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俺が青春だ
C2H5OH2010/04/07 22:58:041pt
父はよく言います。「俺が青春だ」と。これはモノクロ時代のテレビドラマのタイトル「これが青春だ」のパロディだと思われますが、カラー放送が当たり前になってからも盛んに再放送されていたようですから、若き父がこれを見て熱血青春路線をひた走っていたことは想像に難くありません。
この種の青春をテーマにしたドラマはシリーズで何作も続きましたので、その中からはたくさんの名言が生まれてきたようです。「涙は心の汗だ」「Let's begin とにかく何かを始めよう」等々。こんな言葉を、父は臆面もなく口にします。しかしそれが嘘っぽくないのです。年長者が昔の価値観を持ち出すと、どこか絵空事っぽかったり説教臭かったりして、聞いている方が恥ずかしくなったりするものですが、父の言葉には現在進行形の父のあり方が素直に現れていて、とても自然な言葉として響いてくるのです。
父さんはなぁ、自分が何のために生まれてきたのか、何のために生きていくのか、それが分からなかったんだ。だから同じように悩み、同じように答えを探しながら、それでも明るく生きていこうとする、そんな同世代の学生達を扱ったドラマに夢中になったんだな。
今でも自分が何のために生まれてきたのか分からない。この年になっても人生の完成形が見えてこない。仕事では一定の成功をした。家族を持って、家を建てて、このまま老成していけば間違いのない堅実な人生ということになりそうな所までやってきた。でもまだ自分が何のために生きていくのか、それが分からないんだ。だから一生それを探していく。
世の父親は、息子が成人したら、同じ大人として酒を酌み交わすのを楽しみにするという。でも父さんは息子に「ようこそ大人の世界へ」なんて言えるような完成された人間じゃないんだ。むしろ息子の若さに学ぶために酒を酌み交わしたい。ずっとそう思っていた。
学生時代の一年は大きく人を成長させる。しかしその速度は、成長するに従って遅くなる。学生時代の一学年の違いは大きい。しかし成人して社会に出れば、20代も30代も40代も50代も、さして差はなくなってくる。世の父は息子にその背中を見せて育てていくという。しかしそのうち、息子の背中を追いかけていくようになるんだ。でも父さんは生涯青春だ。お前に見せてやれるような立派な背中は持てなかったが、お前と並んで走ってきたという自負はある。だからこれからも一緒に走ってくれ。
こんなのが、私が成人した時の父の言葉でした。人生の完成の仕方を教えてくれるのではなく、人生の意味の探し方を教えてくれる父です。今も父は新しい目標を探しながら熱血しているようです。
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「俺が青春だ」by id:C2H5OH 父はよく言います。「俺が青春だ」と。これはモノクロ時代のテレビドラマのタイトル「これが青春だ」のパロディだと思われますが、カラー放送が当たり前に
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「初めて耳にした夫の心の中」by id:canorps 私にとっての家族の名言は夫の一言だと思います。 私の夫はあまり自分の心のうちを語る人ではなくて、人をほめたり、ふわふわ言葉を使うこ
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イエ・ルポ 2 ヒット賞 「かわいい子には○○させろ」by id:TinkerBell これがずっと前からの母の口癖でした。 「かわいい子には早寝させろー」 「かわいい子にはお手伝いさせろー」 「かわ
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父はよく言います。「俺が青春だ」と。これはモノクロ時代のテレビドラマのタイトル「これが青春だ」のパロディだと思われますが、カラー放送が当たり前になってからも盛んに再放送されていたようですから、若き父がこれを見て熱血青春路線をひた走っていたことは想像に難くありません。
この種の青春をテーマにしたドラマはシリーズで何作も続きましたので、その中からはたくさんの名言が生まれてきたようです。「涙は心の汗だ」「Let's begin とにかく何かを始めよう」等々。こんな言葉を、父は臆面もなく口にします。しかしそれが嘘っぽくないのです。年長者が昔の価値観を持ち出すと、どこか絵空事っぽかったり説教臭かったりして、聞いている方が恥ずかしくなったりするものですが、父の言葉には現在進行形の父のあり方が素直に現れていて、とても自然な言葉として響いてくるのです。
父さんはなぁ、自分が何のために生まれてきたのか、何のために生きていくのか、それが分からなかったんだ。だから同じように悩み、同じように答えを探しながら、それでも明るく生きていこうとする、そんな同世代の学生達を扱ったドラマに夢中になったんだな。
今でも自分が何のために生まれてきたのか分からない。この年になっても人生の完成形が見えてこない。仕事では一定の成功をした。家族を持って、家を建てて、このまま老成していけば間違いのない堅実な人生ということになりそうな所までやってきた。でもまだ自分が何のために生きていくのか、それが分からないんだ。だから一生それを探していく。
世の父親は、息子が成人したら、同じ大人として酒を酌み交わすのを楽しみにするという。でも父さんは息子に「ようこそ大人の世界へ」なんて言えるような完成された人間じゃないんだ。むしろ息子の若さに学ぶために酒を酌み交わしたい。ずっとそう思っていた。
学生時代の一年は大きく人を成長させる。しかしその速度は、成長するに従って遅くなる。学生時代の一学年の違いは大きい。しかし成人して社会に出れば、20代も30代も40代も50代も、さして差はなくなってくる。世の父は息子にその背中を見せて育てていくという。しかしそのうち、息子の背中を追いかけていくようになるんだ。でも父さんは生涯青春だ。お前に見せてやれるような立派な背中は持てなかったが、お前と並んで走ってきたという自負はある。だからこれからも一緒に走ってくれ。
こんなのが、私が成人した時の父の言葉でした。人生の完成の仕方を教えてくれるのではなく、人生の意味の探し方を教えてくれる父です。今も父は新しい目標を探しながら熱血しているようです。