D菜が道端で悩んでいた。
B美「どうしたの?」
D菜「F吉のクラスに、アメリカの転校生が来たでしょ。彼女、日本のことをF吉に尋ねるのよ。
私が校門を出ようとしてたら、F吉と彼女が、すぐ前を歩いてたのね。
で、F吉が彼女に何かを説明してたんだけど、何の説明か、さっぱりわからないの。こんなこと言ってたんだけど。
F吉『イントロクイズみたいなもんだね…。
居合にもちょっと似てるなぁ…。
CDにたとえるなら懐メロ集みたいなものだよ…。
もちろん、単に「きれいー」って鑑賞してもいいわけで…。
バカラみたいな楽しみ方もできるよ…。
でもまあ、今の日本人で、普段やってる人はほとんどいないなあ…。
え、僕? もちろんやったことあるけど、最近はぜんぜんしてないなぁ…』
で、『そうだ! 今から僕の家でやろう!!』って叫んで、彼女の手をつかんで家に帰っていったの。すっごく気になるんだけど。B美はわかる?」
B美は頷いた。
※11月11日21:00以降。小説回答歓迎。
B美は頷いた。
「あのスケベF吉のことだから、ルールとか裏覚えで、ツイスターゲームの”くんずほぐれつ”みたいな展開を狙ってるんでしょうけどね」
D菜「えっ、答えって、そういうものなの?」
B美「ううん、純日本的な・・・というより日本語の原典、みたいなものね。ゲーム性はとても高いわよ」
D菜「ええー、分かってるなら早く答え教えてよ、意地悪ね」
B美「そういえばD菜は携帯電話、の修理終わってないんだっけ。じゃあ、掛かってくるとすれば私の方ね」
B美はD菜の質問には答えず、携帯電話を取り出しながら、マナーモードを解除した。
計ったようなタイミングで着信音が鳴る。
!!!!!!!!!!!!!!!!
D菜(相変わらずB美の携帯って表記不能な着信音よね、いつか何の音楽なのか問いたださなくちゃ)
B美「この着信音はF吉ね、でるわよ。 ・・・F吉? そうでしょう。そういう時はもう一度お店に行って今からいうものを買ってきて頂戴。CDプレイヤーくらいは持ってるわよね? そう一時停止ボタンがついてれば十分。 メモの用意はいい? 12月に入れば大きな書店なら置いてると思うわ」
B美は続けて細かい説明を伝えた後、電話を切ってD菜に微笑みかけた。
B美「予想通りね、このゲームは二人でやるのは難しいの。F吉はゲームの道具を前にして初めてそのことに気づいたみたいで、私たちに一緒にやろうと声を掛けてきたの。折角だから、D菜もいきましょうかF吉の家へ」
二人は連れ立ってF吉の家に急いだ。
D菜(そういえば、F吉が連れてったアメリカの転校生ジェニーって随分と日本語に興味を示してたわね)
B美「F吉~、準備できた?」
玄関ドアを開けながら、B美はF吉に声をかけた。F吉は困った顔をしている。
F吉「いやーそれがさあ、俺ルールよくわかってなかったのね。折角ジェニーに日本文化を手取り足取り伝授してあげようとおもったんだけど、コレって根本的に全部覚えてないと遊べないのね。何より二人じゃどうしようもないって」
B美「まあ本式にはそうだけど、そうかしこまる必要もないわ。あ、私B美、こっちはD菜ね。ジェニーさんよろしく。日本らしいこのゲームに興味を持ってくれたのは嬉しいわ。聞いた相手がすこーし間違ってたわけだけど」
ジェニー「アリガト。ジェニーかるた好きね。アメリカのトランプより絵、beatifullね!」
B美「う~ん、かるたとはちょっと違うんだけど・・・まあこれから教えてあげるからいいか、F吉 CD用意して!」
B美が部屋に入ってきた途端に、家の主であるはずのF吉は完全に従者の扱い。例えていえば、B美は手術室に入ってきた執刀医、F吉は第二助手といった雰囲気である。
F吉「ええと、ほんとにこれでいいの? もう少し安いのもあったんだけどな」
F吉が右手にCDラジカセ、左手にCDのジャケットを持っていた。
そのジャケットは・・・・
参照元:http://www.taichi-blog.jp/blog/2008/06/post-4986.html
B美「きゃー、ほんとに買ってきてくれたんだ。これ欲しかったんだ。ジャケットは終わったら私がもらって帰るけどいいわよね」
F吉 D菜「・・・・」
B美「ま、まあ、これで正解は分かったでしょ。"百人一首" 。小倉百人一首でも正解かな」
D菜「(B美ってルックスには拘らないと思ってたのに)ところで小倉百人一首の小倉ってどういう意味? あとなんでCDが必要なの?」
B美「小倉百人一首は藤原定家が選者となった百人一首で、今一番ポピュラーなものね。単に百人一首といえば通常はこれを指すことが多いわ。CDが必要なのは札読みする人を省略できるから、F吉とジェニーの二人だけじゃ坊主めくりくらいしか勝負できないでしょ!」
D菜「坊主めくりって何?」
B美「百人一首の絵の描いてある札を使ったマインスイーパと言えば、今の人には理解が早いかしらね。ルールは地域や年代によって少しづつ変わるけど、要はめくったカードが坊主だったらドボン、というゲーム。百人一首に慣れるための軽い遊びよ。F吉がバカラって表現したのはこれかしらね」
F吉「く、くわしいね。じゃあ、CD聞いてみて困ったんだけどさ、このカルタって札読みする人の文字のカードに歌が全部書かれて無いんだけど、どうやって読んでるの?」
B美「そんなことだろうと思ったわ。F吉はこっちの絵が書いてある札を床に並べて取るつもりだったんでしょ。それだとCDの音源とは合わないわよね。競技カルタの基本は逆、こうよ」
参照元:http://okunokaruta.shop-pro.jp/?pid=17954114
F吉「そ、そうなんだ。じゃあ結局歌を全部覚えてないと遊べないのは変わりがないんだ・・・」
B美「百人一首の歌は意味のある歌だし、そんなに多いわけではないから覚えるのは簡単よ。でも今日のところはそういうわけにも行かないし、まずは"逆さまかるた "でやってみましょうか」
ジェニー「逆さまとは、絵を逆さまに置くのDETHか?」
B美「ジェニーなかなか面白いわね、でもそうじゃなくて、普通は読み手が絵札を持っていて上の句から順番に読むの。それを聞いた取り手は対応する下の句を思い出しながら、下の句しか書かれていない取札を奪い合うのだけど、 "逆さまかるた "では、取札と読み札を逆にするの。絵札を並べて、詠み人は下の句だけを読むわけ、ところでジェニーは漢字は苦手? じゃあ最初はジェニーに読み人を任せましょうか。読みながら自分でも対応する絵札を探してみて。練習も兼ねてね」
D菜とF吉は並んですわり、ジェニーが詠み人として上座についた。
B美はD菜、F吉と広げた絵札をはさんで座った。いつのまに取り出したのか、和風柄を紐をたすき掛けにかけ、服をしばっていて・・・準備万端に見える。
B美「さあ、いくわよ! ルールは散らし取り、沢山取った人が勝ちの分かりやすい勝負。ハンデとしてで私ひとりとD菜、F吉の二人はチームでいいわ。"源平合戦"と"散らし取り"の混在ルールだけどね。じゃあジェニー、始めて!」
ジェニー「はい、それではfirstカードは・・・からくれ」
B美「はい!」バシッ
ジェニー「おおっ、居合ソノモノデス! Nextまして~、 はなぞむ」
B美「はいっ次」バシッ
F吉D菜「・・・・・」
・・・
・・・・
D菜「はい、98対2で、私の勝ちね。景品として"早乙女太一朗読CD"は貰っていくわね」
ちなみに2はD菜のお手つきによる棚ボタだったが。逆さまかるたの場合、下の句から読み始めるので知ってる人ほどお手つきをする可能性がある。
F吉「く、くそう、最初からたばかったな! そもそもこの遊び方ならCDいらないじゃん!」
D菜「はいはい、でも悔しくて覚える気になったでしょ。ジェニーにいいとこ見せたいなら、頑張って覚えてね。おまけで覚えるこつだけど、百首を一機に覚えようとするんじゃなくて、自分の得意札をまずつくる方が早いし楽しいし札を取れる確率が上がるわ。
特に"一字決まり"と言われる「むすめふさほせ」の7枚は必須ね。
ちなみにA楠の地元では地元にちなんだ句があるので、その句だけは全員の争奪戦になるので盛り上がるそうよ。読み手も心得たもので、その句のときは数拍、間を取るのでバレバレなんだけどね」
-了-
_______________________________
ルール参考:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%99%BE%E4%BA%BA%E4%B8%80%E9%A6%9...
_______________________________
僕は指摘のコメントを目にしてしまったので、今回はどうしようかなとも思いましたが、がっかりしながらも、質問を継続させたらいおんさんと"その人"(笑)のためにも、いつもと違う趣向で書き下ろしました。
一応これにて、問題成立、ということでどうでしょう?
百人一首ではないでしょうか。
>イントロクイズみたいなもんだね…。
歌の出だし、イントロで判断して札をとります。
>居合にもちょっと似てるなぁ…。
これは緊張感が、ということでしょうか。
>CDにたとえるなら懐メロ集みたいなものだよ…。
古くから伝わる有名な歌ですしね。
>もちろん、単に「きれいー」って鑑賞してもいいわけで…。
絵札は華やかで美しいということですよね。
10ptで。
B美「分かるわよ、百人一首かるたでしょ。『競技かるた』なんて、まんまイントロクイズよね。確かに見た目にも居合みたいだし。まぁ懐メロ集どころじゃなく古いけどね。観賞……単に人物が描かれたものをどう観賞するの?って思うけどモノによってはアリかも。『バカラみたいな楽しみ方』っていうのは多分青冠の事ね。でもそれだったら坊主めくりの方が分かりやすいわ。ちなみにだけど、『かるた』っていうのはポルトガル語の"carta"からね。語源は英語の"card"と同じ、元々は『厚紙』って意味。ところで、F吉って何時の間に説明上手になったの?もしかして、説明ってのは建前でナンパに必死になってる?」
D菜「だとしたら、あんな下手なナンパないよ。私、B美の説明でやっと分かったもん」
B美「えぇっ、そう!?でもどっちにしても、F吉は上手くいかないわね。『もちろんやったことある』ってのも嘘だから。今頃アタフタしてるわ……多分だけど」
yam3104様、「青冠」ってはじめて知りました。こちらが想定していたのは「坊主めくり」でしたが、楽しめました。ありがとうございます!!
B美「F吉は百人一首を説明していたんだわ。」
D菜「どうしてあれが百人一種の説明なの?」
B美「まず、イントロクイズっていうのは和歌の最初の上の句を聞いて下の句をいち早く取る様子を伝えているわ。」
D菜「そう言われればそうね。じゃあ、居合みたいっていうのは?」
B美「それは取り手が札を取るときの様子ね。目にもとまらぬ速さで札をとばしてしまう人もいるからね。」
D菜「次の懐メロ集みたいっているのは分かるわ。古い和歌を集めたものだってことよね。」
B美「そうだと思うわ。」
D菜「でも、次の『きれいー』って鑑賞するっていうのはどういうことだろう?和歌を読んだら他の感想が出そうだけど。」
B美「違うわ。それはきっと読み札の女の歌人を見るということだと思うわ。」
D菜「そんなことするなんてF吉は変ね。」
B美「その次のバカラみたいな楽しみ方っていうのは坊主めくりでしょうね。」
D菜「その次の普段やっている人はほとんどいないというのは納得できるわね。」
B美「百人一首を使った競技かるたの競技人口は100万人と言われているけれど、普段からやっている人は少ないでしょうからね。」
D菜「それにしてもF吉は何も考えずに転校生を誘ったのね。自分もほとんどやっていない上に初心者に100句を覚えてもらうなんてそんな短時間でできる事では無いはずなのにね。」
B美「そうね。今頃転校生に和歌を教えようとして苦戦しているんじゃない。」
ryotakumi様、ありがとうございます。小説もたのしかったです。完全に正解でした。
FirstSong
B美は頷いた。
B美「あきれた。なんていうか、F吉らしいわね。魂胆が見え見えよ。」
D菜「魂胆?あ、まさかF吉の奴、家に連れ込んで…!!」
B美「仮にも彼女なんだし、F吉にそんな甲斐性はないことくらいあなたが一番よく分かってるでしょ?」
D菜「う…。じゃあ何をたくらんでるのかしら?」
B美「っとまぁ、札を取り合うときに偶然手が触れ合って『あ、ごめん…///』ってところじゃないかしら。お約束よね。」
D菜「って、カルタをやるともりなの?偶然とかってわざとらしい!」
B美「若いってことね。それと、カルタじゃなくて百人一首よ。ほら、上の句を呼んで下の句の札をとるじゃない?あれがイントロってこと。」
D菜「でもバカラっていうのはグラスでしょ?」
B美は少し考え込んだ。
B美「…つ、つゆを入れるようなものじゃなくて、ギャンブルのほうのバカラね。坊主めくりのことと思うわ。」
D菜「つゆ?」
B美「…ごめんなさい、最後のは我ながら無理があったわ…。」
#だれかコメント欄に答え書いたんですか…知らなかったですが、そう聞くと嬉々として回答を書くのもなんか寂しいですね。ネタバレ、ダメ、ゼッタイ。
hokuraku様、ありがとうございます。ばっちり正解です。
書き込みを読まずに解いたとはすごいです。
百人一首ですね。
答えを思いついたので、小説回答がちょっとわからなかったのですが、答えちゃいました。
ポイントなしでもよいです。
kyou_mii様、ありがとうございます。申し訳ないですが事前にコメント欄に回答を書いていた方がいたので1ptで。
B美はうなづいた。
「百人一首のことだと思うわ。例えば、
『イントロクイズみたいなもんだね…。』
上の句を詠んで下の句を連想するところがイントロクイズみたいよね。
『居合にもちょっと似てるなぁ…。』
試合中勢いよく札をとるところは居合みたいなものよ。
『CDにたとえるなら懐メロ集みたいなものだよ…。』
1000年前の和歌集を懐メロに例えるところがF吉らしいわね。
『もちろん、単に「きれいー」って鑑賞してもいいわけで…。』
札はきれいよね。身分によって衣装がところが面白いわよね。
『バカラみたいな楽しみ方もできるよ…。』
バカラかぁ。バカラはあまり詳しくないけれどトランプををひっくり返して、ある数字を期待するところが、札をひっくり返して坊主か姫か期待する「坊主めくり」と似ているわ。
『でもまあ、今の日本人で、普段やってる人はほとんどいないなあ…。
え、僕? もちろんやったことあるけど、最近はぜんぜんしてないなぁ…』
そうね、ほとんど見かけないわね。ただ、私の京都出身の知り合いが強くてすごいと思ったわ。だって一音だけで札をとるのよ。「むすめふさほせ」を覚えているのね。きっと。彼女が強いのは京都出身だからかしら?それとも彼女が百人一首を好きなだけかしら?」
=========================================
思いつきで勢いで書きました。F吉の言いたかったのは「百人一首」だと思います。
fumie15様、ありがとうございます。そのとおりです。
B美は頷いた。
「あのスケベF吉のことだから、ルールとか裏覚えで、ツイスターゲームの”くんずほぐれつ”みたいな展開を狙ってるんでしょうけどね」
D菜「えっ、答えって、そういうものなの?」
B美「ううん、純日本的な・・・というより日本語の原典、みたいなものね。ゲーム性はとても高いわよ」
D菜「ええー、分かってるなら早く答え教えてよ、意地悪ね」
B美「そういえばD菜は携帯電話、の修理終わってないんだっけ。じゃあ、掛かってくるとすれば私の方ね」
B美はD菜の質問には答えず、携帯電話を取り出しながら、マナーモードを解除した。
計ったようなタイミングで着信音が鳴る。
!!!!!!!!!!!!!!!!
D菜(相変わらずB美の携帯って表記不能な着信音よね、いつか何の音楽なのか問いたださなくちゃ)
B美「この着信音はF吉ね、でるわよ。 ・・・F吉? そうでしょう。そういう時はもう一度お店に行って今からいうものを買ってきて頂戴。CDプレイヤーくらいは持ってるわよね? そう一時停止ボタンがついてれば十分。 メモの用意はいい? 12月に入れば大きな書店なら置いてると思うわ」
B美は続けて細かい説明を伝えた後、電話を切ってD菜に微笑みかけた。
B美「予想通りね、このゲームは二人でやるのは難しいの。F吉はゲームの道具を前にして初めてそのことに気づいたみたいで、私たちに一緒にやろうと声を掛けてきたの。折角だから、D菜もいきましょうかF吉の家へ」
二人は連れ立ってF吉の家に急いだ。
D菜(そういえば、F吉が連れてったアメリカの転校生ジェニーって随分と日本語に興味を示してたわね)
B美「F吉~、準備できた?」
玄関ドアを開けながら、B美はF吉に声をかけた。F吉は困った顔をしている。
F吉「いやーそれがさあ、俺ルールよくわかってなかったのね。折角ジェニーに日本文化を手取り足取り伝授してあげようとおもったんだけど、コレって根本的に全部覚えてないと遊べないのね。何より二人じゃどうしようもないって」
B美「まあ本式にはそうだけど、そうかしこまる必要もないわ。あ、私B美、こっちはD菜ね。ジェニーさんよろしく。日本らしいこのゲームに興味を持ってくれたのは嬉しいわ。聞いた相手がすこーし間違ってたわけだけど」
ジェニー「アリガト。ジェニーかるた好きね。アメリカのトランプより絵、beatifullね!」
B美「う~ん、かるたとはちょっと違うんだけど・・・まあこれから教えてあげるからいいか、F吉 CD用意して!」
B美が部屋に入ってきた途端に、家の主であるはずのF吉は完全に従者の扱い。例えていえば、B美は手術室に入ってきた執刀医、F吉は第二助手といった雰囲気である。
F吉「ええと、ほんとにこれでいいの? もう少し安いのもあったんだけどな」
F吉が右手にCDラジカセ、左手にCDのジャケットを持っていた。
そのジャケットは・・・・
参照元:http://www.taichi-blog.jp/blog/2008/06/post-4986.html
B美「きゃー、ほんとに買ってきてくれたんだ。これ欲しかったんだ。ジャケットは終わったら私がもらって帰るけどいいわよね」
F吉 D菜「・・・・」
B美「ま、まあ、これで正解は分かったでしょ。"百人一首" 。小倉百人一首でも正解かな」
D菜「(B美ってルックスには拘らないと思ってたのに)ところで小倉百人一首の小倉ってどういう意味? あとなんでCDが必要なの?」
B美「小倉百人一首は藤原定家が選者となった百人一首で、今一番ポピュラーなものね。単に百人一首といえば通常はこれを指すことが多いわ。CDが必要なのは札読みする人を省略できるから、F吉とジェニーの二人だけじゃ坊主めくりくらいしか勝負できないでしょ!」
D菜「坊主めくりって何?」
B美「百人一首の絵の描いてある札を使ったマインスイーパと言えば、今の人には理解が早いかしらね。ルールは地域や年代によって少しづつ変わるけど、要はめくったカードが坊主だったらドボン、というゲーム。百人一首に慣れるための軽い遊びよ。F吉がバカラって表現したのはこれかしらね」
F吉「く、くわしいね。じゃあ、CD聞いてみて困ったんだけどさ、このカルタって札読みする人の文字のカードに歌が全部書かれて無いんだけど、どうやって読んでるの?」
B美「そんなことだろうと思ったわ。F吉はこっちの絵が書いてある札を床に並べて取るつもりだったんでしょ。それだとCDの音源とは合わないわよね。競技カルタの基本は逆、こうよ」
参照元:http://okunokaruta.shop-pro.jp/?pid=17954114
F吉「そ、そうなんだ。じゃあ結局歌を全部覚えてないと遊べないのは変わりがないんだ・・・」
B美「百人一首の歌は意味のある歌だし、そんなに多いわけではないから覚えるのは簡単よ。でも今日のところはそういうわけにも行かないし、まずは"逆さまかるた "でやってみましょうか」
ジェニー「逆さまとは、絵を逆さまに置くのDETHか?」
B美「ジェニーなかなか面白いわね、でもそうじゃなくて、普通は読み手が絵札を持っていて上の句から順番に読むの。それを聞いた取り手は対応する下の句を思い出しながら、下の句しか書かれていない取札を奪い合うのだけど、 "逆さまかるた "では、取札と読み札を逆にするの。絵札を並べて、詠み人は下の句だけを読むわけ、ところでジェニーは漢字は苦手? じゃあ最初はジェニーに読み人を任せましょうか。読みながら自分でも対応する絵札を探してみて。練習も兼ねてね」
D菜とF吉は並んですわり、ジェニーが詠み人として上座についた。
B美はD菜、F吉と広げた絵札をはさんで座った。いつのまに取り出したのか、和風柄を紐をたすき掛けにかけ、服をしばっていて・・・準備万端に見える。
B美「さあ、いくわよ! ルールは散らし取り、沢山取った人が勝ちの分かりやすい勝負。ハンデとしてで私ひとりとD菜、F吉の二人はチームでいいわ。"源平合戦"と"散らし取り"の混在ルールだけどね。じゃあジェニー、始めて!」
ジェニー「はい、それではfirstカードは・・・からくれ」
B美「はい!」バシッ
ジェニー「おおっ、居合ソノモノデス! Nextまして~、 はなぞむ」
B美「はいっ次」バシッ
F吉D菜「・・・・・」
・・・
・・・・
D菜「はい、98対2で、私の勝ちね。景品として"早乙女太一朗読CD"は貰っていくわね」
ちなみに2はD菜のお手つきによる棚ボタだったが。逆さまかるたの場合、下の句から読み始めるので知ってる人ほどお手つきをする可能性がある。
F吉「く、くそう、最初からたばかったな! そもそもこの遊び方ならCDいらないじゃん!」
D菜「はいはい、でも悔しくて覚える気になったでしょ。ジェニーにいいとこ見せたいなら、頑張って覚えてね。おまけで覚えるこつだけど、百首を一機に覚えようとするんじゃなくて、自分の得意札をまずつくる方が早いし楽しいし札を取れる確率が上がるわ。
特に"一字決まり"と言われる「むすめふさほせ」の7枚は必須ね。
ちなみにA楠の地元では地元にちなんだ句があるので、その句だけは全員の争奪戦になるので盛り上がるそうよ。読み手も心得たもので、その句のときは数拍、間を取るのでバレバレなんだけどね」
-了-
_______________________________
ルール参考:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%99%BE%E4%BA%BA%E4%B8%80%E9%A6%9...
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僕は指摘のコメントを目にしてしまったので、今回はどうしようかなとも思いましたが、がっかりしながらも、質問を継続させたらいおんさんと"その人"(笑)のためにも、いつもと違う趣向で書き下ろしました。
一応これにて、問題成立、ということでどうでしょう?
alpinix様、ありがとうございます。小説として楽しめました!! いるかの最有力候補です!!
B美「紙とペンはある?」
B美はそこに、和歌を4つ書いた。
百の歌 覚えてしまえばお手のもの イントロだけでもうわかるように
その心 居合いのように研ぎすませ 取り札さがせ人より早く
やったこと一度もなくても大丈夫 バカラのように遊ぶのもあり
ただ「キレイ」それだけなのではありません 一首一首に懐メロの歌詞
B美「ってわけで、百人一首ね」
sokyo様、ありがとうございます!! 和歌で答えるとはすばらしい!!
B美「私の友達に千早って子がいるんだけど、その子も最近はまってみるみたいなの。百人一首に。
その子は元々百人一首自体がどんな物か知らなかったんだけど、福井県から引っ越してきた新っていう名人を祖父に持ち、本人も小学校時代6年間ずっと優勝してきた実力の持ち主の子と知り合って興味を持ち始めたみたいで。
その後、新って子は福井に帰ってその名人だった祖父の介護だったり、亡くなったりして一旦は百人一首から離れるんだけど、それはまた別の話。
で、千早って子に戻るとその子はそれから幼なじみの太一って子を引きずり込んだり、学校で部を作ってそこで机君や肉まん君と呼ばれる子を部員に入れたりして部員が少ないと廃部って言われたところから頑張るの。
その部員の一人である呉服屋の娘の子もF吉が言ってたみたいに句を「きれいー」って言うタイプの子ね。
本来であれば一種の競技だから上の句と下の句の言葉のみを覚えるのが勝利への近道だけど、その子は言葉だけではなくって句の意味を踏まえた覚え方をする子で。
最近、部活存続のために下級生の子も集め始めた見たいなんだけど、百人一首目当てじゃなく太一って子目当てで入部してきた子がいたりして少し荒れてるみたいだからF吉と転校生にも入部するよう勧めてみようかしら」
おお、「ちはやふる」は自分も全巻そろえてるんですよ!!
あと自分は、たまたま競技カルタA級の倉田賢治氏と知り合いなのだ!! わーい!!
alpinix様、ありがとうございます。小説として楽しめました!! いるかの最有力候補です!!