【人力検索かきつばた杯】

テーマ:3

創作文章(ショート・ストーリー)を募集します。
ルールははてなキーワード【人力検索かきつばた杯】を参照してください。
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%CD%CE%CF%B8%A1%BA%F7%A4%AB%A4%AD%A4%C4%A4%D0%A4%BF%C7%D5

締切は1月22日(日)の午後9時頃を予定しています。

回答の条件
  • 1人2回まで
  • 登録:2012/01/17 16:48:06
  • 終了:2012/01/23 21:51:38

ベストアンサー

id:minoru-0413 No.3

minoru-0413回答回数179ベストアンサー獲得回数232012/01/19 18:01:36

ポイント60pt

「アイス買いに行こうよ。」
「じゃ、自転車置いたとこまで競争ね。」
空がやたら青かった。
雲は一つも無かった。
白いワンピースは風に揺れていて、麦わら帽子は向日葵畑を潜っていった。
緑が目に眩しかった。
サンダルのビーズが軽やかに鳴った。


真っ青な空を、明るい黄色の花が見上げている。
真夏の照りつける太陽が、じりじりと肌を焼く。
蝉時雨の中、少女は風のように駆けていった。
追いかける少年。
土手に止めた自転車まで、二人は楽しそうに走っていく。
夏休み、二人だけの時間。
はしゃいで、笑って、沢山遊んで、幸せがこみ上げてくる。
長い長い向日葵畑を抜けて、二人は自転車にまたがった。


この日を、俺は一生忘れない。
真っ黒なコンクリート、青い空、黄色い向日葵、赤いワンピース。
飛んで行った麦わら帽子、ひしゃげた自転車、土手の草。
飛び散った赤、朱、紅。


父さんに買ってもらった時計は、あの時から動かない。
俺の時間は、変わらない。
真夏の、昼過ぎの、3時のままだ。

id:grankoyama

濃いな~
贅肉がないな~
もちろんっいい意味です!
短いなかにギュっと凝縮された、システマチックな作品だと思います。
状況や心情、現在と夏の季節の対比、様々に散りばめられた色の描写、素晴らしいです。
惜しむらくは、『3』というテーマの取り入れかたですね。
『3つ』のとか『3人』などで話が進んだら文句なしでした。
とはいえ、『止まった時刻』をラストに持ってくる構成はベリーグッドです。
読んだ瞬間に今回のベストアンサーはこれじゃないかという感覚が突き抜けました。

2012/01/23 21:21:10
id:minoru-0413

ベストアンサー有難う御座います!
今回ド直球目指してみました。
3の取り入れ方本当に悩みました…。
今回のを生かし、次回また機会がありましたらより良い物を作れるように頑張ります!

2012/01/24 17:37:56

その他の回答(11件)

id:sousaito No.1

Ace回答回数9ベストアンサー獲得回数02012/01/17 21:15:47

色々頑張ってください!(は!?

id:grankoyama

大丈夫! まだ間に合う。
テーマにあったショートストーリを書くのだ!
(現時点では、SOUさんの回答は『ポイントを配分しない』という扱いになっており
 残念な結果が待っています)
面白かろうが、面白くなかろうが。
長かろうが、短かろうが。
テーマに沿ってようが無かろうが。
ショートストーリであれば、いやショートストーリっぽいというだけで、ポイントが
貰える絶好のチャンス!
棒に振るのか! いやそんなことはしないだろう。
君の年齢なら、今まで作文の宿題とか何度も経験しているはずだ!
そんなノリで適当に(ええほんと適当でも構いません)お話を考えて書くだけで良いんだよ!
どうなんだ!
やるのか、やらないのか、どっち?

2012/01/18 21:39:53
id:bvcg No.2

ソルト回答回数76ベストアンサー獲得回数32012/01/19 16:08:37

「好きです」「すみません」「お金」「恋」「ギャグ」「ハイキング」「カラースター」「ポイント」「食べ物」「ゲーム」「映画」「数学」「ペット」「本」「家具」「漫画」「アニメ」「装飾品」「植物」「¥」「PV]とかはどうでしょうか。

id:grankoyama

>どうでしょうか。
だめです。

『ポイントを配分しない』ですが、許してね。

2012/01/19 20:16:15
id:minoru-0413 No.3

minoru-0413回答回数179ベストアンサー獲得回数232012/01/19 18:01:36ここでベストアンサー

ポイント60pt

「アイス買いに行こうよ。」
「じゃ、自転車置いたとこまで競争ね。」
空がやたら青かった。
雲は一つも無かった。
白いワンピースは風に揺れていて、麦わら帽子は向日葵畑を潜っていった。
緑が目に眩しかった。
サンダルのビーズが軽やかに鳴った。


真っ青な空を、明るい黄色の花が見上げている。
真夏の照りつける太陽が、じりじりと肌を焼く。
蝉時雨の中、少女は風のように駆けていった。
追いかける少年。
土手に止めた自転車まで、二人は楽しそうに走っていく。
夏休み、二人だけの時間。
はしゃいで、笑って、沢山遊んで、幸せがこみ上げてくる。
長い長い向日葵畑を抜けて、二人は自転車にまたがった。


この日を、俺は一生忘れない。
真っ黒なコンクリート、青い空、黄色い向日葵、赤いワンピース。
飛んで行った麦わら帽子、ひしゃげた自転車、土手の草。
飛び散った赤、朱、紅。


父さんに買ってもらった時計は、あの時から動かない。
俺の時間は、変わらない。
真夏の、昼過ぎの、3時のままだ。

id:grankoyama

濃いな~
贅肉がないな~
もちろんっいい意味です!
短いなかにギュっと凝縮された、システマチックな作品だと思います。
状況や心情、現在と夏の季節の対比、様々に散りばめられた色の描写、素晴らしいです。
惜しむらくは、『3』というテーマの取り入れかたですね。
『3つ』のとか『3人』などで話が進んだら文句なしでした。
とはいえ、『止まった時刻』をラストに持ってくる構成はベリーグッドです。
読んだ瞬間に今回のベストアンサーはこれじゃないかという感覚が突き抜けました。

2012/01/23 21:21:10
id:minoru-0413

ベストアンサー有難う御座います!
今回ド直球目指してみました。
3の取り入れ方本当に悩みました…。
今回のを生かし、次回また機会がありましたらより良い物を作れるように頑張ります!

2012/01/24 17:37:56
id:kumonoyouni No.4

kumonoyouni回答回数612ベストアンサー獲得回数1312012/01/19 21:32:16

ポイント21pt

僕には甘づっぱい想い出がある。

僕と拓也とヒトミは幼馴染でつかず離れずの仲良し三人組だった。
周りからは「お前ら変だよ」とよく言われたが、その微妙なバランスが僕は心地よかった。
しかし、ある時、拓也から「俺、ヒトミが好きだ。付きあっていいか?」と聞かれた。
その真剣なまなざしに僕は「あぁ」とうなずくことしかできなかった。
それからしばらくして二人がどこかに遊びに行く姿を偶然目にした。僕はそんな二人を見て心のどこかでモヤモヤするものを感じていた。
『もう、前のようにはいかないんだな・・・』
僕はその思いをふっきるべく、前から話があった戦場カメラマンに志願し、しばらく戦地を転々とした。

久しぶりに日本に帰ってきた僕は、自分の部屋のポストに大量に溜まった郵便物を取り出し、パラパラと送り主を確認しながら部屋に入ろうとした時、突然後ろから聞き覚えのある声に呼びとめられた。
「祐次! 何だ、帰ってたのね」
振り向くと、そこにはヒトミがいた。
「あぁ」僕はぶっきらぼうに答えると、急いで部屋に入ろうとしたが、また彼女が僕を呼びとめた。
「ちょっとあがっていい?」
「何で?」
「久しぶりなんだから たまにはいいじゃない」
僕の許可をえることもなく、ヒトミは僕より先に部屋に入っていった。

「変わってないね」
彼女はグルリと部屋を見渡すと、机の上に置かれた写真立てに視線を止めた。
僕はあわてて机の前に行き写真立てを倒すと、ヒトミの視線をさえぎるように机の前で郵便物を整理するフリをした。
「拓也とはうまくいってんのか?」
「うん」
ヒトミの表情は見えなかったが、なぜか少し悲しげな声に聞こえた。
「じゃあ、もう私行くね」
「オイ、せっかく来たんだからお茶でも飲んで行けよ!」
僕は急いで振り返り、炊事場に行こうとしたら、ヒトミとぶつかり、ヒトミは倒れそうになった。
その瞬間、僕はヒトミをかばうように抱きとめようとしたが、支えきれず二人とも倒れ込んだ。ほんの数秒だったが、僕の心臓の鼓動が彼女に伝わりそうで急いで起き上がろうとしたら、彼女から軽く唇を重ねてきた。
面喰った僕を残し、ヒトミは一人すっと起き上がると
「今までありがとう」と一言残し、部屋を出て行った。
僕はしばらく彼女が出て行ったドアを見つめていた。

それからしばくして、ヒトミから3つの蕾(つぼみ)に1つの紅色のバラと「私、結婚します」というメッセージが届いた。僕はその花とメッセージを机の上に置き、写真立てのなかで笑うヒトミの写真をしばらく見つめていた。
「そろそろ行かなきゃ・・・」
僕は写真立てから写真を取り出し、ゴミ箱に捨てようとしたが思いとどまり、ヒトミの写真を胸のポッケにしまうと、また一人戦地へと飛び立った。

あとで分かったことだが、あの時のキスの意味が今頃になってようやく分かった。
 紅色のバラの花言葉は「死ぬほど恋いこがれています」
 3つの蕾(つぼみ)に1つの花の花言葉は「あのことは永遠に秘密」

~Fin~

id:grankoyama

『仲良し三人組』という表現や、文体から、もっと低年齢の人物を想像してしまいました。
ですので、『戦場カメラマン』なる言葉が出てきたときに違和感を感じました。
よくある(ほんとにあるのか責任持てませんが)三角関係の行き着く先ですね。
ラストでの種明かしなどは、楽しめました。
ヒトミの心情についてもう少し理由付けされていればもっともっと入り込めたかも知れません。

2012/01/23 21:22:31
id:kumonoyouni

よくある話にしたのは、最後のオチを引き立てるためですが、そのほかのご指摘はおっしゃるように、戦場カメラマンになったいきさつやヒトミの心情などエピソードを端折りすぎたのは失敗ですね。

2012/01/23 23:41:33
id:kumonoyouni No.5

kumonoyouni回答回数612ベストアンサー獲得回数1312012/01/20 12:36:58

ポイント20pt

三年前、学校が"三顧の礼"で迎え入れた監督が決勝戦を前にして突然亡くなり、部員達の間には動揺が広がっていた。そんなとき、皆のもとに監督から直筆の手紙が届けられていた。

(試合直前の控室)

「俺、監督から手紙届いた」
「俺も」
「俺も」
 皆、ポケットから次々と手紙を取り出した。どうやら監督は全員に手紙を書いたらしかった。
「何て書いてあった?」
「え~っと、俺はね・・・」

あきらへ
 自分でも分かっていると思うが、おまえは器用なほうじゃない。
 だが、石の上にも三年、おまえは厳しい練習に耐え、最後にようやくレギュラーを掴んだな。
 お前の頑張りはみんなも知るところだ。
 練習は決してウソをつかない。
 自信を持って行け!

ようじへ
 なんでも三日坊主だったおまえが、これほど一つのことに打ちこんだことはないだろう。
 おまえのひたむきな汗を流す姿は、年をとった私にはまぶしくもあり、美しかった。
 これからも頭で考えるんじゃなく、ガムシャラに頑張ってみろ。
 今ならおまえも分かると思うが、結果はあとからついてくるものだ。
 最後もガムシャラに行け!

ただしへ
 おまえは寡黙な男だったが、早朝練習でもいつも誰よりも早く来て、グランド整備をしていたな。
 早起きは三文の徳とはお前のためにあるような言葉だと私は常日頃、感心していたものだ。
 最初は練習開始時間のギリギリになってしか集まらなかったみんなが、
 やがてお前に感化されるように一人、また一人と早く来るようになり、
 私が何も言わなくても今では皆、朝早くから練習に来るようになった。
 お前のその姿勢はみんなのいいお手本だった。
 これからもその精神は後輩へと引き継がれていくだろう。
 最後の試合もお前がその背中で引っ張っていけ!

その後も、皆一人一人、自分に届けられた手紙を読み上げていった。
そのなかには共通してこの言葉が添えられていた。

 最後に・・・"師弟は三世"、この言葉は"師弟の縁は、過去・現在・未来の三世に渡る深い因縁でつながっている"という意味だ。お前たちと出会ってからあっという間の3年間だったが、私はこの出会いは偶然ではなく、必然と思えるようになった。
 決勝戦では、悔いのないように全力でプレーして欲しい。試合結果がどうであれ、お前たちが卒業してからも何か困ったことがあれば遠慮なく相談しろ。
 私はこれからもずっとお前たちのことを見てるぞ。

そして手紙にはもう一通添えられていた。

ご両親へ
 "士別れて三日即ち当に刮目して相待つべし"と言いますが、この三年間でお子さんは血のにじむような努力をし、飛躍的な進歩をとげました。お忙しいことかと存じますが、私が自信をもって送りだす彼らの勇姿を、ぜひその目で見てあげてください。
 よろしくお願い申し上げます。

「今更ながら、監督は俺達一人一人のことをよく見てくれてたんだな・・・」
皆、黙ってうなずき、あちこちからすすり泣きが聞こえはじめた。

しばらくして、部長のただしが大声をあげた。
「円陣を組め!」皆、涙をぬぐうと、肩を組みあった。
「いいか、監督に優勝トロフィーを持って帰るぞ!!」
「オー!!」

グランドに向かう彼らの背中にもう迷いはなかった。

~Fin~

id:grankoyama

『三』が沢山でてきますね。

2012/01/23 21:22:56
id:kumonoyouni

皆さんの出足が悪そうだったので勢いづけの意味と、本当はことわざ絡めた戦国物を書きたかったんだけど、時間の都合上、断念。。。そこで趣向をかえて勉学に勤しんでる人の一助になればと思い、「三」がつく諺を拾い集めてみました。(この後書きを言いたいがために書いたようなものです 笑)

ことわざの部屋 -「数字」を含む ことわざ-によると、数字 の「三」を含む ことわざは全108項目あり、「一」の次に多いようです。

数字 の「一」を含む ことわざ 全247項目
数字 の「二」を含む ことわざ 全48項目
数字 の「三」を含む ことわざ 全108項目
「四以上」の 数字 を含む ことわざ 全131項目
「二桁以上」の 数字 を含む ことわざ 全118項目
数字 の「千」を含む ことわざ 全68項目

ことわざの部屋 -数字 の「三」を含む ことわざ 1-
ことわざの部屋 -数字 の「三」を含む ことわざ 2-
ことわざの部屋 -数字 の「三」を含む ことわざ 3-
ことわざの部屋 -数字 の「三」を含む ことわざ 4-

ご参考までに。

2012/01/23 23:43:21
id:minoru-0413 No.6

minoru-0413回答回数179ベストアンサー獲得回数232012/01/21 16:22:41

ポイント40pt

「また居た。何してるの?」
赤い髪をかきあげて、少女の丸い瞳が覗く。
街を流れる大きな川に、赤レンガの歴史ある橋が架かっている。
小説のモデルにもなった有名な橋らしい、その橋の上に、少年と少女は立っている。
ハーフの少女は返答を待つ間に、積もった雪の上で軽くステップを踏んでいる。
「此処はいつ来ても、夏だなぁと思ってさ。」
少年がやっと、口を開く。
川に溶けて消える雪を見ながら、その視線は凍えそうな冷たさを流す川を通り越し、その底を見つめている。
「変なの。今は冬だよ…あっ」
雪に足を滑らせた少女が、とてっと尻もちをつく。
ふっと吐いた溜息が、白い綿となって昇っていく。
立ちあがり、服に付いた雪を払いながら、少女は少年の横に並んだ。
二人で川を見下ろすと、何だか時が止まりそうな気がした。
「俺にとって此処は、ずっと、永遠に夏なんだよ。」
黒い瞳は、目の前に広がる白い世界を映さずに、青い空を追うように動いている。
空の青は、雲を被って見えないというのに、その瞳には、青い空が映っているようだった。
「ああ、まだ向日葵は咲いている。まだ、蝉の声が耳を刺す。」
少年はふっと、誰にも聞こえないほどの小声で呟いた。
「…あのさ、ずっと言おうと思っていたんだけどさ。今、言うね。」
その声に気付かない少女は少年に、覚悟を決めた表情で言葉を放った。
「好きだよ。日本に来たばかりのころに、優しくしてくれて、知らない事とか、教えてくれて、嬉しかった。一緒に居ると、何か、落ち着く。だから…」
少年は、川底に青空を見ているだけだった。
俯く少女に、少年は眼もくれない。
はぁと、溜息を吐く。
「此処からすぐだ。3時になったら、俺も行く。」
「え…?」
少年がふらふらと歩き出す。
後を追いかける少女、少年の腕を掴もうと手を伸ばす。
幻覚でも見ているように、少年の歩き方は宙を浮くようだった。
少女は一生懸命走った。
少年との距離は何故か、全く縮まらない。
橋を渡り終え、少年の脚は街へと向かう。
車道へと、向かう。


少女が立ちつくすまで、あと10秒前。
少女が伸ばした手を止めるまで、あと5秒前。


少年が轢かれるまで、あと3秒前。

id:grankoyama

赤、夏といったワードで、早々に続きだというのが伝わったのが意図的なのか
どうか悩みましたが、好みとしてはもう少し長い前置きを置いてから、
一気に明かされるほうがよかったかと。
1回答目がツボすぎたので、これが蛇足にならなければいいなぁと思ってしまい
ながら読みましたが、こちらはこちらで読み応えがあって良かったです。
とくに最後の4行の最後の1行。

2012/01/23 21:23:28
id:minoru-0413

アドバイス有難う御座います!
成程、もう少し綺麗な終わらせ方が出来たかもしれませんね…。
肝に銘じておきます。

2012/01/24 17:39:51
id:gm91 No.7

GM91回答回数1018ベストアンサー獲得回数912012/01/21 21:36:13

ポイント20pt

 まだ酒も進まぬ内から、本多恭一はいつもの調子で吠え出した。

「我が本多興産の尽力なしには樫丘の発展は見込めない。また、本多にとっても樫丘は生命線だ。昨今の厳しい情勢の中、利益を確保する為には合理化が不可欠。近隣地域も含めたある程度まとまった規模での受注が不可欠だ。いいか、私利私欲で言っているんじゃあない、樫丘の、いや県都樫丘の発展を通じて、須賀県の未来を見据えた戦略なんだ。」

 一方、県南地域で勢力を張る誉田産業のリーダー、誉田俊三も負けてはいない。
「いや、県南には樫丘や薙島のような大きな都市は存在しない。誉田としてはその分広域をカバーしないと到底やっていけない。あんたんとことは違ってウチは新興だし、ここはウチに譲ってもらわないと困る。どうしてもってんならこの話はナシだ。」

 お互い一歩も譲らない、いつも通りの展開にうんざりしながらも本田次郎は事態の収束へ空しい努力を続けるのであった。
「まあまあ、言い争いでは話は前に進まない、お互い譲歩というのが肝要だと思うが。」

「何を言うか。慈善事業ではないんだぞ!私には従業員とその家族を守る義務がある!」
「そうだ!お前のとこだって他人事ではないんだぞ、キレイ事では渡ってゆけん!」
 妙なところだけ気の合う二人である。

――結局、本田工業が県第二の都市薙島を中心としたエリアを確保する以外は、本多と誉田で等分するといういつものパターンに落ち着くまでにほぼ半日の時間を要した。
 本田工業は今のところ県下第2位のシェアを保ってはいるが、第3位の誉田の猛追を受けていることは役員会議でもずっと問題になっている。このまま行くと3位転落もあり得るのだが、肝心なところでお人よしの次郎は強硬な態度に出ることができないのであった……。

一番上は強引♪
一番下も強気♪
間に挟まれ……妥協
談合三兄弟 

談合 談合 談合 談合
談合三兄弟
……談合

id:grankoyama

だじゃれの一点突破ですね。

2012/01/23 21:23:57
id:gm91

オヤジギャグです。オヤジなので。(^^;

2012/01/23 23:33:49
id:NazeNani No.8

なぜなに回答回数1615ベストアンサー獲得回数2762012/01/22 19:36:10

ポイント20pt

「どうなされたんですか?」
キャンディーみたいなポップなジェルネイルをのせた千津の指先を
UVライトに優しくあてながら、長いまつげをぱたぱた羽ばたかせた
小鳥みたいなネイリストのお姉さんが聞いてくる。
かわいい人だなぁ。そんなに大きな瞳の翼をぱたぱたしていたら、
細くて華奢だから、どっかに飛んでいけちゃいそうな…。
「それがぁ…。子供の頃のやけどの跡が消えないんですよねぇ…。」
小3のお昼休み、教室の大きな灯油ストーブの前で
みんなで輪になって手をかざして暖まっていたら、
話さえもまともにしたことなかったあの男のコに
なぜか千津だけが後ろから突き飛ばされて、指先BBQになっちゃった。
大洋雅彦っていう、いたずら好きのトラブルメーカーだった以外は、
あまり印象に残らない男の子だった。
でも、千津がやけどをして泣き出した時の
あの子の、すごく怯えたみたいな目が、今でも忘れられない。
傷跡は高校あがった今でも消えなくて、
きれいな手の小鳥のおねえさんにそれ言われるとブルー。
気にしてるんですよ…これでも。
でも、仕上がった小鳥のお姉さんのジェルネイルは、
指先の傷を隠せる長さにエクステしてくれていて、
キャンディーの中にいっぱい宝石みたいなのがきらきら、
すっごくかわいくて、ちょっとハッピー…?

「千津、おまえなー、本当に俺の気持ち、わかってんの?」
放課後、ケイ君が机に足をのっけて、イスをすごい角度に傾けて
器用にバランス取りながら、相変わらずのわがまま口調で言う。
ケイ君は、女子に一番人気のサッカー部の主将だから、
このボッシーな態度もどこか似合っててかっこいいんだけど…。
でもケイ君、なんか最近イライラしてる。
「わかってるつもりだけどぉ…。お母さんが泊まりがけの
 旅行は男の子と一緒に行っちゃダメだって。」
「なんでぇ?まーさか、おまえ俺と行くって言ったの?
 かよと行くって言えばいいじゃん。」
ケイ君のイスは、今度は片足でアクロバット中。
「え~…でも、かよのお母さんとうちのお母さん、
 超仲良しなんだから、絶対バレるって。」
「かよとマサも誘えばいいじゃん。
 みんなでスキー旅行に行けばバレないって!
 マサも俺たちと行きたいって言ってたし、
 それにお前が親友のかよがマサのこと好きだから、
 コクるのヘルプつったから、俺が取り持ってやったの、
 もう忘れたの?やつらは上手くいってるみたいじゃん!」
ケイ君に極限まで傾けさせられたイスが、かすかに悲鳴をあげた。
「かよに聞いてみるけど…。でも私、マサ君はなんか苦手…。」

だって…気づかなかったんだもん。
つい最近、かよに言われるまで、
マサ君が、あの大洋雅彦だったなんて…。
でも向こうは覚えていたみたいで、
そういえば前からもよく視線みたいなのを感じたし、
今でも、じっと奥底のないような深さで見つめてくる
あの目がこわい。

もしスキー場に谷みたいなとこがあったら、
また後ろから突き落とされそうでこわい。

でもなんで?
千津は何もしていないのに…。

「千津ぅー!千津の番だよ?」
「ほにゃ?」
カタンカタンと揺れる車窓から、森が真横にすーっと流れて行く。
「えっとぉ…。なんだっけ?」
森のお隣の川とか橋とかも、真横にびゅーんって飛んでっちゃう。
「あ、そうだ、ごめーん…。えーっと、エースのワンペア…かな?」
「俺、ストレートフラッシュ!」
「え~私フルハウス。」
「僕もワンペア…。」
トランプで賭けたお菓子はすべて、ケイ君の元へ、大集合~。

「あ!見て!あそこにタヌキがいる!」
「どこどこどこ~?」
みんな窓にひしめく。
森から伸びた車道に狸が立ち止まっていて、
しっぽをこっちに向けてびっくりしたみたいに振り向いては、
また車窓から真横にすーっと消えて行く。
あー、なんで来ちゃったんだろう。
すべてはケイ君のペースで計画は進み、
ケイ君とかよとマサ君と千津は、今スキー場に向かう電車の中。
しかもなぜか千津のかたわれのエースのワンペアを持ってたのは、
あのマサ君。
タヌキもびっくりだね。
トンネルに入って、暗闇があの狸のしっぽみたいに
白黒白黒ツートンカラーにまばたきしはじめて、
暗くなった瞬間、ケイ君がちょっぴりちゅーしてきた。
やわらかくて、あたたかいマシュマロみたいな唇。
ちょっとどきどき。
明るくなると、お菓子がたくさん、
千津のスカートの上に置かれていて。
ケイ君と旅行に来れたのは、うれしいんだけど…。

「え~なんでぇ~?スノボーやったことないよ?」
千津はスキーでさえ、初心者マークものだ。
なんか荷物が大きいと思ったら、ケイ君なんかマイ板持参。
「大丈夫、俺が教えちゃる。両手空くし、転ける前に助けてやるよ!
 スキースティックなんかついてたら、おまえを助けられないだろ。」
「…うん…。」
スキーも上手くないんだから、はじめてのスノボーでも
似たようなものかななんて、お気楽に思っちゃったりもする。

「きゃ~!停まらない!これまじこわいよ。」
ていうかスキーと違って、ハの字でスローになんないし、
ボードを横向けて停まるつもりが、曲がってそのまま進んでっちゃう。
ずさささささ。
後を追って来たケイ君が後ろから受け止めてくれて、
何とかスローダウンして停まる。
これ多分、一生一人で停まれない。

でも千津が停まって休み始めると、
ケイ君はどんどん先に滑ってっちゃって…
あっ、すごい飛んだ!ジャンプして、飛んだと思うと、見事に着地。
あっと言う間に先に行っちゃった。
「ひゃ~置いてかないでぇ!!」
あわてて立ち上がると、滑り出してまた停まらない。
スピードが出てきて、スキーウェアの表面が向かってくる強風で
旗みたいになびき始める。
耳元も風のざわめきでいっぱいで、かき消されないように必死で叫ぶ。
「ケイ君~!待って~また停まらないよぉ!」
頑張って停まろうと、ボードを横に向けるけれど、
メインの道をそれて、横の林みたいな方に流されて行く。
「きゃ~!やだ、木に突っ込んじゃう!!ケイ君!!!」

ずささささささ。
斜め後ろから手首をつかまれるような感覚がして、
すんでの所で停まる。
あのまま木にぶつかってたら、死んでたんじゃない?

「あ、ありがと…!」

「ごめんね。」

手首をつかんでいた人の声は、ケイ君の声とは違っていて…。
あわてて斜め後ろを振り向くと、
あの黒い大きな水たまりのような瞳孔をしたマサ君が、
千津の手首をつかんでいた。

「ずっと謝りたかったんだ。」

「え…?」

「もっと構って欲しくて…。ちょっかいだけ出して、
 とめるつもりだったんだけど、僕が引き止める前に
 千津ちゃんはもうストーブの方に手を伸ばしていて…。」

「…あ、あの小3の時の話?あれは、みんな事故だって…。」

「違うんだよ。構って欲しかったんだ。」

マサ君は、足元の雪に指先で何かを描いた。

「3?」

不器用そうに、雪に描かれたのは…

<3

id:grankoyama

なんか違和感というか無理を感じました。
素材との取り入れ方とか、ジェルネイリストを志し、スキーとスノボをほどほどに
たしなみ、ポーカーもめっぽう……な私にとって。
文体とかも、オチもそうですね。
例えて言うなら、ヒネリを加えて着地したのはいいものの、さしてヒネリが加点されない
技だったみたいな。
私も例えはヘタです。難しいもんですね。

2012/01/23 21:26:18
id:sokyo No.9

sokyo回答回数1371ベストアンサー獲得回数942012/01/22 20:33:33

ポイント80pt

山手線占い

    1. 現在+3
    2. sympathy-3
    3. 3×(口+|)
    4. ¥frac{3^{20}+3^{18}-3^{14}+3!¥cdot3^{11}-10^3¥cdot(3^5+3^4+3)}{3}

http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/c/c3/TokyoYamanoteAreaLines.png/256px-TokyoYamanoteAreaLines.png

私たちがその占い師に会ったのは、ただの偶然だった。私と彼は、ちょうど私の母校に来ていたバンドの学園祭ライブに来ただけだ。ライブが終わって、久しぶりの大学にちょっと懐かしくなって、ふたりで学内を散策していただけだ。
それなのに、こんなところで出会ってしまうとは思っていなかった。私たちと同じオーラに。ただならぬ気配に。

私は生まれつき、ほかの人には分からないことを知覚することができる。できるといっても完全に分かるわけではなし、むしろ予感がするっていう程度だけど、それでも普通の人に比べたら相当にたくさんのことを分かっているらしい。特に私は、読心術ができるみたいだった。
そりゃもちろん、マジシャンじゃないから思い描いているトランプのカードを当てることはできないし、イタコじゃないから死者と対話することもできない。気持ちが分かったからといって相手の気持ちを変えられるわけでもない。ただ、目の前にいる相手に企みがあるとか、なにか大事なことを知っているとか、それくらいのことなら分かることも多かった。
そして、分かるからこそ孤独だった。
そんな私たちが占いのブースの前に来たとき、私はすぐにピンときた。手描きの看板の筆跡が大事なことを示唆していた。私は彼を見た。小声で彼は言った。
「この占い、なんかおかしい…よな?」
私の隣で彼も同じことを思った。私たちは決めた。大学生の子に導かれて扉を開けた。
中は、ほの暗い照明で演出されていた。
学園祭だから占い師も女子大生だった。でも私たちにはその人がただの女子大生でないことぐらいはっきりと分かった。その子は彼に名前を聞いた。そして彼の名前を数字にして、あとはほとんどなにも話さずに、紙に向かってひたすらなにかを書き留めた。
私は聞いた。
「なにを書いているんですか?」
占い師の女の子は、線の細い声で答えた。
「物語です」
ものがたり?
似顔絵師が似顔絵を描くように、その子は私たちの顔を見ては手元の紙に書き写しているように見えた。そういうかたちで人に伝えようとしていた。
「できました」
でも手渡された紙には、数式ばかりが載っていた。
「おふたりの場合、私の解釈を差し挟む必要はないと思いますので、分かったことをそのまま書き留めました」
とその子は言った。
「例えば最初の「現在+3」はたぶん3年後という意味です。同じようにすれば、残りもおふたりになら分かるはずです。帰りの電車の中ででも、ゆっくり考えてみてください」
会場にいた別の大学生が、時間ですから、と私たちの話をさえぎった。占い師のその子は、最後ににこりと笑って、付け加えた。
「では、ご結婚おめでとうございます」
と。
私は戦慄した。私たちは名前を伝えた以外、その子にはほとんどなにも伝えていないのだから。彼が今日これからサプライズを用意していること、気付いているのは私だけだと思っていた。違う。この子は本当に未来を“知って”いるんだ。

いま私たちは帰りの山手線の中だ。彼の横顔は、占い師からもらった紙を見つめている。ケータイに数字を入力している。紙には加減乗除がひとつずつ。乗り換えに困らないように路線図が印刷されている。
彼のサプライズはあの子に暴かれてしまったけれど、でも彼はぜんぜんあきらめてない。暴かれてしまったサプライズはもはやサプライズじゃないけど、それでも進んでくれるってところ。それが、彼の好きなところ。
ぐるぐる回る山手線だけど、ちゃんと次に進むべき場所がある。
彼は紙から顔を上げてつぶやいた。
「ぜんぜん分からない…。B美じゃあるまいし」
「だれよB美って!」
彼のつぶやきに私はふざけてツッコミを入れた。
「4つめの数式を計算すると1290052601って数字になるんだけど…、これ、なんだと思う?」
彼はスルーしてこっちに振り向いた。
「『いいニクくれ』。えーと…」
私の語呂合わせは失敗に終わった。彼はURLと踏んだみたいで「q.hatena.ne.jp/1290052601」というアドレスをケータイに打ち込んだりしていたけれど、うまくいってなかった。語呂合わせじゃなければ、私には見当がつかなかった。
そんなことより「3×(口+|)」のほうが分かりそうな気がした。
「これ、四角じゃなくて「口」だよね?」
私の言葉に彼が続いた。
「ということは、ふつうに展開すると『口口口 |||』こうなるか」
いや、分かりそうでやっぱり分からない。
あ。
2つめのヒントで、思い出したことがあった。
「sympathyと言えばさ、」
彼の隣で私は言った。



「sympathyと言えばさ、」
俺の隣で彼女は言った。
「大学のとき、遠田先生の授業でsympathyって言葉が出てきたの。よく覚えてる。『sym-』っていうのはいっしょにっていう意味で、『シンクロ』とかと同じなのよ。『-pathy』っていうのは感情とか苦しみって意味で、『テレパシー』とかと同じ。私それを知って、シンパシーの言葉の意味がとてもよく分かったの」
俺はそれを聞いて、彼女と初めて会った時のことを思い出していた。彼女は続けた。
「私たちが初めて会ったときの気持ちって『シンパシー』だったよね」
初めて彼女に会ったとき、彼女は大学1年生だった。俺は居酒屋でバイトをしていた。あれは4月のことだった。彼女はサークルの新歓に巻き込まれたんだと思う。女の子の新入生に執拗に酒を勧めているのはだいたい男で、ろくでもないサークルだってことぐらいはだれでも見れば分かった。
俺には生まれつき人には分からないことを知覚する能力があるらしい。特に、人の過去のことは。見えるというほどではないけれど、でも普通の人に比べたらやはり相当に分かっているらしかった。
新歓の時期といったら居酒屋はかき入れどきだ。当時ホールには、たくさんのスタッフが働いていた。でも彼女がその中で、わざわざ俺に声をかけたのは偶然じゃないと思う。彼女は席から遠く離れた死角に立って、
「お手洗いはどこですか?」
と聞いた。彼女の怯えた目を見た。目には見えない古い傷があった。
俺は彼女の出で立ちを見た。バッグもコートも持っていた。
「出口ですよね」
小さな声で俺は言った。彼女は、うなずいた。
予感は正しかった。
ここから逃げる気だ。
俺はスタッフ用の通用門にこっそり彼女を通した。ついでに気分が悪いとかとチーフの社員さんに言いわけをして、自分自身もそこから脱出した。ドアのすぐ外で、彼女は待ってくれていた。俺たちはふたりとも、その夜に初めて、シンパシーを覚える相手を見つけたのだ。

《次は、シンバシー、シンバシー》
山手線のアナウンスが、新橋への到着を告げた。回想から戻った俺たちは、顔を見合わせて笑った。聞き違えたのは自分だけじゃなかった、とお互いの顔に書いてあった。
あ。
そのとき、ひとつひらめいた。
「この『sympathy』って、新橋のことか。新橋から3つめの駅って、どこだっけ」
彼女は路線図を見て、答えた。
「神田か品川。…あっ。分かった!」
彼女はうれしそうに続けた。
「さっきの『3×(口+|)』あるでしょう。この『口口口 |||』は漢字の組み立てを指すんじゃない?3つの口と、3本の縦棒を組み立てると、」
「「品川!」」
ふたりは同時に声をあげた。複数のヒントが符合した。これはたぶん、品川を指すので合っていると思う。ふたりの未来は、品川にあるらしかった。
「これから、本当に困ったときには品川に来よう」
俺は言った。実は分かっているのだ。自分も彼女も品川には来たことがないこと。彼女は俺がこう思っているのに気付いていること。つまり「品川に来よう」なんて発言にはぜんぜん意味がないこと。でも、そんなふうに言わせてくれるってところ。それが、彼女の好きなところ。
今日、これから、俺は人生で一番のサプライズを用意している。なんてとっくにバレているけれど、見え透いた場所でも山手線のように前に向かって進む。自分は、そういう性格だから。


だけどふたりはまだ知らない。3年後、本当に品川の街を訪れることになるということに。筋書きはすでにsokyoの3つめの文章に向かって、収斂しつつあるということに。

(3333字)

id:grankoyama

いや、すいすい読めました。
星付けれないですけど、3を沢山使った数式とかご苦労様でした。
意味があるのか無いのか私には分かりませんが、視点の切り替えなども
なんかすごいことやってるなぁ、うまく活かしてるなぁと。

今回作品で総合力としては一番だと思いました。
ほんとに3000文字もあったのかってくらいすいすい読めましたし。(さっき書いたか)

2012/01/23 21:44:43
id:gm91 No.10

GM91回答回数1018ベストアンサー獲得回数912012/01/22 23:09:01

ポイント20pt

『...And Then There Were Three...』


 まるで悪夢のような展開だった。

 2回表に入ったところだが、点差は既に20点を超えた。もう数えるのも馬鹿らしくなってくる。
 そんなことは最早どうでもいい、それよりもアウトが取れない。
 もうとにかく早くこの悪夢を終わりにしたかった。
 それだけだった。

 ノーアウト、1、3塁。打者一巡しなおも樫丘実業の攻撃は続く。
 ピッチャーの恭一がバテバテなのは誰の目にも明らかだ。しかし、樫実の打線は情け容赦なく襲い掛かる。
 ――何度目かの押し出しにより点差30点を超えたところで、大会委員の裁定にて薙島二高の「特別コールド負け」が決定した。

 次郎達の夏はこうして終わった。


「次郎、すまんかった」
 試合後、恭一は憔悴しきった表情で、ただそれだけを言うとその場に座り込んだ。
 キャッチャーの俊三は終始無言のまま地面を睨み付けている。

「もういいんだ、終わったんだ。お疲れさん」
 次郎もそう言うのが精一杯だった。

 薙島二高の野球部はその日をもって休部となった。

   ★  ★  ★ 

 事の発端は、2年前の事件だった。
 当時、県でも有数の強豪校だった薙島二高野球部で、部員による喫煙が発覚。春の選抜への出場が決まった直後のことだった。
 当事者であるエース川崎は自ら退部。野球部としても選抜出場取り消しはもちろん、1年間の対外試合禁止という処分となった。
 1年生ながら次期レギュラーとして期待されていた恭一と俊三の落ち込み方は相当なものだったが、彼らに更に追い討ちをかけたのは2年生で4番を勤めていた鈴木の転校だった。
 
「鈴木さん!転校するって本当かよ?」
 恭一の詰問に鈴木は少し困った表情を見せたが、自分に言い聞かせるように口を開いた。
「……今なら、来年の夏に間に合うからな」
「俺たちはどうなるんです?」
 俊三の悲痛な懇願も、鈴木の心は動かせなかった。

「悪いな、もう決めたことなんだ。」

 中心メンバーを失い、急速に瓦解していく薙島二高野球部。
 一月後には恭一と俊三の他は補欠の次郎を残して、部員は全て退部するか幽霊部員となっていた。

「3人で野球ができっかよ!」
 悪態をつきながらも、ボールを手放せない恭一は今日も俊三相手に投げ込みを続ける。
 次郎には恭一の本気の球は取れないので、必然的に俊三が女房役に徹している。
 俊三も口には出さないが、これからどうなるのか不安でないはずはなかった。

「どうするよ?俺たちもどっか転校すっか?」
 空しい「部活」の帰り道、恭一は次郎と俊三に問いかけた。
 恭一がその気もないくせに、そんな憎まれ口を叩くのも、先への不安の表れによるものだと次郎は気がついていたが、恭一を納得させるだけの上手い回答は思いつかなかった……。


 休日、次郎は気晴らしに寄ったレコード屋でふとあるタイトルが目に留まった。

「そして3人が残った」
 GenesisというUKのバンド、メインのメンバーが脱退して3人になってしまった……。
 なんだかまるで俺たちみたいじゃないか、と苦笑しながらレジへと向かった。

 翌日。次郎は決意を胸に学校へ向かった。

「I will follow You♪ will you follow me♪」
「なんだ次郎、変なもんでも食ったのか?気色悪りいな」
「恭一、俺はやっぱりあきらめない。やれることがあるうちはそれをやろうや」
「お、おう、そうだな」 
 妙にさっぱりした表情の次郎の言葉に、恭一はただ頷くしかなかった。

 それから3人は部員集めに奔走した。
 集まったのは素人同然の生徒ばかりで長続きする者は皆無だったが、それでも何とか3年の夏の大会前に9人集めることができたのは奇跡としか言いようがなかった。
 いや、事実、夏の大会への野球部出場を薙二高生はからかい半分でこう呼んだ。

「ホンダ3兄弟の奇跡」と。

   ★  ★  ★ 

 試合後、肩を並べてとぼとぼと帰途に着く3人。
「恭一、俊三、野球部の事……後悔してるか?」
「うんにゃ、全然」「俺も」

「もちっと悔しいかと思ってたけどよ、あんだけコテンパンにやられっと涙も出ねえな」
 いつも強がりを言う恭一だったが、今のはまんざら嘘でも無さそうだった。
 
「……また、3人で何か面白いことできたらいいよな」
 寡黙で強情な俊三が、柄にもなくしおらしい台詞を吐くと、恭一がバーカ、と叫んで一歩前に出た。

「『できたらいいよな』じゃねえよ、やろうぜ、また3人で何か」
 そっぽを向いて頭をかくのは、恭一が照れ隠しするときの癖だよなあ、次郎はそう思うと何だかひどく幸せな気持ちになった。
 

id:grankoyama

続きですかね。前日談?
あれかなぁとおもいつつも(私の)薄学のため、想いが届いてないと思います。すんません。

2012/01/23 21:27:41
id:gm91

え?「あれ」とは?
ちなみに特にヒネりとか文中に書いてない含みはありません。そのまんまです。

2012/01/23 23:33:11
id:a-kuma3 No.11

a-kuma3回答回数4558ベストアンサー獲得回数19032012/01/23 02:26:24

ポイント30pt

「簡単な仕事よ。そちたちの加勢は要らん。」
「うぬらの腕は承知しておる。だが、ゆめゆめ油断なさるな。」
「笑止。あの若造のことを言っておるのか。まあ、まかせろ。紅のやつと我らは違うて。」

武家とは言え、小娘が引き連れてるような、兵糧を運んでるやつらを止めれば良いだけであろう。
多少は腕が立つらしいが、町人の若造を護衛につけねばならぬような連中ゆえ、たかが知れおる。
まあ、良い。
こちらは下賤の身分。それなりの金子をもらえるのであれば、あれこれを言う筋合いは無いか。


時は戦国の世。
謀反を起こした城代ひきいる一味に囲まれた山城に、立てこもる城主の嫡男が率いる一軍。
地の利を生かした堅牢な砦ゆえに、持ちこたえてはいるものの、兵糧の蓄えは底をつき始めていた。


山の裾からのぞく街道筋に、荷を積んだ馬を引き連れた一団が見えてくる。
あれだな。
後ろにつけてる白い馬に乗ったのが、例の若造か。

「いま一度、申しておく。街道が森に入ったところで、両脇から矢を仕掛けるぞ、よいな。」
城代に押しつけられた連中におざなりな指示を出し、所定の位置に散らせる。

「小娘さえ打ちとれば、後は寄せ集めだ。残りはどうでもよい。」
「分かっておるわ。飛び道具を持っているのは、小娘だけのようじゃな。」
「うむ。」
「しかし、あの若造はどうする。」
「馬には乗れておるようだ。ただの町人とは思わぬ方が良いかもしれぬな。」
「承知。やつの得物は刀だけの様子。昨晩話した通り、正面から当たれば問題なかろう。」
「いかにも。若造のことは、小娘を打ちとった後のことだ。」
「承知だ。うぬも良いな。」


森の入り口にさしかかる城主の一行。
鳥のさえずりすら聞こえぬ。木々の葉がすれ合う音も聞こえてきそうな静寂。
何やら不安を感じた若者が、先頭を進む姫に注意を与える。

「そこもとに言われずとも、分かっておる。皆の者、引き締めなされよ。」

姫がかけた声が合図になったかのように、左右から矢が飛んでくる。

「ちっ、使えぬ。まあ、良い。分かっておるな、塵、泥。」
「うむ。」
「くどいぞ、土よ。承知しておるわ。」

矢が飛んでくる刹那、既に若者は白馬を打ち、列の先頭に向かっている。
背に負った一刀を抜き、飛んでくる矢を切り落としながら、木々の中から躍り出る敵を、
ひとり、ふたりと、無造作に切り捨てる。

「あわてるな。敵は少数ぞ。落ち着いて荷を守れ。」

指示を出す姫を押しのけ、列の先頭に出る若者。
馬を降り、刀をやや斜めの青眼に構える若者に対峙するのは、黒い装束に身を包んだ三人。


「できるな。例のやつで仕掛けるぞ。」

狭い森の中の道を、一列に並んで疾駆する三人。
ただならぬ気配を感じ、刀を構え直す若者。
みるみる間に詰まる間合い。

変形の下段で構えた姿勢から、腰をなぎ払うように刀を一閃。
強烈な斬撃を、下になぎ払いながら、体勢を崩した土の肩を足場にして、若者が大きく跳躍する。

「くぅ、わしを踏み台に!」

若者の目の前には、同時に跳躍した二列目の塵の姿。
飛び上がった勢いを乗せて、必殺の手槍の一撃が繰り出される。
体をひねって手槍をかわした若者も、片手で鋭い突きを繰り出す。

その向こうには、更に高く跳躍した泥の影。
刀は、塵の腹を貫いたままだ。

仕留めたと思った泥の肩に刺さる矢。

一瞬の間が、若者に余裕を与えた。
刀を捨て、懐から出した棒手裏剣を持った手が、泥の右目を貫く。

「小娘が。後、一息ってところを。」

飛びのいた土が振り向いたときには、若者の手には泥が持っていた刀が握られている。


「ただの町人では無いな、貴様。」

あらためて、極端な下段に刀を構えなおす。
若者は無言のまま、中断に構えたままだ。
一息、呼吸を整え、間合いをじりじりと詰める。

黒の三ツ星と噂された我らが、一介の町人に、この様か。
このような末路も、我ららしいと言えば、そうかも知れぬ。
数々の敵を打ちとってきた変則の二段切りも、どこか若者に読まれているような気がする土であった。

他1件のコメントを見る
id:grankoyama

くぅ、わしを踏み台に! のとこにグリーンスターつけたつもりです。

2012/01/23 21:32:45
id:a-kuma3

もっと遊んでくれたらよかったのにと思いました。
『地越途守取位無』とか、おマチとか、ミデアとか。

力不足でございます。
J.S.A. は、忘れました ><
勢いで書くのって、難しいっス。

2012/01/23 23:08:36
id:takejin No.12

たけじん回答回数1480ベストアンサー獲得回数1922012/01/23 17:40:18

ポイント22pt

『解答』

私はデータベース技術者である。
ある団体から依頼されたデータを集積している。
そのデータは、宇宙の真理についてだという。
データは膨大で、非常に大規模なストレージ装置と、分類検索装置の能力をいっぱいに使っても10年かかってしまった。
いよいよ、全世界のデータベースシステムから抽出したデータの分類が終了する。
依頼主によれば、そこで統合された数字が、宇宙の究極の答えだという。
演算終了まで、あと3秒、2,1
一瞬画面が暗くなり、表示が変わった

『だいたい3』

なんだこれ。
これが真理?

一応、依頼主に問いかける。「だいたい3」が真理だそうです。と。

依頼主がつぶやく
「宇宙の真理は円のはず。だから究極の答えは円周率だと思っていた。」と。

私は呟いた。
「おそるべし、ゆとり教育」

id:grankoyama

なんかどっかで聞いたことのあるようななかったような。
宇宙の真理を計算させたお話。
ゆとり教育は怖いですね。

2012/01/23 21:34:31
id:takejin

今回はパクリです。ははは。なんだかスランプ

2012/01/23 23:31:55
  • id:grankoyama
    グラ娘。 2012/01/17 16:51:43
    テーマである『3』はアラビア数字でなくても良いです。
    ご要望があれば、締切は月曜日の晩までは延長しようかと。

    講評は必ず書きますが、それにはあまり期待せずに、逆に身構えるくらいのこころいきでご参加ください。
  • id:takejin
    月曜の夕方か夜なら投げ込めそうです。ちょっと待ってもらえます?
    残業になっちゃうとダメかもですが。
    (いつものごとく、時間切れかもしれません…すみません、いつもご迷惑を…)
  • id:grankoyama
    グラ娘。 2012/01/22 16:48:58
    じゃあ、延長!
  • id:grankoyama
    グラ娘。 2012/01/23 21:58:12
    終了しました。
    参加いただいた皆様には厚いお礼を申し上げます。
    ポイント配分とか質問者からの返信とか、スターの数とか気にせずにまた参加してくださいませ。
    (今回は、特に質問者としての権限を活かしてわがまま放題してます。主観命なのです。フィーリング重視とも言う。
     ご了承くださいませませ。次回は、皆に優しい質問者としてかきつばた開催する予定です。
     開催のテーマは、『飛蝗の足を捥ぐ』か『ラプラス』か『聖 翼』とかそんなのいろいろ。また参加よろしくお願いします)

    ベストアンサーは悩めませんでした。最初から最後まで一貫して。ぶれることなく。これまた主観です。はい。

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