自由な形状の面に対し、その面全体にピントが合うようなピンホールではないカメラレンズを設計する事はできると思いますか?
但しもちろん、自由な形状と言っても、レンズの有効開口部の任意の場所から見て、どの面上の点も陰に隠れないという制限はあるものとします。
光線は回折せず、また、レンズの素材の屈折率は全ての波長で等しいと考えて結構です。
被写界深度で解決するというのは、なしでお願いします。パンフォーカスにするのではなく、ピントの合う面の形状はどの程度自由にできるだろうか、という話です。
>自由な形状の面に対し、その面全体にピントが合うようなピンホールではないカメラレンズを設計する事はできると思いますか?
現実的には、自由な被写体の配置に対して全面になるべくピントを合わせるには、
絞りを絞り込む→ピンホールに近い状態にするしかありません。
「レンズの設計」が、素材や配置や形状の工夫というレベルをさすのであれば、
現状の光学レンズの範疇では無理でしょう。
ピントが合うということは、被写体面のある一点から発せられた光について、
レンズで拾った分が、撮像面でまた一点に集まるということです。
撮像面で点状に集まらなければピンボケです。
ピントが合う位置よりカメラ側にある被写体から出た光は、カメラの撮像面を超えた位置で集まります。
逆に、遠方の被写体から出た光は、撮像面よりもレンズ側の空間で焦点を結びます。
被写体に奥行きがあるのに撮像面が平面なので、レンズ云々ではどうにもなりません。
これは、絞りを絞った状態でも同じことなのですが、絞った分だけ撮像面での
光の広がり方(ボケ具合)が小さくなるので、撮影にたえられるというだけです。
ピンホールの場合、光を集めずにぎりぎりまで絞っており、被写体面の一点から出た撮像面には
点でしか到達しない(どの場所でも気にならない程度の光の広がり方)ので、ピンボケしないのです。
(回折の影響は除くとして)
>パンフォーカスにするのではなく、ピントの合う面の形状はどの程度自由にできるだろうか、という話です。
撮像面側での工夫が必要だと思います。
たとえばシャッター1押しで、撮像面がカメラ内を前後に移動しながら3次元的にデータを得れば、
その中からできるだけピントの合っている情報を取り出して、画像合成するということも
将来的にできるかもしれません。
単一平面のフィルム、全ての被写体、被写界深度に依らずボケもない完全なピント、この三条件を満たすレンズはピンホールしかありません。よって最低でも、フィルムの立体化等、被写体の限定、被写界深度などに頼り多少のピンボケを許容する、のどれか一つはのまなければなりません。
任意の被写体は、あらゆる方向に光を発しています。それをまとめるのがレンズなわけですが、フィルム上の一点と被写体の一点とを精密に対応させるだけでも、被写体との距離情報が絶対に不可欠です。
なお、遠近両用めがねなどは、累進帯と呼ばれる度数の変化する場所でのわずかなボケ、被写体は上が遠距離で下が近距離だという仮定、などに基づいています。
回答ありがとうございます。
予想された事ではありますが、質問の意味を多少誤解されているようです。
球面収差を積み重ねると、光軸を中心とする同心円的な波を表現できる。(水面の波紋のような感じ)。実際、カメラレンズ等の球面レンズの集積で形成される結像面の形状は、平面ではない。普通は、なるべく平面にするのだが、これを反対に極端になるように組み合わせれば、この同心円状の形状に波面を構成できそう。
この波面を逆算して、光の出発点をずらし結像面を平面にすると、投影可能な形状が出来上がる。
ここまでは、光線追跡で計算可能。
さらに、レンズを部分的に歪ませると、波面がゆがむ(馬の鞍の様な感じとかです)。このゆがみを組みあせて、複雑ではないが、二次曲面を構成する波面となる。計算では難しいので、結像面を計測する必要がありそうです。この計測した結像面から、逆算。近似的に形状を割り出せそうです。
しかし、このような制約項の中でしか、形状は選べないでしょう。形状に応じてレンズを歪ませるのは、無理と思われます。
従って、「任意の」形状に応じたレンズ設計・構築は不可能と言ったほうがよいのではないでしょうか。
(似たような内容ですが、お言葉に甘えて回答しました)
回答ありがとうございます。これで、ポイント送信の手間が省けます(笑)
なるほど、かなり制約がありそうですね。
レンズの前(かなり被写体に近い位置)に補正板を置くことで、レンズ単体で
対応するよりも容易になる(制限が緩和される)かもしれません。
たとえば、人のメガネに水滴が付いたときのことを考えて見ます。
水滴がまばらについている場合、水滴のある付近はピントが合わなくなりますが、
他の部分はまともな景色が見えます。
これは、メガネに対して瞳孔の軽が小さいため、水滴を通った光で結像する範囲が
特定の視線方向だけに限定されるためです。
水滴の場合は曲率が大きいため、焦点距離が大幅に変わってしまいますが、
目をカメラレンズとすると、メガネは焦点距離の補正板という見方ができます。
つまり、連続面で収差をつけるのではなく、補正板の面を非常に小さな領域
(あわよくば、カメラの画素数程度には微細)に分け、それらの領域ごとに微妙な
凹凸をつけてピントを補正することで比較的柔軟に対応できるかもしれない…
ただ、隣り合った領域で面の形状が連続にならない可能性が高く、屈折が乱れるなど
良くない影響もでそうですが。
回答ありがとうございます。
なるほど、そういう方向性は思いつきませんでした。
回答ありがとうございます。
予想された事ではありますが、質問の意味を多少誤解されているようです。