IBMの奇跡の復活を描いた「巨象も踊る」によれば、90年代初頭のIBMの危機はメインフレームで築いた牙城がUNIXによって侵食されたからとされています。
現在、マイクロソフトがPC上に築いているソフトウエアの牙城が、同様にオープンソフト群により脅かされつつあります。
IBMはメインフレームからサービス(あいまいな言葉ですが)へ転向し復活を遂げましたがマイクロソフトはどのように復活すればいいのでしょうか。
私事ですが昨日初めてWinnyに触りまして、こんなことがサーバーなしでできるなんてすごいとおくればせながら感動し、IT業界の今後に思いをはせているうちにこんな質問が出てきました。宜しくお願いいたします。
復活どころか衰退していないので、必要ないでしょう。
確かに、MacOSとの二極市場でほぼ独占状態にあったのが、Linuxの出現で寡占状態になっただけですから。後SUNなんて言うのもありましたね。
どういったオープンソフトが出現したところで、文句をつけられる所在が不明確なソフトウェアを最初に使おうという企業は、ソースを見てバグの原因を追及できる自信と体力があるか、本当の馬鹿のどちらかです。
ここしばらくは、ビル・ゲイツが全米一の大金持ちであり続けることは間違いありません。
例えば、OracleがLinux版は無料にするといったことを他のメーカーもどんどんやってくれば話しは変わりますが、どちらにしろOS以外のアプリの方が高いんです。
そう簡単に牙城は崩れません。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/NC/NEWS/20050414/159208/
さらばNetWare、ノベルがLinuxベースの新ネットワークOSを発表:ITpro
>90年代初頭のIBMの危機はメインフレームで築いた牙城がUNIXによって侵食されたからとされています。
ここはそんな単純な問題ではあり得ません。ダウンサイジングの潮流に乗り遅れたとか、いろいろありました。
NetWareの取り込みに失敗していますし、マイクロソフトと喧嘩してOS/2にのめり込んだとか失敗の連続です。
http://www.chienowa.co.jp/frame1/ijinden/Eckhard_Pfeiffer.html
ちえの和WEBページ:コンピュータ偉人伝:エッカード・ファイファー
コンパックが低価格パソコンを出荷して、上位に躍り出たら、慌てて価格だけ下げて利益を圧迫してしまったとかあの当時の失敗は多すぎます。
http://www.ideaxidea.com/archives/2006/03/post_63.html
i d e a * i d e a - 超絶ウクレレ演奏
URLは特に意味はありません。音楽をお楽しみください。
さて、MSがまだまだ衰退していないというのはその通りだと思いますが、では将来はどうなるのでしょうか。
よくソフトとハードの関係がひきあいに出されますね。
安価で量産されたハードが、その上で動くソフト普及のきっかけとなり、また優れたソフト(例えば表計算)がPC需要の原動力となったりしました。
IBMはもともとハード屋さんです。そして、PC製造業はもう新たな付加価値を生みにくいと考えて路線を転換しました。
MSはソフト屋さんです。そしてこれからもずっとソフトにこだわり続けるでしょう。
これは何故かといえば、経営者の考え方の違いです。
ゲイツさんは、根っからソフトが大好きなはずですからね。
まさか「明日からMSは自動車を生産してトヨタに勝とう」などとは思わないでしょう。
(あの資金力を持ってすれば、人も設備も思いのままでしょうが。)
ではGoogleは? Googleについては、別な路線を模索する可能性があるでしょうね。
何故ならあのような検索というのはネットワークが無ければ成立しないからです。
今のところ日本のインフラの末端は定額接続ですが、もし国民全員がWinnyをやりだして帯域が食い尽くされたら?
値上げや従量課金復活や制限つき定額になるのが予想できますよね。
一般人のネットへのアクセスが、再び今よりもコストがかかるようになったら、GoogleのようなWebサービス系の企業はその価値が落ちてしまいます。
だから、Googleは誰もが無料もしくは極めて安価にインターネットに接続できるための環境をつくることに邁進するでしょう。
自分達がネットワークへの入り口を提供したり、また政府がネット接続を規制強化したり変な法律で税金を巻き上げようとしたら、それに激しく抵抗するはずです。
自由なネットワークこそがGoogleの価値を最大限に高めてくれますから。
http://d.hatena.ne.jp/umedamochio/
My Life Between Silicon Valley and Japan
リンクははてなでもおなじみの梅田さんのblogです。
ところでWinnyというのは「誰もが自由にデータを交換できる装置」ですよね。
今やみんなが持っている携帯は「誰もが自由にコミュニケーションできる装置」です。
PCとOS、その上で動くソフトは「データを自在に加工できる装置」です。
そして、それらがとても便利で欲求を満たすものだからみんなこぞって使うわけです。
時代が変っても、「みんなから必要とされるもの」を作り続けられる限り、その会社は存在し続ける事ができるでしょうね。
ありがとうございます。
IBMは、「広義のハードウェア」→「広義のソフトウェア」にシフトしたということですよね。
マイクロソフトは、「狭義のソフトウェア」が基本無料配布になった場合、どこにシフトするのかが根本的な問いです。
巨象は踊る(IBMの復活をさせたルー・ガースナー著)が明記しているとおり、過去のIBMのビジネスモデルはメインフレームというたった一つの商品にすべてのビジネスがぶら下がっており、メインフレームのUNIXへの敗北がすべてであったと記しています。この構造はマイクロソフトにもあてはまります。マイクロソフトはすべての事業がWindowsにぶら下がっているのです(念のためですが、XboxもActiveXなのでこれもWindowsと同義です)。この危険な状況をどう回避するのか。それが知りたいのです。
#a1で回答した者です。
マイクロソフトはこんなこともしていますね。
http://www.ciojp.com/contents/?id=00001301;t=0
オープン・ソースは大丈夫? - CIO Online
http://www.mri.co.jp/COLUMN/TODAY/KUMENO/2003/0805KF.html
MRI | MRI TODAY | E-�r�W�l�X�̐V���ȉ\����������Web�T�[�r�X
さて、#a2の回答に付けられたコメントへの回答も含めて補足します。
>マイクロソフトは、「狭義のソフトウェア」が基本無料配布になった場合、どこにシフトするのかが根本的な問いです。
>マイクロソフトはすべての事業がWindowsにぶら下がっているのです(念のためですが、XboxもActiveXなのでこれもWindowsと同義です)。この危険な状況をどう回避するのか。それが知りたいのです。
まず、前提条件を間違えておられます。全てのパソコンでOSがLinuxになることはあり得ませんし、マイクロソフトがメジャーソフトからミクロソフトに凋落することもあり得ません。
私の会社では殆ど全てのパソコンにOSとは別にWordとExcelが入っています。Linuxで互換ソフトを誰かが開発したとして(されていますが)、メールに添付したファイルが開けなかったら責任は互換ソフトのユーザになります。つまり、どんな事務所にも1台正規のWindowsマシンが必要になります。マイクロソフトがLinux版WORD、Excelを作るなんてことは10年はあり得ません。
次に、OSが無料になったとしても企業が開発した以上そのアプリは有料です。だから、ユーザは本格的なソフトを使う以上、お金を払う必要があります。
最後に、マイクロソフトは今までも多くのライバルと戦い、勝利してきました。
Lotus123に対してはExcelで、WordPerfectや一太郎にWordで、NetWareにはNTサーバーでといった具合です。
こんな私ですら、Linux陣営を5年で潰せる方法を知っています。それをやると反感は食らうでしょうが。
2003サーバーにはLinuxを意識して機能がたくさん盛り込まれました。個人の力だけでは対抗できません。
LinuxでWindowsが無くなるという記事を書いているライターですら、結構Word使っているでしょうから
たびたびすみません。ありがとうございます。
Web系の仕事が多かったからでしょうか。全社がMacOS環境であったり、自分自身がエクセルとアクセス以外をあんまり使わないという経験が多かったせいか、マイクロソフトOfficeが必要、WindowsOSがかならず必要という経験があまりないのです。
業務的に致命傷になるのがテキストエディター(ちなみにTeraPadかDana)、メーラー(ベッキー)、DreamWeaver(Webの制作なので)、Adobe系のソフト、エクセル(この代変ソフトがないですね)、アクセス(これはWeb上に置いたMySQL+phpMyAdminで代用可能)、FireFox・IE(ブラウザチェック用)、ウイルス対策ソフト(今は、NOD32)ぐらいで、少なくとも自宅ではマイクロソフト系のソフトを使わないのです。もちろん、WindowsOS上で動くソフトばかりですが、作っているのはマイクロソフトの人々ではなく、ここは、マイクロソフトにはコントロールが本来であればできない部分ですよね。べつにLinux版のベッキーが出ることはあまり現実性がないけれど、マイクロソフトはとめることができないわけです(とめれば独禁法に触れますよね)。そして、アウトルックよりもベッキーのほうが対費用効果は高い気がするのです。
社内で飛び交うメールは確かにOfficeが多いのですが、わたしは根本的に、
「PDFがLinuxで開けないとしたら、その責任はAdobeにある」→「Adobeは信頼できない。PDFは使わない」
と考えます。
マイクロソフト・ロックインの問題はどのソフトウェアを使って生産的な活動をするかであって、どのフォーマットが流通に適しているかではないと思います。PDFがAdobeにユーザーをロックインしているとは、とても思えない。そして、わたしはあんまりマイクロソフトのソフトで生産をしていないのです。
続いて、アプリケーションですが、少なくとも法人は「コストカット」へ必ず動きます。どんなに優れたソフトウェアであっても、数百人の単位でソフトを導入するのであれば、必ず「効率性」と「価格」が導入時に議論されます。現状では、マイクロソフトがもっとも効率よくその割には価格も安いとなっているのと思われるのですが、独占状態での利益率を考えれば、現状は寡占状況と言わざるおえないと思うのです。寡占はいつか競争にさらされます。
最後ですが、LinuxがWindowsをつぶすという話ですが、これはそれよりも、
「Windowsへの価格圧力が発生し、利益率が極めて低い過当競争に引きずり込まれる」
という部分に焦点を集中したい。
ほとんどのレンタルサーバーがLAMPであるように、「チープ」な戦場はWindowsに勝ち目はないと思われます。しかもそのチープな環境で、Googleのようなサービスが展開できてしまう。
これは完敗です。
SQLServerは2000が致命的なポンコツソフトになってしまい、LAMPの台頭を許してしまったと思います。この失地から脱する手が.Netかと思うと、phpかajaxでいいじゃんと思ってしまいます。
たぶん、この質問は、Webでの大失態をみて、やばいのじゃないかなあと思って書いているのであると思います。
なるほど、ありがとうございます。