最も軽いものとなる原材料は、どれでしょうか?
あくまでも、「【耐火・耐熱】をする力に対しての」軽さ、という点が、質問の要点です。
なお、下記は、いずれも、「一般的に工業製品の材料として用いられるもの」として挙げています。
(他にもあれば教えてください)
・アルミ
・鉄
・鋼鉄
・チタン
・チタン合金
・セラミック(酸化アルミニウム(アルミナ))
・珪酸塩(耐火ボード)
・ニッケル合金
・亜鉛メッキ鋼板
・ガラス繊維(ロックウール)を含む複合素材
よろしくお願い申し上げます。
「火を封じ込める」との条件がちょっとわかりません。
温度と、酸素(通気口)の有無などによってかなり違うのではないでしょうか。
無垢の金属は、それ自体が酸化を起こしはじめると燃えます。
アルミホイル、鉄がそうです。燃え始めるとそれ自体が燃料になるので逆に消えにくいようにおもわれます。
すでに酸化済みであるセラミックスは特殊薬剤がなければそれ自体燃えることはありません。
なかでも、空気(熱伝導率が低い)を介在させるために発泡・多孔質の耐火ボードにしたものが一番軽いですが、そうなると、粒子の一部だけが他の粒子と接着された形がつづくので、もろいためにひびわれ、はがれおちなどは起りやすいと思います。空気を遮断することで燃焼反応を起りにくくする用途には使いにくいでしょう。陶器くらい目が細かければ上薬(釉薬)をかけることはできるかもしれません。
また、金属でも防火塗料として、有機リンなどの燃焼遅延剤を多量に配合した有機高分子塗料を分厚く塗った複合材があれば有効のような気がします。このリンが多量にあると、高分子の炭素が燃え残り、耐火ボードのようになるそうです。ただし、毒性があるとおもいます。
さて、考えていらっしゃるのは、坩堝(るつぼ)、火消しツボなどの用途でしょうか。どういった用途でしょうか。耐火金庫などは、なるべく重くすることが肝心なので、おもしろい質問だとおもいます。
http://www.kumahira.co.jp/products/prod/prod01_04_03.html
上記のサイトは彼の有名なクマヒラの耐火金庫ですが、防犯のためにかなり分厚い外板で作られています。
更に全体が重くなるので強度確保のために内板も分厚い。
これからシミュレーションする金庫は大前提として強度、つまり防犯性能は考慮しない事とします。
軽量化の為にはこの内外板を薄い板に変えるのが一番です。
具体的には熱反射性能の高いステンレスの薄板が最適でしょう。
更に扉部分が金庫の弱点なのですが、この部分を出来るだけ小さくします。
円形が最適でしょう。
扉の内径を内部に収納する予定の物の最小直径よりも少しだけ大きくすれば最適化が出来ます。
A4ファイルまでなら直径23cmもあれば充分でしょう。
断熱材はグラスウールで充分だと思う。
理想的にはアスベストです。
後始末を考えないならアスベストで決まりです・・・がかなりの負の遺産を背負うことになる。
コスト計算して合うようなら使ってください。
断熱性能の補助として内部に何層も発泡アルミの薄板などを入れ下部の放熱板に繋ぐなどして断熱材内部からの放熱もできるようにしたい。
http://www.mmc.co.jp/alloy/products/happou/alumi.html
更に、テンパール式の弁を備える緊急時冷却用の水タンクを備えるなどして耐火性を高める工夫をすれば、相当の耐火性のある軽量の金庫が作れると思います。
信頼性は・・・テンパール弁に関しては苦しいかな?
断熱材は色々ありすぎて迷うところです。
本来は目標とする耐熱温度や時間設定から詰めていく処です。
http://www.yutakasangyo.co.jp/h01.html
例えば、軽量化と断熱性能だけを追求するなら、このサイトの中では「タイプ6」の「強度は低いが、断熱効果に優れる。」タイプが最適でしょう。
あまり耐熱温度が高くても中に保管する物の保存性を考えるとあまり意味がない。
耐熱性能が高い断熱材は軽い物ならば外壁近くの第一層に薄く使うべきでしょう。
具体的な設計や製造は概念設計に従ってプロに頼むべきと思います。
>金庫
実は、火のありかが、逆なのです。「可能なかぎり早く、室内で、可燃物を焼き尽くす」という目的です。
>本来は目標とする耐熱温度や時間設定から詰めていく処です。
幅広い観点からのご議論、ありがとう存じます。それに従いまして、新しい質問を立てたいと思いますので、そちらでも、よろしければ、ご回答をおねがいできればと存じます。
燃焼炉あるいは燃焼缶では、断熱によって燃焼温度を上げる場合には幾つかの限界があります。
燃焼には多量の空気が必要ですが、吸気と排気と燃焼のバランスをとってやらないと、温度だけ高くしても燃焼が上手くいきません。
そして、吸排気の量が多いと燃焼温度は低くなります。
例えば高断熱材料で覆う場合、一番の典型例が昔の炭焼きでしょう。
地面に穴を掘って木をぎっしりと隙間が最小になるように並べて土で覆い着火します。
上部から火が吹き出てきたら、その度に土をかけて覆います。
吹き出た火をそのままにしていたら、中では燃焼が進んで全て灰になってしまいます。
http://www.forest100.jp/b02.html
こういった炭焼き釜は改良版です。
長時間かけて蒸し焼きにするので温度は高くなりますが、燃焼の規模が最低限で燃焼量は最低です。
最近のダイオキシンの規制で家庭用のゴミ焼き用の炉で使われているのは二段燃焼と排気熱の利用です。
高温で燃焼させないとダイオキシンの発生が基準値を超えてしまいます。
この規制自体、非常に無駄なことですが、対応する焼却炉は高温での燃焼が大前提になります。
http://item.rakuten.co.jp/clp/53618902/
この製品は比較的安価ですが、ステンレス製です。
断熱ではなくて、廃熱の熱利用だけで相当な高温が得られます。
あまり高温にし過ぎると、金属の酸化が激しくなるので炉の内面にセラミックの耐熱タイルを貼るなどの対策が必要になってコストが跳ね上がります。
煉瓦という手もありますが、全体が大きく重くなって、設置面積も広くなる。
火床面積1平方メートル以上の炉の設置には消防署の許可が必要になります。
ある程度以上の高温での燃焼では鉄は酸化が早く耐久性に劣ります。
大きな炉で分厚くして使うのには向いていますが、それでも劣化が早い。
錆だらけになって最終的には上部に穴が開く事が多い。
ステンレスでも薄板では比較的早く穴が開きます。
温度が高いと中長期的には酸化の負担が激しいので、炉内面の一部を特に分厚くするなど何らかの工夫が欲しいところです。
ちなみに上記のサイトの家庭用の焼却炉は、上部の蓋が弱点で、早い場合は数ヶ月で穴が開きます。
なお、膨張係数が違うので、耐熱塗料などは比較的早く剥離します。
セラミックタイルはお値段が凄い。
コンクリート製にして、分厚く重く作るという手もありますが、炉内部の空間が多少狭くなります。
どの程度のコストをかけてやるかで実現可能な燃焼温度が変わってきます。
おおおっ、色々ありがとう存じます。大変、参考になります。
いろいろな段階があるでしょうね。
あまり強度が要らなければ、セラミック繊維で作ったタイル
有名どころでは、スペースシャトルの耐熱タイル
http://wsh.med.uoeh-u.ac.jp/asbestos/book/kankyousokutei/2/2-3-4...
http://www.kowaweb.com/ja/product/index.html
通常用途なら、アルミ合金やチタン・チタンアルミ合金
耐熱温度が低めだけど強度/重量比で大きく有利
表面にセラミックコーティングなどで凌ぐ場合も。
強度が要るなら、インコネルを代表とするNi合金
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B3%E3%83%8...
http://www.dsml.co.jp/pages/products_heat.htm
有名どころでは、日本のH2ロケットのメインエンジン
ふむふむ。ご回答ありがとうございます。
>おもしろい質問だとおもいます。
ありがとうございます。何か、うれしいです。
>坩堝…火消しツボ…耐火金庫
熱源のありかとしては、耐熱・耐火物質の「中」にあるものを想定しております。また、「中」にあるものをすべて焼き尽くすことを想定いたしておりますので、「るつぼ」が最も近いように思います。