PMIが実施するPMP(Project Management Professional)試験は、日経ビジネスの調査によると「技術職に取らせたい資格」No.1です。
プロジェクトマネージャーは恒常的に不足しており、商談の成約にも直結するのでニーズは高いと言われます。
日本では経済産業省が、情報システムに係る政府調達制度の見直しとして、応札者の技術力、開発・供給能力等に関する項目にPMP (Project Management Professional )の資格が入るようになりました。
つまり官庁との取引の場合、社内のプロジェクトマネージャー資格取得者数が入札の条件にもなるようです。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/WAT/ITARTICLE/20041029/1/
従来日本では大規模プラント開発や建設の世界でのみ注目されていた資格ですが、近年IT業界でのニーズが非常に高くなっており、今後はアメリカのように、業界横断的にPMPの活躍の場が広がるものと思われます。(日本のIT業界ではNTTデータがPMP取得者の20%を輩出しています)。
http://www.workport.jp/employ/700001301.html
このように一般論としては、認知度は決して高いとは言えないものの、PMPの持つ価値が高くなっています。
しかし日本では、経営におけるMBAの位置づけと同じように、PMPも理論先行型になる傾向があり、実践的なトレーニングを積むことが軽視される風潮があります。
「PMP取得者=PMなら何でもできる」というバブル的な見方が一時盛り上がりましたが、現在は企業もPMP万能主義を脱しつつあります。
処遇における具体的なメリットとしては、まず資格手当があります。上級シスアドやシステム監査技術者の1.5倍程度の資格手当が与えられる企業も多く、公認会計士と同レベルの手当を与えられる場合もあります。PMPの資格手当は15万円程度が標準です。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20051109/224284/
PMP取得をキャリアアップの条件にしている大手企業もありますが、まだこのような企業はマジョリティではないようです。しかし、PMPによって習得できる世界標準の共通言語は、大手企業で働くならば極めて重要です。
マイクロソフトなどの大手企業は、テクニカルアーキテクト職の採用条件としてPMP取得者であることを挙げています。欧米ではスタンダードなので、日本にある企業でも外資系企業や国際取引の多い企業では、PMPが採用や昇進に際して明らかにメリットをもたらすと思われます。
色々な角度から、詳細に説明していただき有難うございます。素晴らしい回答です。