朝日新聞に掲載されている全文を読みました。
http://www.asahi.com/politics/update/0801/TKY201307310772.html
麻生副総理は、ドイツのワイマール憲法からナチス台頭に至る史実を述べ、憲法改正は落ち着いて議論すべきと主張しているのですが、なぜこれほど大騒ぎになっているのかが分かりません。
発言のどこに問題があったのか、詳しい人、教えてください。
日本人なら彼の言いたいことが理解できるし、どこかおかしいのも分かると思うんですが、それが何故か明確には分からないと言ったところだと思います。
まあ、彼は長州閥の惣領ですし、彼の馬鹿野郎解散の吉田茂の孫でもある。
常識の部分で一般とは多少の変化があってもおかしくはない。
彼が意識していなくて、私たちも意外に分からない点が、宗教に対する態度だと思います。
諸外国では信教するということは生活の一部であることが多い。
アメリカで「天にまします我らが父よ・・」とかやってる映画があるでしょ。
あれってヤラセじゃなくて。正味信じて天には我らを慈しんで下さる神様が居るって思っているって、信じられないでしょうけどホントです。
特に敬虔なキリスト教徒となると、まず間違いなく信じている。
彼はキリシタンだってことだけど、そういう意味での本来のキリシタンとは一線を画している。
アッラーフアクバルとか、仏教の読経とか、信じることを口に出して言っているって日本人には信じがたい。
けれどもホントです。
つまり、靖国神社への参拝は、そういう意味で見れば、旧帝国の復興と領土の拡大を願った行動と見える。
なんせ、宗教ですから。
実は全然違って、単なるお付き合いと選挙対策と、ついでに静謐な雰囲気を楽しんでいるだけ?・・・って、日本人には分かっていても、宗教に対する世界の常識から言えば違って見える。
旧帝国にしても、列強の植民地支配や宗教の排除を目的に靖国を利用しただけって面もあったわけだが、そういう「宗教が軽い」常識を持つってことが、諸外国には理解しがたいことなんです。
ナチスと同盟したのでも、敵の敵は味方って単純な理由しかなかったって・・・普通には信じられない世界に多くの外国民は生きている。
だから、静かに靖国参拝って、ナニ寝言いってんだよって気持ちになると思います。
普通は宗教って強力で、信じて人間爆弾になる人もいるくらいですから。
あれと神風特攻隊は違うって説得力無いなぁ。
ワイマール憲法の改変は当時のロシア革命への恐怖が追い風になって、比較的抵抗無く実現したようですが、内部に古い体質のキリスト教の負の遺産を内包していたわけです。
ナチス主義はヒトラーの専売ではなく、ユダヤ民族への迫害も含めて長い歴史を持ちますが、そういったことは向こうの人には常識でも日本人には、特に麻生氏のような単純な理論を好む人には分かりにくい部分でしょう。
この部分はキリスト教の暗黒史の部分でもある。
おそらく彼の常識からは想像外のことだと思う。
政府内部でも外国が何故それほど彼の発言を問題視するのか、明白に理解できている人は少ないでしょう。
日本政府の弱点に情報の軽視がありますが、我が道を行くでは今時の世界では通用しない。
ただ、マスコミにしても明白にそういう事実を認識している論調ではないようです。
単純に為政者の失言を非難すれば読者に受けるって軽薄な考え方が透けて見える。
マスコミのスポンサーは読者だけではありませんしね。
そういう複雑な事情なので、明快な理由が分からないままに「何故?」ってみんなが思っている状態だと思います。
マスコミの扇動報道は受け狙いですが、そうではない深刻な事情もあるってことです。
理屈が分からない人に理屈で説明するのは無理。
屁理屈ならいくらでも。
戦前の夢が忘れられない一部勢力の代表が麻生氏だね。
あんなのでも数のうちってか。