少し前から国庫負担率を引き上げる論議が起きてますが、そもそも18歳以上全員加入が原則の年金負担を税と別にする意味は、人口ピラミッドが崩れた現在でもあるのでしょうか?
また仮に完全税方式に移行したとして、既に払い込んだ年金負担との公平性をどのように担保するかについて、具体的な方策は上がっているのでしょうか?
年金にしても保険にしても、全て税でまかなえば徴収コストや運営コストは削減できそうですし、生活保護と一体化したセーフティーネットもできると思うのですが・・・。
IDコールが届きました。
「完全税方式に移行する話」は、少なくとも10年ほど前から持ち上がっています。
こうした議論を報道しないのはマスメディアの限界だと思うのですが、インターネットが普及しつつあった時期に重なるので、Webを当たればその経緯を見ていくことができるかもしれません。
(上記資料を掲げたからといって、私は小沢さんのファンではありませんので、念のため)
「既に払い込まれた掛け金との公平性を保った制度設計がそもそも可能」かどうかの問題については、法律によってどうとでもなるものだと思います。
とくに公的年金については、料率がちょくちょく変わるうえ、支給年齢も変動しています。さらに、社会保険庁による改竄なども加わり、私のようなIT屋から見たら、「掛け金対支給額をシステム計算できるはずがない」という仕組みになり果てています。
結局、法律に「こうなりました」と書けば、制度設計など簡単に変更できてしまうと思うのです。さらに、立法府で審議することなく、霞ヶ関の胸先三寸だけで変更できる「省令」によって変更することすら可能でしょう。
「陳情の様子」ですが、身分証明書があれば霞ヶ関の各庁舎(警察庁以外)に入ることができます。入場無料。入札公告や落札者なども出ているので、税金がどう使われているのかも分かります。各省庁のHPでは公開審議会の傍聴を募集しているので、それを目当てに行ってみるのも面白いです。
話がややこしくなるので、ここで言う「年金」とは、公的年金(年金保険)に限定します。企業年金や養老年金のような民間の年金制度は除外します。
公的年金は保険の一種です。ある一定の医療を提供するのが「医療保険」、ある一定の金銭を提供するのが「年金保険」という区分になります。
では、「保険」とは何でしょうか。
Wikipediaによれば、「保険」とは
多数の者が金銭(保険料)を出し合い、その資金によって事故が発生した者に金銭(保険金)を給付する制度
とあります。つまり、保険とは「互助制度」の一種です。
そして我が国の場合、医療保険も年金保険も、世代間の互助――若い世代が年配の世代を助ける――になっているのが特徴です。
しかし、制度を作った当時(昭和30年代)から人口ピラミッドが大幅に変わってしまった現在、この仕組みが上手く行かなくなってしまいました。
一方の「税金」ですが、こちらは所得間格差の緩和――すなわち、富裕層から貧困層へ所得を移動させ、格差を少なくするという性格を持っています。富裕層は望むと望まざるとに関わらず、所得の移転を強要されます。これが税金の特徴です。
したがって、「世代間」の「互助」という性質の保険制度を、「所得移転」の性質を持つ税金で置き換えようとすると、さまざまな矛盾を生じます。
すぐに分かることは、関連する法律が異なり、管轄する官庁が異なる(保険⇒厚労省・社会保険庁、税金⇒財務省)ための問題です。いまの法律、体制では、完全税方式へ移行することはできないのです。
istanbulingさんがご指摘のように、税方式へ移行すれば、私も「徴収コストや運営コストは削減でき」ると思います。しかし、我が国は法治国家ですので、保険制度を変えたいなら、法律と行政を変更する必要があります。
もちろん、これを変更できるのは立法府たる国会であり、国会を構成する政治家を選出する立場にある国民なのですが‥‥。
>保険制度を変えたいなら、法律と行政を変更する必要があります。
もちろん、これを変更できるのは立法府たる国会であり、国会を構成する政治家を選出する立場にある国民なのですが‥‥。
は勿論そうなのですが、その前に完全税方式を採用すべきかどうかが知りたいのです。
ご指摘の「税金は所得移転の役割を持つ」は、累進性の緩和や、税目の変更によって対応可能ですし。
税体系のグランドデザインを含めた変更によって、現状改善が可能なのでは?とずっと考えていて、それを否定する理由が今のところ全く見つからないのですが、議論の遡上に挙がっていないのが不思議でなりません。
前提として論理の世界ですので、
税と年金は全然違います。
税は収めるもの、年金は自分のために自分でためるものです。
ちなみに人口ピラミッドの崩壊とは全く関係ありません。
仮に・・・というの話はないので、具体的な方策もありません。
そういう議論がなされている
全て税でまかなえば、というのは税金と年金の違いを考えると不可能でしょう。
ただし、税金と年金を一括して集めるという案は出ていたと思います。
ですが実際には、国税庁と厚労省の権力争いから、なかなか実現はしないでしょう。
いや違わないでしょ・・・
#1のコメント:
ご指摘の「税金は所得移転の役割を持つ」は、累進性の緩和や、税目の変更によって対応可能ですし。
仰るとおりです。実際、累進制の緩和は行われていますし、それでなくても消費税は所得移転の性質をもっていません。
ご承知のように、消費税の目的税化に関しては国会で過去に何度も取り上げられていますので、「議論の遡上に挙がっていない」というわけではないと思います。
しかしながら、いまだに目的税化していないのも事実です。
私も、「税体系のグランドデザインを含めた変更によって」事態が改善する見込みが無いとは思っていません。
ですが、それを行うには税法に手を加える必要があり、それが一筋縄ではいかないということも、過去の国会の議論を見ていただければご理解いただけるものと存じます。
また、今回の米国金融危機を受け、野党も補正予算通過に協調を示していることなどを見れば、なぜ議論が進まないかもご理解いただけるのではないかと――機会があれば、一度、霞ヶ関における陳情の様子を生で見てみてください。トホホですよ、まったく(怒)。
この国は、決算から予算を立てる仕組みにはなっていないのですね。
追伸>istanbulingさん
IDコールはまだ届いていませんが、ウォッチはしていますので。
はてなの説明を読んだところ、IDコールは回答欄からのみ届くようです。
ご指摘のように年金の国庫負担率を引き上げる議論の中で、消費税の目的化は取りざたされてますが、完全税方式に移行する話は見聞きした事がないのです。
また実現にあたっては政治上の非常な難産が予想される事は理解できるのですが、その前段階として、既に払い込まれた掛け金との公平性を保った制度設計がそもそも可能であるかどうかが知りたいです。
この点についてid:pahooさんはどのようにお考えになりますか?(無効確認IDコールです・・・)
陳情の様子は是非一度見てみたいですね。
でもどのように機会を作ればいいのか見当もつきません・・・
IDコールが届きました。
「完全税方式に移行する話」は、少なくとも10年ほど前から持ち上がっています。
こうした議論を報道しないのはマスメディアの限界だと思うのですが、インターネットが普及しつつあった時期に重なるので、Webを当たればその経緯を見ていくことができるかもしれません。
(上記資料を掲げたからといって、私は小沢さんのファンではありませんので、念のため)
「既に払い込まれた掛け金との公平性を保った制度設計がそもそも可能」かどうかの問題については、法律によってどうとでもなるものだと思います。
とくに公的年金については、料率がちょくちょく変わるうえ、支給年齢も変動しています。さらに、社会保険庁による改竄なども加わり、私のようなIT屋から見たら、「掛け金対支給額をシステム計算できるはずがない」という仕組みになり果てています。
結局、法律に「こうなりました」と書けば、制度設計など簡単に変更できてしまうと思うのです。さらに、立法府で審議することなく、霞ヶ関の胸先三寸だけで変更できる「省令」によって変更することすら可能でしょう。
「陳情の様子」ですが、身分証明書があれば霞ヶ関の各庁舎(警察庁以外)に入ることができます。入場無料。入札公告や落札者なども出ているので、税金がどう使われているのかも分かります。各省庁のHPでは公開審議会の傍聴を募集しているので、それを目当てに行ってみるのも面白いです。
すっきりしました!
ありがとうございます。
陳情も見に行ってみたいと思います。
最後までお付き合いいただき感謝です。
これからもどうぞよろしくお願いします。
すっきりしました!
ありがとうございます。
陳情も見に行ってみたいと思います。
最後までお付き合いいただき感謝です。
これからもどうぞよろしくお願いします。