DELLが安い訳を考えてみた
というサイトがありました。
ご覧ください。
一部抜粋しました。
メーカー直販・特にオンラインストアでの直販中心
価格変動・各種キャンペーン
カスタマイズ可能
サポート体制
が以上が理由だそうです。
以前ほかのメーカーに勤めていた私個人はDellは安いとは思っていません。日本のコンピュータ商習慣に従った商売の進め方をすれば少なくともNECや富士通といった日本のコンピュータメーカーと同等かむしろ高くなるのではと推測しています。
日本のコンピュータメーカーは大手量販店はもちろんのこと訪販にも販路を頼っています。阪神大震災の直後に後に社長となったコンピュータメーカのA専務とこういった話になりました。
私「建設業が羨ましいです。私の住んでいるマンションの補修費用を見積もらせようとしたのですが、見積もりを作成するための見積もりがなんと12百万円ですよ。私らそれを無料でやらなければいけませんから」
A「この前同じことを別の会社にも言われたよ。あんたのところが見積もりを無料でやるからウチも無料にしなければやっていけないって」
それ以前にも行きつけの居酒屋にパソコンを売った部長がいて顧客名簿を全部無料で入力させられた挙句、操作説明がわかり辛いってなことで、再度顧客登録の仕方を教えて差し上げたなんてこともありました。その際、広島出張中だったのを急遽呼び戻されて、説明を聞くために1回飲ませていただくは、帰りはタクシーでした。
Dellにも法人営業はありますが、そこまでは絶対にやりません。安い分ご自身でやって下さいで終わりです。個人や社員にスキルがあって、電話サポートでトラブルの処理ができればDellのやり方で十分ですがそうでない法人が多すぎます。
http://www.contact.co.jp/blog/index.php?/archives/258_DELL.html
http://del000dell.blog100.fc2.com/blog-entry-5.html
●OS(Vistaから?)のインストール用DVDが配布されない。
(まぁ、Vistaを復元できる状態にはしてあるから初心者の人は気にならないし、そもそも気付かないかも)
●カスタマ維持に費用がかかっていない?
例のごとく、「欠品は存在しません」事件より。
(左メニュー:DELLのPC使い勝手を参照)
●実はオフィス(エクセル、ワード付き)だと極端に安いわけではない。
↑らしい。('_-)
●購入するPCの構成が微妙にカスタマイズしにくい。
・DVDドライブがかぶって2コついてきたり。読み専用のと読み書き用のヤツね。
・スピーカー、ウーファーいらないけど付いてきちゃうのね。
●マニュアルけちってる?工程削減?
(間違ってるがな。違うPC構成のヤツやろ。さらにVista買ったのにXPのマニュアルきたし・)
●電話サポート(支払金額にサポート分も含まれてるらしいけど、電話番号わからんないス)
直販モデルで、バイヤーのマージンが少ないこと。
受注生産なので在庫リスクが少ないこと。
パーツの標準化を行い、大量購入によるボリュームディスカウントができること。
というのがデルの人から聞いた話です。
下記のURLに答えは書いてあるようです。
http://master.ifdef.jp/whydell/index.html
結局、よけいな部品やソフトやサポートをつけないからで、DELLもパーツなどをプラスしていくと、メーカ製とあまりかわらなくなるようです。
電話サポートは中国人で、片言の日本語。
工場も中国で生産。
中国の物価は安いですから・・・
dellはパーツの仕入れに関して完全な前年度及び前月その他の係数を利用して
データマイニングを行って売り切り前提でぴっちりした生産管理を行っています。
また従来から生産拠点をベトナムなど人的コストの安い場所において組み立てコストを下げています。
但し、DELLの方式はベースモデルがやすく、カスタマイズしてグレードアップしていくと
パーツは高いので結構な値段になります。
それとバンドルソフトが一切無いので、それも安く見える理由です。
ビジネスユースには向いていますが、初心者や家庭向きの商品ではありません。
サポートについても中国の大連にコールセンターを設置し、専用線を用いたIP電話を利用しているようです。
営業経費についても、DELLの営業は余り外にでません。
WEBと電話で一人で担当する人数が多いのもコストが低くなる理由です。
生産・営業・広告・ベースパッケージパーツの大量仕入れ更にアプリなどのソフトをバンドルしない。
これが理由です。
ただ気をつけなければいけないのは、パソコンは各パーツの相性がありますが
DELLの製品はたまに相性の悪いケースがあり、Adobe系のソフトや通信関連で動作が不安定になる場合があるようです。
不良率が高いのも事実のようですが、他社と比較して利益率はかなり低めに設定してあるとの事です。
アジアパシフィックではサーバーやプリンタのシェアがHPと比較してかなり負けているのでチャレンジしているようです。
DELLはサーバーも激安ですが、やはりHPと比較すると安定度や信頼性には欠ける感じです。
安かろう悪かろうでも我慢できるタイプの人はDELLがぴったりです。
アメリカ人のように余り細かいことを気にしないタイプにはあっています。
べたべたの日本人のタイプで保障やディテイルを気にする人にはストレスになる商品かも知れません。
普通のパソコンメーカーは
・パソコンの部品を各業者から購入
・パソコンを組み立てて在庫を持つ
・顧客から代金をもらって、パソコンを渡す
という順番です。
在庫を持つリスク分、販売価格は高めになります。
デルの場合は、
・顧客から代金をもらって
・パソコンの部品を各業者から購入
・パソコンを組み立てて、顧客にパソコンを渡す
という順番なので、企業的に下記のメリットがあります。
・代金を先にもらっているので、資金繰りには困らない
・注文生産なので、在庫をかかえる必要がない
・パソコンのパーツは、時間が経つほどに安価になる傾向が強いので、購買費用が抑えられる
まぁ、最近のデルも一部の家電量販店で取り扱いしていますので、
全く在庫を持たないわけではないと思いますが…。
また世界最大級のパソコンメーカーでもあるので、部品メーカーから
良い条件で調達できるのも強みだと思います。製造しているパソコンの台数は
国内パソコンメーカーの比ではないでしょうから。
http://www.bk1.jp/product/02939374
上記のURLは、トーマス・フリードマンという方の著作「フラット化する世界(下巻)」です。
この本には、デルのパソコンがどのようなシステムで作られるかの記述がありまして
デルの受注システムや購買システムの凄さが垣間見れます。最近読んだ本では、小飼弾さんの
「弾言」にもデルの財務体質に言及する記述がありました。ご参考まで…。
一応教科書的にまとめて置きましょうか。
この2つにより、徹底的な経費削減ができるようになりました。パソコン会社は、PCの性能そのものがウリになっているので、パソコン製造の外注ができません。差別化要因を自ら棄ててしまうようなことはできないからです。このように、業界のルールを思い切り変えてしまうことを「破壊的イノベーション」と呼びます。しかし、DELLもこの後大きな会社になり、垂直統合した部分を暫時改良して行くしかなくなってしまいます。思い切った方向転換もできなくなるので、やがて別の「破壊的イノベーション」に脅かされるようになるはずです。
この垂直統合は一時期もてはやされました。いろいろな会社がこのモデルを採用したのですが、付加価値が低いので、大量の売り上げが必要になります。現在は得意な所だけに特化する水平分業がもてはやされているようです。
また日本市場は「手がかかる市場」です。お客さんは手厚いカスタマーサービスに慣れているでしょうし、カタコトの日本語もサービスをケチっているように考えられるでしょう。自分でパソコンを組み立てられるようなお客さんにはDELLの通り一遍のカスタマイズはモノたりなく感じられるはずです。一方、社内にIT要員の存在する大企業はよい顧客かもしれません。こういった文化の違いも大きな参入障壁になることがあります。
注文があってから作りだすから、それだけです。
日本の他メーカーで「注文があってから作りだす」なんてところ、基本、ないでしょ?
注文があったものだけを作って売り渡すということは、
基本論理として「売れ残らない」ということです。
これって、最強!
ユダヤの血を引く創業者マイケル・デルの著書にも
その秘密が隠されています。
http://www.amazon.co.jp/%E3%83%87%E3%83%AB%E3%81%AE%E9%9D%A9%E5%...
なぜ日本でできなかったのですかね…。
実行する起業家とアイディアに投資する機関がなかったからでしょうか。
やっぱり業界のしがらみがあったり…。