「私はピカソにあったときのほうが、興奮したわ。1940年に当時の夫であったクロード・シャノンがアインシュタインを紹介してくれたときよりも。」
これはシャノンの最初の妻Norma Barzmanが、2005年に自伝を出版したときの、新聞記事にあったことばです。
クロード・シャノンの最初の妻ノーマは、わずか19歳のときに結婚したようですが、1年ほどで夫を捨てて逃げ出したようです。
その理由がわかれば教えてください。
"I was more excited meeting Picasso than I was in Princeton in 1940 when my then husband, Claude Shannon, introduced me to Einstein.
http://www.guardian.co.uk/film/2005/oct/21/usa.gender
William Poundstone が書いた Fortune's Formula(邦訳『天才数学者はこう賭ける』)は、クロード・シャノンと数学者エドワード・ソープの伝記を主軸にした本です。
抜粋 (excerpt) として読める箇所に、お尋ねの部分が記述されています。
http://us.macmillan.com/BookCustomPage_New.aspx?isbn=9780809045990
の PDF 4ページ目になります。
詳しくは原文を当たっていただくとして、簡単に要約してみましょう。
シャノンが プリンストン高等研究所 に入るまでは、シャノンとノーマは夫婦でジャズ・クラブに通うなど、それなりに幸せな結婚生活をしていたようです。
プリンストンでシャノンは、ヘルマン・ワイル の元で位相幾何学を研究します。
ここでノーマはアインシュタインと会うわけですが、シャノンは徐々に人嫌いが激しくなり、研究も自宅で行うようになりました。引きこもりとなったシャノンに対して、ノーマは精神科医への受診を勧めますが、シャノンは拒否します。
夫婦喧嘩が暴力沙汰となった日に、ノーマは家を飛び出し、二度と戻りませんでした。
以上のような経過ですが、これはノーマ目線の記述である事をお断りしておきます。
シャノンからすれば何か別の理由があったのかもしれません。
しかし、例えば妻と性格が合わなくて嫌いになったとすれば、家に引きこもるというのは不自然です。
思うような研究ができないストレスから抑うつ状態になった、という可能性の方が高いような気がします。
お役に立てることを祈りつつ。
貴重な文献を見つけていただき、まことにありがとうございました。
2012/11/26 23:57:54お互いにひと目惚れしたところは理解できますが、シャノンが引きこもり的になったことの背景がいまいち理解できないですね。
でも、新婚の二人がいっしょにジャズに行くあたりなど、生き生きとした描写で非常に参考になりました。
誰かが二人の恋路を邪魔したのでしょうか。
ベストアンサー、ありがとうございます。
2012/11/27 15:58:24> シャノンが引きこもり的になったことの背景がいまいち理解できないですね
おっしゃる通りです。
他の本も当たってみましたが、この点について詳しく説明しているものは見つかりませんでした。
James Gleick の "The information : a history, a theory, a flood"
http://www.waltersorrentino.com.br/wp-content/uploads/2012/02/Gleick-The-Information-535-paginas.pdf
PDFの185ページに二人の出会いが書かれていて、194ページが別れになります。
ヘルマン・ワイルがシャノンをほったらかしにしたのが原因とも取れるような書き方をしてます。
Paul J. Nahin の The Logician and the Engineer: How George Boole and Claude Shannon Created the Information Age によれば、その後のインタビューでも、シャノンはノーマについて一切語らなかったそうです。
(31ページ。Norma で本の中を検索すると出てきます)
シャノンの黒歴史ですね。