私は、自殺を実行するときの本人の心理状態というのは、抑うつ状態・うつ病などの精神疾患にかかっていて、認知が歪んでいる(例えば自分が生きるに値しない無価値な人間であると思いこむ)ケースと、いわゆるマインドコントロールを経て宗教や思想のために死をいとわないケースくらいしか思いつかないのです。
精神疾患もなく、殉死的なものでもなく、何らかの「死んだほうが良い」という理由で、いわば「正当な理由で」人間が自殺するということは、ありえることなのでしょうか。
専門知識とまではいきませんが、大学の時にうつ病についての論文を書いたことがあります。
「正当な理由」として考えられるのは、すでに死に直面している状態、例えば、
・お金が無い、家族がいない、高齢のため働き口も無い、生活保護も受理されない
・病気などにより先が長くない、それに伴う肉体的な苦痛からの回避心理
これらは精神的な問題ではなく物理的な問題であり、「苦しみながら死ぬよりも楽に死ぬことを選ぶ」という正当な理由だと言えると思います。
つまりは尊厳死の問題です。
ただし、医学的にはこれらも一種の「鬱の心理状態」だと判断される場合があります。
自ら死のうとする思考そのものがすべて精神疾患だという医学的見解もあるからです。
世論では尊厳死を認める傾向にありますが、医学界では意見が二分されているようです。
ありがとうございました。尊厳死・安楽死については思考から抜けていました。医学界でも「(物理的な問題で死を望むことも)一種の鬱の心理状態だ」と判断する医師と、そう判断しない医師の両方がいるということですね。簡潔にまとめていただいて非常にわかりやすく、大変参考になりました。
いろいろな見解をお聞きしたいので引き続き回答は募集させていただきます。
本当に訊きたいことを具体的に書きますと、希死念慮があって無気力であり、睡眠障害や摂食障害もあることを病院で医師に伝えて通院して一ヶ月、まだ「あなたは病気かどうかわからない」と言われている友人がいるのです。うつ病だと診断されていないためか、死にたいという人に対しては処方も不十分かと思われるものです(デジレル50mg、デパス1mg、ミラドール100mg/一日)。また、「薬がいやなら投薬をやめてもいい」とも言われたそうです。「死にたいから病気だとしても治したくない」という友人に、説得をしまくってようやく通院してもらったのに、です。
このままでは友人は死んでしまいます。死ぬと言っています。医学ではどうしようもないのでしょうか。医師に病気かどうかもわからないと言われた友人は「正当な」自殺をすることになるのでしょうか。セカンドオピニオンや転院は、本人の治療する意思がもともと弱く現在の病院にやっと通院してくれている状態なので説得するのは困難な状況です。