| 地下鉄に乗って、わたしたちは銀座に出た。今度はわたしが、"いいところ"を
| 教えてあげる番だった。裏通りを十五分も歩くと、小さな美術館がある。
| 目立たないけれどこぢんまりとした、いい美術館だった。わたしたちはそこで、
| まず中世イタリアの宗教画を見た。それから、古いインドの細密画を見た。
| 一枚一枚、丹念に見た。
| 「これ、好きだなあ。」
| 少年がそう言ったのは、くすんだ緑色の、象と木ばかりをモチーフにした
| 細密画だった。
| 「古代インドはいつも初夏だったような気がする。」
| 「ロマンチストなのね。」
(江國香織/新潮文庫『つめたい夜に』から「デューク」)
・銀座の裏通りにある
・小ぢんまりとした
・目立たない
・小さな(でも「いい」)美術館
・クリスマスの2週間前(「デューク」の別のところからの推測)に「中世イタリアの宗教画」「古いインドの細密画」の企画展か常設展を平日に(同)開催する
どうしても連れていってあげたい人がいますw よろしくお願いします。
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