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5つの整数がある。
その中から3つの整数を選ぶ。
その3つそれぞれの整数のn乗を考える。(n:自然数)
その和を考える。・・・★
最初どのような5つの整数が準備されていたとしても、
★を3の倍数にする組み合わせを見つけることが
可能であることを示せ。
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1.3で割ってあまりが0の数が3つあればその和は3の倍数
2.3で割ってあまりが1の数が3つあればその和は3の倍数
3.3で割ってあまりが2の数が3つあればその和は3の倍数
4.それ以外の場合は3で割ったあまりが0の数も1の数も2の数も
それぞれ2つしかないので、逆に言えば3で割ったあまりが0の数と
1の数と2の数がそれぞれ1つ以上存在する
3で割ったあまりが0の数と1の数と2の数の和は3の倍数
その5つの数は、剰余で分類すると、3n+i(ただし、i=0,1,2)の形で表すことができる。
(A,B,C)=(0,1,2),または、(0,2,1),(1,0,2),(1,2,0),(2,0,1),(2,1,0)とすると、5つの数は、次のパターンになる。「{ }」は、組合せを表すことにする。
AAAAA型:{0,0,0,0,0},{1,1,1,1,1},{2,2,2,2,2}
AAAAB型:{0,0,0,0,1},{0,0,0,0,2},{1,1,1,1,0},{1,1,1,1,2},{2,2,2,2,0},{2,2,2,2,1}
AAABB型:{0,0,0,1,1},{0,0,0,2,2},{1,1,1,0,0},{1,1,1,2,2},{2,2,2,0,0},{2,2,2,1,1}
AAABC型:{0,0,0,1,2},{1,1,1,0,2},{2,2,2,0,1}
AABBC型:{0,0,1,1,2},{0,0,2,2,1},{1,1,2,2,0}
まず、上4つのAを3つ含む型からは、AAAを選ぶ場合、3つの数を{3a+i,3b+i,3c+i}(ただし、i=0,1,2)とすると、
中国の剰余の定理から、
3a+i≡i,3b+i≡i,3c+i≡i (mod 3)であるから、
(3a+i)^n+(3b+i)^n+(3c+i)^n≡3×(i^n)≡0 (mod 3)
よって、3で割り切れる。
次に、最後のAABBC型からは、nが奇数のとき、ABCを選ぶと、3つの数を{3a,3a+1,3b+2}とすると、
3a≡0,3b+1≡1,3c+2≡2≡-1 (mod 3)であるから、
(3a)^n+(3b+1)^n+(3c+2)^n≡0+1+(-1)^n≡1-1≡0 (mod 3) (∵nは、奇数)
よって、3で割り切れる。
また、nが偶数のとき、剰余が0以外のものを3つ選べば、3つの数は、{3a+1,3b+1,3c+2}または、{3a+1,3b+2,3c+2}
(3a+1)^n+(3b+1)^n+(3c+2)^n≡1+1+(-1)^n=1+1+1=3≡0 (∵nは、偶数)
(3a+1)^n+(3b+2)^n+(3c+2)^n≡1+(-1)^n+(-1)^n=1+1+1=3≡0 (∵nは、偶数)
よって、3で割り切れる。
●中国の剰余定理
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E3%81%AE%E5%89%B...
こんな証明でいかがでしょうか。
(以下では「aのn乗」を「a^n」と表記することにします。)
まず、以下の命題(i)~(iii)が全て真であることは自明です。 (i) xを3で割った余りが0であれば、 x^n を3で割った余りは0である。 (ii) xを3で割った余りが1であれば、 x^n を3で割った余りは1である。 (iii) xを3で割った余りが2であれば、 x^n を3で割った余りは nが奇数なら2、 nが偶数なら1 である。 また、ある2つの整数 x, y を3で割った余りが等しいとき、 x^n と y^n を3で割った余りがそれぞれ等しくなることは自明ですので、 5つの整数を a, b, c, d, e とし、 0 ≦ a ≦ b ≦ c ≦ d ≦ e ≦ 2 として考えても一般性を失いません。 a, b, c, d, e の中に同じ数字が3つ以上あれば、 その中から3つを選択することによってn乗の和を3の倍数にすることができます。 (例えば (a, b, c, d, e) = (0, 1, 1, 1, 2) のとき、 3つの整数として b, c, d を選択すれば b^n + c^n + d^n は3の倍数となります。) そこで、同じ数字が3つ以上存在しない場合を考えれば十分ということになります。 そのようなケースは (0, 0, 1, 1, 2) (0, 0, 1, 2, 2) (0, 1, 1, 2, 2) の3通りしかありません。 (A) (a, b, c, d, e) = (0, 0, 1, 1, 2) の場合 (A-1) nが奇数の場合 (i)~(iii)より、a~eのn乗を3で割った余りは(0, 0, 1, 1, 2)となります。 このとき a, c, e を選択すれば a^n + c^n + e^n を3の倍数にすることができます。 (A-2) nが偶数の場合 (i)~(iii)より、a~eのn乗を3で割った余りは(0, 0, 1, 1, 1)となります。 このとき c, d, e を選択すれば c^n + d^n + e^n を3の倍数にすることができます。 (B) (a, b, c, d, e) = (0, 0, 1, 2, 2) の場合 (B-1) nが奇数の場合 (i)~(iii)より、a~eのn乗を3で割った余りは(0, 0, 1, 2, 2)となります。 このとき a, c, d を選択すれば a^n + c^n + d^n を3の倍数にすることができます。 (B-2) nが偶数の場合 (i)~(iii)より、a~eのn乗を3で割った余りは(0, 0, 1, 1, 1)となります。 このとき c, d, e を選択すれば c^n + d^n + e^n を3の倍数にすることができます。 (C) (a, b, c, d, e) = (0, 1, 1, 2, 2) の場合 (C-1) nが奇数の場合 (i)~(iii)より、a~eのn乗を3で割った余りは(0, 1, 1, 2, 2)となります。 このとき a, b, d を選択すれば a^n + b^n + d^n を3の倍数にすることができます。 (C-2) nが偶数の場合 (i)~(iii)より、a~eのn乗を3で割った余りは(0, 1, 1, 1, 1)となります。 このとき b, c, d を選択すれば b^n + c^n + d^n を3の倍数にすることができます。 以上より、5つの整数がどのようなものであっても n乗の和が3の倍数になるような3つの整数を選べることが示せました。
シンプルですが完璧と思います。