文章部門――オリジナル創作文章を募集します。最優秀作品には、200pt進呈します。
小説部門 - 400字程度。「萌理学園」が舞台です。
原作部門 - 200字程度。「萌理学園」の設定(人物・組織・場所・逸話など)です。
イラスト部門――オリジナル創作イラストを募集します。最優秀作品には1000pt進呈します。
「萌理学園」が舞台です(制服のデザイン http://f.hatena.ne.jp/sirouto2/20070211011903)。最大600×600のサイズ・JPG・GIF・PNGの画像形式でお願いします。回答で直接画像を貼るか、またはリンクしてください。
小説・イラスト共通のお題――「ホワイトデー」「卒業(式・旅行など)」「入学式」「春休み」「桜(花見など)」(複数選択可。入れなくても参加できますが、賞の選考外)
今回は4月1日いっぱいの締切を予定しています。投稿作については、「萌え理論Magazine」「萌え理論Gallery」「萌理Wiki」への転載をご了承ください。「萌理学園」の設定に基づく二次創作は、誰でも自由に制作可能です。他詳細は開催元の「萌え理論Magazine(http://d.hatena.ne.jp/ama2/)」をご覧下さい。
世界ガール
――ロンド、ロンド。
そう言って無邪気に笑う。いいや、キミが無邪気ではないことはボクも重々承知なのだ。
目にたまる雫を指ですくってキミがなめてくれる。
卒業式の後、ウチでは平行世界のパーティが行われるのは既に周知のことであるが、ボクと彼女はダンスパーティの世界を選択した。
――乙女は駆け足で駆けて行くのよ。
パーティードレスの裾をつまみながら階段を駆け上る、はしたないキミ。
物語というものは期限があるから美しく輝く、駆け足で駆けていく若さと同じように。
なんにせよ、ボクはイマを楽しむために綺麗な引き際を求めた。
終わらない若さなど、意地汚い夢への固執であろうし、現実の逃避である事はボクも分かっているつもりだ。
永遠とは停滞と逃避と思い出の中にしかないということも。
バルコニーへ出ると溜息が出るほどの桃色の吹雪。もうボクは、息をする事もままならない。
クルクルとまわるキミ、遠心力でスカートがふわりと浮き上がる。
辛くもないのに、今日はやけに眠たい。春の陽気せい、だろうか?
もう、ボクは思い出になってしまうだろろうけれど。ここにはキミがいる。
そんな、世界がある。
世界ガール
――ロンド、ロンド。
そう言って無邪気に笑う。いいや、キミが無邪気ではないことはボクも重々承知なのだ。
目にたまる雫を指ですくってキミがなめてくれる。
卒業式の後、ウチでは平行世界のパーティが行われるのは既に周知のことであるが、ボクと彼女はダンスパーティの世界を選択した。
――乙女は駆け足で駆けて行くのよ。
パーティードレスの裾をつまみながら階段を駆け上る、はしたないキミ。
物語というものは期限があるから美しく輝く、駆け足で駆けていく若さと同じように。
なんにせよ、ボクはイマを楽しむために綺麗な引き際を求めた。
終わらない若さなど、意地汚い夢への固執であろうし、現実の逃避である事はボクも分かっているつもりだ。
永遠とは停滞と逃避と思い出の中にしかないということも。
バルコニーへ出ると溜息が出るほどの桃色の吹雪。もうボクは、息をする事もままならない。
クルクルとまわるキミ、遠心力でスカートがふわりと浮き上がる。
辛くもないのに、今日はやけに眠たい。春の陽気せい、だろうか?
もう、ボクは思い出になってしまうだろろうけれど。ここにはキミがいる。
そんな、世界がある。
投稿ありがとうございます。一番乗り。
タイトルの印象が強くて良いですね。
(舞城の「阿修羅ガール」的かも)
全体的に詩的で示唆的なのですが
「永遠とは停滞と逃避と思い出の中にしかない」
これは鋭い言葉ですね。ビューティフルドリーマー。
『ヘンリエッタ・リリ・篠塚』
いちおう3年C組だが、かなりのレアキャラ。デルモ体型でアンニュイな美人。衝撃のリリ姫さま/即死エンカウント/人間爆弾低気圧/萌理のビグ=ザム/リリちゃん目怖っ/など多くの異名を持ち、下級生からはほとんど怪談扱いされているが、その実は萌理にも数人しかいない戦略級戦力生徒である。あまりに強烈なキックは蹴られた者の人生観すら変えるという。
1年の頃は真面目で引っ込み思案なおとなしい子だったらしい。3年を中心に少数だが熱烈なファンが存在。
―――――
今回は、メインに据えて謎と華があり、サブとしてみると機能(この場合はデウス・エクス・マキナ)がはっきりしているキャラクタを目指してみましたです。
投稿ありがとうございます。
謎と華…格闘ゲームの
「春麗」「キャミイ」「モリガン」
みたいな感じでしょうか。
投稿ありがとうございます。
やはりこの時期は桜の季節ですね。
この娘が待っている相手は…?
『緋徒花』
私はその日、生まれて初めて兄が泣く横顔を見た。
黒い光沢の筒と花束を手に、門部が掲げる華やかなアーチをくぐり、巣立っていく最上級生たち。
兄が虚ろな視線を投げかける、その誇らしげで、どこか寂しげな顔の群衆に、先輩の姿はない。
兄が快美な恋を交わした女性の――姿はない。
無意識に兄の詰襟の袖を掴んだ私の指先が、色を失い軋む。
先輩の親友だった女性がこちらに会釈していったことにすら、気づかない兄は。
ただ静かに、一条の雫で頬を濡らしていた。
先輩の失踪の事実を知ったそのときですら、決して折れることのなかった。
張り詰め続けた兄の心が瓦解する音を聞いた。
私は並木の中、一際古く、太い幹の元に駆け寄り、身を翻す。
さあ、と清冽な風が花唇を吹きあげる。
空を、全てのあわいを、染めあげる。
「ねえ、お兄ちゃん。知ってる? ――桜が、緋い理由」
投稿ありがとうございます。卒業と別れの季節を描いています。
最後が意味深長ですが…妹だけが知っている結末でしょうか。
タイトルが独自で、ラストの怖い落ちも綺麗に決まっています。
小説部門です。
『望月さんが僕の肩を撫でた。嫌な感じがした。』
教室にはもう、僕と彼女しかいなかった。
「なんで帰らないの」
そういったのは望月さん。
僕が帰らないのは、二月に僕にチョコをくれた女の子を呼び出したからだ。
もちろん、その女の子は望月さんではない。
僕は彼女に答えない。かまってはいけない。きっと調子に乗る。
望月さんが僕の靴と靴下を脱がして、足の指の間に彼女の手の指を滑り込ませた。
彼女の指は冷たかった。素足に触れる空気はぬるかった。
彼女は指をすりすりと往復させる。
僕は彼女を気にしない意思を強めた。
彼女が指の往復を止めた。
こんどは、僕のカバンを開けて中を探り出した。
笑ってる。何か面白いものでもあったのだろう。
カバンを探る手が止まった。
望月さんは望月さんへのものではないホワイトデーのプレゼントを手に取ると、窓から外へ投げた。
望月さんは、僕の耳に触れてから、顔に胸を押し付けた。
柔らかい胸を押し付けられて、ほとんど無くなった視界の片隅に、ドアからこちらを覗く女の子がいる。
ごめんね。
僕は望月さんの背中に手を回す。
(おわり)
投稿ありがとうございます。
「足の指の間に彼女の手の指を滑り込ませた。」
ええー足の指の股って垢が溜まりそうですが、
(四コマ漫画の「×(ペケ)」のネタであった)
つい触りたくなる美脚なんでしょうか。
>望月さん曰く「意外ときれいにしてる」とのことでした。
マメにお手入れして清潔感を保つのが、
モテのコツなんですね。
彼女たちの緊張が伝わってくるようだ。
体育館に集まった新入生達に生徒会長の菟剣司朗は壇上から祝いの言葉を送った。
「何をニヤニヤして見てるんだよ」
それをこの男、西条幸樹は新入生達の席を見下ろしている。
「今年、俺の彼女が入学してきたのさ。これから同じ学園で生活出来ると思うと、ほら」
馬鹿か、と思ってしまった。
それで放送委員の仕事をサボって、壇上の端から新入生を見ているのか。
後で菟剣に怒られても知らないぞ。上級生がしっかりしてないでどうするのだ。
「それで、どの娘だよ」
西条の指差す方を見ると、まるで人形のような子が座っていた。
艶やかな黒髪が肩に掛かる。淡いピンク色の唇は少女の象徴。
彼女が西条のものであると認める訳にはいかないと思った。
彼女には私の方が相応しい。
入学式が終ったら直ぐに声を掛けに行こう。
彼女も西条より私が好きになるに決まっている。
投稿ありがとうございます。入学早々軟派。
「今年、俺の彼女が入学してきたのさ」
これはたまたまなのか、西条に合わせて入学してきたのか。
想像の余地がありますね。
「萌理学園校歌」
生徒の個性が強い萌理学園では校歌も個性的です。
校歌製作委員会が存在し一年毎に歌詞を更新します。コードは固定でアレンジ可です。
歌詞は委員会が作ります。多くは生徒の創作ですが外注する場合もあり、卒業生を自分達の作った校歌で送る事が卒業式の名物になっています。
一昨年はバラードで題は「ホノオ」、見所は中盤の合唱部ホープによる独唱でした。
なお昨年はシャウトから始まるデスメタルだった為物議を醸しています。
――――――――――
合唱部との愛憎入り混じった確執や詩人(歌詞外注用)との微妙な齟齬(キュラギ時空関連)も入れたかった・・・。ともあれ校歌です。学園物には必須です。
投稿ありがとうございます。
毎年変わるアレンジ可の校歌とは斬新ですね。
最近で校歌を歌うのは「まなびストレート」で、
ノスタルジックな感情を込めていましたが、
これはライブ感重視の校歌でしょうか。
桜花チルアウト
私がその少女に強く惹かれたのは、鋭利で無垢な感情が雨中の子猫のように私の情懐に切り付けてきたからである。
先刻からずっと眺めていた少女。彼女はつい先刻、強く愛情を希求し、それが満たされなかった状態にあった。精神は一種の昂揚に、滂沱の涙を流している。
「噂なんか、嘘っぱちだ……ひぐっ」
桜の樹には伝説がある。桜の樹の下で告白すれば失敗しないという伝説である。
失敗例をまだ聞かぬのだから、凡そ真実なのであろう。
立ち行かぬのなら、消去すれば宜しい。
そっとその少女の目蓋に触れると、彼女は驚きに顔を上げた。
彼女の眼には、私は黒髪麗容の少女に見える筈だ。
「忘れたいの?」
「……うん」
「なら」
艶々とした唇を咥え、そこから息を吹き込む。
「私にはそれが出来るわ」
「……あっ……!」
「楽にして」
「んふ……」
小さく甘美な吐息が漏れる。
「貴方の中に入って、拡散して上げるから」
共同幻想に基づき或る者は私を妖精と呼ぶ。
謂わば集合的無意識の集約である。
だが。
だが私は、何故此処に居たのだろうか――?
私は少女の繊細で犀利な網脈を擦過する自意識である。
私は今、産まれた。
投稿ありがとうございます。
「ダカーポ」とか「季節を抱きしめて」とか
ありますが、なるほどそうきましたか…。
桜だけ百合っぽくて良い感じですね。
投稿ありがとうございます。
ガラッと作風変わりました。
金髪が月みたいに見えます。
確かにこれは萌えますね…。
タイトル『抱擁症候群』
昼に会った。話をした。笑った。しかし、忘れていた。
確か一週間前。去年はホワイトデーにお返しをするのを忘れてしまい、翌日彼女に病院送りにされた彼氏がいましたよ、だからホワイトデーにはお返しをしましょうね、というウチの生徒会らしい物騒な「警告」があって、確かに俺の彼女であるところの梓は色々メンタルに不安を抱えてはいるが去年俺と付き合い始めてからは安定してるというしそんなことするわけ、いやそもそも俺はそんなことしないぜと三倍返し(推定)の睡眠薬を入手して、今日忘れずに持ってきたのに渡すのを忘れた。
気がつくとTVには筑紫が映ってるし梓の端末は通じない。ヤバい。俺は学園に走った。
夜の学園に着く。23時55分。場所は判っていた。俺は走って、走って、
保健室のベッドにちょこんと座っている梓を見つける。
保健室登下校な梓は一日中ずっとここで待っていたのだ!
「ごめん!」
プレゼントを渡す。梓は泣いていたが、やがて無言で俺に抱きついてくる。それも強く、強く。
静かな保健室にはそこはかとなく一件落着の気配が漂い、俺は安心する。ごめんな梓。
梓?そんなにきつく抱きつかれたら、首が――ひょっとして、間に合わなかった?
(終)
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・また文字数を超過してしまいました(499字)。毎度すいません。
・萌理賞投稿作品っぽくしたつもりなのですが、アレな感じに。難しいですね。
・以上。今月もお疲れ様です。
投稿ありがとうございます。
ヤンデレが人気傾向ですね。
タイトルでネタバレ気味ですが、
何となくお洒落な感じもします。
なにげに「保健室登下校」とか、
メンタルセレブじゃないですか。
イラスト部門でお願いします。
一応「桜」です
4月1日いっぱいって書いてありますけど…
大丈夫でしょうか?
投稿ありがとうございます。大丈夫です。
爽やかな桜の風景に爽やかな男女ですね。
男「フフフ…」女「んもう!」みたいな、
シチュエーションも春風のように爽やか。
壇上で答辞を読み終えた元ミス萌理。
生徒会に所属し、萌理弁論大会でも優勝した才色兼備が礼をすると、マイクに桜の花が触れ、くすぐるような音がスピーカーから漏れた。
薄紅色の髪。その色よりも少し濃い甚三紅色をした桜の木が彼女の頭に生えている。
顔の色は紅緋色。小さくとも春麗らかな様子を精一杯体現する桜の分だけ、御辞儀の距離が長くなっていることを忘れるほど朦朧としている。
流行り風邪を引いてしまい、ふらつく足取り。
それでもなんとか席まで戻り、先輩は自分の役目を果たした。
卒業生が退場する前に、壇上で生徒会の引継ぎが行われる。
鳩倉先輩の頭から、白ランを着た前生徒会長が桜を静かに抜き、今年のミス萌理と二人三脚で桜を育てていく男子役員に手渡した。
卒業の悲しみと、門出を祝う喜びの水を吸い咲き乱れる桜道を、先輩たちが歩いていく。
薄紅色から黒髪になった鳩倉先輩と、Yシャツ姿になった前生徒会長。
頭の上で右側の枝が咲き誇っていたこともあり、彼女は彼の左肩に頭を預けた。
その後姿が、わたしにはどの桜よりも桃色に感じられたのだ。
投稿ありがとうございます。
格調高い文章で良いですね。
頭の木の話は「あたま山」
が元々は源流でしょう。
本編では次世代に受け継がれて。
投稿ありがとうございます。一番乗り。
タイトルの印象が強くて良いですね。
(舞城の「阿修羅ガール」的かも)
全体的に詩的で示唆的なのですが
「永遠とは停滞と逃避と思い出の中にしかない」
これは鋭い言葉ですね。ビューティフルドリーマー。