高校向け参考書で電磁気を勉強しています.コイルに蓄えられるエネルギーUが1/2*LI^2で表されることを説明するため,電池に抵抗Rと自己リアクタンスLのコイルを直列につなげた回路を用いて,エネルギー保存則から(若干の積分を使って)U=1/2*LI^2を導いている箇所がありました.この説明自体はわかるのですが,なぜ,この回路に抵抗Rが必要なのかよくわかりません.もし抵抗をなくした場合,その回路(電池とLだけの回路)では上のUを説明するにあたってどのような問題が生じるのでしょうか? 当方素人のため,なるべく簡単にお教えくださいませ.

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  • 終了:2008/05/30 00:09:17
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回答1件)

id:virtual No.1

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ポイント60pt

Lに流れる電流を決定するためです。

コイルに電池を接続するとそこに流れる電流は時間とともに増えていきます。

最終的にコイルの内部抵抗がゼロとみなした場合、E/Rで決まる電流で一定になります。

(コイルに内部抵抗rがある場合はE/(R+r))

この時点でのコイルに蓄えられているエネルギーは有限の一定値になります。

これが、抵抗Rが無いといつまでたっても電流が一定にならないので、不都合なわけです。

もちろん、ある時点でのコイルに蓄えられるエネルギーは計算できますが、電流が時間の関数になってしまうので若干説明が複雑になってしまいます。


コンデンサの場合はエネルギーは容量と電圧で決定されるので電池に直接コンデンサをつなぐ形で説明して差し支えありません。但し、こちらも接続した瞬間に無限大の電流が流れることになるので抵抗を入れて電流の初期値を決定してやることでエネルギーのやりとりが計算可能な範囲で説明できるようになります。

id:glaxosmith

ご回答ありがとうございました.

つまり,説明文にあった「電池+R+L」回路のコイルは抵抗の無い(理想的な?)コイルであって,これを電池と直結すると電流が無限大になる.このため抵抗Rをかませて,電流の上限値を定めてやることでコイルに蓄えられているエネルギーが有限値になるようにしている,という理解でよろしいでしょうか?

そうすると,「電池+L」の回路を使って「実際の電池やコイルには内部抵抗があるので,電流は一定値になる」という説明も可能だと思いますが,そのように考えても大丈夫でしょうか?

2008/05/29 12:27:44
  • id:virtual
    >>
    つまり,説明文にあった「電池+R+L」回路のコイルは抵抗の無い(理想的な?)コイルであって,これを電池と直結すると電流が無限大になる.このため抵抗Rをかませて,電流の上限値を定めてやることでコイルに蓄えられているエネルギーが有限値になるようにしている,という理解でよろしいでしょうか?
    <<

    はい、正しい理解です。
    もう少し正確に言うと、本来コイルは電流で動く素子なので電圧源の電池ではなく電流源(電流値が一定)の電源を接続して特性を論じるべきなのですが、これを電池と抵抗を使うことで定電流源としています。

    >>
    そうすると,「電池+L」の回路を使って「実際の電池やコイルには内部抵抗があるので,電流は一定値になる」という説明も可能だと思いますが,そのように考えても大丈夫でしょうか?
    <<

    大丈夫です。
    ただ、内部抵抗がどのくらいの値かによって結果が変わってきます。
    リレーやブザーや電磁石に使うような細い線で巻き数が多いコイルの場合は比較的内部抵抗が大きいので電池をつなぐとすぐにほぼ一定値に電流が落ち着きますが巻き数が少ないコイルの場合は電流が流れすぎたり大きな電流でコイル自体が発熱して(電池程度の電源だと起きにくいですが)発煙発火という可能性もあります。
    また空芯コイルだと磁気飽和を起こさないですが、鉄心が入っているコイルの場合はコイルに流れる電流値が大きくなると磁気飽和を起こしてインダクタンスが減り電流値が加速度的に増えます。
    こういった極限的例外的な現象が生じることについて説明が必要になるかもしれません。

  • id:glaxosmith
    丁寧なご説明,ありがとうございました.
    素人には若干難しい点もありましたが,大変参考になりました.
    また何か電磁気がらみで質問させてもらうかも知れませんので,そのときはよろしくお願いします.

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