扇風機の涼しさ=気化熱 というのはちがいます。
人間が無風状態でじっとしていると、体の周囲の空気が体温で温められ、これが体にまとわりついているイメージになります。
冷房で部屋の温度がどんなに下がっても、体が自分の体温に近い温度の空気に包まれていることに変わりはありません。
扇風機の風を受けると、体を包んでいる暖かい空気が吹き飛ばされ、それより温度の低い周囲の空気が体にあたるようになるので涼しく感じます。
逆に、サウナのような気温100度の環境下だと、扇風機の風を受けると自分の体温より温度の高い空気が常に肌に触れる状態になるので、耐えられないほど熱く感じるようになります。
扇風機がすずしいのってやっぱり気化熱と熱伝導とにより熱を奪われるのが気持ちいいのですよ。
体表から汗をとりのぞき、また体のまわりの湿った空気をとりのぞくと気化熱をとられやすい。
また空気そのものが30度以下であれば直接の熱伝導によっても熱がうばわれます(人間は手足など末端の体表温度は30度程度です。http://www.center.shizuoka-c.ed.jp/curri/cpc/Web/kannsatujikennsyuu2/23B01b.pdf だと33度)。
梅雨のときの昔の高校の教室は湿度100%、廊下の床が勝手に結露しだすほどベタベタでした。このように究極に加湿した空気は、体のソバで循環してくれてもほとんど涼しく感じないということがわかりました(友達が歩いて移動したり、下敷きで顔をあおいだりすると普通は涼しいのですがそのときはダメでした)。
汗が全く飛んでいかないで全員あせだらだらでした。
汗は水分量としては微量でも、気化熱は多めに奪ってくれます。
逆に、湿度が高くて汗が飛ばない状態だと、実際は気温がけっこう低いのに「暑い、不愉快」と感じることがよくあります。ダイビングスーツを想定するか、不快指数をしらべればわかりやすいかもしれません。
夏の人気イベントでは屋内なのに冷房雲(もや程度ですが)ができます。モヤの下にいる人間はモヤの凝集熱(気化熱=蒸発熱の逆です)のせいでクーラーの冷気が打ち消されて全く冷えません・・。
空気の水分量に左右される気化熱の冷却効率を馬鹿にしてはいけません。
なお傾向として気化熱が多く奪われる人は夏生まれで汗腺が多い人です。
直接熱伝導で熱を多く奪われる人は、筋肉質で筋肉(体表にある)から熱をよく発散している人です。
冷房のなかでは扇風機は気化熱に頼る割合が多く(冷風扇などもありました)、
水を飲まずに扇風機にあたって寝ることを戒める言い伝えもあります。
クーラーによる冷房は熱伝導でもあわせて熱を奪いますし、
冷風をつくる段階で湿度も下がりますので、弱でも扇風機よりずっと効率がよいです。
空冷式のCPUクーラーのことを考えれば、水分はなくてもいいことがわかりますが、気化熱も利用できれば更に効率がいいのは確かでしょう。熱交換の効率が良くなるのと気化熱の効果の合わせ技でしょう。
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