【イエはてな】イエ・ルポ 2 #004

この地上には、それは様々な民族が、様々な伝統文化と価値観を持って暮らしていますよね。日本には一時、「わが国と価値観を共にする国」という言い方で、世界を敵と味方に分ける外交を行おうとする総理大臣が登場しました。でもその考えは、おそらくもう支持されないでしょう。私達はそうした世界を敵と味方に分ける考え方を通して、かえって価値観が違うからこそ相手を理解したいという自然な要求に目が開かれたからです。

この国を、この国民を愛すると共に、もっと世界のことも知りたい。世界の民と相互に理解し合いたい。だんだんみんな、そう願いはじめていると思います。

世界の人達がそれぞれに願う幸せって、どんな形なんでしょうね。全ての人に共通する部分もあれば、民族や伝統によって異なってくる部分もきっとあると思います。それを知り、認め合って、国ではなく大きな星の地方文化として、それぞれに尊びあっていけたらいいなと思います。

今この時間にも、昼の国も夜の国もあって、冬の国もあれば夏の国もあります。世界を布にたとえるなら、それは様々な糸が織り込まれた綾錦。その単色の小さな部分が、国、というくくりです。普段私達は自分の住む国の色しか見ていません。世界を単色の反物と勘違いしています。でも、ちょっと視点を引いて眺めてみたら、きっと世界は美しい紋様に彩られたまたとない美しい布であることがわかるでしょう。それを見たい。見られないなら、せめて感じたい。私は、そう思います。命と愛を尊ぶ目でなら、きっと見えると思うのです。