今年のわが家の温かアイテムは綿入れです。要するに褞袍(どてら)ですね。現代生活においてはちょっと田舎臭いアイテムのようにも感じますが、これはれっきとした和服の一つ。元は粋でならした旗本奴たちの遊び着で、後に歌舞伎の衣装にも登場し、粋な町人たちも巻き込んで大流行になった丹前が原形です。
本来は裾丈が長く、これに幅広の丹前帯を緩く締めて着流しにします。洋装にたとえるとガウンのような感じですね。これに対して今私たちが褞袍としてイメージするのは、洋装にたとえるとジャンパーに相当するような裾の短い物。帯も使わず、羽織のように紐を前で結びます。わが家で作ったのもこのタイプです。
これを、母と、進学で東京に出てきて近くに住むことになった親戚の女の子が二人で、私と父の分も作ってくれたというわけです。
「むずかしくないの?」
「わりと簡単、和裁って何でも直線だから」
へぇ。母は手慣れたものですが、十代の女の子もなかなかの手さばきです。この作っている姿が、なかなかの「ココロのなかからあたたまる時間」でした。やはり手作りは、作っている姿からして暖かいですね。
私もご苦労様とお茶を運んだりして応援。後で聞いた話なのですが、この二人、作った物を渡すだけでなく、作っている様子も楽しんでもらおうということで、わざと私や父の休みの日に合わせて製作にいそしんでくれたのだそうです。作っている姿を見せた方が有難味が増すという作戦もあったかもしれませんが、手作りの現場を見せることで加味していく温かさ、この演出は、ぜひ皆さんにもご参考にしていただきたいと思うポイントでした。作る人と着る人に分かれるのではなく、作るという時間を一緒に過ごすことで、それが思い出となっていく。これで完成した褞袍の暖かさは倍増です。
出来上がったお揃いの褞袍を着てみんなで集うのも、本当に「ココロのなかからあたたまる時間」です。最近は冬でもソファやダイニングテーブルなどの椅子に座って過ごすイエが少なくないと思いますが、お揃いの褞袍は、椅子に座っていてもコタツと同じような一体感と温か味があります。しかもなかなか暖かいので、暖房温度は低めでOK。省エネと二酸化炭素の抑制にもなって、さらにココロあたたかです。
また、こういう素朴な衣装によるお揃いは嫌味がないですから、周囲の人たちにも温かさを広げていきますね。私と親戚の子が一緒に褞袍を着て庭にいたら、ご近所の方が、「まぁ、お揃いで仲良しねぇ」。そこに父が玄関から出てきてこんにちは。「おやまぁ、お父さんまで!」。賑やかねと母まで出てきて褞袍四人組揃い踏みとなり、ここから手作り褞袍の楽しい語らいが広がっていきました。
布地を全てお揃いにするのもよし、一部だけお揃いにしてあとは一人一人の個性を盛り込むのもよし。手作りならどんな技も可能です。わが家の褞袍は、布地は一気に買った方が安くなるという理由で全員お揃い。襟の部分は各自好みの色にするという作り方をしてくれました。この褞袍は、来年以降もずっと、私たち家族を温めてくれることでしょう。
今年のわが家の温かアイテムは綿入れです。要するに褞袍(どてら)ですね。現代生活においてはちょっと田舎臭いアイテムのようにも感じますが、これはれっきとした和服の一つ。元は粋でならした旗本奴たちの遊び着で、後に歌舞伎の衣装にも登場し、粋な町人たちも巻き込んで大流行になった丹前が原形です。
本来は裾丈が長く、これに幅広の丹前帯を緩く締めて着流しにします。洋装にたとえるとガウンのような感じですね。これに対して今私たちが褞袍としてイメージするのは、洋装にたとえるとジャンパーに相当するような裾の短い物。帯も使わず、羽織のように紐を前で結びます。わが家で作ったのもこのタイプです。
これを、母と、進学で東京に出てきて近くに住むことになった親戚の女の子が二人で、私と父の分も作ってくれたというわけです。
「むずかしくないの?」
「わりと簡単、和裁って何でも直線だから」
へぇ。母は手慣れたものですが、十代の女の子もなかなかの手さばきです。この作っている姿が、なかなかの「ココロのなかからあたたまる時間」でした。やはり手作りは、作っている姿からして暖かいですね。
私もご苦労様とお茶を運んだりして応援。後で聞いた話なのですが、この二人、作った物を渡すだけでなく、作っている様子も楽しんでもらおうということで、わざと私や父の休みの日に合わせて製作にいそしんでくれたのだそうです。作っている姿を見せた方が有難味が増すという作戦もあったかもしれませんが、手作りの現場を見せることで加味していく温かさ、この演出は、ぜひ皆さんにもご参考にしていただきたいと思うポイントでした。作る人と着る人に分かれるのではなく、作るという時間を一緒に過ごすことで、それが思い出となっていく。これで完成した褞袍の暖かさは倍増です。
出来上がったお揃いの褞袍を着てみんなで集うのも、本当に「ココロのなかからあたたまる時間」です。最近は冬でもソファやダイニングテーブルなどの椅子に座って過ごすイエが少なくないと思いますが、お揃いの褞袍は、椅子に座っていてもコタツと同じような一体感と温か味があります。しかもなかなか暖かいので、暖房温度は低めでOK。省エネと二酸化炭素の抑制にもなって、さらにココロあたたかです。
また、こういう素朴な衣装によるお揃いは嫌味がないですから、周囲の人たちにも温かさを広げていきますね。私と親戚の子が一緒に褞袍を着て庭にいたら、ご近所の方が、「まぁ、お揃いで仲良しねぇ」。そこに父が玄関から出てきてこんにちは。「おやまぁ、お父さんまで!」。賑やかねと母まで出てきて褞袍四人組揃い踏みとなり、ここから手作り褞袍の楽しい語らいが広がっていきました。
布地を全てお揃いにするのもよし、一部だけお揃いにしてあとは一人一人の個性を盛り込むのもよし。手作りならどんな技も可能です。わが家の褞袍は、布地は一気に買った方が安くなるという理由で全員お揃い。襟の部分は各自好みの色にするという作り方をしてくれました。この褞袍は、来年以降もずっと、私たち家族を温めてくれることでしょう。