フランス公もしくはフランク大公は用語不統一(統一)の一種です。
むろん、東フランクの部族大公にならってこちらも大公と扱う手もなくはないですが、質問者さんのように混乱を招くだけなので、
この場合のデューク・オブ・フランク、原語で言えばDux Franciae(dux Francorum)
https://en.wikipedia.org/wiki/Duke_of_the_Franks
は素直に「フランス公」か「フランク公」とする方が無難でしょう。
フランコニア大公と紛らわしいというのもありますし、ユーグ・カペーの父親の
Hugues le Grand(定訳はユーグ大公)が
「ユーグ大大公」みたいな謎の呼び方になってしまうという問題もあります。
リンク先にあるようにdux Francorumは大きく三つの別々の概念に使用されています。
1.メロヴィング朝の宮宰「フランク族の総帥にして首長」(Dux et Princeps Francorum)
2.西フランク王国からフランス王国への過渡期、ネウストリア辺境侯と重なるような重ならないような大諸侯の称号
3.フランケン大公
もちろんこれは後世の都合で勝手に区分しているだけとも言えます。
ですが、ducとduxとHerzogは時代によって意味合いが変化する用語なので、
何が何でも一意に訳そうとするよりは、適宜使い分ける方が理解しやすいのも確かです。