1・何故半円一つ(あるいは2つ)なのか。無数の水の粒に分解された光が、なぜ無数の虹になって見えないのか。3重以上の虹は無いのか
2・空中から見ると円に見えるのは本当なのか。見えるとしたら虹とは球状のものなのか。
3・目の前の畑から生えている「小さな近い虹」を見たことがあります。しかし遠くにある虹はなぜ大きいのか。遠くの町の花火のように「小さな遠くの虹」はなぜ無いのか。
なぜ1つまたは2つなのか。
http://www.kiriya-chem.co.jp/q&a/q11.html
まず、上のサイトの一番下の図を御覧ください。
2つ虹が見える場合、主虹と副虹では、水滴の中で反射・屈折してきた場所が違っています。
注意して欲しいのは、空気中の水滴が
「主虹を作る水滴」
と
「副虹を作る水滴」
に分かれているわけではないということです。
どの水滴も、全ての部分に光が当たっており、
「主虹方式」
「副虹方式」
どちらの光も発しています。
ただ、それらのうちほとんどは、見ている人とは別の方向に飛んでいってしまうので、目には見えません。
そこから発した光が、ある場所で見ている人に届く水滴の位置が、円形になるわけです。
で、図でも明らかなように、3つ目の虹を作れるような反射・屈折の仕方はありません。
主虹:1回反射、2回屈折
副虹:2回反射、2回屈折
ということから考えると、3回反射、ということもできそうに思えますが、次の理由で困難です。
・反射するのは光線全体の一部。水滴の中で反射するたびに、大部分の光は水滴の外に逃げていくので、3つ目の虹は非常に暗くなる。(事実、副虹は主虹よりずっと暗く、見えにくい)太陽の明るさには限界があるので、3つ目の虹が見える可能性は低い。
・主虹と副虹は、水滴の端から入った光が屈折したもの。なので、大きく屈折してはっきり色が分解される。3つ目の虹が見えるとすれば、主虹とも副虹とも違う位置から水滴に入った光が作ることになるが、それではあまり屈折しないので、色が分解されない。
そんなわけで、そういう現象が全くあり得ないわけではないですが、人間の目で見えるような3重の虹は無理でしょう。
もしも太陽が現在よりずっと明るくなり、水よりも屈折率の高い液体の水滴が空気中にまきちらされれば、3重・4重の虹が見えるかも知れません。(たぶん)
無数の水の粒に分解された光が、なぜ無数の虹になって見えないのか。
http://www.laser.phys.tohoku.ac.jp/~yoshi/hikari21.html
上のサイトの中央付近の図を御覧ください。
水滴が一つしかなければ、目に入る色は一種類しかありません。
(その水滴から赤い光が来るとすれば、他の色の光は他の方向に行ってしまっている)
なので、その点だけが、ある一色に光っているように見えるでしょう。
虹が見えている時、無数の水滴が、それぞれの場所でそれぞれに光を分解しています。
なので、実際には七色の光がそこら中にまき散らされているのですが、そのほとんどは自分のいるのとは違う方向に放射されており、目に見えません。
たまたま自分の方に進んで来た光がつながって、全体として円形の虹に見えるのです。
空中から見ると円に見えるのは本当なのか。
本当です。見たことがあります。
霧吹きなどで虹を作れるのはご存じでしょうが、高いところに登ってホースで広範囲に霧をまけば、円形の虹を見ることができます。
見えるとしたら虹とは球状のものなのか。
難しい質問です。「鏡は本当は何色なのか」というのに似ています。
虹というのは、実体があるわけではありません。
前述のように、空気中の水滴がそれぞれに光を分解してまき散らしたもののうち、たまたま目に入る光が、円形に見えるだけです。
実体のない幻のようなものですから、「本当の」形はありません。
ただ、強いて言えば、底面を太陽に向けた円錐形、または円錐台の形かも知れません。
空気中の水滴が反射・屈折した光を三次元の図で表せば、全体として大体そういう形になるはずです。
遠くにある虹はなぜ大きいのか。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%99%B9
Wikipediaで恐縮ですが。
(でも、こちらの図も御覧ください。これまで説明したことが図示されているところもあります)
実は、虹の見かけの大きさは、太陽の高さにも左右されますので、一概に「遠くにあると大きい」とは言えません。
(水の屈折率は一定なので、太陽が高くなると、虹は低くなる。)
ただ、日本ではそんなに極端に太陽の高さは変わりませんし、太陽の高さが一緒なら、虹を見上げる角度は一定です。
角度が一緒なので、遠くにあるほど見かけは大きくなります。
別な言い方をすれば、遠くにある虹は、遠くにある水滴の群れが作ったものです。
遠くにあっても虹が見えるとすれば、それは大きな水滴の群れなのです。
赤道近くの地方では、太陽が高く昇りますから、もっと小さな虹が見えると思います。
http://www.air-sea.org/portal/Members/mismorepoJ/moblog2006-11-1...
上のサイトにある、海面すれすれの虹が、それではないでしょうか。
(ただ、太陽が非常に高く昇ると、円形には見えなくなります)
図を書いて説明できないのが残念ですが、わかって頂けたでしょうか?
(不明な点があれば、コメント欄で聞いてください)
二重になる原因は、よく知りません。
わかることだけ回答させてください。
虹が半円の理由。
空に浮かぶ虹は太陽の反対側に出ます。
つまり、太陽が高いときは太陽の反対側は地面ですから見えません。
一方、虹が空に丸く見えるほど太陽が低いときは、太陽が地平線の下=夜ですので日が当たらず虹は出ません。
太陽が横にある朝方や夕方に空の虹は見えやすくなります。
このとき、半分は地平線の下なので半円になります。
そこで、2の答えですが、飛行機に乗った場合など、自分より下に太陽が来ることがあるので円に見える可能性があります。
また、自分の周りに霧吹きやシャワーのたぐいで霧を作っても円形に見えます。(太陽を背にして霧を作れば地面に向けても虹が出ます。)
虹が光の輪に見えるのは、人間が見える光の範囲がそれだけだからで、7色の内や外にも紫外線や赤外線が反射して目に届いています。人間の目が感知できないだけです。
色は、目線と水滴の位置と太陽の場所によって決まるので、虹の形を敢えて言うなら、自分の目を頂点にした円錐形です。
しかし、「目の位置」が条件なので、横から見ても円錐形には見えません。
3の答えですが、さきほど説明したとおり、自分の目の位置を頂点にした円錐形ですから、近くにあれば小さいですし、遠くにあれば大きく見えます。
納得できる説明になっていますでしょうか?
ありがとうございます
円錐形は考えていませんでした。なるほど・・・
1・虹とよく似た暈という現象があります。単に光源に近すぎるから別称がついているだけで、虹の一種とみなして差し支えないでしょう。
また空気中の水滴中には虹、副虹、暈を生み出すものの他にも様々な日光の経路があるので、それに対応した虹はあると思います。ただ恐らくかなり薄いですが…。
と思いつつ検索してみたら、そのような虹は余り虹や過剰虹と呼ばれているようです。しかし反射回数が多くなければ光がそれらの経路をとれない関係上、光量は主虹や副虹、暈に比べて激減している筈ですので、極まれにしか見えないでしょう。
2・光源がほぼ無限遠点にある場合、虹は観測者からはほぼ真円に見えます。また球状ではありません。また観測者から虹に見える場所を第三者が横から見た場合、観測者を頂点とする円錐が見えます。
3・2の通りです。ただ見えないほど微かな余り虹の一部は、遠くでもさほど大きくないかもしれませんが…
虹の原理を理解したいのならば、小さなガラスまたはプラスチックの透明なビーズを、セロファンに多量にくっつけて、晴れの日にかざしてみてはいかがでしょうか。ただ大きなビーズを用いたり、小さなビーズでも物の上に置いたりすると、ビーズで屈折した光が眼や物を焼きかねませんので、気をつけてください。「虹ビーズ」で検索するとよいでしょう。
ありがとうございます。
なぜ1つまたは2つなのか。
http://www.kiriya-chem.co.jp/q&a/q11.html
まず、上のサイトの一番下の図を御覧ください。
2つ虹が見える場合、主虹と副虹では、水滴の中で反射・屈折してきた場所が違っています。
注意して欲しいのは、空気中の水滴が
「主虹を作る水滴」
と
「副虹を作る水滴」
に分かれているわけではないということです。
どの水滴も、全ての部分に光が当たっており、
「主虹方式」
「副虹方式」
どちらの光も発しています。
ただ、それらのうちほとんどは、見ている人とは別の方向に飛んでいってしまうので、目には見えません。
そこから発した光が、ある場所で見ている人に届く水滴の位置が、円形になるわけです。
で、図でも明らかなように、3つ目の虹を作れるような反射・屈折の仕方はありません。
主虹:1回反射、2回屈折
副虹:2回反射、2回屈折
ということから考えると、3回反射、ということもできそうに思えますが、次の理由で困難です。
・反射するのは光線全体の一部。水滴の中で反射するたびに、大部分の光は水滴の外に逃げていくので、3つ目の虹は非常に暗くなる。(事実、副虹は主虹よりずっと暗く、見えにくい)太陽の明るさには限界があるので、3つ目の虹が見える可能性は低い。
・主虹と副虹は、水滴の端から入った光が屈折したもの。なので、大きく屈折してはっきり色が分解される。3つ目の虹が見えるとすれば、主虹とも副虹とも違う位置から水滴に入った光が作ることになるが、それではあまり屈折しないので、色が分解されない。
そんなわけで、そういう現象が全くあり得ないわけではないですが、人間の目で見えるような3重の虹は無理でしょう。
もしも太陽が現在よりずっと明るくなり、水よりも屈折率の高い液体の水滴が空気中にまきちらされれば、3重・4重の虹が見えるかも知れません。(たぶん)
無数の水の粒に分解された光が、なぜ無数の虹になって見えないのか。
http://www.laser.phys.tohoku.ac.jp/~yoshi/hikari21.html
上のサイトの中央付近の図を御覧ください。
水滴が一つしかなければ、目に入る色は一種類しかありません。
(その水滴から赤い光が来るとすれば、他の色の光は他の方向に行ってしまっている)
なので、その点だけが、ある一色に光っているように見えるでしょう。
虹が見えている時、無数の水滴が、それぞれの場所でそれぞれに光を分解しています。
なので、実際には七色の光がそこら中にまき散らされているのですが、そのほとんどは自分のいるのとは違う方向に放射されており、目に見えません。
たまたま自分の方に進んで来た光がつながって、全体として円形の虹に見えるのです。
空中から見ると円に見えるのは本当なのか。
本当です。見たことがあります。
霧吹きなどで虹を作れるのはご存じでしょうが、高いところに登ってホースで広範囲に霧をまけば、円形の虹を見ることができます。
見えるとしたら虹とは球状のものなのか。
難しい質問です。「鏡は本当は何色なのか」というのに似ています。
虹というのは、実体があるわけではありません。
前述のように、空気中の水滴がそれぞれに光を分解してまき散らしたもののうち、たまたま目に入る光が、円形に見えるだけです。
実体のない幻のようなものですから、「本当の」形はありません。
ただ、強いて言えば、底面を太陽に向けた円錐形、または円錐台の形かも知れません。
空気中の水滴が反射・屈折した光を三次元の図で表せば、全体として大体そういう形になるはずです。
遠くにある虹はなぜ大きいのか。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%99%B9
Wikipediaで恐縮ですが。
(でも、こちらの図も御覧ください。これまで説明したことが図示されているところもあります)
実は、虹の見かけの大きさは、太陽の高さにも左右されますので、一概に「遠くにあると大きい」とは言えません。
(水の屈折率は一定なので、太陽が高くなると、虹は低くなる。)
ただ、日本ではそんなに極端に太陽の高さは変わりませんし、太陽の高さが一緒なら、虹を見上げる角度は一定です。
角度が一緒なので、遠くにあるほど見かけは大きくなります。
別な言い方をすれば、遠くにある虹は、遠くにある水滴の群れが作ったものです。
遠くにあっても虹が見えるとすれば、それは大きな水滴の群れなのです。
赤道近くの地方では、太陽が高く昇りますから、もっと小さな虹が見えると思います。
http://www.air-sea.org/portal/Members/mismorepoJ/moblog2006-11-1...
上のサイトにある、海面すれすれの虹が、それではないでしょうか。
(ただ、太陽が非常に高く昇ると、円形には見えなくなります)
図を書いて説明できないのが残念ですが、わかって頂けたでしょうか?
(不明な点があれば、コメント欄で聞いてください)
ありがとうございます。
「一つの水滴で光は分解される」が、「目に入ってくる色は、角度の関係上、一粒につき一色のみ」なんですね
8年近くたってしまいましたが一部訂正。
ごく珍しい条件の下では、3重、4重の虹が出ることがあるのだそうです。
それは、光源(太陽)の側に出るのだとか。
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/5008/
「理論的には一世紀近く前から存在が予想されていたが、その正しさがようやく実証された」
だそうです。
虹はなぜできるのか、についてはここがわかりやすいかと。(動画あり)
要約すると
・虹の7色は光の屈折でできる。
光は、ある媒質を出て他の媒質の中へと進むとき進行方向が変わり、折れ曲がります。
プリズムを通した光が、7色に分かれるのと同じ現象です。 光は、ある媒質を出て他の媒質の中へと進むとき進行方向が変わり、折れ曲がります。
これを「屈折」といいますが、屈折は屈折率の違いにより生じ、光の色ごと、つまり光の波長によって異なります。
・屈折は光の色と媒質で変わる。
屈折は、媒質の中を進む光の速さの違いから起こります。
高速道路で見られるナトリウム灯のだいだい色の光に対する水の屈折率は、1.33です。
波長が短い紫の光に対してはこれが1.34近くとなり、波長が長い赤い光に対しては1.32近くへと屈折率が変わってきます。
・屈折した光は水滴中で反射する。
太陽光は、空気中の無数の水滴(球状)に出会い、屈折して水滴内に入ってきます。
虹は1回の反射、やや暗い副虹は2回の反射で、虹を見る人の目に分散した7色の光を届けます。
・虹の見える角度は決まっている。
虹は、太陽を背にしたときに見えます。太陽を背にして、太陽の方向から約40度の角度に見えるのが、主虹です。
副虹は約53度の角度で見えることが確認されています。
また虹とは違うけれども、似たような現象としては暈(かさ)というのがあります。
ありがとうございます。
ありがとうございます。
「一つの水滴で光は分解される」が、「目に入ってくる色は、角度の関係上、一粒につき一色のみ」なんですね
8年近くたってしまいましたが一部訂正。
2015/05/10 19:12:20ごく珍しい条件の下では、3重、4重の虹が出ることがあるのだそうです。
それは、光源(太陽)の側に出るのだとか。
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/5008/
「理論的には一世紀近く前から存在が予想されていたが、その正しさがようやく実証された」
だそうです。