二種類のディスポセルを使い、可視領域(650nm)での吸光を測定していたところ、不思議な現象がおこりました。
あるサンプルをセルAで測定したところ、吸光度は1.0くらいでした。
ところが、同じサンプルをセルBに入れたところ、吸光度が1.9くらいになりました。
セルBに入れたサンプルのほうが、眼で見ても濃く見えます。
これはディスポセル一つ一つの誤差や、セルの向きによる誤差の範囲ではありません。
ブランクはセルに水を入れたもので計測し、差し引いてあります。
ちなみに、水の吸光度はセルAで0.09、セルBで0.005でした。
使用していたセルは、
A:http://www.tgk.co.jp/info/0814223507.html
B:http://www.qurl.com/bb554 の「セミミクロ」
の2種類です。
光路長はどちらも1cmです。
溶液量はそろえています。
サンプルは銅錯体の溶液(紫)です。
この吸光度の変化はどういった原因(原理)で起こるものなのか気になっています。
上に聞いてみたところ、「サンプルとセルが相互作用しているのかもしれんが、よくわからん」とのことでした。
よろしくお願いします。
>同じ機械で、石英セルにサンプルを入れて計ってみたところ、吸光度が3.4になりました・・・。
>いまのところ、光路の横幅が増えるほど吸光度が上がっています;
基本的な考え方としては、可視領域(650nm)での吸光なので、目で見てセルに汚れが無ければ吸光度に大きな違いは出ない、と考えても良いはずです。
しかし、その状況で大きな違いが出ているので、機械的な問題がある可能性が高いと思えてしまうのですがどうでしょうか。
「セルBに入れたサンプルのほうが、眼で見ても濃く見えます。」
この言葉を無視することが出来れば、セルの形状の所為と結論するのですが、どうでしょうか?
見た目の溶液の濃度は、A<B<石英で、倍、倍に増えていますか?</p>
形状が違うので、多少濃く見えること(BはAの1.3倍ぐらいに見えるなど)は、無視してください。横からの光の入り方によって、多少は違って見えます。
明らかに2倍であれば、問題ですが、そうでなければ、「セルBに入れたサンプルのほうが、眼で見ても濃く見えます。」は無視した方が良いと思います。
機械がセミミクロやミクロに対応していない場合に、このようなことがあります。
昔、ミクロに対応していない機械で同じようなことがありました。
また、機械が対応していることになっていても、光軸がずれていたりすると同じような現象が起こります。
自分でいじってみないと、なんとも言えませんが、多少のヒントでもなればと思います。
ご質問に示されているカタログによると、セルBの方が測定範囲が狭いですね。
セルA | 220~900 nm |
---|---|
セルB | 340~750 nm |
セルAの場合、750nm超の長波長側が乱反射して、650nm に影響を及ぼしているのかもしれません。セルBでは、おそらく吸収されてしまうのでしょう。
確認実験としては、650~900nm、50nm刻み程度で水の吸光度を調べてみることです。
ありがとうございます。
確認してみます。
セルの形状が異なるこのような場合、まず第一に疑うのは、光路との相性が悪く(レーザーの焦点の大きさや、ちょっとした傾きなどのずれ)、どちらかのセルがその機械に適していないということが疑います。
ディスポセルを使わないで、正確と考えられる値を他の機械で測定して、その機械と同じ値が出るセルを使用して、もう一方のセルはその機械には使わないという方法を取ります。
しかし、今回の質問では、
>セルBに入れたサンプルのほうが、眼で見ても濃く見えます。
ということですので、それ以外の原因が考えられます。
目で見ても明らかな違いが、吸光度が1.0と1.9の違いに現れていると思えるなら、片方のセルが洗浄不足で発色してしまうようなセルの汚れがついていることが考えられます。
「サンプルとセルが相互作用しているのかもしれん」というのは、材質から考えると通常考えられませんが、セルの洗浄が不十分であるということもしくは、材質のプラスチック自体に不純物が溶け込んでしまっていてそれが反応しているなどが考えられます。
そういう状況であるならば、石英セル等で測定した値と違う値が出るセルの方は捨ててしまった方が良いと思います。
「サンプルとセルが相互作用しているのかもしれん」という言葉が出るという事自体、自社の製品がきちんとした商品かどうか自信がないということなので、普通は言わないと思うのですが・・・。
ずばりの回答をかけなくてすみません。少しでも参考になれば幸いです。
ありがとうございます。
今回の実験では20種のサンプルをAとBそれぞれ20個の新品のセルで測定して、全てのサンプルで1.0と1.9の違いが見られたため、洗浄の問題ではないように思われます。
また、セル自体の吸光度はむしろBのほうが小さいので、セルの透明性の問題もない気がしています。
とりあえず、同じサンプルを石英セルに入れて測ってみようとおもいます。
ちなみに、「相互作用云々」はメーカーではなく、研究室の先輩の言葉でした。
誤解させてしまい申し訳ありません。
追記
同じ機械で、石英セルにサンプルを入れて計ってみたところ、吸光度が3.4になりました・・・。
いまのところ、光路の横幅が増えるほど吸光度が上がっています;
>同じ機械で、石英セルにサンプルを入れて計ってみたところ、吸光度が3.4になりました・・・。
>いまのところ、光路の横幅が増えるほど吸光度が上がっています;
基本的な考え方としては、可視領域(650nm)での吸光なので、目で見てセルに汚れが無ければ吸光度に大きな違いは出ない、と考えても良いはずです。
しかし、その状況で大きな違いが出ているので、機械的な問題がある可能性が高いと思えてしまうのですがどうでしょうか。
「セルBに入れたサンプルのほうが、眼で見ても濃く見えます。」
この言葉を無視することが出来れば、セルの形状の所為と結論するのですが、どうでしょうか?
見た目の溶液の濃度は、A<B<石英で、倍、倍に増えていますか?</p>
形状が違うので、多少濃く見えること(BはAの1.3倍ぐらいに見えるなど)は、無視してください。横からの光の入り方によって、多少は違って見えます。
明らかに2倍であれば、問題ですが、そうでなければ、「セルBに入れたサンプルのほうが、眼で見ても濃く見えます。」は無視した方が良いと思います。
機械がセミミクロやミクロに対応していない場合に、このようなことがあります。
昔、ミクロに対応していない機械で同じようなことがありました。
また、機械が対応していることになっていても、光軸がずれていたりすると同じような現象が起こります。
自分でいじってみないと、なんとも言えませんが、多少のヒントでもなればと思います。
>眼で見ても濃く見えます
おっしゃるとおり、これはセル形状のせいだったかもしれません。
ミクロ・セミミクロに対応していない機械があるのは知りませんでした。
たぶん、うちのは対応していないのですね;
ありがとうございました。
>眼で見ても濃く見えます
おっしゃるとおり、これはセル形状のせいだったかもしれません。
ミクロ・セミミクロに対応していない機械があるのは知りませんでした。
たぶん、うちのは対応していないのですね;
ありがとうございました。