「戦前では特殊な職業の人々が行ったゆえに、"マニキュア"という名前が、別の良くない印象を与えるということで、"ネイルエナメル"と呼ばれることがある」
とフランス人の書いた文章にあったのですが、
具体的にどのような歴史的背景があるのでしょうか?
売春婦ですね。
昔は売春婦しかマニキュアを売ってなかったのでしょう。
化粧品屋が売春婦じゃない人にもマニキュアを売ろうと、新しい名前を考えたということでしょう。
結局、その名前は消えたけど、売春婦じゃなくてもマニキュアを塗る習慣は残ったということですね。
フランス語で manucurer というのは「マニキュアをほどこす」という意味の他動詞なようです。
で、下半分 curur というのは、「浚渫する、垢を撮る、泥をさらう」
みたいな意味のようです。
上半分、 manu は、もちろん「手」を意味します。
ということで、「マニキュール」という他動詞には「手(指)をキレイにする」という意味と同時に、おそらく
「手でキレイにする」という隠れた意味があったと想像されます。
「てこき」のことかと。
「売春婦がマニキュアをしていた」ということではなく、
「売春婦がマニキュールと呼ばれる行為をしていた」ととらえるほうが文脈的にも自然だと思います。
URLなくて申し訳ありません。
ええ、そんな解釈が!
それって本当なんですか?
推測なのか、かなりの確信があるのか、どっちか分からない。
誰か、確信を持った形で答えを教えて!
売春婦にしかマニキュアを売らなかったの、マニキュールという他動詞の隠語がどうのというお話ですが、根拠があるというより、回答者様の推測ではないでしょうか。ざっと調べなおしても、根拠が追認できませんでした。
「マニキュア」とはラテン語で「マヌス(手)」「キュア(お手入れ)」のことを指します。つまり「マニキュア」とは爪に対するお手入れのこと。
日本ではマニキュアといえば、ネイルカラーのことと理解されていますが、本当は広義のネイルケアのことを指しています。普段私達が「マニキュア」と呼んでいるものは、本当は「ネイルカラー」「ポリッシュ」「ネイルラッカー」などと言います。
したがって、「(売春婦にw)マニキュアを売る」という言い方は「手のお手いれを売る」という意味になってヘンなのです。
この意味で、マニキュアという言い方でなくネイルカラー、ネイルエナメルと言うほうが正しい(英語圏)といえます。(フランス語圏ではどうなのかは未確認です)
「戦前特殊な職業(売春婦?)のみがしている化粧であった」というのも事実誤認でしょう。というのも、ネイルカラーの歴史は、古代エジプト時代(紀元前3000年以前)にさかのぼります。この時代のミイラの爪先を見ると、今でいうネイルカラーリングのような装飾がしてあるのです。これを分析すると、この装飾は「ヘンナ」という植物の花の汁を使って染めているものだそう。階級が高くなる程真紅に近い濃い色をつけていたとか。古代エジプトでは、爪先の色が階級を示す一つの道具になっていたのですね。
また唐の時代の楊貴妃は爪を染めていたというのも有名なお話です。世界のあらゆるところで、古い時代から爪先の装飾がなされていたという話が残されています。日本では、江戸時代に爪を染める習慣があったことが「女郎花物語」などの書籍に書かれています。その方法は、ホウセンカの花とカタバミの葉を揉み合わせたもので爪を染めるというもの。ホウセンカは古名を「爪紅(ツマクレナイ)」というところからも、この時代の爪を染めるという風習が広く知られていたことがわかります。
これほど昔までさかのぼらなくても、18~19世紀のヨーロッパでは紳士・淑女のたしなみとされていたのは、多くの文学作品で確認できます。たとえばおなじみシャーロック・ホームズのシリーズでも、手先のケアについて描写されているくだりがいくつも出てきます。そう、紳士も、手先をきれいにし、磨き、透明なエナメルを爪に塗るのがオシャレだったのです。これは、職人や農民が、手を使って仕事をするがゆえに、手先が汚れがちなのに対し、都市在住のホワイトカラーの一種貴族的な意識(土や油と無縁の生活をしているという階級意識)を持っていたことの反映なのです。
また、日本で「ネイリスト」と呼ばれている職業は、欧米では「マニキュアリスト」「ネイルアーティスト」等と呼ばれています。日本では、日本ネイリスト協会が主催するネイリスト技能検定試験やインターナショナルネイルアソシエーションが主催するネイルスペシャリスト技能検定試験などの試験制度があり、ネイリストの技術を評価する一つの基準になっています。
現代のようなポリッシュができたのは、1923年のこと。その元は、アメリカで発明された自動車塗装用のラッカーでした。自動車が大量生産される時に必要となった速乾性のラッカーが、ポリッシュに応用されたというわけです。その後日本に本格的に入ってきたのは1970年代のことでした。
アメリカではネイルサロンが街のいたるところにあり、ネイルケア中心のメニューが充実しています。日本に比べると、とても気軽にネイルサロンに立ち寄り、爪を美しく整える習慣が定着しているようです。
以前、アメリカ人の女性管理職が、ネイルカラーをしていない日本人の部下に、身だしなみとしてきちんと(ネイルカラーを)するように指導をしている場面に私自身出会ったこともあります。
日本ではまだまだ初めてネイルサロンを体験するには勇気がいる方が多いかもしれませんが、特別なネイルアートだけではなく、ネイルケアをするために日常的にネイルサロンに通う習慣が定着しはじめているのかもしれません。
お、おかしい。
僕がその話を知ったのは、
仏国にある世界最大の化粧品メーカーの、
マニキュア部門のお偉いさん(フランス人)からなのに……
(酒の席の話、などではなく、公式文章に文字で示されていた……)
まさか、全く火の無いところに煙が出るとは思えないし、
何かの根拠はあると思うんだけどなあ……
直接の答えではありませんが。。。質問者さんの見た文献は何語で記述されたものでしょうか。「小学館ロベール仏和」という、語源記述が充実している辞書ではmanucurerという動詞(マニキュアをする)は1960年ごろ、manucure(マニキュア)という名詞は1967年がフランス語としてのはじめとしてあります。しかし、実態としての爪の手入れは3番の方のおっしゃるように昔からあったわけで、それはvernis a ongles(直訳すると「爪にぬるラッカー)が「マニキュア液」だったりします。
Wikipediaの英語版のmanicure:
http://en.wikipedia.org/wiki/Manicure
は3番の方のおっしゃるようなことがしるしてあるのですが、これのフランス語版が欠けているので対照がとれないでいます。
ただ、質問者さんのおっしゃることがフランスにおけるフランス語のmanucureであるとすると、戦前は「manucureという語を使ってこの術を行う」人たちはいたが、かなり特殊だったと想像されます。それは、1.の方のいうような風俗界か、あるいは「米国かぶれ」なのかもしれません。ただ、わたしもフランス語の俗語まではわかりません。とりあえず、3に対する違和感をうめたところです。
僕が見たものは、
フランスの化粧品大手の特許の説明書きです。
多分原文はフランス語で書かれていたんじゃないのかな?
その説明書きの日本語訳の要約が僕の質問文です。
何を指しているのやら……
(まさか、ありもしない事実を大メーカーが堂々と特許の文書に書くことは無いと思うんだけど…)
フランス語はあきらめて英語の文献を探したところ、どうやら戦間期(1920-40年代)の米国では、manicurist=マニキュア屋、は売春斡旋業(そこではたらく女性に売春させる)というサブカルチャー的な連想をよぶことがあるようだ、とわかりました。
1937年のハリウッド映画"Slaves in Bondage"(DVD:)
http://www.amazon.com/gp/product/B0002W4UAM/002-7574600-2225633?...
で、Plot Summary とMichael Favarailleのレビューとであらすじをたどると、beauticean=美容師、owner of beauty parlor =美容室の持ち主、が、そこに働きにきている女性を売春の道にすすませる、とあります。ここでは単に美容院ですが、
別な文献:"The Golden age of exploitation"の2回目:
http://www.imagesjournal.com/issue08/features/exploitation/text2...
で、"Road to win"という図の下のBretの発言で、
このSlaves in Bondageという映画について、manicurist shop(マニキュア店)で働く女性が、この店が売春の最前線と気付く、という表現をしています。
これだけだとたまたまこの映画がと思われるかもしれませんが、実はこの文献は、米国ハリウッドの映画産業の興隆について関係者にインタビューしているものですが、ハリウッド映画のステロタイプとして5つの類型をあげ、一つ目がドラッグ、そして二つ目にwayward womenとして、堕落していく女性をあげています。そして、その代表例として、この映画をあげているものです。したがって、「マニキュアをする女性=いかがわしい女性」という連想が働くことがわかります。
ただ、現在そのような類型的な連想がなくなっているとすれば、一つはネイル・ラッカーなどによりマニキュア術の一部が大衆化してきたからかもしれません。そこまでの調査はおよびませんでした。
ありがとうございました。
さきほども書いたとおり、超元文献はフランス語で書かれていたであろう、ということだけで、
もしかしてその意味するところはinternationalな意味orUS国内向けの意味だったのかもしれません。
ラテン語で 『マヌス・キュア』 が変化したもので、manus(マヌス)が手、cure(キュア)が手入れという意味で、爪と手首を含む”手の手入れ”をさしています。
ペディキュアは 『ぺディス・キュア』 が変化したもので、pedis(ぺディス)が足という意味で、”足の手入れ”をさしています。
ネイリストの検定などでは必ず試験に出る項目なので・・・。
私も検定で勉強しました。
それはいいんですが、それが一体どういう悪い意味を指し得るのかを聞いているのです!
ありがとうございます。
今後も、より詳しい回答をお待ちしております。
(URLもあるとbetter)