http://www.geocities.jp/minase_bungei/g22.html
ネアンデルタール人の全体の脳の容量は大きかったが、その前頭葉の部分はわれわれより小さかったことが頭骨の裏に残った動脈の痕からわかっている。その分、皮質の面積も狭かったと推側される。(新人の前頭葉の70%程度。)前頭葉は言語中枢や意識的に類推する機能や、感情をコントロールするための理性があるところだ。われわれ新人は繊細な感受性や情動を、特に社会生活のための感情(悪いことをしたときの心の痛み、賞賛されたときの快感など)を獲得し、それを制御するための機能も高めた、と私は推測する。
ネアンデルタール人の脳では、その大きな鼻によって獲物の匂いを嗅ぎ取るための嗅覚や、姿を識別するための視覚などの感覚器官や、筋肉を動かすための神経は十分に発達していたと思われる。側頭葉による記憶力もよかったかもしれない。けれど、高次の知的機能は発達していなかったと思われる。つまり、自己認識や分析機能が新人と比べて十分ではなく、理性的な判断力や想像力にも乏しかったようだ。社会生活に必要な、相手を思いやる心も欠けていたかもしれない。
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=170822
ネアンデルタール人はおそらく運動機能発達を目的とし、脳容量を大きくしていった種で、一方ホモサピエンスは観念機能発達を目的とし脳容量を大きくしていった種である。
「運動機能の発達」だそうです。氷河期を生き抜くための方法の一つだったんだろうと思います。
>それにネアンデルタール人の赤ちゃんは、ヒトの赤ちゃんのように、
>寝ているだけの時期を過ごしたのでしょうか。
>それとも、脳は成熟した状態で生まれてきたのでしょうか。興味があります
ネアンデルタール人はヒトよりも成長が早く,
最近の研究によると,特に子供は急速に大きな脳を発達させ,
しかもヒトよりもゆっくりとしたライフヒストリーを持っていた(性成熟が遅く長生きした)
可能性も指摘されています
脳容量に関しては,現代人はネアンデルタール人だけでなく,
クロマニヨン人などの初期のHomo sapiensと比べても小さい傾向があります
http://hiki.trpg.net/BlueRose/?Cro-MagnonMan
これは,エネルギーコストの面から「小さい脳」の方が有利だったからかも知れませんね
>ネアンデルタール人の滅亡に新シナリオ
>
>早熟で早死にする――そんな従来のネアンデルタール人のイメージを覆す研究が発表された。
>ネアンデルタール人の骨格の調査から、彼らは急速に成長するが、性的な成熟には現生人類より
>長い時間がかかり、最終的には高齢に達するまで生きていた可能性が高いという。
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_i...
>ヒトのライフヒストリー(生活史)の進化を解明
>- ネアンデルタール新生児の脳サイズから考える -
>
>ネアンデルタール人は早く成長したが、ゆっくりしたライフヒストリーを持っていた。大きな脳
>を早く成長させるにはエネルギーの集中投与が必要であり、大きな、ゆっくり成熟する母親に
>よってのみ可能である。したがってネアンデルタール人は現代人に比べて幾分ゆっくりした
>ライフヒストリーを持っていた可能性が高い。この考えはこれまでの常識-ネアンデルタール人
>が「早く生き、若く死ぬ」という考え-にはそぐわない。ネアンデルタール人は「早く成長し
>大きく育ち、ゆっくり死ぬ」とするのが適当かもしれない。
>
>ヒトの脳サイズ:小さいほうがすばらしい? ネアンデルタール人のゆっくりしたライフ
>ヒストリーは更新世の現代人(更新世のホモ・サピエンス)と共有していた特長かもしれない。
>これら早期の現代人は今日の我々よりも脳が大きかったという事実がある。過去4万年にわたって
>現代人は脳サイズを減少させてきたのである。この現代人の小さく成長するが効果は衰えない脳は
>エネルギーコストの面から有利であり、その結果現代人が更新世時代より高い繁殖率を持つに
>いたったと想像できる。したがって現代人の脳サイズの減少は進化的有利を示すものかもしれない。
http://www.s.u-tokyo.ac.jp/press/press-2008-19.html
>ネアンデルタール人の成長速度、および脳の大きさと生活史との関係
> これまで、現代人よりもネアンデルタール人のほうが成長が速かったとの見解がたびたび主張
>されてきており、その場合、現代人よりもネアンデルタール人のほうが寿命が短かった、と考え
>られてきました。この研究で示された結果も、そうした見解を裏づけるものと考えられるかも
>しれませんが、この研究では、平均するとネアンデルタール人の成人時の脳は現代人よりも
>大きく、両者の脳の成長の持続期間は同じだ、と指摘されています。
>
> またこの研究では、ネアンデルタール人の子供は大きな脳を急速に成長させるので、その母親
>にはより大きなエネルギー・栄養が必要とされることから、ネアンデルタール人女性はより成熟
>した状態での出産が要求され、初出産時の年齢は高かったのではないか、と推測されています。
>そのため、ネアンデルタール人の生活史は、最近のホモ=サピエンスと同じくらいの速度か、
>やや遅かった可能性もある、とされています。さらにこの研究では、脳と生活史の進化の関係の
>深さについても指摘され、今後の人類進化史の研究への展望が提示されています。
>
>参考文献:
>Ponce de León. et al.(2008): Neanderthal brain size at birth provides insights into the evolution of human life history. PNAS, 105, 37, 13764-13768.
>http://dx.doi.org/10.1073/pnas.0803917105
http://sicambre.at.webry.info/200809/article_12.html
「ネアンデルタール人の言語」については,
音楽様の会話によってコミュニケーションをしていたという説がありますね
>歌うネアンデルタール―音楽と言語から見るヒトの進化
>
>われわれの生活に欠かすことのできない音楽。この音楽は、いつごろ、どのようにして人類の
>歴史に誕生したのだろう。音楽は進化の過程でことばの副産物として誕生したというのが、
>これまでの主要な意見であった。しかし、ミズンは、初期人類はむしろ音楽様の会話をしていた
>はずだとし、彼らのコミュニケーションを全体的、多様式的、操作的、音楽的、ミメシス的な
>「Hmmmmm」と名づけた。絶滅した人類、ネアンデルタールはじゅうぶんに発達した咽頭と大きな
>脳容量をもち、この「Hmmmmm」を使うのにふさわしい進化を遂げていた。20万年前の地球は、
>狩りをし、異性を口説き、子どもをあやす彼らの歌声に満ちていたことだろう。一方、ホモ・
>サピエンスではより明確に意思疎通するために言語が発達し、音楽は感情表現の手段として熟成
>されてきたものと考えられる。認知考古学の第一人者として、人類の心の進化を追究しつづける
>スティーヴン・ミズンが、太古の地球に響きわたる歌声を再現する。
http://www.amazon.co.jp/dp/4152087390
>歌うネアンデルタールと音痴なミズンの科学
大変参考になります。ありがとうございました。
ネアンデルタール人の頭蓋化石の写真をたくさん見てみたところ、おでこがないことに気づきました。
現生人類とは、おでこの有無ではっきりと違いが見分けられますね。ここに違いがあるのでしょうか。
運動機能ですか、なるほど。
どこまで信用してよいのか、証拠が示されていないページではありますが、参考にはなりますね。
運動機能発達というけれど、チンパンジーやゴリラ以上にいったいどんな運動機能が発達したのでしょう。
それにネアンデルタール人の赤ちゃんは、ヒトの赤ちゃんのように、寝ているだけの時期を過ごしたのでしょうか。
それとも、脳は成熟した状態で生まれてきたのでしょうか。興味があります