*実際にIT業界での勤務経験のある方への質問です。
問題設定:日本社会におけるITの現状と可能性
1)現代社会においてITの果たしてきた役割とはどのようなものであったか
2)ITは、今後どのような役割を果たし得るか、その可能性はどのようなものがあるか。
上記の質問について、あなたの経験を踏まえつつ、新卒未経験者を対象に説明すると想定しつつご意見をお聞かせください。
【解説】
あるIT企業の新卒説明会の資料を作成しています。そこで、
「IT業界の可能性」
というテーマで30分程度のプレゼンの資料作成を現在行っています。
そこで、切り口として上記の2点を軸にしたプレゼン構成にしたいと考え、現在資料を作成中です。
ところが、どうしても自分は経験が浅く、いまいち現場の実感を反映した内容になりません。そこで、はてなの知識と経験豊富な皆様のお知恵を拝借したいと思い、質問に及んだ次第です。
どうか皆様のお知恵をお貸しください。よろしくお願い致します。
1)現代社会においてITの果たしてきた役割とはどのようなものであったか
ITはInformation Technology、つまり情報工学です。太古の昔、情報は口頭で、口伝で伝えるしかありませんでした。しかし一度人が言葉や絵を土や紙に書くことを覚えると、それは永い時と大陸を越えて情報は伝わるようになりました。これを「有史」というのですから、人の歴史は情報の歴史でもあります。
ITと呼ばれるものが発達し、今までは物体に書いてその物体を運ぶしかなかった情報の伝達手段が、電気信号によって一瞬に大量の情報が遥か遠くへ伝えられるようになりました。以降、50年前から人間は、如何に情報を紙から電子データへ移行するかに躍起になってきました。手作業を自動化、それが10数年前までのITのメインテーマでもありました。
そして、大方重要なデータが電子化されると、インターネットの普及によってその情報は一般に流通するようになり、今度はその情報を如何に多くの人が上手に利用するか注目され始めました。パソコンの普及によって一般家庭にも多大な情報が流入し、携帯電話・PDAの普及によって情報は人に携帯されるようになりました。そして24時間、リアルタイムでその情報は人と世界を行き来するようになりました。ある瞬間に発生した情報が遠く離れた多くの人々の行動を大きく左右するようになったのです。
すると、今度はその情報で如何に人を、社会を制御するかが注目されるようになりました。と言うのも、ブログやいわゆるWeb2.0と言われる技術の普及により、一般の人々も情報を発信する側に回ることが出来るようになり、潜在的に全ての人々が人を、社会を動かす力を持ち始めたからです。今まで情報は企業や組織のもので、それらが人々をコントロールしてきましたが、今は企業や組織が個人の情報の操作に便乗するようにもなってきました。
今この瞬間、ITは「全ての人々に世界を見渡し動かす力」を与え、同時にそれらを制御統制する役割を果たさなければならなくなっています。
2)ITは、今後どのような役割を果たし得るか、その可能性はどのようなものがあるか。
このようなITが今後どのような方向へ進んでいくのか。上記の最近のITの流れは「全ての情報を集約する」という壮大な目標を掲げたGoogleが見事に体現しています。彼らがこのまま「全ての情報を集約」し終えた時、何が起こるでしょうか。
全ての情報、それは今まで人が重要だと思って紙から電子情報へと移してきたものだけでなく、全てのものの全ての情報 - 貴方の家の冷蔵庫の中身から、「そんなまさか!」と考えている貴方の頭の中まで - が電子化され、自由にアクセスできるようになることを意味します。また、全ての人が発する言葉、行動が全て記録され、共有されることも意味します。
熱いお湯が冷めるように、水が山から海へ流れるように、一旦自由度を持った情報は偏りなく全ての人々に共有されます。今はまだ専門家の仕事とされている作業も、ホームページがブログに置き換わられたように、やがて全ての人々が自分の好きなように扱えるものになります。情報格差と言ったものはやがて無くなって行くでしょう。ITは営利企業の介入しない、芸術やエンターテイメントのメディアとなり、IT自身も営利企業の手から離れていくでしょう。
ITはやがて水道や電気のように営利企業の提供物ではなく公共インフラ基盤となるでしょう。企業の商品の主流はITによるサービスとなり、IT業界自身はシステムを作ることを生業とする時代は終わり、ITによって提供されるサービスを想像する業種へと移行するでしょう。
正にこの瞬間は、その時代の狭間、過渡期と言えるのではないでしょうか。
1)現代社会においてITの果たしてきた役割とはどのようなものであったか
ITてかなり漠然として広範囲な分野だと思うが。
IT=基本メール・WEB・ネットワーク通信と考える
Q:内装デザインですが、データの受け渡しが便利になった。
メールでの受け渡しが無かったら 郵送もしく取引先まで直接出向くしかな無かったのかな?と思います。FAXでも代用が可能?と思いますが、細かい図面や色となるとやっぱりメールが便利。
特に業者やお客様との原案提出、校正、訂正、決定。その後の発注までオフィスに居ながらできるようになった。(実際は顔合せは必要だが・・・。)
・また大手では経理・事務的な手間の削減が大きいと思う。
納品書を作れば そのまま貸借対照表まで反映される等
・またニュース等では、複数の会社の比較が容易になったのもある
・ゲームセンターでもネットワーク型大戦麻雀なので人対人の新しい楽しみ方が出来た。
・通信カラオケもありますね、LDやカッセトをいちいち買わず済む。最新の曲がより速く、設備的にも小さくなった。
2)ITは、今後どのような役割を果たし得るか、その可能性はどのようなものがあるか。
※無限に広がる可能性がある
・誰でも簡単に接続できて
・誰でもそのサービスを提供する側に回れて(今はブログのような感覚で)
・そしてタダで
具体例に富んでいて、とても参考になりました。
そういえば、メールのない時代なんていうのもあったんですねぇ…。
1)現代社会においてITの果たしてきた役割とはどのようなものであったか
ITはInformation Technology、つまり情報工学です。太古の昔、情報は口頭で、口伝で伝えるしかありませんでした。しかし一度人が言葉や絵を土や紙に書くことを覚えると、それは永い時と大陸を越えて情報は伝わるようになりました。これを「有史」というのですから、人の歴史は情報の歴史でもあります。
ITと呼ばれるものが発達し、今までは物体に書いてその物体を運ぶしかなかった情報の伝達手段が、電気信号によって一瞬に大量の情報が遥か遠くへ伝えられるようになりました。以降、50年前から人間は、如何に情報を紙から電子データへ移行するかに躍起になってきました。手作業を自動化、それが10数年前までのITのメインテーマでもありました。
そして、大方重要なデータが電子化されると、インターネットの普及によってその情報は一般に流通するようになり、今度はその情報を如何に多くの人が上手に利用するか注目され始めました。パソコンの普及によって一般家庭にも多大な情報が流入し、携帯電話・PDAの普及によって情報は人に携帯されるようになりました。そして24時間、リアルタイムでその情報は人と世界を行き来するようになりました。ある瞬間に発生した情報が遠く離れた多くの人々の行動を大きく左右するようになったのです。
すると、今度はその情報で如何に人を、社会を制御するかが注目されるようになりました。と言うのも、ブログやいわゆるWeb2.0と言われる技術の普及により、一般の人々も情報を発信する側に回ることが出来るようになり、潜在的に全ての人々が人を、社会を動かす力を持ち始めたからです。今まで情報は企業や組織のもので、それらが人々をコントロールしてきましたが、今は企業や組織が個人の情報の操作に便乗するようにもなってきました。
今この瞬間、ITは「全ての人々に世界を見渡し動かす力」を与え、同時にそれらを制御統制する役割を果たさなければならなくなっています。
2)ITは、今後どのような役割を果たし得るか、その可能性はどのようなものがあるか。
このようなITが今後どのような方向へ進んでいくのか。上記の最近のITの流れは「全ての情報を集約する」という壮大な目標を掲げたGoogleが見事に体現しています。彼らがこのまま「全ての情報を集約」し終えた時、何が起こるでしょうか。
全ての情報、それは今まで人が重要だと思って紙から電子情報へと移してきたものだけでなく、全てのものの全ての情報 - 貴方の家の冷蔵庫の中身から、「そんなまさか!」と考えている貴方の頭の中まで - が電子化され、自由にアクセスできるようになることを意味します。また、全ての人が発する言葉、行動が全て記録され、共有されることも意味します。
熱いお湯が冷めるように、水が山から海へ流れるように、一旦自由度を持った情報は偏りなく全ての人々に共有されます。今はまだ専門家の仕事とされている作業も、ホームページがブログに置き換わられたように、やがて全ての人々が自分の好きなように扱えるものになります。情報格差と言ったものはやがて無くなって行くでしょう。ITは営利企業の介入しない、芸術やエンターテイメントのメディアとなり、IT自身も営利企業の手から離れていくでしょう。
ITはやがて水道や電気のように営利企業の提供物ではなく公共インフラ基盤となるでしょう。企業の商品の主流はITによるサービスとなり、IT業界自身はシステムを作ることを生業とする時代は終わり、ITによって提供されるサービスを想像する業種へと移行するでしょう。
正にこの瞬間は、その時代の狭間、過渡期と言えるのではないでしょうか。
人類と情報の歴史に焦点をあてたひとつのストーリーとしてとても納得のいく内容でした。とても頭の中が整理できましたし、示唆を受けました。ありがとうございます。
ITというのをInternetTechnologyとするのか、InformationTechnologyとするのか?仮にIT企業の新入社員として、何を得意とする企業かによっても内容が変わります。
取りあえず業務アプリを企業向けに開発している会社としましょう。
情報という言葉の語源はご存知でしょうか?フランス語のrenseignementです。これは明治9年に翻訳された陸軍の教科書で初めて使われました。面白いことにドイツ語にはrenseignementに相当するNachrichtという言葉があるのに対して英語にはそれがありません。何故でしょう?
実は簡単な理由です。フランスとドイツとの国境には山や森があります。だから「敵が攻めてきた」というだけで充分の価値があります。反撃を開始しなければならないまで時間の余裕がありませんから。イギリスは島国ですから敵は船で海を渡って攻めてきます。ちょっとした高台に上れば遥か遠くに見えます。反撃までの余裕は充分すぎる程あります。だから「敵が攻めてきた」だけではなく、戦艦が何隻、小型の駆逐艦が何隻、上陸用の小型船が何隻と数えることができますし、それを聞いてから反撃の準備を始めて間に合うのです。つまり、Informationがあれば間に合うのです。
緒戦はこれでいいでしょう。長く戦っていると敵のInformationが蓄積されてきます。この前はこう攻めてきた、じゃぁ今度はこう攻めてくるだろうと予想したくなります。Informationを蓄積して判断を加えるとIntelligenceになります。
さてITが現代社会に果たした役割は個人がIntelligenceを発揮できるようにしたと考えます。
昔は職場の女性の役割は朝男性社員より早く来て、机を掃除して、鉛筆を削る、男性社員が出勤してきたらタイムカードをチェックして給料計算したり、出張旅費の清算をし、汚い字で書かれた見積書をキレイに書き直す。必要があればお客様に届けるそんな雑用をしていました。
今はそんな仕事はありません。鉛筆は使いませんし、OTRから出勤データが給与計算システムに転送され、見積書も見積り作成支援システムから印刷されます。もっと言えば、電子メールで届けることもあるでしょう。
現在、多くの女性が男性と同じ仕事をしています。ITが現代社会に果たした役割はここなのです。
昔は調べ物をするのに、図書館に行って借りてくるか本屋で買ってくるか立ち読みするしかありませんでしたが、今なら自宅や会社からインターネットで検索すれば事足ります。
そして昔は一部の人を除いて、大声で喋るか新聞に投書する以外に大勢の人に伝える手段はありませんでしたが、HPで発表する事で全世界に伝える事ができます。東芝クレーマー事件というのがありましたが、ネット社会において一企業より一個人の方が強くなれることを証明したいい例だと私は考えます。
今後のことはe-Japanの計画を見ていただくのが一番いいのですが、私が勧めるのは制約や障壁をなくしていくということですね。
例えば、遠隔医療が進めば名医がいなくても診察を受けることができますし、役場に行かなくても色々の手続きができてしまいます。
身体障害者でも仕事ができるようになってきましたし、学校を卒業していない若者でも社長になれる世の中になってきています。
http://ccs.cla.kobe-u.ac.jp/Jouhou/kyoukan/Ono/joho_rep/940331.h...
>個人がIntelligenceを発揮できるようにした
これは素晴らしいフレーズですね。そのとおりだと思います。こういった、ある種の超マクロなスケールで情報社会を見ると、とても示唆的でまた面白くもあります。個人的にぜひ勉強して認識を深めていきたいものです。
リンク先も非常に参考になりました。ありがとうございます。
人類と情報の歴史に焦点をあてたひとつのストーリーとしてとても納得のいく内容でした。とても頭の中が整理できましたし、示唆を受けました。ありがとうございます。