■銀行強盗は簡単すぎる■
募集元:http://q.hatena.ne.jp/1282655400
バグチャットクイズって何? という方は募集元を参照して下さい。
本クイズの本文、回答方法、注意事項はコメント欄に記載します。
回答は必ず解答欄に記載し、コメント・ブクマには回答やヒントになるものは記載しないようにしてください。
(9月4日夕方以降にオープンします)
「検証時間が取れなくて、粗(=矛盾)が残っているかもしれません」という不確定要素があるので今一つ自信はないのですが、A⇒B⇒C⇒A のパターンであるとして回答を考えてみました。
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午後2:45 - 決行5分前
三本銀行押上支店前
ルパン(銭形の扮装で)「どうもイヤな予感がするぜ。アジトに行ったらある筈のフィアットがないし、店の入り口で待ってる筈の五右ェ門も見当らねえ。気が変わって、"いつも通り"の待ち合いロビーにいるのか?」
三本銀行押上支店待ち合いロビー
次元(爺さんの扮装で)「どうもイヤな予感がしやがる。今までに不二子の情報で動いて、ろくなことになったためしはないしな。大体、どうやって拡声器で行員を抑えるつもりなんだ、ルパンは?」
スイス銀行押上営業所前
五右ェ門(虚無僧の扮装で)「どうもイヤな予感がする。先乗りしている筈の次元はまだなのか。フィアットの準備はしてあるから逃げ道は万全だが」
午後2:50 - 決行時間
ルパン「時間だ」
ルパンは三本銀行押上支店のロビーに入ると、拡声器を取り出した。
ルパン「インターポールの銭形です。この中に銀行強盗がいると通報を受けました、皆さんその場から動かないで下さい」
次元「待ってました」
次元は扮装をかなぐり捨てるとマグナムを構えた。
ルパン「なっ、次元? 何でお前がここに?」
次元「何でって、お前が呼んだんだろうが。金庫を開けるぞ」
ルパン「いや、金庫は斬鉄剣で、って五右ェ門はどうしたんだ?」
五右ェ門(スイス銀行前)「遅い。遅すぎる。合図はまだか」
午後2:55 - 決行5分後
ルパン「おい、まだ開かないのか」
次元「一流銀行の金庫がそう簡単に開くかよ。よそ見してると行員に通報されるぞ」
銭形「よーし、そこまでだ、ルパン」
ルパン「とっつあん? スイス銀行にいる筈じゃ?」
銭形「危うくだまされる所だったがな。スイス銀行に入る前に、善良な市民から通報が入ったのよ。ルパンは三本銀行にいるとね。逮捕する」
次元「どうする、ルパン?」
ルパン「退却」
次元「麻酔弾の出番だな。フィアットも準備しておいて良かったぜ」
ルパン「それがな、車はないんだ」
次元「なっ」
五右ェ門(スイス銀行前)「騒がしいと思ったら、埼玉県警のパトカー。銭形だな。計画はお流れか」
午後3:30 - 決行40分後
スカイツリー前
次元「ようやく振り切ったようだな」
ルパン「銭形のとっつあんは、相変わらずしつこいこと。……そこにいるのは五右ェ門か?」
五右ェ門「スイス銀行を襲うのではなかったのか?」
ルパン「いんや、三本銀行だ。チャットでちゃんと話しただろ?」
次元「俺も三本銀行だとチャットで……」
バイクの爆音。
不二子「ルパーン、お疲れさま」
ルパン「不二子ちゃーん♥」
不二子「ルパン、見て。私のお宝」
次元「不二子、まさかその札束……」
不二子「三本銀行からよ。行員はみんな麻酔弾で寝てるし、銭形警部はあなたたちを追っかけてるしで、こんな簡単な銀行強盗はなかったわ」
五右ェ門「すると、チャットにバグを仕込んだのもおぬしの仕業か」
不二子「あーら、いいカンしているわね。ちょっと混乱すると面白いと思って仕掛けてみたんだけど、予想外に役に立ったわ。あ、銭形に通報した善良な市民も私。じゃーね」
爆音とともに不二子が去っていく。
ルパン「不二子ちゃーん♥」
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私にとってルパン三世は、TV放送のパートⅠⅡと『カリオストロの城』ですので、キャラ設定はそこいら辺のイメージで。
ま、ベタなオチではありますが、これ以外にタイトルの「銀行強盗は簡単すぎる」を生かせるストーリーは思いつきませんでした。
「検証時間が取れなくて、粗(=矛盾)が残っているかもしれません」という不確定要素があるので今一つ自信はないのですが、A⇒B⇒C⇒A のパターンであるとして回答を考えてみました。
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午後2:45 - 決行5分前
三本銀行押上支店前
ルパン(銭形の扮装で)「どうもイヤな予感がするぜ。アジトに行ったらある筈のフィアットがないし、店の入り口で待ってる筈の五右ェ門も見当らねえ。気が変わって、"いつも通り"の待ち合いロビーにいるのか?」
三本銀行押上支店待ち合いロビー
次元(爺さんの扮装で)「どうもイヤな予感がしやがる。今までに不二子の情報で動いて、ろくなことになったためしはないしな。大体、どうやって拡声器で行員を抑えるつもりなんだ、ルパンは?」
スイス銀行押上営業所前
五右ェ門(虚無僧の扮装で)「どうもイヤな予感がする。先乗りしている筈の次元はまだなのか。フィアットの準備はしてあるから逃げ道は万全だが」
午後2:50 - 決行時間
ルパン「時間だ」
ルパンは三本銀行押上支店のロビーに入ると、拡声器を取り出した。
ルパン「インターポールの銭形です。この中に銀行強盗がいると通報を受けました、皆さんその場から動かないで下さい」
次元「待ってました」
次元は扮装をかなぐり捨てるとマグナムを構えた。
ルパン「なっ、次元? 何でお前がここに?」
次元「何でって、お前が呼んだんだろうが。金庫を開けるぞ」
ルパン「いや、金庫は斬鉄剣で、って五右ェ門はどうしたんだ?」
五右ェ門(スイス銀行前)「遅い。遅すぎる。合図はまだか」
午後2:55 - 決行5分後
ルパン「おい、まだ開かないのか」
次元「一流銀行の金庫がそう簡単に開くかよ。よそ見してると行員に通報されるぞ」
銭形「よーし、そこまでだ、ルパン」
ルパン「とっつあん? スイス銀行にいる筈じゃ?」
銭形「危うくだまされる所だったがな。スイス銀行に入る前に、善良な市民から通報が入ったのよ。ルパンは三本銀行にいるとね。逮捕する」
次元「どうする、ルパン?」
ルパン「退却」
次元「麻酔弾の出番だな。フィアットも準備しておいて良かったぜ」
ルパン「それがな、車はないんだ」
次元「なっ」
五右ェ門(スイス銀行前)「騒がしいと思ったら、埼玉県警のパトカー。銭形だな。計画はお流れか」
午後3:30 - 決行40分後
スカイツリー前
次元「ようやく振り切ったようだな」
ルパン「銭形のとっつあんは、相変わらずしつこいこと。……そこにいるのは五右ェ門か?」
五右ェ門「スイス銀行を襲うのではなかったのか?」
ルパン「いんや、三本銀行だ。チャットでちゃんと話しただろ?」
次元「俺も三本銀行だとチャットで……」
バイクの爆音。
不二子「ルパーン、お疲れさま」
ルパン「不二子ちゃーん♥」
不二子「ルパン、見て。私のお宝」
次元「不二子、まさかその札束……」
不二子「三本銀行からよ。行員はみんな麻酔弾で寝てるし、銭形警部はあなたたちを追っかけてるしで、こんな簡単な銀行強盗はなかったわ」
五右ェ門「すると、チャットにバグを仕込んだのもおぬしの仕業か」
不二子「あーら、いいカンしているわね。ちょっと混乱すると面白いと思って仕掛けてみたんだけど、予想外に役に立ったわ。あ、銭形に通報した善良な市民も私。じゃーね」
爆音とともに不二子が去っていく。
ルパン「不二子ちゃーん♥」
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私にとってルパン三世は、TV放送のパートⅠⅡと『カリオストロの城』ですので、キャラ設定はそこいら辺のイメージで。
ま、ベタなオチではありますが、これ以外にタイトルの「銀行強盗は簡単すぎる」を生かせるストーリーは思いつきませんでした。
meeflaさん一番乗りありがとうございます。こういう質問って回答が一件も付かない状態が続くと精神的によくないんですよね。meeflaさんのID見て気が楽になりました。
循環ルートとABCが誰かの回答は、
ルパン⇒次元⇒五ェ門⇒ルパンで勿論正解です。
個別にキーポイントに設定していた箇所ですが、
1それぞれの銀行に誰々があらわれたか
正解です。三本銀行にルパンと次元 スイス銀行に五右衛門です。
2逃走用の車(フィアット500)はどっちが持っていったのか
正解です。スイス銀行に五右衛門がもってっちゃいました。
3金庫の鍵開けはできたのか?
正解です。斬鉄剣を持っている五右衛門が一人スイス銀行に行っているので、開けられない状況が自然な流れかと思います。
銭形、不二子の二人も話に絡めてもらってありがとうございました。
チャットにバグを仕込んだのが不二子の悪知恵というオチまで補足いただきありがとうございました。
A: ルパン三世
B: 次元大介
C: 石川五ェ門
ルパン⇒次元⇒五ェ門⇒ルパン
ということで、小説風に解答させていただきます。
銭形のとっちゃんの格好をしたルパンは、三本銀行の裏口にフィアットを車を止めた。
車内で警察手帳と拡声器、そして麻酔ガスを無効化するカプセルを、最終確認した。
次元ちゃんは麻酔弾を持って、爺さんの格好で先に銀行に入っているはずだ。
俺は14:50に銀行に入って、警察手帳をかざしながら
「この中に銀行強盗がいると通報を受けました、皆さんその場から動かないで下さい」と、拡声器で大声で宣言すればいいんだな。ニシシシ、まっかせなさーい!
銭形のとっつぁんは、スイス銀行に行くようにちゃーんと手配したし。
俺が銀行員を抑えているうちに、次元ちゃんは金庫の開錠をする。
不測の事態には、建設途中のシンボルタワーの足元に集合だ。よ~しよし。ちゃんとわかってるんだよねー。
よし、そろそろ行くかー。
おーっと、銀行前に変な虚無僧がいるなぁ。景気づけに、一万円札を恵んでやれ。
あれ? チリーンと鐘を鳴らすかと思ったら、「ククク・・・」だってよ。へーんな虚無僧だな。
まぁー、いいかぁー。よぉーーっし、入るぞ!
おおー、爺さんがいっぱいいるねぇー。どれが次元ちゃんかわからないな。
さっすが次元ちゃん、変装が天才的に上手いねぇ。
さぁーて、それでは拡声器を取り出しまして、と・・・。
俺は警察手帳をかざしながら叫んだ。
「この中に銀行強盗がいると通報を受けました、皆さんその場から動かないで下さい!」
よっしゃあ、次元ちゃん、コンバットマグナムでおっぱじめろ!
俺が銀行員を保護するフリをしながら抑えてる間に、次元ちゃんが麻酔弾を撃って、俺たちは麻酔ガスを無効化するカプセルを噛む。
俺たち以外のみんなが寝込んだところで、次元が金庫の開錠・・・って、あっれー? 爺さんたち、みんな固まっちゃってるよ。
次元ちゃん、どうしちゃったのぉー?
銀行のすぐ外で虚無僧のフリをしていた拙者はニヤリとした。
フフフ・・・いまから10億円を奪わんとする直前に、一万円札をよこすとは、シャレがきいておる。
あやつ、なかなか余裕があるな。おっ、合図が聞こえてきたぞ。
「この中に銀行強盗がいると通報を受けました、皆さんその場から動かないで下さい!」
フッ・・・いよいよ始まったようであるな。拙者は虚無僧姿のまま銀行に入り、麻酔弾を取り出した。
銭形のとっちゃんの格好をしたルパンは、客をキョロキョロ見回しておった。
虚無僧姿の拙者をみかけて一瞬ギョッとしたようだったが、
拙者が麻酔弾を取り出すと安堵した顔で、だが不思議そうに聞いてきた。
ルパン「虚無僧の格好? お前はお爺さんじゃなかったのか?」
五ェ門「拙者はそんなに老けてはおらぬ!」
拙者はそういいながら、すぐに麻酔弾を撃った。ルパンはもがいた。
ルパン「くっ・・・麻酔、俺も吸っちまったじゃねえか・・・早く金庫たのむ・・・」
拙者は虚無僧姿のまま、うなずいた。
五ェ門「ああ、斬鉄剣で瞬殺いたそう」
ルパンはろれつのまわらない声で言った。
ルパン「斬鉄剣? おまへなにひってふの・・・」
いかん! ルパンめ!! まともに麻酔ガスを吸い込んだな。
お互い、カプセルを噛むタイミングくらい心得てる筈だが・・・。
これは金庫どころではござらん。拙者はささやいた。
五ェ門「ルパン! 今回は失敗だ。即座に退散いたそう。拙者を追いかけるフリをしてお前も逃げろ!」
ルパンはヨロヨロ走ってきた。
ルパン「待てぇーーへーいぃ、次元ー!」
ああもうこやつ、自分が五ェ門ってことすら理解しておらぬ!
拙者は銀行の裏手に回った。鍵のついたままのフィアットがあった。
五ェ門「ルパン! 早く乗らぬか! 建設途中のシンボルタワーの足元まで参るぞ!」
ルパン「ふへ、追いついた、ぞ、次元ー! すまん、失敗した。早く頼む・・・」
拙者は舌打ちしながら、ふぃあっとをスタートさせた。
五ェ門「どうも外車は勝手が違っていかん・・・」
そのころ次元は、お爺さんの格好をしてスイス銀行のロビーにいた。
もうすでに銀行の裏口には五ェ門がフィアットで到着しており、今頃は入り口付近で虚無僧の格好をしているはずだ。
俺が派手にマグナムではじめたら、五ェ門も乗り込んできて銀行員を抑え、金庫を開けてくれる。
あとは二人で金を奪ってフィアットで逃走だ。よぉーーーーし! 時間だ!
俺はマグナムを取り出すと、天井に向けてぶっ放した。
「みんな動くな! 俺たちは銀行強盗だ。手荒な真似はしたくねぇ。俺たちの邪魔さえしなけりゃいいのさ。俺たちは・・・俺たちは・・・」
おおい五ェ門、早く入ってこいよ!
そこに渋い、聞きなれたダミ声が響いた。
「刑事の前で銀行強盗とはいい度胸だな次元! 今日は一人か!」
ええええええっ! なんで銭形がここに・・・。
ヤバい! この計画は失敗だ! さっさとフィアットで逃げよう!
俺はあわてて銀行から駆け出し、裏口に回った。
虚無僧姿の五ェ門が待ってるフィアットが・・・ない。五ェ門め、逃げやがったな!
畜生!! 押上シンボルタワー下で会ったらとっちめてやる!
lionfanさん回答ありがとうございます。
まず、ABCが誰か、と循環の向きですが、勿論正解でございます。
1それぞれの銀行に誰々があらわれたか
う~ん残念です。三本銀行にルパンと次元 スイス銀行に五右衛門を正解としていました。
ルパンがどっちに行くかはちょっと分かりにくかったですね。明確に五右衛門の言葉を否定する言質はいれず「そんなことより」と言下に否定しているだけですので。
ただ、その後、ルパンは「スイス銀行に銭形を向かわせる」算段を取っているので自分からスイス銀行に向かう行動は否定できるかと。
2逃走用の車(フィアット500)はどっちが持っていったのか
予定の正解はスイス銀行に五右衛門がもっていく、でした。
3金庫の鍵開けはできたのか?
予定の正解は、斬鉄剣を持っている五右衛門が一人スイス銀行に行っているので、開けられない状況が自然な流れかと思います。
検証し切れていない粗というのが、自分の想定していたルートと逆のパターンを取ったときにも整合性よく話が進んでしまわないか? ということだったのですが、思ったより矛盾点が少ないのと、ルパン・次元・五右衛門っというスーパーマンキャラを使ったことで「どんなトンでも展開でも推測しうる」のがよくなかったかもですね。
何はともあれ回答ありがとうございました。また毎度毎度、新しい主旨の質問提供楽しく参加させていただきました。
(実は回答にコメントいれるのが、頭を一番使いました。)
回答です。
『や』 『っ』 『ぱ』 『上』 『着』 『は』 『緑』 『だ』 『ぜ』
「あ、青島君」
「はい、課長」
「ちょっと、ちょっと、たのみが」
「事件ですか、それとも雑用ですか」
「半々。悪いけど。」
「半分事件なら、仕方ないですね。で、なんですか」
「インターポールから、えらい人が来るんだって。でね、その人の捜査を案内して欲しいんだ」
「それじゃ、外人ですか。英語、微妙ですよオレ」
「いや、日本人。江戸っ子だよ、生粋の」
「じゃあ、案内いらないんじゃ」
「最近日本に来てないそうだから、よろしく。じゃあ頼んだよ。」
「課長」
「君も係長になったんだから、ちょっとは偉い人の接待もしないとね」
「かぁーちょー」
その日は、朝から忙しかった。係長ともなるといろいろ大変だ。
「係長、お電話です」
「あ、オレ?はいはい。 お電話変わりました、青島です」
「インターポールの銭形だ。早速だが、案内して欲しいところがある。」
しまった、インターポールの偉い人の案内があったんだっけ。
「はっ。銭形警部。今どちらですか、まずはご挨拶と思っておりま」
「ええい、そんな暇は無い。ルパンだ、ルパンが東京にいるんだ。こうしちゃいられん。」
「警部、では今どちらに」
「夢の島だ。最終回でルパンを追い詰めた場所だぁ。」
夢の島って、最近聞かないよなぁ。
「っと、青島君」
「はい?」
「都知事と同じ字を書くのかね、青島って」
「警部、今の知事は石原です。青島知事は亡くなりました。」
「ええっ、日本を離れると、いろいろ変わるんだなぁ。」
オレは、湾岸署を出ると、大田区のごみ焼却場に向かった。
高い煙突の見える交差点で、茶色のよれよれコートに変な帽子の大男が、派手に手を振っている。
「警部、銭形警部」
と、声をかけた。銭形警部は、車に飛び乗ると、
「ルパンだぁ、ルパンを追えぇ」
と騒ぎだした。オレは助手席に
「警部、事件はどこで」
と聞く。
「スイカツリーって所の近くらしい。知ってるかスイカツリーって。」
「スイカツ… スカイツリーですね。東京タワーより高い塔ですよ、建設中の。墨田にあります」
「東京タワーより高いのか。時代は変わるなぁ。っと、押上にあるスイス銀行に、今日午後ルパンが現れる。という情報がきてるんだ。」
「銀行強盗ですか。今日の午後。…ってもう2時ですよ。急ぎましょう。」
「誰に変装するんだぁ、ルパン」
「墨東署に連絡して、応援を頼んでおきます」
オレは道を急いだ。今時銀行そのものを襲うなんて奴が、日本にいるとも思えないが。
だいたい、銭形警部は声が大きすぎる。オレも声がデカイが、それ以上だな。
「ルパンは、どんな手口なんですか」
「変幻自在だが、たいていは変装して侵入して騒ぎを起こして、金庫を切り捨てて盗んで逃げる。」
「切り捨てるって… 誰に変装するのが多いんです?」
「オレだ。」
「え、警部ですか。じゃ、今ルパンでもわからないんじゃ」
「そうだ、その可能性を考えて行動してくれ。そうじゃないと、ルパンは捕まえられん。」
「は、はぁ」
視界の隅に、スカイツリーが見えてきた。墨田区に入ったのだ。
「警部、アレがスカイツリーです。銀行も近くにあります」
「これは、カーナビか?この辺には銀行が多いな」
「ええ、銀行を表示しましょう。住菱銀行がここ、いかほ銀行がそこで、三本銀行が今左に見えるところです。スイス銀行はその先、ここです。」
「2時半か。奴なら3時直前に現れるだろう。」
オレは、三本銀行の横に、なにか見慣れた人物がいたような気がしたが、先を急いだ。もう時間が無い。2時40分にスイス銀行横に車を寄せると同時に、銭形警部は飛び出していく。意外に機敏だ。
「この中に銀行強盗がいると通報を受けました、皆さんその場から動かないで下さい」
銀行の扉を開けながら、警部は叫んでいる。右手に拡声器、左手にはインターポールの警察章が光っている。オレも動かないで、と大声で言いながら銀行に飛び込む。すると、
「伏せろ!」
と銭形警部に、頭を押さえつけられた。脱ぎかけて持っていたオレのコートが、床を滑って行く。オレの頭の上を弾丸が飛び交う。聞いたことも無い銃声だ。
「マグナムだ。次元だな。ルパンはどこだ」
と、銃を乱射している爺さんが、銭形警部の方へ走ってくる。
「おいルパン。何してる。早く金庫へ」
え、こいつはやっぱりルパンなのか。
「ルパン、確保だ。」
オレは、銭形警部に見えるルパンに手錠をかけた。ルパンは
「オレじゃない、あいつだ、次元を捕まえろ。ルパンは別にいるはずだ」
と叫んでいる。見ると、次元と呼ばれた男は、
「ちっ、逃げるが勝ちだ、じゃあなルパン」
と扉から外へ飛び出していく。それを追う銭形だかルパンだかわからない奴に引きずられて、オレは外にでた。携帯が鳴っている。
「はい、青し」
「青島ぁ、どこにいる」
「スイスぎ」
「三本銀行押上支店で強盗だ。銭形警部がいるらしい、何してるお前」
銭形ルパンに引きずられて、町を駆けながらオレは電話を切った。三本銀行は少し遠い。
パトカーの音が近づいてくる。ミニパトが荒っぽく脇に止まる。
「乗って!」
助手席の婦人警官に引きずり込まれるように、銭形ルパンと一緒にミニパトの後部座席に押し込められる。急発進したミニパトは、町を爆走する。たちまち次元爺さんを追い抜く。
「あ、そいつ犯人の一人」
「先に三本へ」
ミニパトは、豪快にスライドして三本銀行裏に止まる。
「青島さん、行くよ!」
ミニパトを二人の警官が飛び出し、オレも銭形ルパンとかたまりになって歩道に落ちる。と、目の前を細い足首が駆け抜けていく。その後姿に、オレは眼を疑った。銭形警部なのだ。
「あ」とオレ。横でルパンかもしれない奴が叫んでいる。
「ばかやろう、そいつがルパンだ。追えー」
その頭を虚無僧が踏んでいく。右手が一瞬動く。
ミニパトが二つになった。
「またつまらないものを切ってしまった」
オレの耳に、なぜか一瞬三味線の音がよぎる。
「斬鉄剣、五右ェ門か。おい行くぞ。あいつがルパンだ。オレじゃない。」
警部は走り出す。手錠をはずしながら、オレも後を追う。
後ろで、
「あぁー私のミニパトがぁ」
という声が聞こえたが、気にせず追う。前の方の銭形は、帽子を投げ、コートを脱ぎ、顔に手を当てている。角を曲がると、エンジン音が。
「とぉーっつあん、あーばーよー」
眼の前を小さな白い車が走り抜けていく。窓から緑色のジャケットが見える。
「くっそぅルパンめぇ。」
銭形警部は、地面を叩いて悔しがっている。オレも、消えていくフィアット500の丸い形をあきらめ顔で見送っていた。
「なんで次元と別行動なんだぁ。ルパンめ、何をたくらんでる」
「青島さん、銭形警部」
後ろに、婦人警官が二人立っていた。美人警官二人が手招きする方に行くと、半分になったミニパトにパソコンが置いてある。
「墨東署の辻本です。こっちは小早川です。お二人に聞いてもらいたいものがあって。」
「盗聴器です。2個あります。こちらがスイス銀行を襲った犯人の背中に。」
「次元だな」
「こっちが三本銀行の、フィアットに」
「ルパンか」
オレは驚いて
「どうやって」
「辻本が盗聴器を投げ入れました。」
小早川という警官が、こともなげに言う。それに、この装備どうなっているのか。
「こっちを聞いてみましょう」
<ザー… くそ、ルパンだと思ったら捕まってやがる。なんだって、ルパンは警官を連れてるんだ。そういえば、ルパンと打ち合わせしてないな。いつもと同じに銭形に化けてくると思ってたからなぁ。しょうがねえ集合場所に急ぐか…>
「独り言ですねぇ。じゃあ、こっち」
<五右衛門、金庫ありがとな。やぁっぱ斬鉄剣はすげぇや。ふーじこちゃんが来なかったけど、とりあえず情報どおりだったな。それに、次元はどうしたんだ。麻酔弾がなかったから、ヒヤッとしたぜぇ。それは、拙者が持っておるが、斬鉄剣で充分と思ってここにおいてあるが。なぁんだ、でも次元はどこだ?それに、とっつあんがなんでこっちにいるんだぁ。スイス銀行に3時ごろまではいるはずだったんだが。ま、とりあえず、集合場所へいこうか。とっつあんも見えなくなったし。スカイツリーへいくぜ。ルパン、これなんだ?あ、盗 キーン ザーーー>
「あん、壊されたぁ。」
「スカイツリーが集合場所だ」
「行きましょう」
オレたちは、隣のパトカーに乗り込み、発進した。反対車線を、黒ずくめのナナハンライダーがすれ違う。と、急にUターンし、加速して走り去っていく。その方向には、スカイツリーが見える。オレ達のパトカーもそこへ向かう。
<ザー… スカイツリーはここか。パトカーが多いなぁ。上るか… あ、おい、富士子か。何でお前が来るんだ。上に行くのか?俺も?ルパンがいる? あ、おいルパン、なんだって捕まってん あ、銭形かぁ、日本にいるのか。え、三本銀行?なんでそこ… おお、それが今日の あ、富士子待て。 るぱーんありがとねぇん。>
盗聴器を聞きながら、オレたちはスカイツリーについた。見上げると、青い空に黒い翼の大きな蝙蝠が飛んでいる。
「あ、富士子。あのやろう」
銭形警部が、それを見上げて叫ぶ。
「ルパンは、どこだぁ」
<ふーじこちゃんを追わないと。下には銭形が。拙者が切ってす 多すぎる 空から行こう え。え。 また、あれかよ。そうそう、早く服脱いで。おい、今昼だぞ。仕方ないだろ、早く行かないとふーじこちゃんが逃げちゃう。ほれ、えっほえっほ。いくぞ>
スカイツリーから、へんな凧の様な飛行機が飛び出してきた。貧弱な翼の下に、三人の男が連なって座っている。どうやら、3人とも下着一枚のようだ。
「とおーっつあん、あーばーよー」
「くっそう、またしても。ルパン、今度は捕まえるからなぁ」
「まぁーたぁーなぁー。 へっくしょん」
よたよたと、飛行機は飛んでいく。
「銭形警部」
「ああ、青島君」
「いつも、ここで終わりですか?」
「そうだ、ルパンはこうして捕まらない。」
「小早川さん、これってなんとかならない?」
「夏実、なんか投げる?」
「とどかないなぁさすがに」
「違うでしょ。SATの隊長に連絡し」
銭形警部がオレの方に振り返る。
「青島君。」
「はい、銭形警部」
「そうじゃないんだよ。ルパンが終わっちゃうだろ。ルパンは永遠に続くんだよ。」
もう飛行機は見えなくなった。
「ねえ、レーダーで見えないの美幸。」
「金属少なそうだから、ビルの近くだとわからないわ。」
「逮捕しそこなっちゃった」
ふと見上げると、上からなにか降ってくる。それが、オレの背中に引っかかった。
「青島君、君は緑が似合うな。」
オレの肩の上に、ルパンのジャケットが乗っている。
「しょうがねぇなぁ、これはあずかっておこう」
じゃあな、ルパン三世。また会おうぜ。
A ルパン三世
B 次元大介
C 13代目石川五ェ門
※ 全然与えられた伏線を生かしきっていません。すみません。しかも、長いし。その割りに推敲してません。読みにくいです。もう、言い訳バージョン。
ひたすらルパンへのオマージュを書いてます。ぜひ緑ジャケットのルパンで読んでください。私にとっては、第一シーズンとカリオストロだけがルパンでした。ではでは。
ルパン⇒五右ェ門⇒次元⇒ルパン で書いてます。逆でもなんとかなりましたが、次元仲間はずれの方がいいかなという感じでした。
takejin さん、回答というかもはやSSですね! ありがとうございます。
かなりのノリノリで書いていただいたようで、途中からこれが自分の質問への回答だということをすっかり忘れて読ませていただきました。
設問のキーポイント部分は設定していたのですが、そんな細かい設定を全て吹っ飛ばす勢いの楽しい内容で終始ニヤニヤしながら読ませていただきました。
青島君とルパンの競演にルパンの変装術をうまく取り入れたドタバタ展開は、版権さえ許せば次の「踊る!シリーズ」に十分使えるんじゃないか、と期待させてくれました。
ルパン=カリオストロ の方が多いですね。私もその口なので、ギミックにフィアットを使ったり、不二子は最後に美味しいところで現れるパターンを取りました。
期待した正解パターンではなかったですが、どうもルパン、次元、五右衛門という何でもアリのキャラクターを配置した質問者のミスのような気もしてきました。
また次の機会がありましたら宜しくお願いいたします。
meeflaさん一番乗りありがとうございます。こういう質問って回答が一件も付かない状態が続くと精神的によくないんですよね。meeflaさんのID見て気が楽になりました。
循環ルートとABCが誰かの回答は、
ルパン⇒次元⇒五ェ門⇒ルパンで勿論正解です。
個別にキーポイントに設定していた箇所ですが、
1それぞれの銀行に誰々があらわれたか
正解です。三本銀行にルパンと次元 スイス銀行に五右衛門です。
2逃走用の車(フィアット500)はどっちが持っていったのか
正解です。スイス銀行に五右衛門がもってっちゃいました。
3金庫の鍵開けはできたのか?
正解です。斬鉄剣を持っている五右衛門が一人スイス銀行に行っているので、開けられない状況が自然な流れかと思います。
銭形、不二子の二人も話に絡めてもらってありがとうございました。
チャットにバグを仕込んだのが不二子の悪知恵というオチまで補足いただきありがとうございました。