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メガネ業界では、メガネ拭きのことを「セリート」と呼ぶことがあります。その語源が知りたいです。英語表記した場合の綴りも。

昔、メガネ拭きに使われていた布は「ベッチン(別珍、別珍布)」と呼ばれていました。語源は、ベルベティーン(Velveteen)。別名、綿ビロードとも呼ばれています。その頃からメガネ拭きは「セリート」と呼ばれていました。三味線の棹ふきに使われる「艶布巾」も別名「セリート」と言います。某企業が「セリート(別珍)天然素材」という製品を販売していますが、他の企業の製品では「人工素材セリート」=「マイクロファイバー」という表記をしているところもあります。どうやら、素材の呼称として「セリート」が使われているらしいことまではわかりました。また、知り合いのメガネ業界の方に聞いたところ、意味も語源も分からないまま「セリート」と言っている、という回答がありました。謎は深まるばかり。ベッチンが何故セリートとも呼ばれるようになったのでしょうか?

●質問者: DONGA
●カテゴリ:生活 美容・ファッション
○ 状態 :終了
└ 回答数 : 2/2件

▽最新の回答へ

1 ● なぽりん
●250ポイント

紙をとじるステープラーをホッチキス、セロファンテープをセロテープ、油性マーカーをマジック、絆創膏をバンドエイドだのキズバンだのサピオ(地方により違う)と呼ぶのは、どれも、最初は企業が特許庁に登録した商標が由来です。
セリートは、クロス(素材)としての商標は昭和42年から「セーレン株式会社」、眼鏡の付属品としての商標は昭和58年に栄商会というところがそれぞれ商標を取得し、いまだにその権利が存続しています。https://www.j-platpat.inpit.go.jp/ で無料にて調べられます。
この2つの会社に聞きに行けば、どのような広まり方をしたかがわかるでしょう。おそらく、最初はセーレンが栄に眼鏡ふき用の不織布などを卸していたのでしょう。

商標は分野が違えば別ものとして扱うので、セリート素材をつかわなくてもセリート眼鏡ふきと呼んで売るようにしても、違法行為ではないです。三味線拭きとして、現状市場に売られているものがあるならば、それはセーレンだけの製品だろうとおもいます。しかし眼鏡ふきとして売られているものを買ってきて個人的に三味線につかっても違法行為ではないので微妙です。

カタカナでの登録なので、英語つづりはありません。シルクの鞘をなす成分であるセリシンタンパク+糸からの派生語かもしれません(セリシンのついたシルクを紡績しているなら天然別珍でもあり加工法によっては人工素材でもあり得ます)が、命名者が訂正しないままひろまってわけがわからなくなっている可能性もあります。
不使用商標は、商標取り消し審判の対象になる場合もありますが、個人的に一般名詞化しているように見えるというだけではこの手続きはできないでしょう。

ちなみに現状ひろまっているマイクロファイバー眼鏡ふきを開発したのは帝人だそうです。シルクによくにた鞘構造からつくるポリエステルだそうですが、帝人はその事業を早めに外部に手放してしまったとかいううわさです。商標(=ブランド名)は事業とともに売り買いされる場合があります。


DONGAさんのコメント
素晴らしい回答をありがとうございました。感謝します。 何故この質問をしているかの視点にも立って頂き、過不足無く、文章も読みやすく、ワンポイント情報的なものもあり、色々な意味で大変勉強になりました。凄い方ですね。

なぽりんさんのコメント
ありがとうございます!

DONGAさんのコメント
関連業界筋からの追加情報がありました。帝人の総販売元として栄商会の存在があり、セーレン株式会社(元セーレン)には、眼鏡関連商品の開発、製造、販売を行う株式会社パールが総販売元として存在しているとのこと。栄商会とセーレン株式会社の直接の接点は無いそうです。 この2社に直接の繋がりが無いとすれば、昭和40年前後には、既に「セリート」がメガネ拭きの代名詞として業界内で恒常的に使われており、異なる会社がそれぞれの目的の元に「セリート」の商標取得を行った、と考えられますが、セーレン株式会社が「セリート」の名前の発祥元である可能性は高く、何故この名前かというのはご指摘の通り、直接聞いてみるしか無いですね。 「いや、ウチが販売する前からメガネ拭きは『セリート』と呼ばれていた」という回答があったら、ちょっと脳汁出てきそうですが。

なぽりんさんのコメント
おっしゃる状況からみますと眼鏡ふきとしては栄商会のほうが優勢、パールは商標ライセンスをうけなければ「セリートという眼鏡ふき」を売ることはできません。 しかし「いや、ウチが販売する前からメガネ拭きは『セリート』と呼ばれていた」という第三者からの事実提供があったかについて。これは微妙な話になります。 それが全国レベルで有名でしかも58年以前なら、栄商会の商標を拒絶する理由になり得ますので、存在していれば特許庁の商標審査官がS58年前後にひととおり調査してみつけて拒絶しているはずです。 ただし、一地方レベルとか1店のごく小さい商圏だけでのことだとすると、審査官も知り得ず拒絶理由になり得ませんので栄商会は登録されます(されました)。しかしその1店は栄商会が登録した後もセリート眼鏡ふきを売ることができ、これを先使用権制度といいます。パールはこれにあたるかもしれません。

なぽりんさんのコメント
まあそこまでやらずともセーレン陣営は「めがねも三味線もふける布」として曖昧な感じでずっとやってるのかもしれませんし、栄商会と手触りも材質もまったく違うけれど同じ名前で売ってるから消費者も混乱したりしたかもしれませんね。 当時の日刊工業新聞や、繊維系業界紙などをみて、どこかに広告が載ってたりしたら最高にわかりやすいのですが、OCR化されていなければ人海戦術かもしれません。

2 ● meefla
●250ポイント

回答 No.1 の なぽりん さんが「セーレン株式会社」と「栄商会」の2つに絞り込んだので、後はどちらの可能性が高いかの問題だろうと思っていたのですが、その先に踏み込まれないようなので回答させていただきます。

ご質問の「セリート」は素材の名称ではなく、栄商会が別珍で作ったメガネ拭きの商品名であると思われます。

栄商会の公式サイト の中に次のような記述があります。

1953年(昭和28年) セリート、レンズペーパー本格生産(オプト業界進出)

会社沿革|栄商会(静岡県浜松市)

公式サイトには詳しい記述は見当たりませんが、栄商会は静岡県浜松市の企業であり、静岡県公式ホームページの中に栄商会を扱った記事がありました。

メガネ拭き発売開始以来60年以上にわたって、一貫してメガネ関連製品の製造販売を行っている。磐田市福田地区の特産品である別珍を使用したメガネ拭きは、「セリート」という商品名を商標登録して、ピーク時には全国シェア75%を誇り、「セリート」といえばメガネ拭きのことをいうほどにまで成長した。

静岡県/【しずおかの元気な企業】2709株式会社栄商会

(強調引用者)

栄商会のサイトにあるセリートの製造開始は昭和28年、商標登録は昭和58年であり、30年間のギャップがあるので、「ピーク時」というのがいつ頃を指すのかが不明瞭ですが、少なくとも昭和58年以降には「セリートはメガネ拭きの代名詞」という状況だったのでしょう。

「磐田市福田地区の特産品である別珍」という記述についてですが、磐田市の公式サイトによれば、別珍を作り出したのは福田地区の寺田市十(てらだいちじゅう)氏だったそうです。

寺田市十(てらだいちじゅう)は「新しくきれいな布」を目指し、織り方の研究を進めました。明治43年頃、製織後の剪毛(せんもう)などの障害を克服し、「新しくきれいな布」・別珍の製造に成功しました。 その後、福田は別珍・コール天の国内最大の産地として知られるようになりました。

磐田文化財だより 第36号|磐田のみどころ|磐田市役所

なお、セーレン株式会社ないし関連会社が「セリート」という名称の商品を出したという形跡は、ネットで検索した限りでは見つからなかったという事を申し添えます。

残る問題は、「セリート」の語源(商品名としても、そもそもどういう意味なのか)および英語表記の有無ですが、上記した栄商会の公式サイトにフリーダイヤルとメールアドレスが記載されていますので、直接お問い合わせいただくのが早いと思います。
(この点も栄商会に確認した上で回答しようかとも考えましたが、質問の締切が10/24だったので、土日を挟んで間に合わない可能性を考えて断念しました)

以上、ご参考になれば幸いです。

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