現在、不動産ローンの過払い請求訴訟の準備中で、いくつか質問させて頂いておりますが、また不明な点がありますので質問させて頂きます。
業者に対して、過払い分の請求と、担保とされていた不動産の根抵当権抹消登記を求めていますが、裁判所から『抹消登記を求める、法律に基づいた理由(原因)』
を記載するように指摘がありました。
一応、請求の原因には
・原告は、抵当物件の土地を所有している。
・当該物件について、根抵当権設定登記がある。
の2点は記載してあります。
私としては、法定利息上の支払は既に完済しており、これ以上取引するつもりはなく、今後の運用も考えて登記上クリーンにしておきたいと思い抹消登記を請求して
いるのですが、これでは「法律に基づいたものではない」として受け付けてくれません。
上記の理由を踏まえ『法律に基づいた理由』というものはどのようなものがあるでしょうか?
よろしくお願いします。
質問文の請求原因事実は、所有権に基づく妨害排除請求権としての根抵当権設定登記抹消請求権を訴訟物とするもので、主として不実の登記を抹消する場合です。
本案の場合、根抵当権は有効に生じていますから、根抵当権の消滅原因事実を記載する必要があります。
ただし、元本確定前の根抵当権には附従性はなく、被担保債権を完済しても根抵当権は消滅しませんから、弁済だけでは消滅原因事実とはなりません。
根抵当権は、元本確定時に被担保債権が存在しなければ消滅しますから、本案の場合、この方法がよいと思われますから、まだ元本が確定していないのであれば、元本確定請求の意思表示をしましょう。
(根抵当権設定者は、根抵当権の設定の時から3年を経過したときは、担保すべき元本の確定を請求することができ、この場合において、担保すべき元本は、その請求の時から2週間を経過することによって確定します。)
根抵当権の消滅原因事実として、被担保債権が存在しないことに加え、以下のような事実が考えられます。
・原告は、本件訴状(または本件訴訟における準備書面)により本件根抵当権の元本の確定を請求した。
・同日から2週間の経過により、本件根抵当権の元本は確定した。
ご回答ありがとうございます。
少し疑問に思ったのですが、普通抵当権の場合、被担保債権が無くなればおのずと抵当権も消滅する(抵当権の抹消が可能になる(抹消の理由となる))と思いま
すが、根抵当権の場合は、被担保債権が消滅しても、根抵当権は消滅しないと思われるので、それでも債務の弁済が根抵当権を抹消する理由となるのでしょうか?
さらに何かご存じでしたらご教示ください。よろしくお願いします。
根抵当権の場合は、被担保債権が消滅しても、根抵当権は消滅しない
仰る通り、根抵当権は消滅しません。
しかし、消滅と抹消は異なる行為です。
すべての債務を返済し、根抵当権を設定する積極的な理由が無くなったのであれば、抹消の理由となります。
逆に考えると、債権者が債券を放棄するようなことがなければ、それ以外の理由で根抵当権を抹消することは難しいと思います。
こういうご時世ですので、根抵当権の抹消は厄介な問題です。
どうしても抹消申請ができない場合は、司法書士に依頼した方がいいかもしれません。
なるほど。
確かに『債務を返済し終えたのだから根抵当の抹消を求めるのに、法に基づいた原因がないと言われては、債務者が抹消を求める事が出来ないじゃないか…』と
いう疑問がありましたが、やはり、抹消の理由となるのですね。
ただ、ご回答者様が仰るとおり、あまり厄介なようであれば、弁護士、司法書士への依頼も検討してみたいと思います。
とても勉強になりました。
続けてのご回答、大変感謝いたします。
根抵当権ですから、債務を全額弁済しても消滅しません。継続取引の中で生じる債権を包括的に担保しようというものですから、一時的に何も債権がなくなったとしても、その後に生じた債権の担保をする必要があるわけですから。
担保すべき債権を確定した後に全額弁済すれば、普通の抵当権と同様に附従性により、根抵当権も消滅します。元本の確定は確定の期日が定められているならその期日になりますが、定められていないなら根抵当権設定から3年を経過すれば根抵当権設定者(つまりはo_tmpさん)から請求することが可能です。請求後2週間で元本が確定します。
裁判所が求めているのは元本の確定がされており、さらにその元本が全額弁済されていることにより、根抵当権は消滅しているという主張なのでしょう。
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/M29/M29HO089.html#10000000000000...
http://sumai.nikkei.co.jp/know/soudan/etc20070612i7000pf.html
元本確定の期日は定めていない上に、最後に根抵当権設定契約を結んでから3年以上経過してますので請求は可能だったのですが、残債務がある契約も残り1本で、
約定利息上でもほとんど完済状態だったので、あまり意味がないと思い、あえて請求していませんでした。
ただ、裁判所がその事実を知らない以上、ご回答者様が仰るとおり、とにかく現在の被担保債権額を確定させようと思います。
大変参考になりました。
ご回答ありがとうございました。
質問文の請求原因事実は、所有権に基づく妨害排除請求権としての根抵当権設定登記抹消請求権を訴訟物とするもので、主として不実の登記を抹消する場合です。
本案の場合、根抵当権は有効に生じていますから、根抵当権の消滅原因事実を記載する必要があります。
ただし、元本確定前の根抵当権には附従性はなく、被担保債権を完済しても根抵当権は消滅しませんから、弁済だけでは消滅原因事実とはなりません。
根抵当権は、元本確定時に被担保債権が存在しなければ消滅しますから、本案の場合、この方法がよいと思われますから、まだ元本が確定していないのであれば、元本確定請求の意思表示をしましょう。
(根抵当権設定者は、根抵当権の設定の時から3年を経過したときは、担保すべき元本の確定を請求することができ、この場合において、担保すべき元本は、その請求の時から2週間を経過することによって確定します。)
根抵当権の消滅原因事実として、被担保債権が存在しないことに加え、以下のような事実が考えられます。
・原告は、本件訴状(または本件訴訟における準備書面)により本件根抵当権の元本の確定を請求した。
・同日から2週間の経過により、本件根抵当権の元本は確定した。
> 根抵当権は、元本確定時に被担保債権が存在しなければ消滅します
恥ずかしながら知りませんでした。
現在約定利息上の債務は僅かに残っていますが、場合によっては、完済後、元本確定請求して根抵当権が消滅した後に過払い請求でも良かったわけですね。
3のご回答者様への返信にも記載しましたが、とりあえず元本確定請求を行なってみたいと思います。
現実に即したご回答を頂き、誠にありがとうございました。
> 根抵当権は、元本確定時に被担保債権が存在しなければ消滅します
恥ずかしながら知りませんでした。
現在約定利息上の債務は僅かに残っていますが、場合によっては、完済後、元本確定請求して根抵当権が消滅した後に過払い請求でも良かったわけですね。
3のご回答者様への返信にも記載しましたが、とりあえず元本確定請求を行なってみたいと思います。
現実に即したご回答を頂き、誠にありがとうございました。