真空配管の途中で冷却されているようですが、冷却後のガス温度は何度ですか?また配管の真空度はどの程度でしょうか?
大気圧状態で冷却管の中で搾り出される蒸気は、冷却管出口での飽和水蒸気量より多い部分ですから、冷却管以降のガスにも水蒸気が含まれているはずです。
また、配管内は真空になっているので凝縮した水分も再蒸発するでしょうから、その分も引いて考える必要があります。
減圧するのに、真空ポンプを使っていると思いますが、真空ポンプの方に少しずつ水分が抜けていっているので、その分水分が少なくなります。
凍結乾燥で途中の水分をためる場所が冷却層-70度ぐらいになっているもので、氷になっている状態でも、氷から直接気化(昇華といいます)して、少しずつポンプのほうに吸い出されていってしまいます。
減圧蒸留の時にはよく起こります。
原因は、真空度が高いためと、使用しているポンプの所為です。(ポンプの排気を冷却すれば出てきた水分を集められますが、オイルポンプだとオイルも回収してしまう事になります。)
回答番号2のkappagoldさんが答えているように、冷却管以降の水蒸気は真空ポンプを通して大気に放出されます。
また、冷却管の圧力(=真空配管内の圧力)がその温度での蒸気圧以下であれば水は蒸発します。よく富士山頂では沸点が低くなるのと同じ理屈です。
すみません、まだよくわかりません。機械と管とパイプはそれぞれ一体化されており、機械の作動中は絶えず真空状態を保っていて、外部に蒸気はもれません。その蒸気が蒸発するということは、蒸気という存在が世界から消える、ということでしょうか?
お書きになった方法は、一般的に行われている「減圧加熱乾燥」
のことなのでしょうか。
それなら加熱中も常にポンプで空気を抜いていますから、その
空気と一緒に水分も外へでます。
物質Aを容器に入れ、真空に「引き始めた」瞬間(厳密には重量測定直後から蒸発により重量は減少している)から、物質Aからは水分(揮発分)は抜けています。
記述のままであれば、冷却トラップは真空引き「終了後」に動作しているようです。であれば、すでに水分はポンプから外に吐き出されています。
また、冷却トラップ→タンク→真空ポンプという構成でも問題があります。物質A加熱時に真空ポンプが動作していると、やはりタンクから水分は気化してポンプの外へ。
減圧蒸留で水分量を測るのであれば、冷却トラップを使用しますが。温度は極めて低くします。(液体窒素レベルかと)トラップに凍結した状態で真空引きし、作業後にその氷を解凍して重量測定しましょう。
お答えが正しいものとして、更に教えて下さい。その後に同様の実験を行いました。前回は物質Aを細かく裁断して行ったのですが、今回は物質Aをその個体の大きさのまま、実行しました。すると、水分がほぼ計算通り抽出できたのです。前回の水分量の数倍以上です。どうしてこんなことが起こるのでしょうか?
> こんなことがあり得るでしょうか?
ありえるから、そういう結果になったんでしょ?
>あるいは、どのような条件下においてこのようなことが発生するでしょうか?教えて下さい。
「系」は実は閉じてなくて、どこかが開いている時。
物質Aの内部における水蒸気の排出される経路が長いので、初期に真空ポンプで引いただけでは、表面の水蒸気のみ排出されてしまったのではないでしょうか。裁断した物体の表面積は大きいので、初期に蒸発してしまう量が多く、真空ポンプから排出されてしまった。しかし、裁断していない方は、短時間では蒸発しなかったため、トラップに捕らえられる量が異なっているのではないでしょうか。
対象の異なる実験で、
1、 真空引きの時間(時間では厳密ではないのですが)は同じですか。
2、 繰り返して実験してみましたか。数値のばらつきを見てみましょう。
3、 最初に回答したように、真空引きの経路によって全く別の答えになります。また、加熱中は真空引きしているのでしょうか。
4、 ポンプ作動中及び蒸留中の内部気圧は計測していますか?その圧力によっても違いそうです。
(コメントを許可してもらえると、そちらにも書き込めるのでうれしいんですが、いかがでしょうか。)
弊社の機械は「水エゼクター」を利用して真空状態をつくります。上記のご説明は弊社の場合も当てはまるのでしょうか?
ありがとうございます。お答えの中に「配管内は真空になっているので凝縮した水分も再蒸発するでしょうから、その分も引いて考える必要があります」とありますが、その再蒸発した水分は、いったいどこにいってしまったのでしょうか?