですが。
例えば、光合成の結果、二酸化炭素がどんぐりとなり、それを動物が食
べて、動物の呼吸の結果、二酸化炭素に戻ったりしている訳です。
植物によって固定された二酸化炭素は、植物自体の呼吸だけでなく、
葉や実などを食べた動物の呼吸や、落ち葉や枯れ枝を微生物が分解する
ことで空気中に戻って行きます。
動物や微生物も含めた森林全体として二酸化炭素の収支のことを言い
たかったのではないでしょうか。
人間が化石燃料を燃やした際の二酸化炭素を、森林が何処まで引き取っ
てくれるかは、まだ現在研究中の問題だと思います。
Wikipediaの炭素循環の項
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%82%AD%E7%B4%A0%E5%BE%AA%E7%92%B...
なるほど、これは合点がいきますね。
簡素に考えて見ましょう
1.基本1: 一般に植物が生長するということは体内に炭素を同化しているということであり、酸素は消費されるより放出されるほうが多い。
2.基本2: 植物の体内に同化された炭素は主に3つの経路をとって二酸化炭素に戻る。
a.捕食者により短時間で消費される。
b.朽ち果て、微生物による長期の分解作用を受ける。つまり一時的に炭素はリザーブされる。
c.堆積物中に埋蔵され化石化する。つまり長期に炭素はリザーブされる。
3.現在の大気中の二酸化炭素増加は上記2.-c.の化石炭素を急激に消費していることによる。
以上から、植物は単体として自らが消費する以上の炭素を発生させるばかりでなく、地球全体のマスでみても、生物全体の消費する酸素を提供している。
ご承知とは思いますが地球の歴史の初期には大気中に酸素は存在しませんでした。これは他の惑星大気の研究からも導かれることであり、また酸化環境中ではDNAなどの生命の主要構成物質が合成されないこと、大古代の岩石の分析により当時の大気組成が判明していることなど、豊富に証拠が挙がっています。現在の酸素が飽和状態の大気(これ以上多いと植物は頻繁に火災を発生します)は、光合成によりできたのです。
四手井綱英先生の著作は拝見していませんが、何か特定の条件の下での分析なのではないでしょうか。もしくは近年の森林環境破壊を憂えて、警鐘を鳴らされているのでしょうか?
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%82%AD%E7%B4%A0%E5%BE%AA%E7%92%B...
おっしゃることは、私も「常識」として認識していました。四手井先生が、「世間の認識は間違えている」と盛んに書かれているので、気になった次第です。2番目の回答者の方の、海のプランクトンが酸素の2/3を提供、というのがよさげな回答のようですね。
私も未読ですが、「どちらも正しい」のでしょう。
気候によっては、または植生によっては、植林すればするほど二酸化炭素排出量が増える場合もあるのだし…。
例>
熱帯雨林は水蒸気(正しくは霧や雲)によって日光が届かないから…とか木々の下で腐敗速度が速くて微生物による排出が上回るetc。
閉じた地球環境の中で、元素としての酸素が増える事はないのだし、化石燃料の利用によって、折角地中に眠っていたのに、大気中へと炭素ばかりが排出されれば、そこでのバランスは確実に一定方向へと崩れて行きますよね。
以上は答えでなくて、視点の提示だけですが…どうでしょう?
ちなみに最近読んだ本↓
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4103690038/sr=8-1/qid=1160040...
なるほど、教えていただいた本、読んでみます。
ありがとうございます。
四手井先生も、「二酸化炭素の引き受け手」としての森林は強調して書かれていましたが、酸素については、別に森林が生み出している訳ではないと、盛んに書かれていました・・。