THEME:「新緑を愛でる」「初夏の味覚」「衣替え・模様替えに」
「今日をちょっと楽しく、イエで過ごすいつもの時間を素敵に変える小さな魔法のサプリがあったら…」と展開してきた “リブ・ラブ・サプリ”コーナーの続編のひとつSEASONバージョン。四季の暮らしや衣食住のこと、新しいシーズンライフ…。毎回のテーマに沿って、毎日を元気にする暮らしのサプリをその思いや由来とともにメッセージ下さいね。
豊かな暮らしをつくっていく〈イエはてな〉のマインドで、みなさまのご参加をお待ちしています!
*回答条件* 下記のページをご覧になってご投稿下さいね!
「Welcome to イエはてな」
http://d.hatena.ne.jp/ie-ha-te-na/20080731
テーマ詳細とサプリ例
http://d.hatena.ne.jp/ie-ha-te-na/20090527
プレゼント変更ご案内
http://d.hatena.ne.jp/ie-ha-te-na/20080729
※〈イエはてな〉では、はてなスターを「おすすめメッセージ」として活用しています。ご回答頂く時にもご参考下さい。また投稿期間中はできるだけはてなスターのご利用を控えて頂けますようお願いいたします。
※質問は6月1日(月)正午で終了させて頂きます。
鮎の独特の香りは、今は釣り人でも知っている人が少ないと思います。私もこれが本物の天然の鮎と匂いをかがせてもらって、初めて知りました。その昔、「なまぐさ」が禁じられていた僧侶の中にも、鮎だけは「なまぐさではない」として食べていた人がいたらしいですよね。とんちやギャグではなく、真面目な話としてそれで通っちゃうんですから、鮎の魚とは思えないあの香りは、本当に独特です。
さて、鮎と言えば炭火ですよね。炭で焼くと香ばしく、身はふっくら。旨い鮎がさらに何倍も美味しくなります。そして遠赤外線によって中までしっかり火が通るという衛生効果も見逃せませんよね。
火の基本は強火の遠火。弱火の近火で焼くと身が縮んでふっくら感が損なわれます。そういう点でも、ガス火なんかだめ。炭火ですよね、もう絶対。
そして食べる時は直接かぶりつく。鮎の場合はこれが基本だと思います。皿の上で身をほぐして食べていては、本当の旨さの一部を捨てているような物ですよね。鮎の塩焼きは野趣溢れる料理ですから、それで作法にかないます。
鮎は香魚とも呼ばれ、体表の粘膜にスイカやウリに似た爽やかな香りがあります。この香りは体内の脂肪分が酵素によって分解されて発せられるもので、鮎の脂肪の質は食べ物によって決まりますから、養殖物ではこの独特の香りがあまり感じられません。
そこで、今は完全な天然とは言えませんが、川に行って釣りたくなってくるわけです。この解禁がだいたい6月から7月にかけてなので、鮎といったら初夏の味覚なのですね。
清流に恵まれた中上流域に天然の鮎がひしめくと、川原は鮎の香りで満たされます。もっとも今は、本当に香り高い天然の鮎は、ほとんど見られなくなってしまいました。今は多くの川の鮎が解禁1~2ヶ月前に放流された養殖鮎なので、それがちょっと寂しいですね。
それでも天然遡上の鮎もいます。鮎は体調5~10cmくらいに成長すると遡上を開始して川に上がってきますが、このサイズは人工放流する物よりずっと小型ですから、そういう鮎がいる川は、解禁後が期待できる川ということになります。
鮎か違う魚かは、行動を観察していると分かります。鮎は遡上を始める頃から歯の形が岩にへばりついた藻を食べるのに適した形になってきます。もし石に頭をこすりつけるような動作をしている魚がいたら、おそらくそれが鮎です。またそういう石を観察してみると、紡錘形に藻が剥ぎ取られた独特の食べ跡が見られます。
さて、初夏の味覚としての鮎についてですが、解禁直後の天然の若鮎は特に美味で、新鮮な鮎の塩焼きは最高です。同じ水系でも上質の藻類が育つ上流域の鮎ほど美味しいと言われています。塩焼きを存分に堪能したら、天麩羅もいいですね。
また鮎はしばしば刺身状にして生でも食べられますが、鮎には人間の小腸に寄生する横川吸虫という虫がいるので注意が必要です。命に関わるような症状になることはありませんが、寄生数が多いと慢性的な腸炎などにかかります。
横川吸虫は塩焼きなどの生焼け部分からも感染します。その点、遠赤外線で奥までじっくり火が通る炭火は安心ですね。日本伝統の炭火焼きは、安全に、香り高く焼き上げる、素晴らしい調理法です。
イエはてなには炭火を勧める書き込みがよく見られますが、皆さんも鮎を釣ったら、あるいはいただいたら、ぜひ炭火とのコンビネーションを考えてみてください。この素晴らしい初夏の味覚を味わうために、わざわざ七輪を買ってもいいではないですか。養殖の鮎でも、炭火で焼くとひと味もふた味も違ってきます。