http://www.river-museum.jp/tokuten/2003_hanabi/hanabi17.htm
日本の花火は世界一
いまでこそ至る所で花火が打ち上げられるようになり、小さな玉の物量を呼び物とする西洋型の花火大会が増えてきたが、真球や色彩変化のある大花火は、世界に冠たる日本の技術の特徴だ。
従来の西欧花火は主にポカ物が中心で、星を筒状の容器に入れて一方向に飛び出すように作られていた。砲術から分派した日本の花火は、洋火の技術導入以前から、中国の分星型と同じ構造の球状の玉を用いており、丸く開く素地はあった。享和二(1802)年の『野寺流火術口傳書』には、当時の玉の構造が図示されている。
しかし、十代鍵屋弥兵衛が明治はじめ頃に真球に開く割物を開発するには、花火師の職人としての意地があったに違いない。浮世絵に描かれた花火をみれば、江戸~明治前期の花火が長くポカ物と半割物中心であったことがわかる。真球に開く菊花型への技術革新は、想像以上に困難だったはずだ。
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