司馬遼太郎の「翔ぶが如く」を読み始めました。

司馬遼太郎の「花神」、「世に棲む日日」、「竜馬がいく」がおもしろかったので、同じく幕末に活躍した西郷隆盛の生涯を描いた作品を読みたいと思って。

ところが、「翔ぶが如く」は明治政府が樹立した後の話で、征韓論のはじまりから西南戦争にかけての話と知って、がっかりしています。

西郷隆盛の生涯を想像するに、征韓論~西南戦争にかけての部分は、一番おもしろくないだろうと思っていたのに、そこしか描かれていないと知って、このまま読み続けるべきかどうか迷っています。

そこで質問です。
「翔ぶが如く」は、司馬遼太郎の幕末小説ファンにとっても読み続ける価値のある作品でしょうか?
有名な作品なので、質が悪いとは思えないのですが、正直あまり興味がわきません。
「翔ぶが如く」のおもしろみがどういうところにあるか?あるいは、読んだけどおもしろくなかったという人がいれば、その感想などお聞かせください。

また、司馬遼太郎以外で、西郷隆盛の生涯を(史実にそって)描いた小説で、他に読んでおもしろい作品があれば、教えてください。

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  • 終了:2008/05/31 02:37:36
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ベストアンサー

id:manshi No.4

回答回数9ベストアンサー獲得回数1

ポイント50pt

僕は司馬遼太郎の作品の中で『翔ぶが如く』が一番好きで、何度も読み返す本の一つです。司馬遼太郎による「人物査定」「人物比較」がコンパクトに楽しめ、一連の幕末小説の「エピローグ」、大作『坂の上の雲』の「プロローグ」的な作品だと思います。


  • 大久保ー山県ラインによる天皇制確立の過程
  • 日本の「野党」の源流
  • 征台の役の顛末。台湾の位置づけ
  • 薩摩における「城下士」と「郷士」の峻烈な差別関係
  • 佐賀の乱ー萩の乱ー神風連の乱から西南戦争へ至る過程

といった小説的ではなく、歴史的な観点で重要だと思われる部分もあります。個人的に好きな箇所は、


  • 江藤新平と西郷・大久保との比較
  • 島津久光、西郷隆盛、大久保利通という3者の間で板挟みになって苛立つ大山綱良。固陋な上司に気を使い、同僚だと思っていた輩にはアゴで使われ……怒鳴り散らす蟹江敬三の顔が思い浮かびます。
  • 萩の乱・西南戦争勃発前における諜報・謀略活動の凄み
  • 川路による悪党の見分け方

です。


でも、「西郷隆盛の生涯を(史実にそって)描いた小説」ならば、海音寺潮五郎の書いたものが無難だと思われます。

西郷隆盛 第一巻

西郷隆盛 第一巻

  • 作者: 海音寺 潮五郎
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞社
  • メディア: 単行本


敬天愛人 西郷隆盛〈1〉 (学研M文庫)

敬天愛人 西郷隆盛〈1〉 (学研M文庫)

  • 作者: 海音寺 潮五郎
  • 出版社/メーカー: 学習研究社
  • メディア: 文庫

id:uta_at_home

詳しい解説をありがとうございます。

すごく参考になります。


> 僕は司馬遼太郎の作品の中で『翔ぶが如く』が一番好きで、何度も読み返す本の一つです。

そうですか、それは素晴らしい!

こういう言葉を聞くと、読んでみたいと思いますね。


解説してもらったエピソードも、今まで他の幕末ものを読んでいた私としては、とても興味をそそられるテーマです。

がぜん、興味がわいてきました。

ありがとうございました。


海音寺潮五郎の西郷隆盛とどちらを先に読もうか、考え中です。

こちらもおもしろいですか?

2008/05/30 09:21:16

その他の回答4件)

id:melon10 No.1

回答回数162ベストアンサー獲得回数3

ポイント25pt

西郷は負けて死んでしまいますが、作中に描かれる西郷と大久保の友情や二人の考え方の違いなど面白みのある作品であると思います。

西南戦争までの経過を歴史の教科書とは違う視点で描かれていて、私自身は読んでよかったとおもっています。

お時間があるようでしたら、読むことをおすすめします。

id:uta_at_home

ありがとうございます。

そう聞くと、少し興味がわいてきました。

2008/05/29 23:23:24
id:redwing1 No.2

回答回数541ベストアンサー獲得回数3

司馬遼太郎なんてありがたがるのはサラリーマンとNHKくらいです。

id:uta_at_home

ありがたいっちゅうか、おもしろいから読んでるだけですけど。

2008/05/30 03:13:16
id:Hiromix2004 No.3

回答回数15ベストアンサー獲得回数0

ポイント30pt

これまで長州のことばかり書いてきた司馬さんが薩摩のことについて書こうとした物語です。大久保利通が現代の我々にも分かり易い政治化であったのに対して、西郷さんは何とも言葉で表現しにくい。実際に出会った人だけがその魅力を口にする。それだけに司馬さんも何とか西郷さんの核心に迫ろうとして悪戦苦闘しているようです。

実は西南戦争について詳しく知ろうと思って読み始め、まだ第3巻の半ばです。確かに彼の長編の中で一番長いし、主人公がころころ変わったり、話がなかなか進まず脇から脇にそれたりしますが、明治政府が出来たての頃の溶岩のような時期の不安定な日本の状況とそれを取り巻く群像を描こうとすると、こういう書き方しかなかったのかも知れないと、現在、はまっているところです。

id:uta_at_home

なるほどー。

たしかに長州ものを読んでいても、竜馬がいくを読んでいても、西郷隆盛は何がすごいのかよくわからない謎の人物でした。(そもそもあんまりしゃべらないし・・・)


そういえば、その人物像が知りたくて、翔ぶが如くを読んでみようと思ったのがきっかけでした。


> 主人公がころころ変わったり、話がなかなか進まず脇から脇にそれたりします

ここがけっこう心配だったんですよね。

そもそもいきなり聞いたこともないおじさん(川路)の話からはじまるし・・・


> 現在、はまっているところです。

そうですか、はまりますか。

実はこの言葉が一番聞きたかったりします。おもしろいかどうかにつきますね。

ありがとうございました。

2008/05/30 09:16:31
id:manshi No.4

回答回数9ベストアンサー獲得回数1ここでベストアンサー

ポイント50pt

僕は司馬遼太郎の作品の中で『翔ぶが如く』が一番好きで、何度も読み返す本の一つです。司馬遼太郎による「人物査定」「人物比較」がコンパクトに楽しめ、一連の幕末小説の「エピローグ」、大作『坂の上の雲』の「プロローグ」的な作品だと思います。


  • 大久保ー山県ラインによる天皇制確立の過程
  • 日本の「野党」の源流
  • 征台の役の顛末。台湾の位置づけ
  • 薩摩における「城下士」と「郷士」の峻烈な差別関係
  • 佐賀の乱ー萩の乱ー神風連の乱から西南戦争へ至る過程

といった小説的ではなく、歴史的な観点で重要だと思われる部分もあります。個人的に好きな箇所は、


  • 江藤新平と西郷・大久保との比較
  • 島津久光、西郷隆盛、大久保利通という3者の間で板挟みになって苛立つ大山綱良。固陋な上司に気を使い、同僚だと思っていた輩にはアゴで使われ……怒鳴り散らす蟹江敬三の顔が思い浮かびます。
  • 萩の乱・西南戦争勃発前における諜報・謀略活動の凄み
  • 川路による悪党の見分け方

です。


でも、「西郷隆盛の生涯を(史実にそって)描いた小説」ならば、海音寺潮五郎の書いたものが無難だと思われます。

西郷隆盛 第一巻

西郷隆盛 第一巻

  • 作者: 海音寺 潮五郎
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞社
  • メディア: 単行本


敬天愛人 西郷隆盛〈1〉 (学研M文庫)

敬天愛人 西郷隆盛〈1〉 (学研M文庫)

  • 作者: 海音寺 潮五郎
  • 出版社/メーカー: 学習研究社
  • メディア: 文庫

id:uta_at_home

詳しい解説をありがとうございます。

すごく参考になります。


> 僕は司馬遼太郎の作品の中で『翔ぶが如く』が一番好きで、何度も読み返す本の一つです。

そうですか、それは素晴らしい!

こういう言葉を聞くと、読んでみたいと思いますね。


解説してもらったエピソードも、今まで他の幕末ものを読んでいた私としては、とても興味をそそられるテーマです。

がぜん、興味がわいてきました。

ありがとうございました。


海音寺潮五郎の西郷隆盛とどちらを先に読もうか、考え中です。

こちらもおもしろいですか?

2008/05/30 09:21:16
id:mododemonandato No.5

回答回数760ベストアンサー獲得回数77

ポイント30pt

 私も何度か読み返しましたが、この本は偉人の伝記と言うより、日本的な滅びの美学というものが書かれているように思います。

 西郷さんのような偉人でも、日本的な情実から来たような事情に巻きこまれ、どうしようもなく滅んでいく、その不条理が美として表現されていると感じました。

 特に最後の西郷さんや、反乱軍の幹部が全て亡くなる場面では、何か言い難い感動があります。

 人間がどのように生き、どのように死ぬか、考えさせられるものがありました。

 とりあえず読んでみる事をお薦めします。

 きっと何か得るものが、あるのではないかと思います。 

id:uta_at_home

なるほどー。

滅びの美学というのはどちらかというと苦手な部類なのですが、

ともかく読み応えのある作品であることは間違いなさそうですね。

いろいろ興味がわいてきました。

ありがとうございます。

2008/05/31 02:29:45
  • id:manshi
    海音寺潮五郎作品は「史伝文学」で司馬遼太郎作品のような「ブレ」は少ないです。面白いかというと……ちょっと分かりませんが、読むのには多少の根気は必要だと思います。注意点としては海音寺潮五郎の西郷隆盛関連の作品は、上野(彰義隊)戦争あたりで終わっている、もしくは明治維新後はさらりと流しているものが多いです(執筆途中でお亡くなりになったため)。
  • id:uta_at_home
    manshiさん、コメントでのフォロー、ありがとうございます。

    大村益次郎を主人公にした「花神」で、上野(彰義隊)戦争は描かれているので、西郷側から見た上野戦争はどんなだったのか、それも西郷隆盛の小説を読みたいと思ったきっかけの一つなんです。

    順番は決めていませんが、海音寺潮五郎の小説もいつか読んでみたいです。



    ここらで回答を締め切ろうと思います。
    みなさん、ありがとうございました!

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