相談件数は平均4件/60分 , 平均相談時間 14分/件 ,相談窓口 1個とすると、
待ち行列理論 M/M/1 によれば、相談窓口の使用率は 14分x4件/60分 = 93%
平均待ち時間 = 0.93/(1-0.93) x 14分 = 186分 となります。
待ち行列理論によると、このケースでの平均待ち時間は約3時間となるのですが、
あまりに長い時間なので、感覚的に違和感があります。どこか考え方が間違っていないか指摘お願いします。
1時間に約15分の相談を4件をこなすことができる相談員が1人いて、
1時間に4件の相談があるわけですから、いつもたいてい誰か1人が窓口で相談している状況は想像できます。
でも待たなくてはならないのはその1人くらいではないでしょうか?であれば 15分も待てば次には自分の番が来ると考えるのが自然です。つまり、待ち時間は 15分~せいぜい30分程度ならわかるのですが。平均待ち時間が3時間というのは想像できません。それでも理論は正しいのでしょうか? わたしが納得できそうな回答をお願いします。
平均4件/60分
ある1時間を観測したときに4件の相談が来る確率は19.5%
5件 17.5%
6件 13.3%
7件 9.1%
8件 5.7%
9件 3.4%
:
:
という分布になります。(1件が1.5%, 2件が9%, 3件が16.8%)
4件/60分平均のポアソン分布を仮定したとき、60分あたり 4~9件くる確率が 68.5%、1~3件くる確率が 27.3% です。
このポアソン分布の感覚をまず感じ取りましょう。
60分あたりで8件や9件くる確率を足すと10%近くになっていることも注意です。
理想的なランダムさ(でたらめさ)で事象が起こることを仮定するのでこうなるわけです。
視覚化した方が楽なら、
http://www.ipc.shimane-u.ac.jp/food/kobayasi/poisson%20excel.htm
のμ=5の分布を眺めるのがいいんじゃないでしょうか。
ということで、今度は逆に、結果の"平均3時間"も日常的な感覚とは違うことを感じ取る必要があります。
ちょっと時間も割けないので数字は出せないのですが、ほとんどの相談者は1~2時間程度の待ち時間で終わっていて、ごくわずかの相談者が長時間待たされる、という感じの分布になるはずです。
この「長時間待たされたごくわずかの相談者」が平均を押し上げるのです。
ポアソン分布や待ち行列とは関係ありませんがこんなページ↓を見ると、"平均"の感覚の日常とのズレがぼんやりと分かるんじゃないでしょうか?
http://allabout.co.jp/finance/moneysingle/closeup/CU20040202/ind...
ちょっと話変わって。
待ち行列で、ρ=1の時、つまり平均到着率と平均サービス率が等しい時"平均の待ち行列長"は収束せずに無限大に発散します。
これはつまり、ある1時間を観察したときにどのぐらい待ち行列があるのか「全然予測できない」と解釈すればいいです。
似たような感じで、ρ≒1に近い仮定で分布図を書くと、すごく小さい値の線が、X軸にへばりついたように長く伸びます。
これも、どのぐらいの待ち行列長があっても不思議じゃない、どんな長さの待ち行列も同じぐらいの少ない確率で発生しうる、と解釈できます。
また話を戻すと、質問の"平均3時間"もグラフにすると、3時間の左側に山があるけれども、3時間の右側に"確率は低いが幅が広い帯"があるような雰囲気です。
待ち行列理論の"平均3時間"が、日常的な"平均3時間"の感覚と食い違っているイメージを書いてみたつもりですがいかがでしょうか。
病院を想定します。
1人10分検診+5分がロスタイムで平均一人15分かかるとします。
で、待ち時間は、3時間でしょうね。
人気のあるところは、もっと待たないと見てもらえないです。
私の経験した病院での長い待ち時間を想像しても、先生は2人で、10分/件で診察して
いました。私の到着した時に既に10名ほど待ちがありましたが、40-50分の待ち
時間でした。やはり3時間には程遠いと感じます。
ken33jp さんは、3時間待った経験があるのでしょうか?
是非とも、その状況を私も実感したいので、
4件/時間の訪問頻度であるという前提で、
もう少し詳しく状況を描写して教えてください。
腎臓結石ですげー痛いのに、予約無しのため、予約ありで朝イチから待ってるとても元気そうなご年配の方々20人くらいが優先で、先生3人、平均診察時間10分程度で、診察まで70分以上必死で痛いの堪えて待ってた経験のあるオイラがきましたよ。
…すみません、以下本題です。
あくまで待ち時間の平均値、理論上の計算なので、利用率ρ=0.933…など、ρ=1に近い場合は、現実としては想像し難い値にはなりそうな気がします。
平均到着間隔Ta= 15分, 平均サービス時間Ts=14分でなく、サービス時間が1分伸びて、Ta=Ts=15分であれば、利用率ρ=1で、待ち行列長L = ∞、平均待ち時間W = ∞ですよね。Ta<=Tsであれば窓口はさばき切れずサービス不能ってことです。
想像し難い原因としては、理論値 と 現実世界で実在する待ち行列とでは、以下の点で遊離があるからではないかと思います。(特に1行目):
到着頻度などをポアソン分布としてシミュレーションプログラムを書いて走らせると、ちゃんと理論値に近くなると思います。
首都圏で架線故障とか人身事故とか強風とかで、主要通勤路線が2,3本止まると、振り替え輸送の他社路線を含め、ホーム・改札にすごい行列ができるのを想像すると、ρ=1に近い場合も納得できそうな気が(個人的には)します。
なるほど。
ρ=1 に近い場合は想像しにくいとのことですが、
おっしゃるようなポアソン分布で、平均 4件/時間 のばらつきの
度合いがどの程度かで想像できそうな気がしてきました。
たとえば、9時の開店で、24件/時間 のお客さんが来たとします。
しかし、その後 10時~15時までは 0件/時間 だったとすると、24件目のお客さん
へのサービスが終了するのは15時になり、6時間待ったことになります。
この24名の平均待ち時間は約3時間ですね。
ポアソン分布というのは、平均4件/時間 という前提から、ピーク時6倍の
要求まで考慮たバラツキと考えることは正しいですか?
違和感の原因は,(待ち行列理論の)相談時間と到達間隔には「ばらつき」があることによるのだと思います.
もし,相談時間が14分きっかりで,お客さんの到達感覚もきっちり15分ごと,という状況を想定すると,お客さんは全く待つ必要はありません.
しかし,待ち行列理論では,
という前提でモデルが組み立てられているので,実際には両方とも(直感よりかなり大きい)ばらつきがあります.たとえば,到達間隔がきっちり15分ごとであったとしても,相談時間のほうにばらつきがあって,たまたま最初のお客さんの相談が1時間くらいかかってしまったとしたら,そのあと何人も待たされてしまいそうになるのは想像できますよね.また,お客さんのほうも数珠繋ぎになってやってきたり,しばらくの間全然お客さんがこなかったりします.忙しかったと思えば,閑古鳥が鳴いたりします.
すなわち,平均待ち時間が3時間だからといって,だいたいすべてのお客さんが3時間待つ,というお話ではなく,ばらつきによって待ち行列は伸びたり縮んでなくなったりします.全く待たないお客さんもいれば(サービス利用率が93%であれば,7%のお客さんは全く待たずに済みます),4時間以上,5時間以上待つお客さんもいることになります.ここらへんについては,乱数表などをつかって紙と鉛筆で上記の待ち行列をシミュレーションしてみると(とても簡単です)感覚的にもわかりやすいかな,と思います.
というわけで,モデル上の待ち時間が直感よりも長く感じるのは,この「ばらつき」に対する感覚が,モデルが仮定するより「理想的」な状態を想像してしまっているためではないかな,と想像します(私も直感的には「そんなに待たずに済みそうなのに」と思います).実際の生活でも,あまりに混んでいたらお客さんはあきらめて帰ってしまったりするので,モデルより平均待ち時間は短くなったりしますし.
なお,以下のURLは今まで私が見た中で最もわかりやすいと思われる待ち行列の説明です.
平均4件/60分
ある1時間を観測したときに4件の相談が来る確率は19.5%
5件 17.5%
6件 13.3%
7件 9.1%
8件 5.7%
9件 3.4%
:
:
という分布になります。(1件が1.5%, 2件が9%, 3件が16.8%)
4件/60分平均のポアソン分布を仮定したとき、60分あたり 4~9件くる確率が 68.5%、1~3件くる確率が 27.3% です。
このポアソン分布の感覚をまず感じ取りましょう。
60分あたりで8件や9件くる確率を足すと10%近くになっていることも注意です。
理想的なランダムさ(でたらめさ)で事象が起こることを仮定するのでこうなるわけです。
視覚化した方が楽なら、
http://www.ipc.shimane-u.ac.jp/food/kobayasi/poisson%20excel.htm
のμ=5の分布を眺めるのがいいんじゃないでしょうか。
ということで、今度は逆に、結果の"平均3時間"も日常的な感覚とは違うことを感じ取る必要があります。
ちょっと時間も割けないので数字は出せないのですが、ほとんどの相談者は1~2時間程度の待ち時間で終わっていて、ごくわずかの相談者が長時間待たされる、という感じの分布になるはずです。
この「長時間待たされたごくわずかの相談者」が平均を押し上げるのです。
ポアソン分布や待ち行列とは関係ありませんがこんなページ↓を見ると、"平均"の感覚の日常とのズレがぼんやりと分かるんじゃないでしょうか?
http://allabout.co.jp/finance/moneysingle/closeup/CU20040202/ind...
ちょっと話変わって。
待ち行列で、ρ=1の時、つまり平均到着率と平均サービス率が等しい時"平均の待ち行列長"は収束せずに無限大に発散します。
これはつまり、ある1時間を観察したときにどのぐらい待ち行列があるのか「全然予測できない」と解釈すればいいです。
似たような感じで、ρ≒1に近い仮定で分布図を書くと、すごく小さい値の線が、X軸にへばりついたように長く伸びます。
これも、どのぐらいの待ち行列長があっても不思議じゃない、どんな長さの待ち行列も同じぐらいの少ない確率で発生しうる、と解釈できます。
また話を戻すと、質問の"平均3時間"もグラフにすると、3時間の左側に山があるけれども、3時間の右側に"確率は低いが幅が広い帯"があるような雰囲気です。
待ち行列理論の"平均3時間"が、日常的な"平均3時間"の感覚と食い違っているイメージを書いてみたつもりですがいかがでしょうか。
このような回答を期待していました。
たいへん理解に役立ちました。
実稼動しているコンピュータシステムの応答時間を観察すると、
よく、平均の数倍もの応答時間を示すトランザクションを発見する場合があります。
そういったとき、そのトランザクションは例外値/特異値などとして扱い、
平均値算出に組み入れませんでした。本来は例外値ではないのかもしれませんね。
また、運用目標として95%タイルの平均値や最大値を目標サービスレベルとして設定します。しかしながら、システムのキャパシティ設計を行う場合には、
95%タイルなどとは言わずに、M/M/1 にしたがって設計しています。
つまり、運用目標に対して余裕を持った設計にしているわけですね。
これが、どの程度のバッファーになるのかもう少し詳しく勉強したい
と思います。
このような回答を期待していました。
たいへん理解に役立ちました。
実稼動しているコンピュータシステムの応答時間を観察すると、
よく、平均の数倍もの応答時間を示すトランザクションを発見する場合があります。
そういったとき、そのトランザクションは例外値/特異値などとして扱い、
平均値算出に組み入れませんでした。本来は例外値ではないのかもしれませんね。
また、運用目標として95%タイルの平均値や最大値を目標サービスレベルとして設定します。しかしながら、システムのキャパシティ設計を行う場合には、
95%タイルなどとは言わずに、M/M/1 にしたがって設計しています。
つまり、運用目標に対して余裕を持った設計にしているわけですね。
これが、どの程度のバッファーになるのかもう少し詳しく勉強したい
と思います。