http://www.asahi-net.or.jp/~wf3r-sg/ntztakeuchi.html
読書のおと(竹内久美子著作のページ)
回答ではないのでポイント不要です。国内では、竹内久美子氏の各著書が、リチャード・ドーキンスの「利己的遺伝子」論を広めるのに一役買っているようですね。かく言う私も竹内久美子の「そんなバカな!」で「利己的遺伝子」論を知りました。
Yahoo!
進化生物屋のはしくれとしてバイアスがかかった言い方ではあると思いますが…
利己的遺伝子については言葉の独り歩きがひどいですね。「利己的」の意味のはきちがえがひどいといいますか…
あれはあくまで比喩的表現であって、実際のところは選択が働く単位を個体ではなく遺伝子である、と定めたところに新奇性がありました。でも、なんだかんだ言っても選択が働く最低単位は個体でしかありえないので、selfish geneについては「そう言おうと思えば言えるけど…」な感じかも。
理論的には面白いんですが、実際には遺伝子はそれ単体では存在できません。個体の形質として発現して初めて意味を持ちます。まあ、早い話が「お話」ですね。
定説と言った学会の動向までは素人としては伺いしれませんが、個人的には「中立説」が今のところ正解に近いかと思います。
「利己的」に見えるのは、結果的にその遺伝子が残ったからであって、利己的だったから残ったとするのはいかがなモノかと思います。読み物としては大変面白かったですけど。
論文の数とかを調べるんでしょうかね、こういう場合は。(^^;
参考になりますでしょうか。では。
残念ながら、全体の趨勢を記述したページは発見できませんでした。大学関係では、講義で読ませているところや必読書にあがっているところもありますが、「定説」とまでは書かれていません。URLのページのように、「少なくともこのような概念を若い時期に知っておくべきだ」という位置づけなのだと思います。
私の考えは2や3の回答者の方とは違い、種や個体ではなく遺伝子のレベルで生物進化を考えるのは当然だという時代にこの本が導いてくれたと感じています。
この本に対する間違った理解の多さが『馬鹿の壁』でもあります。
御丁寧な御回答ありがとうございます。私は未読なのですが、竹内久美子氏の著作が「トンデモ本」で叩かれているとのことで…どうなのでしょうかね。
http://www.nikkei-bookdirect.com/science/page/sci_book/bessatsu/...
異説・定説 生命の起源と進化:日経サイエンス
これは昨年の10月に特集された日経サイエンス。ドーキンスとグールドの論争は現在でも(グールドは残念ながら亡くなってしまいましたが)継続中です。
竹内久美子がトンデモ本に挙げられるのは主に2つの理由と考えられます。
まず、行動、形態、性質などなど、現在のいかなる現象もすべて遺伝子のせいであるとしている点です。かつて、どのようなものでも本能によって説明しようとしていた立場と、ただ本能を遺伝子に置き換えただけで、何も説明していないという問題があります。
もうひとつは、その遺伝子に一種の意図的な意味を持たせて、擬人的に扱っている点です。目的と結果とを混同している(尤も、一般向けには目的的な表現の方が面白く聞こえるのでしょうが・・・)のは、一般にもよく見られる典型的な曲解のひとつと言えるでしょう。
御丁寧な御回答ありがとうございます。「本能によって説明」とは具体的にどういう意味なのでしょうか?
私も竹内さんの愛読者でほぼ全作読んでます。ただその仮説が現在、学界ではどのような立場なのか、興味があります。わざわざ御回答ありがとうございます!