怒る、叱る、言葉で説明して理解させる・・・その他色々あると思います。説明して、理解したけどなかなか実際の行動につながらない中学3年生(特に勉強面)について、どのようにサポートしますか。
今の所、根気強く説明して、言って聞かせています。その時ばかりは「分かりました。言う通りです。やります。希望校には行きたいです。」と言うのですが、次の日になるといいわけばかりしてあまり行動にはつながりません。
「命に関わる事に関しては、力ずくも含めてあらゆる手段を使って止めれば良い。」このあたりは、大体そんな感じがしますが、それ以外の部分は、どうしたもんだか。親がしかってもあまりこたえてないようだし、まさかに体罰ってわけにも行きませんし。
「勉強が出来なくて、希望の高校に行かれなくて困るのは本人なのだから、ほっとけ。」というのも、確かに正論ではあるのですが、家庭教師をしている私としては、親からのリクエストもあり、現実的にはそういうわけにもいかないもので・・・。
無理やり勉強させてさらに勉強嫌いになったところをまた無理やり勉強させ続けるのはどう考えても負のスパイラル。
せっかくマンツーマンで教えられるチャンスにあるのですから、そういう負の連鎖を断ち切れるところまではいかなくとも、そういう努力をしてくれた先生と出会い、教わったという経験がその子にとってかけがえのない力になるんじゃないかと思います。
あ、といってもやたら手取り足取り構うだけが楽しい勉強とは限らないのが難しいですか。延々とパズルを解かせて自分で考える力を養わせるという塾もあったりするそうですから。
その辺は阿吽の呼吸というか、人間力?
どんなに受験に意欲を燃やしている生徒でも、学ぶ楽しさや喜びを掴んでいない生徒の場合、なかなか成果が上がらないですよね。周りに負けたくないからとか、受験が不安だからという動機で勉強に取り組んでいる状態では、どんなに「やる気」のある生徒でも限界があるんです。
そこで、生徒の個性を最大限に生かせる君だけの先生、「家庭教師」の出番になるわけじゃないですか。普通、良くできる生徒に対しても、そこが基本なんですよ。
中学生の段階は学問の基礎を固める段階ですから、目的意識だけじゃ息切れしてしまうんです。ただ目標を設定して、そこに向かわせるだけじゃ燃料不足なんです。そこで、学ぶということはこんなに面白い、自分が成長する実感を得るということは快感だ、そういう「目覚め」を提供してやるわけですね。それが上手くできれば、生徒は教える側の予測を遥かに超えて伸びていける可能性が出てくるわけです。
良くできる子に対してさえそうなんですから、元々やる気のない生徒に、どんな目的意識を説いても、どんな目標を与えても、思い通りになんて動いてくれるはずがないわけです。
むしろ、今は本当は勉強が嫌で嫌で仕方がない、というのが正直な所じゃないですかね。
とにかく生徒の個性をよく掴んで、学ぶ喜びというのを実感させることが先決です。まずはちょっと受験勉強から離れて、生徒が今何を考えているのか、それを綿密に知る所から始めてみましょうよ。
人生って何なのか。生きる目的って何なのか。生きる喜びって何なのか。そんなメタな所からじっくり討論しあってみるのがいいと思います。その中から必ず、どう誘導していけば学ぶ意義とその喜びが掴めていくか、方針が立ってくるはずです。
案外、そんな人生論を戦わせていると、けっこう中学生に教えられますよ。そこを伸ばしてやればいいんです。ご健闘ください。