短い文章で読者にその場にいるような想像をさせる文章能力がある小説家、そのことがうかがえる作品を教えてください。
シリーズ物なのですが、
「精霊の守り人」という本で、
上橋菜穂子さん/作 二木真希子さん/絵 です。
絵は可愛い形とか、かっこいい形ではなく、
「人」という感じです。
ですが、あまり挿絵はありません(-ロ-;
私のおすすめの本なので読んで見てください。
ファンタジーですか、おもしろそうです
宮本輝です。
宮本輝は「蛍川」で芥川賞に入賞しましたが最後の描写の美しさが絶賛されていました。
宮本輝は特に前期の作品はどれを読んでも引き込まれ、描写の美しさに想像を豊かにされ、読後に様々な感動を覚えたのを覚えています。
私のオススメはやはり蛍川、泥の川、道頓堀川などです。
↓は手紙のやり取りだけで全てを描写し、そういった作品を見ても描写力があるなと思います。
「螢川」ぜひ呼んでみます。すばらしい本と出会える気がします。
宮本輝、興味深い人物ですね。
どうもありがとうございました。
http://www.amazon.co.jp/この人の閾-保坂-和志/dp/4101449228/sr=1-1/qid=1168084768/ref=sr_1_1/250-2476353-4419417?ie=UTF8&s=books
保坂和志「この人の閾」をおすすめします。
この短編の中に出てくる小学生の男の子の台詞は、ホンモノです。
かくなるまでにリアルな会話は、ちょっと読んだ記憶がありませんでした。最後までなにも起こらない小説ですが、短いですし、いかがでしょう。
ありがとうございます。本物のせりふ、気になります。
何も起こらない系の、けっこう好みです
ミュージシャンでもあるせいか、流れるような描写が好きです。HPでは「愛情路線」という日記のようなメッセージも公開されていますが、日常のひとときの描写など、パリでの生活が目の前にみえてくるようです。
http://www.j-tsuji-h.com/html/from_tsuji/index.htm
ありがとうございます。
ミュージシャンの中にはたまに言葉のセンスがすばらしい人がいますよね
花村萬月さん、いかがでしょうか。
花村さんの小説は、いわゆるプロットを決めずに書かれているものがほとんどなく、文章の積み上げで作品ができている印象があります。その文章も装飾過多なものではなく、非常に機能的です。
私が解説を書いた作品で恐縮なのですが、たとえば初期作品『狼の領分』の冒頭など、少ない文章で情景を説明していく技能が非常に優れています。
http://www.amazon.co.jp/%E7%8B%BC%E3%81%AE%E9%A0%98%E5%88%86-%E8...
(解説で、花村作品の文体について触れています)
最近の花村作品は大部なものが多いのですが、その中でもさらに長い『たびを』はロード・ノヴェルなので、日本全国の情景を楽しく読むことができます。
http://www.amazon.co.jp/%E3%81%9F%E3%81%B3%E3%82%92-%E8%8A%B1%E6...
ありがとうございます。
ゴテゴテしてない研ぎ澄まされたされた文章は大好きです。花村萬月もとても興味深い作家さんですね。
「描写」という言葉で真っ先に思い浮かんだ作家は向田邦子でした。もしかしたら質問者様が求められている「描写」というのははどちらかというと「風景描写」のほうなのかもしれません。もしそうだとしたら少し違うのかもしれませんが、「人物描写」という点では向田邦子ぐらい生き生きと人物描写をできる作家はいないと個人的には思っており、「描写がうまい作家」としてぜひお薦めしたくてご紹介いたしました。
作品としてお薦めしたいのは映画にもなっている「阿修羅のごとく」です。読んでからのお楽しみということでストーリーはあえて申し上げませんが、簡単に言ってしまえば老夫婦とその娘四姉妹のそれぞれの一筋縄ではいかない生活を語る感じです。単純にストーリーだけを見れば登場人物たちは結構ドロドロしたことをしているのですが、それを感じさせずあっけらかんと表現し、いつのまにか登場人物たちに自分を重ねてしまう身近さ・親近感を兼ね備えているのが向田作品だと思っています。
作家によっては一見人物描写に長けているように見えても、自分自身の感覚に偏り(おそらくどの作家もいろんな人物像を描こうとするとき、自分自身の性格や感覚の多角的な部分をひとつひとつ切り離しながらそれをふくらませてさまざまな人物を描いているのだと思うのですが)、どの登場人物にも無意識のうちに同じような投影をしてしまい、登場人物によってあまり変化がなくあまりおもしろくないものもあります。
そういう意味で向田作品から感じることは、登場人物がいい意味で「切り離されている」ということです。つまりどの登場人物にも「一人の人間(作家自身)から枝分かれして生まれた」という感じではなく「それぞれが個性を持って生き生きとした独立した人物」として感じられるところです。徹底してこれができる作家は稀有だと思います。人物描写に長けていると感じられるのはおそらくそういうことができる向田邦子という作家のすごさにあるのではないかと思います。
ありがとうございます。向田邦子さんの書く人間を読んでみたくなりました。
「描写」と言うのは確かにあいまいなな表現でしたね。風景描写や人物描写ももちろんですが、「目に見えない空気」を描写できる、しかも易しい言葉の組み合わせでシンプルに表している文章を探しています。
ありがとうございます